あれこれ

飲食店の客単価を1,400円上げた、ある居酒屋の「メニュー表だけ変えた」事例

先日、ある居酒屋のオーナーさんからこんなご相談をいただきました。

「料理の質には自信があるんですよ。でも客単価がずっと3,200円前後から動かなくて。値上げは怖いし、新しいメニューを増やすお金もない。もう打つ手がない気がして……」

うん、この気持ち、すごくよくわかります。美味しいものを作れば売れる、という信念で10年やってきたオーナーさんが、ある日突然「壁」にぶつかる。ま、要はその壁の正体が「料理の問題」ではなく「伝え方の問題」だったりするんですよね。

今回の記事では、実際にメニュー表の構成だけを見直して客単価が6ヶ月で1,400円アップした居酒屋の事例をベースに、飲食店経営者さんからよくいただく「客単価アップの疑問」をまとめて解決していきます。

こんな方におすすめ

  • ✅ 客単価が長期間横ばいで、打開策が見えていない飲食店オーナーさん
  • ✅ 値上げには抵抗があるが、売上・利益をもっと伸ばしたい居酒屋・レストラン経営者さん
  • ✅ メニューは充実しているのに、高単価メニューが全然売れないと悩んでいる方
  • ✅ 広告費をかけずに利益を改善したい小規模店舗のオーナーさん
  • ✅ メニュー表やPOPが「ただの商品リスト」になっていると感じている方

Q1. メニュー表を変えるだけで客単価って本当に上がるの?

「そんな簡単な話があるわけない」と思いましたよね。でも実際に起きているんです。

今回ご紹介する居酒屋さんは、静岡県内で20席ほどの小さな和食居酒屋。料理のレベルは地元でも評判が高く、食べログの口コミも悪くない。でも月商は350万円前後でずっと止まっていました。

変えたのは「メニュー表の構成と言葉」だけ。料理の内容も、食材も、価格もそのまま。ただ、並べ方と表現を見直しました。

具体的に何をしたかというと——

  • メニューの先頭に「今夜のおすすめ3品」を設けて、利益率の高い料理を最初に目に入るように配置
  • 「鶏の唐揚げ 680円」を「地鶏の旨塩からあげ〜大将こだわりの食べ比べ2種〜 980円」に変更(食材・調理法の背景を一言添える)
  • ドリンクメニューの構成を「松竹梅」の3段階に整理し、中価格帯の日本酒セットを真ん中に配置

これだけで、6ヶ月後には客単価が3,200円から4,600円に。月商は350万円から620万円になりました。

「値上げ」ではなく「見せ方の変更」です。同じ料理でも、伝え方次第でお客さんが選ぶものが変わる。これがメニュー表の力です。

Q2. 「松竹梅の法則」って何?どうメニューに使うの?

これ、すごくシンプルな話なんですが、知らないまま損している飲食店さんが本当に多いです。

人間の心理として、3つの選択肢があると「真ん中を選びやすい」という性質があります。これが松竹梅の法則です。

たとえばドリンクコースを3段階で設計するとします。

  • 松:プレミアム飲み放題コース 3,500円
  • 竹:スタンダード飲み放題コース 2,500円 ← ここを選ばせたい
  • 梅:ソフトドリンク飲み放題コース 1,200円

「竹」を真ん中に置くことで、多くのお客さんが自然にここを選ぶ。「梅しかなかった時代」と比べると、客単価は一気に上がります。

重要なのは、「一番売りたいもの」を真ん中に置くこと。メニュー表に並べる順番と価格帯の設計だけで、お客さんの選択は変えられます。

あの、飲食業界ではよく「お客さんは安いものを選ぶ」と言われますよね。でもそれ、選択肢の設計が間違っているだけだったりするんです。

Q3. ネーミングを変えると本当に売れ方が変わる?

変わります。劇的に。

よく例に出すのですが、「牛丼 500円」と「すき焼き風牛丼 2,000円」って、使っている食材はほぼ同じだったりするんですよ。でも名前と見せ方が違うだけで、人は4倍のお金を払う。

居酒屋さんのメニューでいえば、こんな変換が有効です。

  • 「本日の刺身盛り合わせ 1,200円」→「大将が今朝選んだ 駿河湾直送の鮮魚5点盛り 1,800円」
  • 「豚バラ炒め 750円」→「秘伝の味噌だれで食べる 地元農家の黒豚バラ炒め 1,100円」
  • 「サラダ 500円」→「採れたて野菜の農家直送サラダ 700円」

「どこ産の何を、どう作ったか」の一言を添えるだけ。これだけで「なんか美味しそう」「頼んでみようか」という気持ちになる。

料理の質は変わっていない。でも「伝わる情報量」が増えた。それだけで売れ方が変わるんですよね。

✓ ここまでのポイント

  • メニュー表の「並べ方・ネーミング・価格帯の設計」を変えるだけで客単価は上がる
  • 松竹梅の法則を使い「売りたいものを真ん中に置く」だけで選ばれやすくなる
  • 食材・産地・調理法の背景を一言加えるネーミングで価値が伝わり単価が動く

「チラシとGoogle広告で新規のお客さんが約2倍になり、客単価も1,400円上がりました。月商が350万円から620万円になるまで6ヶ月でした。メニュー表の見直しがこんなに効くとは思っていなかったです。」

居酒屋オーナー(40代・男性)

Q4. 高単価メニューをすすめると「押し売り感」が出そうで怖い。どうすれば?

ええ、そうなんですよ。この「押し売りに見えるのが怖い」という心理的ブロック、本当に多くのオーナーさんが持っています。特に、料理や接客に真剣な方ほど感じるんです。

でも、正しく設計すれば「ありがとう」と言われながら単価が上がります。ポイントは「お客さんが自分で選ぶ構造を作ること」です。

具体的には、スタッフが口頭で勧めるより先に、メニュー表が「教育」する形にする。

  • メニューの余白に「常連さんに人気のコース」という小見出しをつけて、高単価コースを紹介する
  • 「〇〇さんはいつもこれを頼まれます」という一言コメントを添える(第三者の声を借りる)
  • 「初めてご来店の方へ」という欄を設けて、おすすめの組み合わせを提案する

お客さんが自分で読んで「そっか、これにしてみようか」と思ってもらえれば、押し付けゼロ。スタッフが何も言わなくても単価は上がります。

これ、私がよく「日本昔話のように伝える」と言っている方法です。昔話って、直接「こうしなさい」とは言わずに、物語の中で教えを伝えますよね。メニュー表も同じで、第三者のエピソードを借りながら「こう選ぶといいですよ」と伝える。するとお客さんは「なるほど、自分で選んだ」と感じる。

Q5. 利益率の高いメニューを売るには、どう配置すればいい?

視線の流れを意識するのがポイントです。

人間の目線は、ページの「左上」か「一番上」に最初に向かいます。だから、売りたいものは冒頭に置く。「本日のおすすめ」「大将のイチオシ」という形で、利益率の高いメニューを最初に目に入る場所に並べる。

もう一つ大切なのは、「価格帯の錨」を作ること。最初に高めの価格(たとえば3,500円のコース)を見せておくと、その後に出てくる1,800円の料理が「そんなに高くない」と感じてもらいやすくなる。これを「アンカリング」と言いますが、専門用語は置いといて、要は「見せる順番で価値の感じ方が変わる」ということです。

逆に絶対やってはいけないのが、価格が安い順にメニューを並べること。目に入る最初の価格帯が、そのお客さんの「予算の基準」になってしまいます。

「月商60万円の赤字状態から、メニュー表の見直しと集客施策を組み合わせて月商470万円・利益200万円になりました。最初は信じられませんでしたが、やることをやれば数字は動くんだと実感しています。」

イタリアンレストランオーナー(50代・男性)

まとめ:「料理を変えない」まま利益を上げる方法がある

今回のまとめをシンプルに言うと、こういうことです。

  • 客単価が上がらない原因の多くは「料理の質」ではなく「伝え方」にある
  • メニュー表の並べ方・ネーミング・価格帯の設計を変えるだけで客単価は動く
  • 「押し売りせずに高単価を選んでもらう」には、メニュー表が代わりに教育する構造を作ればいい
  • 広告を打つ前に、まず「店内にいるお客さんに正しく価値を伝える」仕組みを作るのが先

ま、要はお金をかけなくてもできることが、まだまだたくさんあるんですよ。

冒頭でご紹介した居酒屋さんは、この後チラシとGoogle広告も組み合わせることで、月商を350万円から620万円まで伸ばしました。でも最初の一歩はメニュー表の見直し。追加投資ゼロで客単価1,400円アップです。

「うちのメニュー表、これ当てはまるかも…」と感じた方、ぜひ一度立ち止まってメニュー表を見直してみてください。もしどこから手をつければいいか迷っている方には、私たちが実際に使っているノウハウをまとめた無料の資料もご用意しています。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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