「名物にならない料理」が陥る3つの罠

こんにちは
ハワードジョイマンです。

名物料理、名物メニューを作るうえで大事なことは、
「名物にならない原因」を理解することです。

なぜなら、実に多くの飲食店が、

・味は悪くない
・むしろ美味しい

それでも「名物メニュー」が生まれません。

これは、
料理人としての才能や努力が足りないからではありません。

ほとんどの場合、知らず知らずのうちに“罠”にハマっているだけです。

そこで今回は、
全国の繁盛店・伸び悩み店の事例を分解して見えてきた
「名物にならない料理」が必ず陥る3つの罠を、
経営者目線で整理していきます。

罠① 「全部うまい」罠

記憶に何も残らない

まず一番多いのが、この罠です。

どの料理もそこそこ美味しい
おすすめを聞くと「全部です」と答えてしまう。

・メニュー数が多い

こうした状態、心当たりはないでしょうか。

一見すると、お店としては理想的に見えます。
ですが、名物という視点で見ると、致命的です。

人は
「良かった店」ではなく
「◯◯がある店」を覚えます。

「全部おいしかった」という感想は、
実は記憶のフックが何も残っていない状態なのです。

この罠にハマっているお店では、現場で次のようなことが起きています。

初来店のお客さんが、何を頼めばいいか分からない
・スタッフごとにおすすめが違う
・紹介するときに一言で説明できない

結果として、
「もう一度行こう」と思う理由が弱くなります。

回避策はシンプルです。

名物は、
1つでいい。むしろ1つしかいりません。

それ以外の料理は、
「名物を引き立てる脇役」として位置づけ直す。

これだけで、店の記憶され方は大きく変わります。

罠② 「こだわり過剰」罠

・お客さんが置いていかれる

次に多いのが、真面目な店ほどハマるこの罠です。

・原材料の説明が長い
・製法が専門的
・店主の想いが前に出すぎている

もちろん、こだわり自体は悪いものではありません。
ですが、名物という観点では注意が必要です。

お客さんは
「理解したい」のではなく
「分かりたい」のです。

専門用語が多くなればなるほど、
料理は注文しにくい存在になります。

この罠にハマっている店では、

POPが読まれない
説明が必要な料理になる
結果としてスタッフ依存になる

という状態が起きがちです。

回避策は、
こだわりを捨てることではありません。

こだわりの伝え方を変えることです。

・専門用語を削る
・説明を1行にする
・感情に変換する

例えば、

〇〇産△△を低温熟成

ではなく、

「噛んだ瞬間、旨みが広がる一皿。この食材と出会った時、ぜひ、お店で出したいと思い、漁師さんと直談判して仕入れができるようになりました。」

こう変えるだけで、
料理は一気に「選ばれやすく」なります。

罠③ 「日替わり・期間限定」罠

・育つ前に消える

三つ目は、意外と見落とされがちな罠です。

日替わりメニューが主役になっている
期間限定メニューを頻繁に入れ替えている
看板商品が定まっていない

名物メニューは、
時間をかけて育つものです。

出たり消えたりする料理は、
お客さんの記憶に定着しません。

この罠にハマっていると、

常連しか分からない
新規のお客さんが注文できない
口コミに残らない

という状態になります。

回避策は明確です。

名物候補は固定する
最低でも1年以上は継続する
「今日あるか分からない」をなくす

名物は、
いつ行っても「それがある」から名物になります。

3つの罠に共通する真実

ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。

3つの罠に共通しているのは、
「店側の都合」が前に出ているという点です。

名物メニューとは、

お客さんが選びやすい
話しやすい
説明しやすい

お客さん基準で設計された料理です。

まとめ(超重要)

名物にならない料理は、
悪い料理ではありません。

ほとんどの場合、
設計されていないだけです。

今ある料理の中からでも、
名物は十分に生み出せます。

必要なのは、
味を変えることではなく、
見せ方・立たせ方・育て方を変えることです。

あなたのお店にも、
まだ気づかれていない「名物の種」が、
きっと眠っています。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。