先日、居酒屋を営む会員さんからこんな相談がありました。
「ジョイマンさん、うちの月商は450万円くらいあるんですけど、なぜか手元にお金が残らないんです。スタッフも頑張ってくれているし、お客さんも来てくれている。でも、毎月なんとなく消えていく感じで…」
この相談、ほんとうによく聞くんですよ。売上は立っている。でも手元にお金が残らない。これ、飲食店経営の「あるある」の中でもトップクラスに多い悩みです。
で、私がまず最初にやるのが「利益率の確認」なんですね。売上ではなく、利益率から話を始める。なぜかというと、利益率をたった5%改善するだけで、年間の手取りがかなり大きく変わるから。今回はこれを具体的な数字で見ていきましょう。
こんな方におすすめ
- ✅ 売上はあるのに手元にお金が残らないと感じている飲食店オーナー
- ✅ 利益率の改善が年間どれほどのインパクトをもたらすか知りたい方
- ✅ 値下げや集客以外の方法で収益を上げたい方
- ✅ 「逆算経営」という考え方を実際の数字で体感したい方
- ✅ 食材費・人件費・光熱費の上昇に悩んでいる飲食店経営者

まず「利益率5%」がどういう規模感なのかを整理する
飲食店の平均的な利益率(営業利益ベース)は、業態にもよりますが5〜10%程度と言われています。つまり、月商500万円の店なら営業利益は25万〜50万円くらい、というイメージです。
ここで「利益率が今より5%改善する」というのがどういうことか。
たとえば今の利益率が5%だとすれば、改善後は10%になります。月商500万円の店舗で計算すると…
- 改善前:500万円 × 5% = 月25万円の利益(年間300万円)
- 改善後:500万円 × 10% = 月50万円の利益(年間600万円)
差額は年間300万円。売上はまったく変わっていないのに、年間300万円手元に残るお金が増える。これが利益率5%改善のインパクトです。
月商300万円の店でも計算してみましょう。
- 改善前:300万円 × 5% = 月15万円(年間180万円)
- 改善後:300万円 × 10% = 月30万円(年間360万円)
年間180万円の差。これ、かなり大きいですよね。子どもの教育費、設備投資の原資、万が一のときの内部留保。その全部に直結してくる数字です。
ステップ1|今の「本当の利益率」を計算する
多くの飲食店オーナーさんが、自分の利益率を正確に把握していません。「なんとなく儲かっている感覚」や「税理士に任せている」という状態では、改善の打ち手が見えてきません。
まず、以下の数字を月単位で書き出してみてください。
- 月の売上(税抜)
- 食材費(FL比率のFの部分)
- 人件費(FL比率のLの部分)
- 家賃・水道光熱費・通信費などの固定費
- その他変動費(消耗品・クリーニング等)
売上から2〜5を引いた数字が、おおまかな営業利益です。それを売上で割れば利益率が出ます。
飲食店の健全な目安はFL比率(食材費+人件費)が60%以下、そこに家賃・光熱費等で15〜20%かかるとして、残り20〜25%が利益の上限というイメージ。ただ、多くの店はFL比率が65〜70%を超えてしまっていて、そこで詰まっています。
「自分の店の数字を書き出したことがない」という方、まずここから始めましょう。数字が見えないと、改善の余地もわかりません。
ステップ2|利益率を下げている「犯人」を特定する
利益率が低い原因はだいたい3つに絞られます。
①食材費の管理が甘い
仕入れ価格が高い、廃棄が多い、仕込みのロスが多い。あるいは「原価計算をしたことがない」という状態。レシピを決めずに感覚で作っていると、毎回原価が変動します。
②人件費が売上に対して重い
スタッフの数は固定でも、売上が少ない日・時間帯に人件費が積み上がっていく。シフト設計を見直すだけで、人件費率を3〜5%下げられることは珍しくありません。
③客単価が低すぎる
食材費・人件費が変わらなくても、客単価が上がれば利益率は自然に改善します。同じ食材を使っても、メニューの組み合わせ方やネーミング次第で単価は変わります。
この3つのどこに問題があるかを特定するだけで、打ち手が全然変わってきます。「なんとなく節約しよう」では改善しません。数字で犯人を特定してから動くのが正しい順序です。
✓ ここまでのポイント
- 利益率5%の改善は、月商500万円なら年間300万円・月商300万円なら年間180万円の差を生む
- まず自分の「本当の利益率」を月単位で計算することが第一歩
- 利益率を下げている原因は「食材費」「人件費」「客単価」の3つに絞って特定する
ステップ3|食材費・人件費を「削らずに」改善する具体策
ここで多くのオーナーさんがやりがちな失敗が「とにかく削る」という発想です。食材を安いものに変える、スタッフを減らす。でもこれ、お客様の満足度が下がって、結果的に売上まで落ちてしまう。本末転倒なんですよね。
「削る」のではなく「効率化する」という視点が大切です。
食材費の改善策
- 主要5品目のレシピカード(分量・仕込み量・原価)を作成して標準化する
- 週次で廃棄ロスを記録し、仕入れ量を見直す
- 売れていないメニューを絞り、食材の回転率を上げる
- 「同じ食材で複数のメニューに使える設計」にする(交差利用)
人件費の改善策
- 時間帯別・曜日別の売上実績を集計し、繁閑を可視化する
- 閑散時間帯のシフトを1名減らすだけで、月数万円改善することも
- モバイルオーダー導入でホールのオペレーションを効率化する
「チラシとGoogle広告を組み合わせて新規客が約2倍になりました。でも、ジョイマンさんに言われて原価管理の仕組みも作ったら、月商350万円から620万円になった時点で客単価も1,400円上がっていて、利益率が一気に改善されたんです。売上が伸びても利益が残らない状態から脱出できた感じです」
居酒屋オーナー(40代・男性)
ステップ4|「客単価を上げる」ことが最も速く利益率を改善する
食材費・人件費の改善は大切ですが、実は最も早く利益率に効くのは客単価のアップです。
なぜかというと、固定費はお客様が1人増えても2人増えても変わらないから。客単価が500円上がれば、その500円のほとんどが利益に直結します。
月1,000人のお客様に月500円の客単価アップができたとすると、月50万円・年間600万円の利益改善になります。これ、食材費を削ったり人件費を削ったりして捻出できる金額じゃないですよね。
では、どうやって客単価を上げるか。私がよく会員さんにお伝えしているのは、POPとメニュー表の「価値訴求」を変えることです。
たとえば「サーモンの刺身 800円」と書くより「三陸直送・脂のり抜群のサーモン 800円」と書く。商品は同じでも、価値の伝わり方が全然違う。お客様が「なるほど、だから800円なんだ」と納得して注文してくれる。
さらに「松竹梅の法則」でメニュー構成を作ると、自然と中価格帯を選んでもらいやすくなります。これは心理的な設計の話で、押し売りとは全然違います。
「月商60万円の超赤字状態から始めて、今では月商470万円・利益200万円になりました。最初に取り組んだのはメニュー表の見直しと、店内POPの設置でした。料理の内容は変えていないのに、客単価が上がっていったのが不思議で面白かったです」
イタリアンレストランオーナー(50代・男性)
ステップ5|「逆算経営」で目標利益から動く習慣を作る
ここまで4つのステップで「利益率を上げる具体策」をお伝えしてきましたが、最後に一番大事なことをお伝えします。
それは、目標利益から逆算して経営するという習慣です。
多くの飲食店オーナーさんは「今月の売上がいくらだったか」を見て、残ったお金を確認する、という流れで動いています。でも、これだと永遠に「なぜか手元に残らない」が続く。
逆算経営は、先に「今年、手元に残したい利益はいくらか」を決めます。たとえば「年間480万円、つまり月40万円の利益を残したい」と決める。
そこから逆算して「月商はいくら必要か」「そのために客数は?客単価は?」「原価率・人件費率の目標は?」という形で数字を組み立てていく。
この順番で考えると、やることが明確になります。「売上を上げよう」という漠然とした目標ではなく、「客単価を今月500円上げるために、POPを3枚作る」という具体的なアクションに落ち着いていく。
まとめ|利益率5%の改善は、「削る」ではなく「設計する」で達成する
今回の記事で一番お伝えしたかったのは、利益率の改善は「我慢」や「節約」ではなく、正しい設計によって達成できるということです。
まとめると、
- まず今の本当の利益率を計算する
- 利益率を下げている「食材費・人件費・客単価」の犯人を特定する
- 食材費・人件費は「削る」ではなく「効率化」で改善する
- 客単価を上げることが、最も速く利益率に効く
- 目標利益から逆算して、年間の経営計画を組み立てる
このステップを一つひとつ踏んでいくだけで、月商が変わらなくても年間で100万〜300万円単位の手取りの差が生まれます。これ、実際に会員さんたちが経験してきたことです。
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