飲食店の名物メニューは、新メニュー開発ではなく「組み合わせ」で生まれる
飲食店の人気メニューのうち、実は約7割以上は既存の料理や食材の「組み合わせ」から誕生している、というデータがあります。カツカレー、親子丼、海鮮丼……どれも「新しい素材を一から生み出した」わけではなく、すでにあったものを掛け合わせたものです。
それなのに、「名物メニューを作りたい」と相談を受けると、多くのオーナーさんが最初に言うのは「新しい食材を仕入れないといけないか」「プロの料理人に相談すべきか」という話なんですよね。
いやいや、待ってください。名物って、そんなに難しく考えなくていいんです。
今日は、私・ハワードジョイマンがコンサルタントとして14年以上・1,000店舗以上の飲食店と関わる中で気づいた「組み合わせ名物メニューの法則」をお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ メニュー数は多いのに、お客さんの記憶に残る一品がない飲食店オーナー
- ✅ 名物メニューを作りたいが、新しい食材や調理法の開発に限界を感じている方
- ✅ 口コミやSNSで話題になるメニューの作り方を知りたい方
- ✅ 客単価を上げたいが、具体的な方法が見えていない飲食店経営者
- ✅ プレスリリースやメディア取材に興味があるが、何をネタにすればいいか分からない方

「名物は天才シェフだけが作れる」は、完全な思い込みだった
少し昔の話をさせてください。
私がまだ独立して間もない頃、静岡県内のある中華料理店のオーナーさんから相談を受けました。月商は200万円台で、お店は10年以上続いているのに「うちのお店、何が売りか分からない」という悩みでした。
メニュー表を見せてもらったら、50品以上あるんです。餃子、炒飯、麻婆豆腐、唐揚げ、エビチリ……ザ・中華料理の定番が全部揃っている。でも、どれも「普通においしい」で終わってしまっていた。
「新しいメニューを開発した方がいいですかね」とオーナーさんに聞かれて、私は首を横に振りました。
「逆です。メニューを減らして、今あるものを組み合わせましょう」
このときに提案したのが、麻婆豆腐と唐揚げを組み合わせたでした。どちらもお店のメニューに元々ある。特別な食材は何もいらない。でも「麻婆チキン」という名前のメニューは、そのエリアには存在していなかった。
提供してみたら、SNSで「これ初めて食べた!」「地元にこんな店があったのか!」という投稿が相次ぎました。地元のフリーペーパーからも取材が来て、一気に認知が広がったんです。
組み合わせ名物メニューの「3つの公式」
私がこれまで支援してきた飲食店の名物メニュー開発を振り返ると、うまくいったケースにはだいたい共通した「型」があります。
① 既存メニュー × 既存メニュー
さっきの麻婆チキンがまさにこれ。カツ+カレー=カツカレー、すき焼き+丼=すき焼き丼と同じ発想です。すでに支持されているメニュー同士を掛け合わせるので、味のベースは安定している。新規開発のリスクがほとんどない。
② 食材 × ネーミング
牛丼(500円)とすき焼き丼(2,000円)は、ほぼ同じ食材で作れます。でも名前が変わるだけで、提供できる価格が4倍になる。「ブランド和牛の割り下仕立て丼」と書けば、さらに別物に見える。料理そのものより、伝え方の方が単価を決める力を持っているんです。
③ 料理 × 地域性・ストーリー
静岡なら桜えびや生しらす、地元のお茶など、地域特有の素材や文化を既存メニューに組み込む。「清水港直送の桜えびを使ったペペロンチーノ」というだけで、観光客にも地元民にも「ここでしか食べられない感」が生まれる。これ、プレスリリースのネタにもなります。
✓ ここまでのポイント
- 名物メニューはゼロから開発するより、既存メニューの組み合わせで生まれることが多い
- 食材が同じでも「ネーミング」次第で単価は大きく変わる
- 地域性を掛け合わせると、メディアネタにもなる「ここでしか食べられない」感が生まれる
実際にあった話:月商60万円の赤字イタリアンが470万円になったワケ
これは増益繁盛クラブの会員さんの事例ですが、月商60万円で完全に赤字だったイタリアンレストランが、月商470万円・利益200万円にまで回復しました。
この方がやったことの一つに、「名物メニューの再設計」があります。もともとあった前菜とパスタを組み合わせたコースを「〇〇産トリュフ風味の前菜プレートとシェフ自慢の生パスタセット」という形に再パッケージして、単価を上げた。食材もレシピも変えていません。「見せ方と名前」を変えただけです。
それだけじゃなくて、このメニューをプレスリリースにして地元メディアに送ったら、地方紙に掲載されて新規客が一気に増えた。「メニューを作る」と「話題を作る」を同時にやったんですね。
「メニューを増やすことしか考えていなかった。でも組み合わせで名物を作るという発想に変えてから、むしろメニューを絞ったのに売上が上がりました。プレスリリースで地元紙に掲載されたときは本当に驚きました」
飲食店オーナー(40代・男性)/月商60万円の超赤字イタリアンから月商470万円・利益200万円へ
「名物がない」と嘆く前に、今夜やってほしい1つのこと
まずやってほしいのは、今のメニュー表を全部書き出してみること。そして隣に「地元らしい食材・季節感・お客さんからよく褒められること」を書き出す。この2つのリストを並べたとき、組み合わさる組み合わせがいくつか浮かびます。
最近は、AIを使うとこの作業がものすごく早くなります。ChatGPTやClaudeに「うちの既存メニューはこれです。地域の特徴はこれです。組み合わせで新しい名物になりそうなアイデアを30個出してください」と入れるだけで、びっくりするくらいアイデアが出てきます。
私が主宰している増益繁盛クラブでは、こういった名物メニュー開発のためのAIプロンプトテンプレートも提供しています。飲食店経営者さんがそのままコピペして使える形にしているので、「AIは難しそう」と思っていた方でもすぐ動けます。
大切なのは、「思いついたら小さく試してみる」こと。完璧なメニューを作ろうとして半年かけるより、3日で試して反応を見た方がずっといい。私がお笑い芸人をやっていたときも、「滑った数だけ成功に近づく」って肌で感じていましたから。メニュー開発も同じです。
「プレスリリースを送り始めてから累計100回以上メディアに掲載されました。最初は半信半疑でしたが、名物メニューとセットでリリースを出すようになってから、取材依頼が来るようになりました」
飲食店オーナー(50代・男性)/プレスリリースで累計100回以上メディア掲載・観光バスが止まる名物店に
まとめ:名物は「発明」じゃなく「発見」だ
長年お店をやっていると、目の前にある素材やメニューが「当たり前」に見えてしまいます。でも、お客さんの目線で見たら、それは全然当たり前じゃない。
名物メニューを作るって、実は「発明」じゃなくて「発見」なんだと思っています。すでにあるものを組み合わせて、新しい名前をつけて、お客さんに届ける。それだけで、お店の景色はがらっと変わります。
「メニュー数は多いのに口コミが広がらない」「客単価がなかなか上がらない」という方は、ぜひ今日お話しした組み合わせの発想から試してみてください。
もし一人でやるのが難しかったり、「自分のお店だとどう応用すればいいか」と悩んだりするなら、まず私のメルマガやレポートから読み始めてみてください。繁盛店がどんな仕掛けをしているか、具体的に書いています。
全国の飲食店・美容室・小売店オーナーさんが実際に成果を出した方法を、惜しまず公開しています。静岡・清水区の小さな事務所からではありますが、北海道から沖縄、海外の経営者さんまで一緒に取り組んでいます。あなたのお店の「名物」を一緒に見つけましょう。