5.家族との時間、犠牲にしていませんか?仕事とプライベート、両方を手に入れる「ハイブリッド経営」という考え方

「子供の運動会があるけど、店が忙しくて休めない…」
「本当は、もっと家族と一緒に夕食を囲みたいのに…」
「気づけば、何年も家族旅行に行っていない…」

お店の経営に人生を捧げるあまり、本当に大切にすべき家族との時間を、犠牲にしてしまっていませんか?

「経営者だから、仕方がない」
「今は、我慢の時だ」

そう自分に言い聞かせ、仕事に没頭する日々。しかし、その我慢の先に、本当にあなたの望む幸せな未来は待っているのでしょうか?

子供の成長は、待ってくれません。
家族との思い出は、お金で買うことはできません。

もし、あなたが仕事の成功のために、家族の笑顔を犠牲にしているのなら、それは本末転倒です。なぜなら、私たちが働く本当の理由は、究極的には、自分と、自分の愛する人たちを幸せにするためだからです。

この記事では、仕事の成功とプライベートの充実、その両方を諦めない新しい経営スタイル、「ハイブリッド経営」についてご提案します。

「仕事か、家族か」という二者択一の幻想

多くの経営者は、「仕事の成功」と「家族との時間」は、トレードオフの関係にあると思い込んでいます。

「売上を伸ばすためには、プライベートを犠牲にするしかない」
「家族との時間を優先すれば、お店の経営は立ち行かなくなる」

しかし、これは大きな間違いです。

実は、仕事がうまくいっている経営者ほど、プライベートも充実している、という驚くべき事実があります。

彼らは、家族との時間を大切にすることが、結果的に仕事のパフォーマンスを向上させることを知っているのです。

  • リフレッシュとエネルギー充電: 家族と過ごす時間は、仕事のストレスから心と体を解放し、新たなエネルギーを充電するための、かけがえのない時間です。しっかりと休息をとることで、仕事への集中力や創造性は、むしろ高まります。
  • 新しい視点とアイデアの源泉: 子供との何気ない会話、家族旅行での非日常的な体験。そうしたプライベートな時間の中にこそ、ビジネスを飛躍させる新しいアイデアのヒントが隠されていることがあります。常に店と家の往復だけでは、視野は狭くなる一方です。
  • 働くことの「本当の意味」の再確認: 家族の笑顔は、「何のために、自分はこんなに頑張っているのか」という、働くことの根源的な意味を思い出させてくれます。この「目的意識」こそが、困難な状況に立ち向かうための、最も強力なモチベーションとなるのです。

あなたがいなくても回る「仕組み」を作る

「そうは言っても、自分が現場にいなければ、店は回らないんだ!」

そう反論したくなったかもしれません。確かに、今の状況ではそうでしょう。

しかし、問題は、「あなたがいないと回らない」という、その属人的な経営スタイルそのものにあるのです。

「ハイブリッド経営」を実現している経営者たちは、自分が現場に立ち続けなくても、スタッフが自ら考え、動き、お店が勝手に繁盛していく「仕組み」を構築しています。

  • 業務の標準化とマニュアル化: 誰がやっても同じクオリティのサービスが提供できるように、業務を標準化し、マニュアルに落とし込んでいますか?「見て覚えろ」ではなく、明確な基準を示すことで、スタッフは安心して働くことができます。
  • 権限移譲とリーダー育成: あなたは、すべての意思決定を自分一人で抱え込んでいませんか?スタッフを信頼し、少しずつ権限を移譲していくことで、彼らは責任感を持ち、自律的に動くようになります。そして、その中から、あなたの右腕となる次世代のリーダーが育っていくのです。
  • 情報共有とビジョンの浸透: お店の売上や課題、そして将来のビジョンを、スタッフと共有していますか?自分がお店のどの部分を担っているのか、そして、その仕事がどんな未来に繋がっているのかを理解することで、スタッフは単なる「作業員」から、経営者の視点を持つ「パートナー」へと変わっていきます。

あなたは、どんな人生を「経営」したいですか?

お店の経営も、あなた自身の人生の経営も、本質は同じです。

どこにリソース(時間、お金、エネルギー)を投資し、どんな未来を実現したいのか。

もし、あなたが「家族との時間」という、人生で最も貴重な資産をないがしろにしているのなら、今すぐ、その経営方針を見直すべきです。

仕事の成功と、家族の幸せ。その両方を手に入れることは、決して夢物語ではありません。

そのためには、まず、あなたが「仕事か、家族か」という呪縛から自らを解き放ち、「両方を手に入れる」と固く決意することです。

次の記事からは、その決意を現実のものとするための、より具体的な戦略と戦術について、深掘りしていきます。まずは、多くの経営者が陥ってしまう「努力の方向性の間違い」について、詳しく解説します。

あなたの理想の人生を、あなた自身の力で、デザインしていくのです。

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ハワードジョイマン

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 ・繁盛店グループ総代表 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 独自の株式投資経験から株式投資メソッドを確立し、株式投資コミュニティ「株研」も運営する。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。