なぜあの店は繁盛するのか?「お客様行動分析」で見つける売上の穴
今朝は、ジョイ夫人と畑に行って、イチジクの木に網をかけてきました。そのあと、午前10時過ぎからキックボクシングジムへ行きフリータイムレッスン。
今日は土用の丑の日。いかがお過ごしですか?
ここ数カ月、売上を伸ばすお店と伸び悩むお店で顕著に差が出ています。
皆さんには以前からメールマガジンでこの予測についてはお話ししていましたが、自分に都合の悪いことは、心理学上、入ってこないので、気づいてないかもしれません。
そこで今日は、改めて、ご自身のお店を改善し、業績を伸ばすために大切なお話をします。
ぜひ、プリントアウト(印刷)して、何度も読み直して理解してください。
今日のお話は保存必須の重要なお話です。
ただし、内容的にボリュームがあります。
あなたの本気度、真剣度が試される記事です。
ちゃんと何度も読み
明日への糧にするか?
長いからやめるか?
読むかどうか?ものにするかどうかはあなた次第です。
明日は参院選。
あなた自身も試されています。
「同じような商品・サービスなのに、なぜあの店だけ繁盛しているのだろう?」
「頑張っているのに売上が思うように伸びない…」
「どこを改善すれば売上が上がるのかわからない…」
多くの経営者が抱えるこの悩み。実は、繁盛店と苦戦店の決定的な違いは、お客様の行動を正しく分析できているかどうかにあります。
繁盛店の経営者は、お客様がどこで行動を止めているのか、なぜ購入に至らないのかを科学的に分析し、ピンポイントで改善を行っています。
一方、苦戦店の経営者は「なんとなく売上が悪い」という漠然とした認識のまま、効果的でない施策を繰り返しているのです。
今日は、繁盛店が必ず実践している「お客様行動分析」の方法を詳しくお伝えします。この分析法をマスターすれば、売上の穴が手に取るようにわかり、最短で効果の出る改善策を打つことができるようになります。
なぜ売上が伸びないのか?本当の原因
まず、多くの経営者が勘違いしている「売上が伸びない原因」について整理しましょう。
よくある間違った認識
「商品が悪いから売れない」 → 実際には、お客様が商品の良さに気づく前に離脱している
「値段が高いから売れない」 → 実際には、価格以外の要因で購入を躊躇している
「立地が悪いから売れない」 → 実際には、来店後の対応に問題がある
「宣伝が足りないから売れない」 → 実際には、既存客へのアプローチに穴がある
売上の真実:すべてはお客様の行動の結果
売上とは、お客様の一連の行動の積み重ねの結果です。
売上 = 認知率 × 来店率 × 購入率 × 客単価率 × リピート率
この中のどこか一つでも穴があれば、売上は大きく下がります。逆に言えば、どこに穴があるかを正確に把握できれば、最も効果的な改善策を打つことができるのです。
お客様行動分析の基本:5つのステップ
ステップ1:お客様の行動を完全に分解する
まず、お客様があなたの店舗で購入するまでの一連の行動を、詳細に分解します。
【飲食店の行動分解例】
- 認知段階:店の存在を知らない → 何らかのきっかけで知る
- 興味段階:知る → 興味を持つ
- 来店段階:興味を持つ → 実際に来店する
- 入店段階:来店する → 店内に入る
- 着席段階:入店する → 席に座る
- 注文段階:着席する → メニューを見て注文する
- 追加注文段階:最初の注文 → 追加注文する
- 会計段階:食事終了 → 会計する
- 退店段階:会計する → 店を出る
- 再来店段階:一度利用 → 再び来店する
【美容室の行動分解例】
- 認知段階:店の存在を知らない → 何らかのきっかけで知る
- 興味段階:知る → 興味を持つ
- 予約段階:興味を持つ → 予約の電話をする
- 来店段階:予約する → 実際に来店する
- カウンセリング段階:来店 → 要望を伝える
- 施術段階:カウンセリング → 施術を受ける
- 仕上がり確認段階:施術完了 → 仕上がりを確認する
- 会計段階:確認完了 → 会計する
- 次回予約段階:会計 → 次回予約を取る
- 再来店段階:一度利用 → 再び来店する
【ポイント】
- できるだけ細かく分解する
- 実際にお客様の動きを観察する
- スタッフ全員で認識を統一する
ステップ2:各段階での数字を把握する
次に、分解した各段階で「どのくらいのお客様が次の段階に進むか」を数値化します。
【飲食店の数値例】
月間通行者:10,000人
↓ 認知率:5%
店を知る人:500人
↓ 興味率:20%
興味を持つ人:100人
↓ 来店率:70%
来店者:70人
↓ 入店率:90%
入店者:63人
↓ 注文率:95%
注文者:60人
↓ 追加注文率:30%
追加注文者:18人
↓ 再来店率:40%
リピート客:24人
【数値把握の方法】
- レジデータの分析
- スタッフによる観察・記録
- お客様へのアンケート
- 防犯カメラの映像分析
- 予約システムのデータ活用
ステップ3:業界平均や競合と比較する
自店の数値を業界平均や競合店舗と比較し、どこに問題があるかを特定します。
【業界平均との比較例】
段階 自店 業界平均 差異
認知率 5% 8% △3%
興味率 20% 15% +5%
来店率 70% 80% △10%
入店率 90% 95% △5%
注文率 95% 98% △3%
追加注文率 30% 45% △15%
再来店率 40% 60% △20%
この例では、「追加注文率」と「再来店率」が特に低く、ここが売上向上の最重要ポイントだとわかります。
ステップ4:ボトルネックを特定する
数値分析の結果から、最も改善効果の高いボトルネック(障害となっている箇所)を特定します。
【ボトルネック特定の優先順位】
- 最も数値が悪い段階
- 改善による売上インパクトが大きい段階
- 改善コストが低い段階
- 改善期間が短い段階
【売上インパクト計算例】
追加注文率を30%→45%に改善した場合:
- 現在の追加注文売上:18人 × 平均500円 = 9,000円/月
- 改善後の追加注文売上:27人 × 平均500円 = 13,500円/月
- 月間売上アップ:4,500円
- 年間売上アップ:54,000円
再来店率を40%→60%に改善した場合:
- 現在のリピート売上:24人 × 平均2,000円 = 48,000円/月
- 改善後のリピート売上:36人 × 平均2,000円 = 72,000円/月
- 月間売上アップ:24,000円
- 年間売上アップ:288,000円
この場合、再来店率の改善の方が売上インパクトが大きいため、優先的に取り組むべきです。
ステップ5:仮説を立てて改善策を実行する
ボトルネックが特定できたら、なぜそこで離脱が起きているのか仮説を立て、改善策を実行します。
【再来店率が低い場合の仮説と改善策】
仮説1:お客様が次にいつ来ればいいかわからない → 改善策:会計時に次回来店のおすすめ時期を伝える
仮説2:他店と比較されて乗り換えられている → 改善策:独自性のあるサービスや特典を提供
仮説3:満足度が低い → 改善策:サービス品質の向上、アフターフォローの充実
仮説4:そもそも再来店を促すアプローチがない → 改善策:リマインドメール、特典付きDMの送付
実際の改善事例:数値で見る劇的変化
事例1:個人経営の居酒屋
【問題発見】 お客様行動分析の結果、「追加注文率」が業界平均の半分しかないことが判明。
【原因仮説】
- メニューが見にくい
- スタッフからの提案がない
- 追加したくなるタイミングを逃している
【改善策】
- メニュー改善:追加注文専用の小さなメニューを作成
- スタッフ教育:料理提供時に「○○も人気です」の一言を追加
- タイミング設定:最初の料理を食べ終わった頃に必ず声かけ
【結果】
- 追加注文率:22% → 41%
- 月間売上:68万円 → 85万円(25%アップ)
- 実施期間:2週間
事例2:小さな美容室
【問題発見】 お客様行動分析の結果、「次回予約率」が極端に低いことが判明。
【原因仮説】
- 次回予約を提案するタイミングが悪い
- 提案方法が曖昧
- お客様が予約の必要性を感じていない
【改善策】
- 提案タイミング変更:会計前に必ず提案
- 提案方法統一:具体的な日程を2つ提示
- 必要性の説明:髪質に合わせた最適な来店サイクルを説明
【結果】
- 次回予約率:15% → 73%
- リピート率:45% → 78%
- 月間売上:95万円 → 142万円(49%アップ)
- 実施期間:1ヶ月
事例3:町のケーキ屋
【問題発見】 お客様行動分析の結果、「入店率」が著しく低いことが判明。
【原因仮説】
- 店内が見えにくく入りづらい
- 何の店かわかりにくい
- 価格帯が不明で不安
【改善策】
- 店頭改善:ショーケースを窓側に移動
- 看板追加:価格帯がわかる看板を設置
- 入りやすさ向上:入口に「お気軽にどうぞ」の看板
【結果】
- 入店率:35% → 67%
- 日間来客数:28人 → 53人
- 月間売上:84万円 → 159万円(89%アップ)
- 実施期間:1週間
業種別:よくあるボトルネックと改善策
飲食店でよくあるボトルネック
1. 入店率が低い
- 原因:メニューや価格が見えない、入りづらい雰囲気
- 改善策:店頭メニュー表示、入口の改善、スタッフの声かけ
2. 追加注文率が低い
- 原因:提案がない、メニューが見にくい
- 改善策:スタッフ教育、追加メニューの作成、適切なタイミングでの提案
3. 再来店率が低い
- 原因:印象に残らない、競合との差別化不足
- 改善策:独自性の強化、リマインド施策、特典制度
美容室でよくあるボトルネック
1. 予約率が低い
- 原因:予約の取りにくさ、不安感
- 改善策:予約システム改善、施術例の展示、カウンセリング充実
2. 客単価が低い
- 原因:オプション提案不足、メニューの魅力不足
- 改善策:オプション提案の教育、メニュー説明の充実
3. 次回予約率が低い
- 原因:提案方法、タイミング、必要性の説明不足
- 改善策:提案話法の統一、最適な来店サイクルの説明
小売店でよくあるボトルネック
1. 入店率が低い
- 原因:店内が見えない、入りづらい雰囲気
- 改善策:店頭ディスプレイ改善、照明の工夫
2. 購入率が低い
- 原因:商品説明不足、価格への不安
- 改善策:POP充実、スタッフ教育、試用機会の提供
3. 購入点数が少ない
- 原因:関連商品の提案不足、陳列の工夫不足
- 改善策:関連商品の陳列、セット販売、スタッフ提案
分析を継続するための仕組み作り
日次チェックポイント
【最低限チェックする数値】
- 来店者数
- 売上
- 客単価
- 特定の改善施策の効果
【記録方法】
- 簡単な記録シートを作成
- スタッフ全員で共有
- 毎日5分の振り返り時間を設ける
週次分析のポイント
【確認事項】
- 日次数値の推移
- 改善施策の効果測定
- 新たな問題点の発見
【改善サイクル】
- 問題発見
- 仮説立案
- 改善実行
- 効果測定
- 次の改善へ
月次レビューの重要性
【月次で行うこと】
- 全体的な数値の振り返り
- 改善効果の総括
- 次月の改善計画策定
- スタッフとの情報共有
よくある分析の失敗パターン
失敗パターン1:数値を取るだけで終わる
問題: データを集めても分析・改善につなげない 解決策: 必ず仮説→実行→検証のサイクルを回す
失敗パターン2:完璧な数値を求めすぎる
問題: 正確な数値が取れないからと分析をやめてしまう 解決策: 大まかでも傾向がわかれば十分。まずは始める
失敗パターン3:一度に全部改善しようとする
問題: どの改善が効果的だったかわからなくなる 解決策: 一つずつ改善し、効果を確認してから次へ
失敗パターン4:短期間で判断してしまう
問題: 1〜2日の結果で効果がないと判断 解決策: 最低1〜2週間は継続して判断
まとめ:売上アップの鍵は「お客様行動分析」
お客様行動分析は、売上アップの最も確実で効率的な方法です。
【分析のメリット】
✅ 改善すべきポイントが明確になる
✅ 無駄な施策を避けられる
✅ 投資対効果の高い改善ができる
✅ 継続的な成長の仕組みができる
【今すぐ始められること】
- 自店のお客様行動を10段階に分解する
- 一週間、各段階の人数を記録する
- 最も数値の悪い段階を特定する
- その段階の改善策を3つ考える
- 最も実行しやすいものから始める
繁盛店になるために特別なことは必要ありません。お客様の行動を正しく分析し、ボトルネックを一つずつ改善していくだけです。
明日から、ぜひお客様行動分析を始めてみてください。きっと、これまで見えなかった売上アップのヒントが見つかるはずです。
プロが使う35の改善ポイントチェックリスト
今回ご紹介したお客様行動分析は、売上改善の基本中の基本です。
しかし、実際に繁盛店を作り上げるためには、さらに詳細で専門的な分析ポイントと改善手法が必要になります。
プロの経営コンサルタントが実際に使っている分析手法には、こんなものがあります:
✅ 35段階に細分化された顧客行動分析
✅ 業種別の最適な数値基準と改善優先順位
✅ 競合分析を活用した差別化ポイントの発見法
✅ 季節変動を考慮した売上予測と対策
✅ スタッフのパフォーマンス分析と改善指導法
これらの手法を駆使することで、月商数百万円規模の店舗でも、確実に売上を向上させることが可能になります。
「もっと詳しい分析手法を知りたい」
「プロレベルの改善策を学びたい」
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そんな本気で売上アップを目指す経営者の方に、プロが実際に使っている35の改善ポイントチェックリストを特別にお渡しします。
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