18.今すぐ始める!増益繁盛への「90日間アクションプラン」

これまで17回にわたって「増益繁盛メソッド」の全貌をお伝えしてきました。

あなたは今、膨大な知識とノウハウを手に入れています。しかし、知識だけでは何も変わりません。

「知っている」と「やっている」の間には、天と地ほどの差があります。

この記事では、これまでの学びを確実に成果へと結びつけるための「90日間アクションプラン」をご提案します。

このプランに従って、一歩ずつ着実に実行していけば、あなたのお店は90日後、見違えるほど変貌を遂げているでしょう。

なぜ「90日間」なのか?

人間の脳は新しい習慣を身につけるのに、平均して66日間必要だと言われています。

しかし、経営の改善は単なる個人の習慣の変化ではありません。お店全体のシステムや文化を変えていく必要があります。

そのためには、少し余裕を見て90日間という期間を設定するのが最も現実的で効果的です。

90日間あれば、以下のことが可能になります

  • 新しい仕組みを導入し、定着させる
  • スタッフに新しいスキルを身につけてもらう
  • お客様に変化を認識してもらい、反応を得る
  • 結果を測定し、必要に応じて調整を行う

90日間アクションプラン:3つのフェーズ

この90日間を30日ずつ、3つのフェーズに分けて、段階的に改善を進めていきます。

【第1フェーズ(1〜30日目):基盤構築期】

最初の30日間は「基盤構築」に集中します。華やかな施策に手を出したくなる気持ちを抑えて、地味でも確実な土台作りを優先してください。

Week 1(1〜7日目):現状分析と目標設定

  • 現状の数値を正確に把握する: 売上、客数、客単価、リピート率、原価率、人件費率など、お店の現状を数値で明確にします
  • 90日後の目標を設定する: 「売上を20%向上させる」「客単価を500円アップさせる」など、具体的で測定可能な目標を設定します
  • 優先順位を決める: 「増益繁盛メソッド」の5つのエンジンの中で、あなたのお店に最もインパクトの大きいエンジンから取り組む順番を決めます

Week 2(8〜14日目):利益改善エンジンの始動

  • 原価率の見直し: 仕入れ先の変更やメニューの見直しによって、原価率を2〜3%改善します
  • 価格設定の最適化: 「松竹梅」の法則を活用して、メニュー構成を見直し、客単価の向上を図ります
  • 無駄なコストの削減: 光熱費、通信費、消耗品費など、見直し可能な固定費をチェックし、削減できる部分を見つけます

Week 3(15〜21日目):店内販促エンジンの準備

  • クロスセルの仕組み作り: どの商品にどの商品を組み合わせるか、クロスセルのパターンを整理し、スタッフに共有します
  • セールストークの標準化: 効果的なセールストークを作成し、スタッフが自然に使えるように練習します
  • POP・メニューの改善: お客様の購買意欲を刺激するPOPやメニューデザインに変更します

Week 4(22〜30日目):再来店促進エンジンの基盤

  • 顧客管理システムの導入: 簡単なノートやExcelでも構いませんので、お客様の情報を記録する仕組みを作ります
  • リピート促進の仕組み作り: ポイントカード、スタンプカード、会員制度など、お客様が再来店したくなる仕組みを導入します
  • お客様とのコミュニケーション強化: お客様の名前を覚える、前回の注文を覚えているなど、パーソナルな接客を心がけます

【第2フェーズ(31〜60日目):施策実行期】

第1フェーズで構築した基盤の上に、具体的な施策を実行していきます。このフェーズでは「実行」と「測定」を繰り返し、効果を確認しながら改善を進めます。

Week 5-6(31〜44日目):新規集客エンジンの始動

  • 紹介制度の導入: お客様が友人を紹介しやすい仕組みを作り、実際に運用を開始します
  • SNSの活用: Instagram、Facebook、Twitterなど、お店に適したSNSを選び、定期的な投稿を開始します
  • MEO対策の実施: Googleマイビジネスの最適化、口コミの促進など、地域での検索順位を向上させる対策を行います

Week 7-8(45〜60日目):組織構築エンジンの始動

  • 業務マニュアルの作成: 重要な業務について、誰がやっても同じ結果が出るように、マニュアルを作成します
  • 権限移譲の開始: スタッフに段階的に権限を移譲し、自律的に行動できる環境を整えます
  • 定期的なミーティングの実施: 週1回程度、スタッフとのミーティングを行い、情報共有とモチベーション向上を図ります

【第3フェーズ(61〜90日目):最適化・差別化期】

最後の30日間は、これまでの取り組みを「最適化」し、さらにお店の「差別化」を進めます。

Week 9-10(61〜74日目):結果の測定と改善

  • 数値の分析: 第1フェーズで設定した目標に対して、現在の進捗を詳細に分析します
  • うまくいっている施策の強化: 効果の高い施策については、さらに強化し、効果を最大化します
  • うまくいっていない施策の見直し: 効果の低い施策については、原因を分析し、改善策を実行します

Week 11-12(75〜90日目):差別化戦略の実行

  • USPの明確化: あなたのお店だけの独自の価値を明確にし、それをお客様に伝える方法を考えます
  • ブランディングの強化: ロゴ、看板、メニュー、接客など、すべての要素を統一されたコンセプトで整えます
  • ストーリーの発信: お店の成り立ちやこだわり、想いなどを、お客様に積極的に伝えます

成功の鍵は「継続」と「測定」

この90日間アクションプランを成功させるための最も重要なポイントは「継続」と「測定」です。

継続のコツ

  • 小さなステップに分ける: 大きな目標を小さなステップに分けて、毎日少しずつ進めます
  • 習慣化する: 新しい取り組みを既存の習慣に組み込んで、自然に続けられるようにします
  • 仲間を作る: スタッフや他の経営者仲間と一緒に取り組むことで、モチベーションを維持します

測定のコツ

  • 毎週数値をチェックする: 売上、客数、客単価など、重要な指標を毎週チェックし、変化を把握します
  • お客様の声を聞く: アンケートや直接の会話を通じて、お客様の反応を確認します
  • スタッフの意見を聞く: 現場で働くスタッフの意見や気づきを積極的に聞きます

あなたの「新しい人生」が始まる

この90日間アクションプランを実行することで、あなたは単にお店の売上を向上させるだけではありません。

あなたは経営者として新しいステージに上がることになります。

  • 数字に振り回されることなく、冷静に戦略を立てられる経営者
  • スタッフから信頼され、尊敬されるリーダー
  • お客様から愛され、地域になくてはならない存在として認められるお店のオーナー

そして何より、仕事とプライベートのバランスを取りながら、充実した人生を送ることができるようになります。

次の記事では、この90日間の取り組みをさらに加速させ、確実に成果を出すための「秘密の武器」についてお話しします。

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ハワードジョイマン

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 ・繁盛店グループ総代表 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 独自の株式投資経験から株式投資メソッドを確立し、株式投資コミュニティ「株研」も運営する。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。