こんにちは
ハワードジョイマンです。
私はこれまで3000人以上の店舗経営者の方と
お会いしてきました。
その中で感じることがあります。
それは、
「あなたは、毎日、本当に一生懸命頑張っている。」
ということ。
それは、誰の目から見ても明らかです。
しかし、もし、その頑張りの方向性が、
そもそも間違っているとしたら…?
想像してみてください。
あなたは、宝島を目指して、必死に船のオールを漕いでいます。
しかし、向かっている方角が、宝島とは真逆の方向だとしたら、どうなるでしょうか?
漕げば漕ぐほど、努力すればするほど、あなたは宝島から遠ざかっていく…。
信じがたいことかもしれませんが、多くの経営者が、これと全く同じ状況に陥っています。
彼らは、間違った「常識」という名のコンパスを信じ込み、必死に努力を続けることで、自ら成功から遠ざかってしまっているのです。
この記事では、多くの経営者が囚われてしまっている、危険な「頑張りの罠」の正体と、そこから抜け出すための正しい努力の方向性について解説します。
あなたを蝕む「間違った常識」という名の病
私たちの行動は、無意識のうちに、自分が「常識」だと信じていることに支配されています。経営においても、例外ではありません。
- 「客数を増やさなければ、売上は上がらない」という常識: 本当にそうでしょうか?客数が増えれば、コストも増えます。利益を出すためには、客数を増やすことよりも、客単価を上げることの方が、はるかに重要かもしれません。
- 「競合店が値下げしたら、うちも追随しなければ」という常識: 本当にそうでしょうか?価格競争は、体力のない個人店にとって、自殺行為に等しい戦略です。競合が値下げをするなら、むしろ、あなたは価値を上げて値上げをすべきかもしれません。
- 「とにかく新しいことを始めなければ」という常識: 本当にそうでしょうか?新しい施策に次々と手を出す前に、今やっていること、例えば、リピート対策や既存顧客へのアプローチを、徹底的にやり抜くことの方が、何倍も効果的かもしれません。
これらの「常識」は、一見すると正しく聞こえます。しかし、あなたのお店の状況や、目指すべきゴールによっては、全くの間違いである可能性が高いのです。
なぜ、私たちは「間違った努力」を続けてしまうのか?
では、なぜ、私たちは、成果の出ない「間違った努力」を、延々と続けてしまうのでしょうか?
その理由は、人間の心理に深く根差しています。
- サンクコスト効果(埋没費用効果): 「ここまで頑張ってきたんだから、今さらやめるわけにはいかない」という心理です。過去に費やした時間や労力、お金が惜しくて、明らかに間違った道だと分かっていても、引き返すことができなくなってしまうのです。
- 現状維持バイアス: 人間は、本能的に「変化」を嫌い、「現状維持」を好む生き物です。新しいやり方を取り入れることには、痛みが伴います。そのため、たとえ今のやり方がうまくいっていなくても、「今までこうやってきたから」という理由だけで、変化を避けてしまうのです。
- 社会的証明の原理: 「周りのみんながやっているから、きっとこれが正しいのだろう」という心理です。特に、業界の「常識」や「慣習」は、この心理によって、何の疑いもなく受け入れられ、再生産され続けていきます。
これらの心理的バイアスが、あなたを「頑張りの罠」に縛り付け、正しい判断を曇らせているのです。
努力の「量」より、努力の「方向性」
もし、あなたが、今の状況から本気で抜け出したいと願うなら、まずは、一度、その必死に漕いでいるオールを手放し、立ち止まる勇気を持ってください。
そして、自問するのです。
「自分は、本当に正しい方向に進んでいるのだろうか?」
成功する経営者は、努力の「量」以上に、努力の「方向性」を重視します。
彼らは、行動を起こす前に、まず、どこにエネルギーを投下すれば、最も大きな成果(リターン)が得られるのかを、冷静に分析し、戦略を立てるのです。
がむしゃらに頑張る時代は、終わりました。
今、求められているのは、「賢い努力」です。
そのためには、まず、あなた自身の思い込みや、業界の常識という名の「呪い」から、自らを解き放つ必要があります。
次の記事では、その「呪い」を解き放ち、あなたの経営を成功へと導く、唯一無二の「正しい経営の羅針盤」について、詳しくお話しします。
あなたの努力を、今度こそ、本物の「成果」に結びつけるために。