6.努力の方向性を間違えるな!多くの経営者が陥る「頑張りの罠」

こんにちは
ハワードジョイマンです。

私はこれまで3000人以上の店舗経営者の方と
お会いしてきました。

その中で感じることがあります。

それは、
「あなたは、毎日、本当に一生懸命頑張っている。」
ということ。

それは、誰の目から見ても明らかです。

しかし、もし、その頑張りの方向性が、
そもそも間違っているとしたら…?

想像してみてください。

あなたは、宝島を目指して、必死に船のオールを漕いでいます。

しかし、向かっている方角が、宝島とは真逆の方向だとしたら、どうなるでしょうか?

漕げば漕ぐほど、努力すればするほど、あなたは宝島から遠ざかっていく…。

信じがたいことかもしれませんが、多くの経営者が、これと全く同じ状況に陥っています。

彼らは、間違った「常識」という名のコンパスを信じ込み、必死に努力を続けることで、自ら成功から遠ざかってしまっているのです。

この記事では、多くの経営者が囚われてしまっている、危険な「頑張りの罠」の正体と、そこから抜け出すための正しい努力の方向性について解説します。

あなたを蝕む「間違った常識」という名の病

私たちの行動は、無意識のうちに、自分が「常識」だと信じていることに支配されています。経営においても、例外ではありません。

  • 「客数を増やさなければ、売上は上がらない」という常識: 本当にそうでしょうか?客数が増えれば、コストも増えます。利益を出すためには、客数を増やすことよりも、客単価を上げることの方が、はるかに重要かもしれません。
  • 「競合店が値下げしたら、うちも追随しなければ」という常識: 本当にそうでしょうか?価格競争は、体力のない個人店にとって、自殺行為に等しい戦略です。競合が値下げをするなら、むしろ、あなたは価値を上げて値上げをすべきかもしれません。
  • 「とにかく新しいことを始めなければ」という常識: 本当にそうでしょうか?新しい施策に次々と手を出す前に、今やっていること、例えば、リピート対策や既存顧客へのアプローチを、徹底的にやり抜くことの方が、何倍も効果的かもしれません。

これらの「常識」は、一見すると正しく聞こえます。しかし、あなたのお店の状況や、目指すべきゴールによっては、全くの間違いである可能性が高いのです。

なぜ、私たちは「間違った努力」を続けてしまうのか?

では、なぜ、私たちは、成果の出ない「間違った努力」を、延々と続けてしまうのでしょうか?

その理由は、人間の心理に深く根差しています。

  1. サンクコスト効果(埋没費用効果): 「ここまで頑張ってきたんだから、今さらやめるわけにはいかない」という心理です。過去に費やした時間や労力、お金が惜しくて、明らかに間違った道だと分かっていても、引き返すことができなくなってしまうのです。
  2. 現状維持バイアス: 人間は、本能的に「変化」を嫌い、「現状維持」を好む生き物です。新しいやり方を取り入れることには、痛みが伴います。そのため、たとえ今のやり方がうまくいっていなくても、「今までこうやってきたから」という理由だけで、変化を避けてしまうのです。
  3. 社会的証明の原理: 「周りのみんながやっているから、きっとこれが正しいのだろう」という心理です。特に、業界の「常識」や「慣習」は、この心理によって、何の疑いもなく受け入れられ、再生産され続けていきます。

これらの心理的バイアスが、あなたを「頑張りの罠」に縛り付け、正しい判断を曇らせているのです。

努力の「量」より、努力の「方向性」

もし、あなたが、今の状況から本気で抜け出したいと願うなら、まずは、一度、その必死に漕いでいるオールを手放し、立ち止まる勇気を持ってください。

そして、自問するのです。

「自分は、本当に正しい方向に進んでいるのだろうか?」

成功する経営者は、努力の「量」以上に、努力の「方向性」を重視します。
彼らは、行動を起こす前に、まず、どこにエネルギーを投下すれば、最も大きな成果(リターン)が得られるのかを、冷静に分析し、戦略を立てるのです。

がむしゃらに頑張る時代は、終わりました。

今、求められているのは、「賢い努力」です。

そのためには、まず、あなた自身の思い込みや、業界の常識という名の「呪い」から、自らを解き放つ必要があります。

次の記事では、その「呪い」を解き放ち、あなたの経営を成功へと導く、唯一無二の「正しい経営の羅針盤」について、詳しくお話しします。

あなたの努力を、今度こそ、本物の「成果」に結びつけるために。

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ハワードジョイマン

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 ・繁盛店グループ総代表 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 独自の株式投資経験から株式投資メソッドを確立し、株式投資コミュニティ「株研」も運営する。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。