「売上は増えているのに…」なぜかお金が残らないお店の、
みんなに共通する問題
レジを閉めるたびに、今日の売上を見てホッとする。「今日も、目標に届いた…」
でも、そのホッとした気持ちも長続きしない。
月末になると、なぜか手元にお金が残っていない。
それどころか、支払いに追われて頭を抱えている…。
「売上は確実に上がっているはずなのに、なぜ利益が出ないのか?」
この「忙しいのに儲からない」という辛い状況は、
多くの真面目なお店の経営者を苦しめている深刻な問題です。
もし、あなたも同じ悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
実は、お金が残らないお店には、いくつかの「共通する問題」があるのです。
問題1:お金の管理ができていない「見えない敵」
売上という分かりやすい数字ばかり見て、その裏で静かに、でも確実に利益を減らしている「コスト(お金の出費)」を見落としていませんか?
- 材料費などの罠: 売上が増えれば、当然、材料費や仕入れ代金も増えます。でも、その増え方が売上の増え方より大きくなってしまったら、利益は出るはずがありません。「良いものを使いたい」という気持ちが、知らないうちに使いすぎにつながっていないか、もう一度冷静に見直してみましょう。
- 固定費の重み: 家賃、スタッフの給料、電気代といった毎月決まって出ていくお金は、売上が多くても少なくても、必ずかかります。特に、忙しいからと安易にスタッフを増やした結果、人件費でお店が苦しくなるケースがとても多いです。「忙しいから」というだけで、本当にその人は必要だったでしょうか?
利益を出している経営者は、売上と同じか、それ以上にコストに注意を払っています。彼らは、1円の節約が、1円の利益になることを知っているのです。
問題2:値段を上げられない「不安」
「値上げをしたら、お客さんが来なくなってしまうのでは…」
この不安から、何年も同じ値段のままにしていませんか?
でも、よく考えてみてください。材料費やアルバイトの時給は毎年上がっています。それなのに、お店の値段だけが変わらないなら、あなたの利益が減っていくのは当たり前です。
利益を出している繁盛店は、この「値上げが怖い病気」を乗り越えています。
彼らは、ただ値段を上げるのではありません。値段以上の「価値」をお客さんに提供し、その良さをきちんと伝えることで、お客さんに納得して、喜んでお金を払ってもらうのです。
- 特別な価値を作る: あなたにしかできないサービス、あなたのお店でしか体験できないことは、安売り競争からあなたを守ってくれる強い味方になります。
- 良さを言葉で伝える: その商品のこだわり、そのサービスに込めた想いを、お客さんに伝えていますか?良さが伝われば、値段は問題ではなくなります。
問題3:リピーターを大切にしない「新規のお客さんばかり追いかける病気」
いつも新しいお客さんを探して、チラシや広告、SNSでの発信に追われる毎日。
もちろん、新しいお客さんを獲得することは大切です。でも、それ以上に大切なのが、一度来てくれたお客さんに「また来たい」と思ってもらうことです。
一般的に、新しいお客さんを獲得するのに必要なお金は、今いるお客さんをつなぎとめるお金の5倍かかると言われています。
つまり、リピーターを大切にすることこそが、最も効率よく利益を上げるための近道なのです。
お金が残らないお店は、この事実を見落として、ザルで水をすくうように、せっかく来てくれたお客さんを次々と逃してしまっています。
- お客さん情報を活用していない: お客さんの誕生日や前回来てくれた日を、あなたは覚えていますか?お客さん情報を使えば、一人ひとりに合わせた特別な対応ができるようになります。
- また来てもらう仕組みがない: 「また来てくださいね」と言うだけでは、お客さんは戻ってきません。次回の予約を取りやすくする割引券、ポイントカード、お知らせの配信など、また来てもらうための「仕組み」を作る必要があります。
「利益の計算式」を知っていますか?
売上を作る要素は、「お客さんの人数 × 一人あたりの支払い額 × 来店回数」です。
そして、利益は、「売上 – 支出」で計算されます。
多くのお金が残らないお店は、「お客さんの人数」を増やすことばかり考えて、他の大切な要素、特に「支出」「一人あたりの支払い額」「来店回数」をおろそかにしています。
もし、あなたが「忙しいのに儲からない地獄」から本気で抜け出したいと思うなら、まずは、あなたのお店の「問題」がどこにあるのかを、冷静に分析することから始めてみてください。
次の記事では、多くの経営者が頼って、そして苦しんでいる「割引クーポン」という危険な方法について、詳しく説明していきます。