2.「売上は上がっているのに…」なぜかお金が残らない店の、知られざる共通点

「売上は増えているのに…」なぜかお金が残らないお店の、
みんなに共通する問題

レジを閉めるたびに、今日の売上を見てホッとする。「今日も、目標に届いた…」

でも、そのホッとした気持ちも長続きしない。
月末になると、なぜか手元にお金が残っていない。

それどころか、支払いに追われて頭を抱えている…。

売上は確実に上がっているはずなのに、なぜ利益が出ないのか?

この「忙しいのに儲からない」という辛い状況は、
多くの真面目なお店の経営者を苦しめている深刻な問題です。

もし、あなたも同じ悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。

実は、お金が残らないお店には、いくつかの「共通する問題」があるのです。

問題1:お金の管理ができていない「見えない敵」

売上という分かりやすい数字ばかり見て、その裏で静かに、でも確実に利益を減らしている「コスト(お金の出費)」を見落としていませんか?

  • 材料費などの罠: 売上が増えれば、当然、材料費や仕入れ代金も増えます。でも、その増え方が売上の増え方より大きくなってしまったら、利益は出るはずがありません。「良いものを使いたい」という気持ちが、知らないうちに使いすぎにつながっていないか、もう一度冷静に見直してみましょう。
  • 固定費の重み: 家賃、スタッフの給料、電気代といった毎月決まって出ていくお金は、売上が多くても少なくても、必ずかかります。特に、忙しいからと安易にスタッフを増やした結果、人件費でお店が苦しくなるケースがとても多いです。「忙しいから」というだけで、本当にその人は必要だったでしょうか?

利益を出している経営者は、売上と同じか、それ以上にコストに注意を払っています。彼らは、1円の節約が、1円の利益になることを知っているのです。

問題2:値段を上げられない「不安」

「値上げをしたら、お客さんが来なくなってしまうのでは…」

この不安から、何年も同じ値段のままにしていませんか?

でも、よく考えてみてください。材料費やアルバイトの時給は毎年上がっています。それなのに、お店の値段だけが変わらないなら、あなたの利益が減っていくのは当たり前です。

利益を出している繁盛店は、この「値上げが怖い病気」を乗り越えています。

彼らは、ただ値段を上げるのではありません。値段以上の「価値」をお客さんに提供し、その良さをきちんと伝えることで、お客さんに納得して、喜んでお金を払ってもらうのです。

  • 特別な価値を作る: あなたにしかできないサービス、あなたのお店でしか体験できないことは、安売り競争からあなたを守ってくれる強い味方になります。
  • 良さを言葉で伝える: その商品のこだわり、そのサービスに込めた想いを、お客さんに伝えていますか?良さが伝われば、値段は問題ではなくなります。

問題3:リピーターを大切にしない「新規のお客さんばかり追いかける病気」

いつも新しいお客さんを探して、チラシや広告、SNSでの発信に追われる毎日。

もちろん、新しいお客さんを獲得することは大切です。でも、それ以上に大切なのが、一度来てくれたお客さんに「また来たい」と思ってもらうことです。

一般的に、新しいお客さんを獲得するのに必要なお金は、今いるお客さんをつなぎとめるお金の5倍かかると言われています。

つまり、リピーターを大切にすることこそが、最も効率よく利益を上げるための近道なのです。

お金が残らないお店は、この事実を見落として、ザルで水をすくうように、せっかく来てくれたお客さんを次々と逃してしまっています。

  • お客さん情報を活用していない: お客さんの誕生日や前回来てくれた日を、あなたは覚えていますか?お客さん情報を使えば、一人ひとりに合わせた特別な対応ができるようになります。
  • また来てもらう仕組みがない: 「また来てくださいね」と言うだけでは、お客さんは戻ってきません。次回の予約を取りやすくする割引券、ポイントカード、お知らせの配信など、また来てもらうための「仕組み」を作る必要があります。

「利益の計算式」を知っていますか?

売上を作る要素は、「お客さんの人数 × 一人あたりの支払い額 × 来店回数」です。

そして、利益は、「売上 – 支出」で計算されます。

多くのお金が残らないお店は、「お客さんの人数」を増やすことばかり考えて、他の大切な要素、特に「支出」「一人あたりの支払い額」「来店回数」をおろそかにしています。

もし、あなたが「忙しいのに儲からない地獄」から本気で抜け出したいと思うなら、まずは、あなたのお店の「問題」がどこにあるのかを、冷静に分析することから始めてみてください。

次の記事では、多くの経営者が頼って、そして苦しんでいる「割引クーポン」という危険な方法について、詳しく説明していきます。

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ハワードジョイマン

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント 中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345) 絵本作家(構想・シナリオ担当) ・有限会社繁盛店研究所 取締役 ・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役 ・株式会社日本中央投資会 代表取締役 ・繁盛店グループ総代表 1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区) 自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。 大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。 市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。 取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。 お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。 こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。 発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。 会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。 コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。 独自の株式投資経験から株式投資メソッドを確立し、株式投資コミュニティ「株研」も運営する。 どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。