あなたのお店にとって、最も「価値」のあるお客様は、誰だと思いますか?
- 一番、高額な商品を、買ってくれるお客様?
- 一番、頻繁に、来店してくれるお客様?
- 一番、多くの、友人や知人を、紹介してくれるお客様?
どれも、正解です。しかし、これらは全て、ある一つの、非常に重要な「指標」に、集約することができます。
それが、「LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)」です。
LTVとは、一人の顧客が、その生涯にわたって、あなたのお店に、どれだけの「利益」をもたらしてくれるのか、を表す指標です。
そして、「増益繁盛メソッド」の3番目のエンジンである「再来店促進エンジン」の、唯一にして、絶対の目的は、このLTVを「最大化」することにあります。
これまでのエンジンで、あなたのお店の「収益性」と「客単価」は、すでに、極限まで高められています。次に行うべきは、その「一回限り」の利益を、いかにして、「長期的」かつ「安定的」な、利益の流れへと、変えていくか、です。
この記事では、お客様を、単なる「リピーター」から、あなたのお店を、心から愛し、自発的に応援してくれる「信者」へと、育て上げるための、究極の関係構築術、「リレーションシップ・マーケティング」の神髄について、お伝えします。
あなたは、お客様の「顔」と「名前」を、覚えていますか?
もし、あなたが、お客様のことを、単なる「売上」や「数字」としてしか、見ていないとしたら、お客様もまた、あなたのお店のことを、単なる「選択肢の一つ」としてしか、見てはくれないでしょう。
関係性は、常に「鏡」です。
あなたが、お客様に対して、無関心であれば、お客様もまた、あなたに対して、無関心になるのです。
リレーションシップ・マーケティングの第一歩。それは、お客様、一人ひとりを、「個」として認識し、記憶し、尊重することから、始まります。
- 「〇〇様、こんにちは!先日は、ご来店ありがとうございました」
- 「〇〇様、前回、お話しされていた、新しいプロジェクト、その後、いかがですか?」
- 「〇〇様、確か、来週、お誕生日ですよね?少し早いですが、おめでとうございます!」
想像してみてください。もし、あなたが、行きつけのお店のスタッフから、このように、声をかけられたとしたら、どんな気持ちになるでしょうか?
きっと、驚きと共に、心が、じんわりと、温かくなるのを感じるはずです。「ああ、この人は、私のことを、覚えていてくれたんだ」と。
この、「パーソナルな承認」こそが、お客様の心を、他のどの店にも、決して、揺らぐことのない、強固な「絆」で、あなたのお店に、縛り付けるのです。
「でも、そんなに、たくさんのお客様の情報を、覚えておくなんて、不可能だよ…」
そう思ったかもしれません。しかし、心配は、いりません。現代には、その、あなたの「記憶力」を、無限に拡張してくれる、強力な「外部脳」が存在します。それが、「顧客管理システム(CRM)」です。
高価なシステムを、導入する必要はありません。シンプルなノートや、Excelのシートでも、十分に、その役割を、果たしてくれます。
重要なのは、ツールそのものではなく、お客様の情報を、大切に「記録」し、次の「おもてなし」に、活かそうとする、あなたの「姿勢」なのです。
お客様を「飽きさせない」ための、コミュニケーション戦略
どんなに、情熱的な恋愛関係も、時間が経つにつれて、その「ときめき」が、薄れていってしまうように。お客様との関係もまた、何もしなければ、いずれは「マンネリ化」し、終わりを迎えてしまいます。
お客様を、あなたのお店の「信者」として、繋ぎ止め続けるためには、彼らを「飽きさせない」ための、継続的な、そして、戦略的な、コミュニケーションが、不可欠です。
そのための、最も効果的な、3つのアプローチをご紹介します。
アプローチ1:サプライズと、特別扱い
人間は、「予期せぬ喜び(サプライズ)」と、「自分だけが、特別扱いされている」という感覚に、非常に、弱い生き物です。
- 誕生日のサプライズ: 顧客情報に基づいて、お客様の誕生月に、特別なプレゼントや、割引クーポンを、送付します。
- 常連様限定の「裏メニュー」: 「〇〇様は、いつも、ご利用いただいているので、本日、特別に、メニューには載っていない、こんなお料理も、ご用意できますが、いかがですか?」
- 記念日の祝福: お客様の「初回利用日」を、記録しておき、「〇〇様、当店をご利用いただいて、本日で、ちょうど1年になります。ささやかですが、感謝の気持ちです」と、シャンパンを、1杯、サービスする。
これらの、「あなただけ」を、特別に想っている、というメッセージが、お客様の「自尊心」をくすぐり、あなたのお店に対する「忠誠心(ロイヤリティ)」を、劇的に、高めるのです。
アプローチ2:コミュニティへの、招待
人間は、「何かに、所属していたい」という、根源的な欲求を持っています。これを、「社会的欲求」と呼びます。
あなたのお店を、単に「モノを、売買する場所」から、「同じ価値観を持つ、仲間が集う、コミュニティ」へと、昇華させることができれば、お客様は、もはや、あなたのお店から、離れることはできなくなります。
- 常連様だけが、参加できる、イベントの開催: 新商品の試食会、生産者を招いての、トークショー、あるいは、お客様同士の、交流を目的とした、パーティーなど。
- お客様の「声」を、お店作りに、反映させる: 「今度、新しいメニューを、開発しようと思うのですが、〇〇様でしたら、どんなものが、食べてみたいですか?」と、意見を求める。そして、その意見が、実際に、商品化された時、お客様は、単なる「消費者」から、お店を、共に創る「当事者」へと、意識が、変わります。
アプローチ3:ストーリーの、共有
人は、「事実」や「データ」だけでは、動きません。人の心を、本当に、動かすのは、いつの時代も、感情を、揺さぶる「ストーリー」です。
あなたのお店の、成り立ちの物語。商品開発の、裏側に隠された、苦労話。スタッフ、一人ひとりの、仕事に対する、熱い想い…。
そうした、「血の通った」ストーリーを、ニュースレターや、SNS、あるいは、店内の掲示物などを通じて、お客様と、共有し続けるのです。
お客様は、そのストーリーに、自らの人生を、重ね合わせ、あなたのお店に対して、まるで、我が事のような「親近感」と「共感」を、抱くようになります。
LTVは、お客様との「絆」の、深さである
「再来店促進エンジン」の、最終的なゴール。
それは、お客様を、利益を、もたらしてくれる「数字」としてではなく、あなたのお店を、共に、支え、育ててくれる、かけがえのない「パートナー」として、お迎えすることです。
その、深く、そして、温かい「絆」こそが、あなたのお店を、どんな、時代の荒波にも、決して、揺らぐことのない、強固な「砦」へと、変えてくれるのです。
次の記事では、「増益繁盛メソッド」の4番目のエンジンである、「新規集客エンジン」について、お話しします。
しかし、もはや、あなたは、新規集客を、「狩り」のように、考える必要は、ありません。なぜなら、あなたのお店の「信者」たちが、あなたに代わって、新しい仲間を、連れてきてくれるからです。