9月の朝。
先日、ある鉄板居酒屋の
40代のオーナーと話していて、
こんな言葉が出てきました。
「補助金で厨房機器を入れたいんです。
今が申請のタイミングだと聞いて。」
気持ちは、よくわかります。
使える制度があるなら使いたい。
出せる費用は抑えたい。
経営者として、当然の発想です。
でも、そのとき私は
こう聞き返しました。
「その設備が入ったら、
客数・客単価・再来店の
どれが、どう動きますか?」
少し間があって、
オーナーは「……考えてなかったです」
と言いました。
そこが、今日の話の入口です。
📋 この記事でわかること
- 業界平均との比較が「罠」になる理由
- 自店の数字を正しく読む3つの診断軸
- 補助金・設備投資を「回収できる投資」にする設計の考え方
- 数字を読んだ後に、最初に動かすべき一手
こんな方におすすめ
- ✅ 補助金で厨房機器・設備投資を検討している飲食店オーナーの方
- ✅ 業界平均や他店と比べて「うちは普通かな」と判断している方
- ✅ 売上はあるのに手元にお金が残らないと感じている方
- ✅ 設備を入れたけど売上が変わらなかった経験がある方
- ✅ 客数・客単価・来店頻度のどこに問題があるか分からない方

業界平均と比べても、何も解決しない
「飲食店の平均月商はいくら?」
ネットで調べると、いろんな数字が出てきます。
でも、その数字を見て
「うちは平均より上だから大丈夫」
と思ったとしたら、要注意です。
業界平均は、
あなたのお店の家賃を知りません。
スタッフの人数も、仕入れ先も、
客層も、立地も知りません。
平均と比べることで
安心できるのは気持ちだけで、
経営の問題は何一つ解決しません。
大切なのは、他店との比較ではなく、
自店の数字の構造を読むことです。
売上という一つの数字の中に、
実は3つの要素が隠れています。
客数 × 客単価 × 来店頻度。
この3つに分解したとき、
はじめて「どこが問題か」が
見えてくるんです。
飲食店の売上が頭打ちになったとき、最初に見直すべき数字とその読み方でも書いていますが、
売上が横ばいの店ほど、
この分解をしていないことが多い。
「業界平均より上だから大丈夫」と思っていたけど、自店の数字をどう読めばいいかが実はわからない、という状態ではないでしょうか。繁盛店ポータルに無料登録すると、増益繁盛プランナー(5ステップ無料)で客数・客単価・来店頻度の現状を対話しながら整理できます。メール登録のみ、1分で完了します。
自店の数字を診断する3つのチェックポイント
では、具体的に何を見ればいいか。
3つのチェックポイントで
診断してみてください。
チェックポイント1:客数は「新規」と「リピート」に分かれていますか?
「先月は客数が増えた」という場合、
それは新規客が増えたのか、
既存客が戻ってきたのか。
この2つは、まったく別の話です。
新規客が増えたなら、
集客施策が機能しています。
でも、リピート客が減っていたら、
「入口は開いているけど
出口から流れている」状態です。
ザルに水を注いでいるのと同じ。
✅ ポイント:月ごとに「初回来店数」と「再来店数」を別カウントする習慣をつけること。どちらに問題があるかによって、打ち手がまったく変わります。
チェックポイント2:客単価は「何が引き上げているか」を把握していますか?
「うちの客単価は4,500円です」
それはいつ、どのメニューで
構成されている4,500円か。
ドリンクの追加注文で上がっているのか、
コース料理が選ばれているのか、
それとも単純に品数が多いだけか。
これが分からないと、
単価を上げようとしたときに
「何を変えればいいか」が見えません。
✅ ポイント:POSデータや手書きの集計でもいい。「何が売れているか」より「何が単価を動かしているか」を把握すること。名物メニューや推しドリンクが客単価に直結しているケースが多い。
チェックポイント3:来店頻度は「自然に来ている」だけになっていませんか?
お客さんがまた来てくれる。
それは嬉しいことです。
でも、「自然に来てくれている」だけなら、
それは経営ではなく、運です。
来店頻度を意図的に上げるには、
来店後に「また来る理由」を
渡す仕組みが必要です。
次回来店のきっかけになる一言、
DMやLINEでの接触、
季節の限定メニューの告知。
こうした仕掛けを、
意図的に設計できているかどうか。
✅ ポイント:「お客さんが来てくれている」と「お客さんを来させる仕組みがある」は別物。来店頻度を上げる接点を1つ設計するだけで、売上の土台が変わります。
✓ ここまでのポイント
- 業界平均との比較は安心材料にならない。自店の数字を客数・客単価・来店頻度に分解することが先決。
- 客数は「新規」と「リピート」を分けて見ること。どちらが問題かによって打ち手が変わる。
- 来店頻度は「自然に来ている」だけでは経営ではない。再来店を促す仕組みを設計することが重要。
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補助金で設備を入れる前に確認すべきこと
さて、ここで冒頭の話に戻ります。
補助金を活用して厨房機器を入れたい。
その気持ちは、正しいと思います。
補助金の申請要件や採択ノウハウ、
税務処理については、
認定支援機関や中小企業診断士、
行政書士、税理士など
その道の専門家に相談するのが
最善の方法です。
私がお伝えしたいのは、
その手前の話です。
設備が入った後の設計が
できているかどうか。
これが、投資を回収できるかどうかを決めます。
例えば、
新しいグリルを入れて調理効率が上がった。
でも、その設備で何品増やせるか、
回転率が上がって何組多く迎えられるか、
新メニューで客単価がいくら動くか。
これが設計されていなければ、
補助金で設備を入れても
「便利になっただけ」で終わります。
設備投資は、
3つの軸のどこかを動かすための手段です。
客数を増やすための設備か。
客単価を上げるための設備か。
来店頻度を高めるための設備か。
この問いに答えられるかどうかが、
投資の成否を分けます。
「お金を掛けずに売上を伸ばす」
という考え方は愚策です。
でも、「掛けるお金が顧客を創造するかどうか」
は、別の問いです。
「設備を入れることがゴールになった瞬間、その投資は止まります。設備の先に、どんなお客さんが何人増えて、いくら払ってくれるかを描いてから動く。それが、投資を回収する経営の順番です。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
飲食店の営業利益率の目安は5〜10%、自店の数字が適正かを見直す手順も、
設備投資を検討する前の確認として
読んでみてください。
設備投資×販促設計、この組み合わせが機能した事例
先ほど話していた
鉄板居酒屋の40代オーナー。
実は、設備投資そのものより先に、
販促の設計を整えるところから始めました。
何を変えたか。
客単価を動かすメニュー構成の見直し。
再来店を促すハガキDMの仕組み化。
閉店後の残業を減らすオペレーションの整理。
設備を入れる前に、
「今の構造を正しく読む」ことをやった。
その結果がこれです。
「月商が25%増えました。閉店後の残業も短縮できて、朝起きたら店に立つのが待ち遠しくなったんです。」
鉄板居酒屋オーナー(40代・男性)
月商25%増。
閉店後の残業短縮。
店に立つのが待ち遠しくなった。
この3つは、設備を入れたから
生まれたものではありません。
自店の数字を読んで、
販促と仕組みを設計したから
生まれたものです。
設備投資を考えているなら、
この順番を逆にしないことが大切です。
数字を読んだ後に、最初に動かす一手
自店の数字を3軸で診断した。
問題がある箇所もわかった。
では、次に何をするか。
一番やってはいけないのは、
「全部同時に直そうとすること」です。
客数も、客単価も、来店頻度も
全部同時に施策を打とうとすると、
どれも中途半端になります。
診断で一番数字が動きそうな1点に
絞って動く。
それが、最初の一手です。
例えば、
リピート率が低いなら、
まず「再来店を促す接点」を一つ作る。
客単価が低いなら、
まず「推しメニュー1品」の訴求方法を変える。
派手な施策より、
地味な一手をすぐにやり切る。
これが、数字を動かす経営の基本です。
あなたのお店は、
今どの数字が一番動きそうですか?
そこに、最初の一手を打ってみてください。
「売上は運ではなく、設計で作るものです。数字を読む習慣と、販促を仕組みにする行動。この2つが揃ったとき、経営が後手から先手に変わります。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
補助金の活用を検討しているなら、
申請の専門家と並行して、
「その設備で何が動くか」の設計を
一緒に考えてみましょう。
飲食店の経営コンサルに依頼する前に知っておきたい、失敗しない選び方と確認すべきポイントも、
参考になると思います。
まとめ:比べるべきは他店ではなく、昨日の自店
業界平均との比較は、
安心材料にはなりません。
大切なのは、
自店の数字を3軸で分解し、
どこが機能していて
どこが止まっているかを読むこと。
補助金で設備を入れるなら、
その設備が客数・客単価・来店頻度の
どれをどう動かすかを
先に設計すること。
投資と販促はセットで考える。
設備は手段であって、目的ではない。
この順番を守って動いていきましょう。
店舗経営は、自分との比較を
積み重ねるゲームです。
昨日の自店を超え続けましょう。
追伸:
自店の数字の読み方や、
販促と投資をセットで設計する考え方については、
増益繁盛クラブの中で
具体的にお伝えしています。
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