受注件数が増えた月の話。
ある工務店さんから相談を受けたのが
ちょうど9月の初旬でした。
「今年は去年より受注が多いんです。
なのに、なぜか通帳の残高が増えない。」
話を聞いていくと、
原価が膨らみ、
人が足りないから外注費がかかり、
その外注先も安定しないから
また次の現場で苦労する、という話でした。
受注が増えているのに
手元に残らない。
これ、工務店さんに限らず
飲食店でも美容室でも
まったく同じ構造で起きています。
と言うことで、
今日は「受注が増えても利益が残らない会社の
共通パターン」を整理して、
その先をどう変えるか、
ステップ順に話していきます。
📋 この記事でわかること
- 利益が残らない工務店に共通する構造的パターン
- 原価・外注費・人件費の見直しで手元に残す順番
- 「採用で困らない会社」になるための土台づくり
- 繁盛と採用が同じ根から生まれる理由
こんな方におすすめ
- ✅ 受注は増えているのに利益が残らず首をかしげている工務店オーナー
- ✅ 外注費・人件費が膨らむ一方で手元が苦しいと感じている方
- ✅ 求人を出しても応募が来ない、来てもすぐ辞めてしまうと悩んでいる方
- ✅ 採用と経営の関係性を根本から見直したい方
- ✅ 値引き競争や下請け構造から抜け出したいと感じ始めた方

受注が増えると「見えないコスト」が膨らむ
受注が増えると嬉しい。
でも、
現場が増えれば職人の手配が要る。
手配が追いつかなければ外注に頼む。
外注に頼めばマージンが乗る。
気づけば、
売上の数字は大きくなっているのに
手元に残る金額は変わらない、
むしろ減っているという状態になります。
これが「受注増・利益減」の
典型的な入り口です。
あなたのお店(会社)で
こういう状況は起きていませんか?
原価率を毎月確認していますか?
多くの工務店さんが
年間の決算でしか原価を見ていません。
それでは、
どの現場でコストが膨らんでいるかが
分からないまま次の受注を取りに行くことになる。
結果として、
働けば働くほど疲弊する構造が
できあがっていきます。
工務店の原価計算の基本と利益を守るための落とし穴についても、
別の記事で詳しく整理していますので
参考にしてみてください。
現場別の粗利を出したことがない、見積もりの感覚が古いまま、外注費がどこで膨らんでいるか分からない──そういう「数字の霧」の中で経営している感覚、ありませんか。繁盛店ポータルに無料登録すると、ハワードジョイマンAIにあなたの会社の状況を話しかけながら、何から手をつければいいかを整理できます。メール登録のみ、1分で使えます。
利益が残らない会社に共通する3つのパターン
相談を受けてきた工務店さんを見ていると、
手元に残らない会社には
ほぼ共通するパターンがあります。
チェックポイント1:見積もりの「甘さ」が原価を食っている
受注を取りたい気持ちから
見積もりを低く出してしまう。
または、
材料費や職人の手間賃の変動を
見積もりに反映できていない。
特に昨今の資材高騰や人件費上昇の局面では、
以前の感覚で出した見積もりが
そのままロスになります。
✅ ポイント:見積もりは「取れる価格」ではなく
「利益が出る価格」から逆算する習慣を持つこと。
受注前に原価の上限を決める。
チェックポイント2:外注依存で利益率が構造的に下がっている
自社施工できる範囲を超えて受注した結果、
外注費が積み上がる。
外注先への発注単価を
交渉なしに丸呑みしている会社も多い。
✅ ポイント:自社の適正受注量を把握する。
外注を使うなら、その分を見積もりに
きちんと転嫁できているか確認する。
「忙しいから外注する」と
「利益が出る外注の使い方をする」は別の話。
チェックポイント3:人件費が「固定費」として重くなっている
スタッフを雇っているのに
現場が安定しないと、
稼働していない日も給与だけ出ていく。
逆に、
人が足りないから仕事を取れない、
という状態でも成長が止まります。
✅ ポイント:人件費は売上に対する比率で管理する。
固定費として感覚が麻痺しないよう、
月次で粗利に対する人件費率を確認する。
✓ ここまでのポイント
- 受注増と利益増は自動的にはリンクしない。原価・外注・人件費の3点が利益を食う主因。
- 見積もりを「受注価格」ではなく「利益が出る価格」から設計し直す必要がある。
- 外注依存と人件費の固定化は、どちらも「忙しいのに残らない」の根本構造。
「価値を伝える見積もり提案に切り替える」とは言っても、何をどう伝えれば価格比較をされにくくなるのか、具体的な言葉が浮かばない方も多いと思います。繁盛店ポータルの「みんなの経営相談DB」では、業種とカテゴリを選ぶだけでAIに相談できます。チラシや提案書を添付すれば、その内容を見て改善アドバイスもしてくれます。無料で使えます。
手元に利益を残すための、見直しの順番
では、どこから手をつけるか。
施策を思いついた順にやっても
効果は出にくい。
順番が大事。
利益改善 STEP 1
まず「どの現場でいくら残っているか」を把握する
現場別の粗利を出したことがない会社は、
まずここから始めます。
売上総額ではなく、
案件ごとに材料費・外注費・人件費を引いた
粗利額を見える化する。
これをやると、
稼ぎ頭の案件と赤字案件が
はっきり分かれます。
⚠️ よくある失敗:
「だいたいこのくらい残っているはず」という感覚で
経営している。
感覚の誤差が積み重なって
年末に資金が足りないことに気づく。
利益改善 STEP 2
赤字案件・薄利案件の共通点を見つける
現場別に粗利が見えてくると、
特定の顧客種別、工事内容、
または下請け構造のパターンで
利益が出ていないことが分かります。
そこに集中してコストの見直しをかける。
全体を一気に変えようとしない。
1案件ずつ改善する。
⚠️ よくある失敗:
「どの仕事も同じくらい大変だから
同じ利益率のはず」と思い込む。
実際には案件ごとの粗利率に
2〜3倍の開きがあることも珍しくない。
利益改善 STEP 3
価値を伝える見積もり提案に切り替える
値引きで取る受注から抜け出すには、
「なぜうちに頼むべきか」を
見積もりの前段階で伝える仕組みが要ります。
例えば、
施工事例の写真集、
OB施主さんからの声、
自社の保証内容や施工管理の丁寧さ。
これを整えると、
単純な金額比較をされにくくなります。
値引き競争から抜け出した工務店さんが
どう実績を積み上げているかは、
工務店の集客手段の選び方と優先順位でも
詳しく書いていますので
参考にしてみてください。
⚠️ よくある失敗:
「うちの品質は分かる人には分かる」
と発信せずに待つ。
伝わらない品質は存在しないのと同じ。
「お金をかけずに売上を伸ばそうとするのは愚策です。伝わる仕組みに投資しないと、いつまでも価格で比べられる。品質と誠実さを持っている工務店さんほど、それを伝える販促を後回しにしている。もったいない話です。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
採用で困らない会社の「根っこ」はここにある
求人を出しても来ない。
来てもすぐ辞める。
この悩みを持つ工務店オーナーは
本当に多いです。
でも、
採用手法を変える前に
見るべき場所があります。
「この会社で働きたい」と思われているか、
という根本です。
社長が値引き競争に疲弊していて、
現場が常に人手不足でバタバタしていて、
利益が残らないから給与も上がらない。
そういう会社に、
優秀な人は集まりにくい。
逆に、
受注した仕事でちゃんと利益が出て、
社長が誇りを持って自社の仕事を語れて、
お客さんからも選ばれている繁盛した状態。
そういう会社には、
「ここで働いてみたい」という人が
自然と引き寄せられてきます。
お客さんに選ばれる会社になることと、
人に選ばれる職場になることは、
同じ根を持っています。
私がコンサルの中で大事にしているのは、
採用テクニックより先に
「経営者として誇りを持てる会社の状態を作る」
というところです。
周りから憧れられ、
目標とされる経営者の店には
自然と人も仕事も集まってくる。
そのための土台が、
利益構造の見直しであり、
価値を伝える販促であり、
値引きに頼らない受注の仕組みです。
「提案への迷いが自信に変わった、とおっしゃっていただいたんです。その言葉が印象に残っています。客単価が20%上がったことよりも、自分の提案に自信が持てるようになったことが、いちばんの変化だとおっしゃっていた。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
「客単価が20%向上し、無駄な待機を削減できたことで子どもと過ごす時間が増えました。何より、提案への迷いが自信に変わったことが大きかったです。」
ヘッドスパ強化サロン(女性・40代)
これは美容室の事例ですが、
工務店でも同じことが起きます。
提案に自信がある社長の会社は、
スタッフにとっても
「ついていきたい」と思える場所になります。
利益が出る構造を整えることが、
採用の足腰になる。
その順番を間違えないこと。
まず動かせるところから、今月始める
「分かったけど、どこから?」
という方は、今月この3つだけやってみてください。
1.直近3件の現場の粗利を出す。
2.その中で利益率が低かった現場の
コスト内訳を一つ確認する。
3.次の見積もりを出す前に、
自社の強みを1枚の紙にまとめてみる。
地味です。
でも、
この地味な確認作業を
「すぐに」「継続して」やれる会社が、
3年後に別の景色を見ています。
受注を増やすことより、
今ある受注から確実に利益を残すことが先。
利益が残れば、
スタッフの待遇も改善できる。
採用への投資もできる。
社長の余裕が生まれて、
はじめて人が「この人のそばで働きたい」
と思ってくれる会社になっていきます。
売上はあるのに手元にお金が残らない店の共通点についても、
飲食店の視点から整理した記事がありますので
合わせて読んでみてください。
工務店でも同じ構造が見えてきます。
受注が増えるたびに手元が苦しくなる
このサイクルを、
今月から一つずつ断ち切っていきましょう。
経営は、
積み上げたものが必ず形になるゲームです。
地道に積んでいきましょう。
利益が残る構造を作りたい、採用で困らない会社にしたい、でも一人で考えていると同じところをぐるぐるする──そのループから抜け出すには、「何をどの順番でやるか」を伴走者と一緒に決めることが早い。増益繁盛クラブでは、売上分解と利益構造の見直しを、同じ悩みを持つ全国の仲間と一緒に実行できる場を用意しています。申込フォームへの入力のみで参加できます。