3.儲かる販促と利益アップ

飲食店の値下げ脱却、適正単価で選ばれる店に変わるための3ステップ

秋の夕方、清水の港沿いを歩いていた。

漁師飯のにおいがして、
ふと足が止まった。

小さな寿司屋の暖簾。
手書きの品書き。
ランチは終わって、
夜の仕込みがちょうど始まる時間帯だ。

「あの店、どうやって生き残ってるんだろう」
と思うくらい、
ひっそりした外観だった。

でも、近所の人間なら知ってる。
あの店はずっと混んでる。
しかも値引きチラシを撒いた記憶がない。

こうした光景を見ていると、
値下げしないのに選ばれ続ける店と、
値下げしても客が来ない店の違いって
何なんだろうと、改めて考えさせられます。

と言うことで、
今日は「飲食店の値下げ脱却」をテーマに、
適正単価で長く選ばれる店に変わるための
3つのステップをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ値下げが長期的な経営を蝕むのか、その構造
  2. 適正単価で選ばれるために最初に変えるべきマインド
  3. 客数・客単価・来店頻度を意図的に動かす3ステップの実践法
  4. 値下げをやめた後に継続して繁盛し続けるための販促の習慣

こんな方におすすめ

  • ✅ クーポンや値引きに頼り続けることに限界を感じている飲食店オーナーの方
  • ✅ 売上はあるのに手元にお金が残らず、原因を掴みかねている方
  • ✅ 客単価を上げたいが、値上げしたら客が離れるのではと不安な方
  • ✅ 一時的な繁盛ではなく、5年後・10年後も続く店を作りたい方
  • ✅ 「何から手をつければいいか」で立ち止まったままになっている方
飲食店の値下げ脱却、適正単価で選ばれる店に変わるための3ステップ | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

値下げを続けると、なぜ店が疲弊するのか

まず、構造の話をします。

値下げは、短期的には客が来ます。
だから「効いた」と思いやすい。

でも、これが罠なんです。

値下げで来た客は、
値下げ目当てで来た客です。
次も値下げがなければ来ません。

つまり、値下げを繰り返すほど、
「値下げがないと来ない客層」だけが
蓄積されていく。

食材費・人件費・光熱費は
値下げしてくれません。
客単価だけが下がる。
利益がどんどん薄くなる。

その結果、
「忙しいのにお金が残らない」
という状態が完成します。

飲食店の利益が残らない構造については、
売上はあるのにお金が手元に来ない店の共通点でも詳しく書いていますが、
値下げ依存はその最大の原因のひとつです。

では、どう変えるか。
3つのステップで見ていきましょう。

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ステップ1:「売上は意図的に作れる」というマインドへの転換

施策より先に、マインドを変える。
これが最初にやることです。

多くの飲食店オーナーが、
売上を「天気」のように扱っています。
良い日もあれば悪い日もある。
来てくれたら嬉しい、来なければしょうがない。

これも逆です。

売上は、意図的に作れます。
客数・客単価・来店頻度の
3つを動かせば、売上は変わります。

でも「そんな簡単じゃない」と思った方、
少し待ってください。

「簡単に」とは言っていません。
「意図的に」と言っています。

意図的に動かすとは、
「この月は新規客を20人増やす施策を打つ」
「今月は客単価を300円上げる仕掛けをする」
と決めて、行動することです。

運任せをやめる。
数字に責任を持つ。

これができた経営者だけが、
5年後・10年後も残っています。

「売上が悪い月は、販促が足りていなかっただけです。景気でも場所でもなく、意図的な行動の量が足りなかっただけ。それに気づいた瞬間から、経営が変わり始めます。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

ステップ2:価値を「見える化」して、適正単価を設計する

値下げをやめると決めたあと、
次にやることは「価値の見える化」です。

お客さんが値段に納得するかどうかは、
価格の絶対値より、
「その価格に見合う理由が見えるかどうか」
で決まります。

あなたのお店は、
なぜその値段なのかを
お客さんに伝えていますか?

産地、こだわり、仕込みの時間、
職人の技術、使っている食材の背景。
こうした情報が伝わって初めて、
「この値段なら納得」になります。

例えば、
居酒屋で「国産牛使用」とだけ書いてある店と、
「○○県の○○農場から直接仕入れた
国産黒毛和牛。柔らかさが全然違います」
と書いてある店では、
同じ値段でも後者の方が
「高い」と感じにくい。

価値が伝わるかどうか。
これが単価設計の核心です。

チェックポイント1:価値を伝えるPOPや説明文があるか

メニュー表、店頭POP、SNS投稿のどこかで、
食材や仕込みのこだわりを
具体的な言葉で伝えているか確認してください。

✅ ポイント:「国産」「手作り」のような抽象的な言葉ではなく、「どこの」「どんな工程で」「なぜそうしているのか」まで書けると、単価への納得度が上がります。

チェックポイント2:値下げをやめた後の「代わりの訴求」が用意できているか

値引きをやめると、
代わりに何かを打ち出す必要があります。
「限定性」「季節感」「ストーリー」が
使いやすい素材です。

✅ ポイント:クーポン依存から脱却した事例については安売り集客から脱却した店が最初にやったことに詳しく書いています。まず「何を代わりに伝えるか」を決めることが先決です。

✓ ここまでのポイント

  • 値下げを続けると値下げ目当ての客だけが蓄積され、利益が薄くなる構造が固定される
  • 売上は「天気」ではなく、客数・客単価・来店頻度を意図的に動かすことで作れる
  • 適正単価で選ばれるには、価格に先立って「価値の見える化」が必要

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「客単価が6,000円から8,500円になりました。値上げしたというより、価値を伝えられるようになったら、お客さんが納得して払ってくれるようになった感覚です。『価値で選ばれている』と実感できて、店に立つのが楽しくなりました。」

寿司店オーナー(50代・男性)

この方の変化は、
一夜にして起きたわけではありません。
販促の習慣を変え、
価値を伝え続けた結果です。

そして、もうひとつ大事なことがある。
1日1.5時間を「経営に使う時間」として
意図的に確保し始めたこと。

これが3つ目のステップに繋がります。

ステップ3:地味な販促を「すぐに」「継続して」回す仕組みを作る

値下げをやめ、
価値を伝える設計ができたら、
あとは継続して動かし続けることだけです。

でも、ここで多くの経営者が止まります。

「忙しくて時間がない」
「何からやればいいか分からなくなった」

このどちらかで、
動きが止まってしまう。

派手な施策は必要ありません。
必要なのは、
地味な販促を毎月やり続けること。

具体的には、
ニュースレターやハガキDMで
既存のお客さんとの関係を育てる。
Google マップのプロフィールを更新する。
来月の来店理由を今月のうちに作っておく。

これを、仕組みとして回す。

集客の仕組み化 STEP 1

来店頻度を上げる施策から始める

新規客を集めるより、
既存のお客さんに「また来たい」と思わせる方が
コストも時間も少なく済みます。
LINE公式アカウントやハガキDMで
月1回でも接点を作ることから始めてください。

⚠️ よくある失敗:「割引クーポンを送らないと来てくれない」という思い込みで、
また値引きの連絡をしてしまうこと。
送るのはお得情報ではなく、
「この店に来たくなる情報」です。
季節のおすすめ、仕込みの裏話、
食材のストーリー。
こうした内容がお客さんとの関係を育てます。

集客の仕組み化 STEP 2

客単価を上げる仕掛けをメニューに仕込む

単価を上げようとするとき、
値上げだけを考える経営者が多い。
でも、それ以外にも方法はあります。
セット提案、季節の名物メニュー、
席で自然にオーダーが増える仕組み。
こうした仕掛けをメニュー表に入れておくと、
お客さんが自発的に単価を上げてくれます。

⚠️ よくある失敗:単価を上げようとしてコースを増やしたはいいが、
スタッフが説明できない・勧められない状態になること。
仕掛けを作ったら、スタッフへの共有と
一言声かけの練習までセットでやること。

集客の仕組み化 STEP 3

新規客を集める販促を月1本だけ継続する

チラシでも、Google広告でも、
地元の情報誌への掲載でも、何でもいい。
「毎月1本」を12か月続けることが
積み上がって資産になります。
1回やって反応がなかったからやめる、
ではなく、
効果測定をしながら改善して継続する。

⚠️ よくある失敗:チラシを1回配って「反応なかった」で終わること。
反応率を左右する要素の確認と改善方法は
チラシが効果ないと感じたら確認したい4つの要素に書いています。
「やめる」前に「改善する」を試してください。

この3つのSTEPを、
毎月継続して回す。

華やかさは何もない。
でも、この地味な繰り返しが、
5年後・10年後の経営基盤を作ります。

長期的に繁盛し続けるための「経営者の時間」を確保すること

最後に、もうひとつ伝えさせてください。

先ほどの寿司店オーナーの方は、
1日1.5時間を「経営に使う時間」として
意図的に確保し始めた、と書きました。

これは小さいようで、
実はとても大きな変化です。

現場に張り付いたままでは、
経営は変わりません。
販促を考える時間がない。
数字を見る時間がない。
仕組みを作る時間がない。

だから疲弊する。
だから値下げに逃げる。

1日1.5時間でいい。
週で換算すると7.5時間。
その時間を使って、
今月の販促を考え、
来月の施策を準備し、
お客さんへのDMを書く。

この習慣が積み上がると、
経営者としての自分が育ってきます。

売上が頭打ちになったオーナーが突破口を見つけた3つの視点でも触れていますが、
壁を越えた経営者に共通しているのは、
「現場の外側に立てる時間」を持てていることです。

「会員さんの中で長く成果を出している方に共通しているのは、派手な施策を打った人ではなく、地味な販促を毎月続けた人なんです。特別なことは何もしていない。ただ、やめなかっただけ。それだけで5年後の景色が全然違ってきます。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

まとめ:値下げをやめた先に、長く続く店がある

3つのステップをまとめます。

STEP1:「売上は意図的に作れる」
というマインドに転換する。
STEP2:価値を見える化して、
適正単価を設計する。
STEP3:地味な販促を毎月継続する
仕組みを回し続ける。

どれもすぐに始められることです。
派手なものは何もない。

でも、この3つを
「すぐに」「継続して」やり切れるかどうか。
それだけで、5年後の経営が変わります。

値下げに逃げずに、
価値を伝えて選ばれる店を
一緒に作っていきましょう。

店舗経営は、終わりのない仕込みです。
毎日、手を動かし続けましょう。

地味な販促を「毎月続ける」と決めても、一人だと2か月目には止まってしまう。それが現実です。増益繁盛クラブでは、客数・客単価・来店頻度の3系統を意図的に動かす順番が決まっているので、「何をやるか」で迷う時間がなくなり、全国の同じ景色を見ている仲間と一緒に実行し続けられます。申込フォームへの入力のみで参加できます。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

-3.儲かる販促と利益アップ