9月に入っても、昼間はまだまだ暑い。
先日、静岡から東京に出る新幹線の中で、
ある居酒屋オーナーからいただいたメッセージを読んでいました。
「料理には自信がある。
常連さんにも『ここの料理は本当にうまい』と言ってもらえる。
でも、売上が上がらない。
他の居酒屋と何が違うんだろう」
こういう声、本当によく届きます。
で、ここで思うんです。
「売上の差」ってどこで生まれるんだろうと。
売上というのは、席数×回転数×客単価で決まります。
この3つのどこかに穴があると、
どれだけ料理が美味しくても
売上の天井は低いまま。
と言うことで、今日は居酒屋の売上平均と
自店の差がどこで生まれるかを、
具体的な数字と事例を交えながら
一緒に見ていきましょう。
こんな方におすすめ
- ✅ 料理の腕には自信があるのに売上が伸び悩んでいる居酒屋オーナー
- ✅ 席数や回転数の考え方を整理したい方
- ✅ 客単価を上げたいが、値引きに頼りたくない方
- ✅ 売上の差が「どこから来るのか」を数字で把握したい方
- ✅ 集客の仕組みを作りたいが、何から手をつければいいか分からない方
📋 この記事でわかること
- 居酒屋の売上を席数・回転・客単価の3軸で分解する考え方
- 「味に自信があるのに売上が上がらない」根本的な原因
- 客単価と回転数を意図的に動かした具体的な事例
- 自店の弱点を特定して、次の一手を選ぶ手順

居酒屋の売上平均、まずは数字を解剖してみる
居酒屋の月商平均は、業態や規模によって大きく変わります。
ただ、ざっくりした目安として
30席前後の居酒屋で月商300万〜500万円という水準が
一つの目線になります。
でも、ここで重要なのは
「平均と比べてどうか」ではなく、
「自分のお店の数字の構造がどうなっているか」です。
売上の式は、シンプルです。
売上 = 客数 × 客単価
そして客数は
席数 × 回転数 × 稼働日数で決まります。
例えば、30席の居酒屋が
1日1.5回転で月25日営業すると、
月間の延べ客数は
30 × 1.5 × 25 = 1,125人。
客単価が3,000円なら月商337万円。
客単価が4,500円なら月商506万円。
同じ席数・同じ回転数でも、
客単価1,500円の差が
月商170万円近い差になる。
これが現実です。
あなたのお店は今、
この3つの数字をきちんと把握していますか?
感覚ではなく、実際の数字として追っていますか?
客数・客単価・来店頻度の3系統に分解する考え方を押さえておくと、
自店のどこに課題があるかが格段に見えやすくなります。
「席数や客単価の数字は分かった。でも、自分のお店のどこが一番弱いのか、まだ整理できていない」という状態ではないですか。繁盛店ポータルの無料アカウントを開設すると、AIがあなたのお店の業種・状況に合わせて経営の弱点を一緒に整理してくれます。メール登録のみ、1分でできます。
「美味しい」は前提。でも集客の仕組みではない
ここが今日の話の核心です。
味に自信がある居酒屋オーナーほど、
陥りやすい落とし穴があります。
「良い料理を出し続けていれば、
いつかお客さんが増える」
という考え方です。
これは逆です。
美味しい料理は、
来てくれたお客さんをリピーターにする力を持っています。
でも、来たことのないお客さんを
初めて呼び込む力は持っていない。
味と販促は、別の仕事なんです。
例えば、あなたのお店の前を
毎日100人の人が通っているとします。
その100人のうち、
看板もなく、メニューの見せ方もなく、
SNSも更新されていないお店に
初めて入る人は何人いるでしょうか。
ほぼゼロです。
お客さんは「美味しそうかどうか」を
入店前に判断しています。
入ってから判断するのではなく、
入る前に決めている。
だから、Googleビジネスプロフィールに
料理の写真が一枚もなかったり、
店前の看板が手書きで色あせていたりすると、
どれだけ中の料理が美味しくても
その情報は届かないんです。
「味は前提条件。集客は別の仕事だと気づくまで、ずっと同じ場所でした。気づいてからは、動くたびに数字が変わりました」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
回転数を上げる前に、客単価の設計を見直す
売上を上げようとしたとき、
多くの居酒屋オーナーが最初に考えるのは
「回転数を上げること」です。
でも、これには限界があります。
居酒屋は滞在時間が長いのが特性です。
飲み放題2時間コースを設けていたら、
回転は2時間に1回が上限になる。
それ以上は物理的に無理。
だから、先に見直すべきは客単価です。
ここで一つ、僕が関わった事例を紹介します。
これは居酒屋ではなく寿司店ですが、
構造はまったく同じなので聞いてください。
「客単価が6,000円から8,500円になり、1日1.5時間を捻出できるようになりました。何より『価値で選ばれている』という実感が生まれたのが一番大きかったです」
寿司店オーナー(50代・男性)
この方、最初は「値上げなんてできない」と言っていました。
「お客さんが離れるんじゃないか」と。
でも実際に取り組んだのは値上げではなく、
価値の伝え方の見直しです。
仕入れ先のこだわり、
素材の背景、
職人の技術をメニュー表とPOPで丁寧に伝えるようにした。
その結果、客単価が2,500円上がりました。
お客さんの数は変わっていない。
でも、手元に残るお金が全然違う。
居酒屋でも同じことができます。
単品のおすすめをPOPで手書きで書く。
ドリンクの追加を自然に促す会話を設計する。
締めのご飯や〆のラーメンを
メニューの目立つ場所に置く。
これだけで客単価は動きます。
✓ ここまでのポイント
- 売上は「席数×回転数×客単価」で決まり、どの数字が弱いかを特定することが先決
- 美味しい料理は来店後のリピートには効くが、初来店を生み出す力はない。集客は別の仕事
- 回転数の限界より先に、客単価の設計を見直すほうが即効性が高い
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「席は埋まっている」のに売上が平均を下回るケース
これも現場でよく見る光景です。
金曜の夜、席はほぼ満席。
でも月末の通帳を見ると、
思ったより数字が伸びていない。
こういうとき、原因の多くは2つに絞られます。
チェックポイント①:ドリンクの追加注文が取れていない
居酒屋の利益を支えているのは、
実はドリンクです。
フードの原価率が35〜40%に対して、
ドリンクは20〜25%程度に収まることが多い。
席が埋まっていても
ドリンクが2杯で止まっていると、
客単価は伸びません。
✅ ポイント:スタッフが「お飲み物はいかがですか?」と声をかけるタイミングを
マニュアル化する。グラスが3分の1になったら声をかけるルールを設けるだけで
追加注文率は変わります。
チェックポイント②:安い時間帯のお客さんが多すぎる
ランチや早い時間帯のフードメニュー中心のお客さんが多く、
ドリンクが出ない構造になっていないか確認してください。
席は埋まっているように見えても、
単価の低い使い方をされている可能性があります。
✅ ポイント:時間帯別の客単価を計測してみてください。
どの時間帯が「席を埋めているのに儲からない」状態かが見えてきます。
自店の数字を正しく読む診断の視点を参考にしながら、
感覚ではなく数字で現状を把握することが大事です。
自店の弱点を特定して、次の一手を選ぶ
ここまで読んでいただいて、
「うちはどこが弱いんだろう」と
思い始めた方もいると思います。
整理しましょう。
❌ よくある間違い:全部同時に手をつけようとする
- 回転数も上げて、客単価も上げて、新規客も増やして…と
全方位で動こうとして、どれも中途半端に終わる
✅ 推奨アプローチ:1つの数字に絞って集中的に動く
- 今月は客単価を200円上げることだけに集中する、というように
焦点を絞ると行動が続くし、効果が見えやすい
具体的な手順はこうです。
集客改善 STEP 1
自店の3つの数字を計測する
今月の客数・客単価・来店頻度を出してみてください。
どの数字が業界水準より低いか、
あるいは目標から離れているかを確認します。
感覚ではなく、レジデータや売上日報から
実際の数字を出すことが大事です。
⚠️ よくある失敗:「だいたいこのくらい」で済ませて
結局どこに問題があるか分からないまま
施策を打って空振りする。
集客改善 STEP 2
客数が弱ければ、商圏内への露出から始める
Googleビジネスプロフィールの写真を更新する。
店前の看板を見直す。
チラシを商圏内に配布する。
Googleマップで「居酒屋 ○○駅」と検索したとき、
自分のお店が上位に出ているかを確認する。
お客さんは「知らない店には入らない」のです。
まず知ってもらうこと。
これが新規集客の第一歩です。
⚠️ よくある失敗:SNSに力を入れすぎて
近隣への配布物や地元への露出を後回しにする。
商圏が半径2〜3kmなら、
まずその圏内に届く手段を使うこと。
集客改善 STEP 3
客単価が弱ければ、メニュー設計とPOPを見直す
メニュー表の中で、一番売りたい商品が
一番目立つ場所に置かれているか確認してください。
手書きのPOPで「今夜のおすすめ」を出す。
「〇〇と合わせると最高です」という言葉を
スタッフが言えるようにする。
こうした地道な積み重ねが
客単価を動かします。
⚠️ よくある失敗:「お客さんに勧めると押しつけがましい」と
遠慮してスタッフが黙ってしまう。
勧めることは価値の提供。
お客さんのためになる提案を、丁寧にする。それだけです。
支援実績833件以上(飲食店610件)の中で見てきた共通点は、
この3ステップを「地味に」「すぐに」「継続して」
やり切ったお店が、数字を動かしているということです。
来店人数の計測と目標設定で売上を3系統に分解する入門も
合わせて読んでみてください。
数字の追い方が具体的に分かります。
まとめ:売上の差は、料理の差ではなく仕組みの差
居酒屋の売上平均と自店の差が
どこから生まれるか、分かっていただけたでしょうか。
席数・回転数・客単価の3つに分解すると、
「なんとなく売上が低い」という霧が晴れます。
どの数字が弱いかが見えると、
何をすればいいかも見えてくる。
「そんな時間ない」と思った方は、
まず今月の客単価だけ出してみてください。
それだけでいい。
「そんなお金ない」と思った方は、
店前の看板を見直すことから始めてください。
お金はかかりません。
味に自信があるなら、
その味をお客さんに届けるための仕組みを作りましょう。
味と販促を、両輪で回していきましょう。
売上は運任せではなく、
仕組みで意図的に作れるものです。
一緒に動いていきましょう。
店舗経営は、ゴールのないマラソンです。
走り続けましょう。
ハワードジョイマン
追伸:
今回の記事で触れた「3系統の数字の分解」や
「客単価を動かすメニュー設計」については、
増益繁盛クラブの中でより具体的に取り組んでいます。
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