2.集客対策

飲食店のクーポン疲弊、安売り集客から脱却した店が最初にやったこと

朝から届いていた、一通のメール。

「クーポンをやめたいんですが、
やめたら客が来なくなりそうで
踏み切れないんです」

送ってきたのは、
地方でイタリアンを営む40代の女性オーナーです。

月に一度のコンサルで話を聞くと、
クーポン客が来るたびに
厨房のスタッフが疲れた顔をするようになったと言う。

値下げした料理を大量に出す。
回転に追われて一人ひとりに丁寧に接せない。
「ありがとう」より「早く」が増えていく。

スタッフが辞めた理由のひとつも、
たぶんそこにあった、と。

と言うことで、
今日は「クーポン疲弊」から抜け出した店が
最初にやったことを、
具体的な順番でお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. クーポン依存が「スタッフの誇り」を壊す理由
  2. 値下げをやめる前に整えるべき「お店の土台」
  3. 客単価・客数・再来店を意図的に作る3ステップ
  4. 脱クーポンで店の空気が変わった実例と、その共通点

こんな方におすすめ

  • ✅ クーポンや値引きに頼り続けて疲れている飲食店オーナーの方
  • ✅ スタッフが誇りを持って働ける店にしたいと考えている方
  • ✅ 値下げをやめたいが、やめた後の集客が不安な方
  • ✅ 客単価を上げたいが、何から手をつければいいか分からない方
  • ✅ 売上はあるのに、手元にお金も、店の活気も残らないと感じている方
飲食店のクーポン疲弊、安売り集客から脱却した店が最初にやったこと | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

クーポンが「スタッフの誇り」を静かに削っていく

クーポンの問題は、
客が増えないことより先に、
別のところに出ます。

それは、店の空気です。

値引きで来たお客さんは、
「安いから来た」という前提を持っています。
だからどこかで「元を取ろう」とする。
要求が強くなることも多い。

スタッフはそれを感じています。

「なんでこんなに頑張っているのに
こういう扱いをされるんだろう」
という感覚が、じわじわ積み上がっていく。

社長が「もっとサービスを丁寧に」と言うほど、
現場はズレを感じる。

あなたのお店は、今、
どういうお客さんで回っていますか?
そのお客さんに、スタッフは誇りを持って接せていますか?

これは正直に向き合う必要がある問いです。

スタッフが誇りを持って働ける店にしたい。
そう思っている経営者の方は多いです。
でも、その前提である「店の繁盛」が
クーポン頼りの状態では、
誇りどころか、疲弊が先に来てしまいます。

働きがいの土台は、
まず店が繁盛していること。
お客さんから「ありがとう」と言われる場面が増えること。
その順番が大事なんです。

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値下げをやめる前に、まず「何を変えるか」を決める

「クーポンをやめましょう」
と言うのは簡単です。

でも、やめた翌月に客数が半分になったら、
続けられません。
だから踏み切れない。
これは当然の感覚です。

じゃあ何から始めるか。

答えは、
クーポンをやめることより先に、
「価値を伝えること」を始める。
この順番です。

脱クーポンで成果を出した店に
共通しているのは、
値下げをやめた日より前に、
必ず「これが自分の店の価値だ」と言える何かを
整えていたということです。

それはメニューの見せ方かもしれないし、
常連さんへのハガキかもしれないし、
Googleのプロフィールを整えることかもしれない。

ただ、共通していることがひとつあります。

それは、「値下げ以外の理由で来てもらう導線」を
先に作ってから、
クーポンを縮小していった、という点です。

✓ ここまでのポイント

  • クーポン依存はスタッフの誇りを失わせ、店の空気を重くする
  • 脱クーポンは「やめる」より先に「価値を伝える導線を作る」順番で進める
  • 働きがいの土台は、店の繁盛と「ありがとう」が増える環境にある

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客単価・客数・再来店、3つの軸で売上を作り直す

売上は、3つの数字でできています。

客数。
客単価。
来店頻度。

この3つのうち、
クーポンが主に引き上げているのは「客数」だけです。
それも、安く来てくれる客数。

だから、クーポンをやめると客数が落ちる。
でも、残りの2つを動かせれば、
売上は必ずしも落ちません。

実際に売上が頭打ちになったとき最初に見直すべき数字として、
この3軸の分解は非常に重要です。
クーポンに頼ってきた店ほど、
客単価と再来店の設計が手つかずになっています。

チェックポイント1:客単価の設計を見直す

今のメニュー、
「なぜこの値段なのか」を説明できますか?
原価から積み上げた値段になっていませんか?

✅ ポイント:価値を伝えるメニューの説明文を加える。食材の産地・こだわりの調理法・季節の背景を短く書くだけで、「高いけど頼もう」が生まれます。客単価は、値上げより先に「伝え方」で変えられます。

チェックポイント2:再来店の仕組みを作る

来てくれたお客さんに、
また来てもらうための接点を持っていますか?
LINE・ハガキDM・スタンプカードのどれひとつも
使っていない、という店は実は多いです。

✅ ポイント:次回来店につながる「きっかけ」を帰り際に渡す。「今月末に新メニュー出ます」というメモ一枚でも、再来店の理由になります。リピートにつながる体験設計を店内に組み込むことが大切です。

チェックポイント3:新規客の来店理由を変える

今、新規客が来てくれる理由は何ですか?
クーポンだけが理由なら、
クーポンをやめた瞬間に新規がゼロになります。

✅ ポイント:Googleマップ・Googleビジネスプロフィールの整備、チラシのポスティング、地域メディアへのプレスリリース。これらはお金をかけずに、または少額の広告費で試せる手段です。

「店の空気は、どんなお客さんを呼んでいるかで決まります。値下げで集めたお客さんばかりになると、スタッフが疲れる。誇りを持って働ける店にしたいなら、まず呼ぶお客さんの質と、来てもらう理由を変えることです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

脱クーポンで「やることが見えた」イタリアンの話

冒頭でお伝えした40代女性のイタリアンオーナー。

彼女が最初にやったのは、
クーポンをやめることではありませんでした。

まずやったのは、
「今のお客さんの中で、
本当に来てほしいお客さんは誰か」を決めること。

それがはっきりすると、
メニューの見せ方が変わりました。
写真が変わりました。
スタッフへの声かけも変わりました。

結果として、
クーポン客の割合は減りましたが、
客単価は18%上がりました。
電話対応の負担も軽くなりました。
そして一番大きかったのは、
「漠然とした不安が、やることが見える安心に変わった」と
言ってもらえたことです。

「漠然とした不安が『やることが見える』安心に変わった」

イタリアン経営者(40代・女性)

この感覚の変化が、
店全体に伝わっていきます。

社長が安心して、方向を持って動いている店は、
スタッフも変わっていきます。
「うちの店、なんか変わってきたな」と感じる。
その感覚が、誇りになっていきます。

私が21年・833件の支援を続けてきた中で、
繰り返し見てきた変化の順番がこれです。

経営者が方向を持つ。
販促が動く。
売上の質が変わる。
店の空気が変わる。
スタッフが誇りを持つ。

逆ではないんです。

脱クーポンを「継続」するための最初の一手

ここまで読んで、
「よし、やってみよう」と思った方に、
具体的な最初の一手をお伝えします。

脱クーポン STEP 1

今月の新規客の「来店理由」を記録し始める

会計時に一言聞くだけで大丈夫です。
「どこでお店を知りましたか?」
クーポン経由・Googleマップ経由・知人の紹介、
この3つに分けて2週間記録してみてください。
クーポン以外でどれくらい来ているかが見えてきます。

⚠️ よくある失敗:「聞きそびれる」まま終わる。
レジ横に貼り紙を一枚置くだけで、
忘れにくくなります。

脱クーポン STEP 2

既存のリピーターへの「接点」を一つ作る

LINE公式アカウントでも、
来月の旬の食材を紹介するハガキ一枚でも構いません。
クーポンなしでも来てくれる理由を、
今いるリピーターとの関係で作っていきます。

⚠️ よくある失敗:「何を送ればいいかわからない」で止まる。
「今月のおすすめ食材と、それを使った料理の話」
これだけで十分です。

脱クーポン STEP 3

クーポンの割引額を段階的に下げる

いきなりゼロにする必要はありません。
STEP1・2と並行しながら、
クーポンの割引率を3ヶ月かけて落としていく。
この間に「クーポン以外で来てくれるお客さん」が
少しずつ増えていきます。

⚠️ よくある失敗:STEP1・2を飛ばしてSTEP3だけやる。
代替の導線なしにクーポンを落とすと、
本当に客数が落ちます。順番を守ってください。

詳しくは飲食店の経営改善で最初に手をつけるべき3つのこともあわせて読んでみてください。

まとめ:店の空気を変えたいなら、まず「呼ぶ客」を変える

クーポン疲弊を抜け出した店が最初にやったことは、
クーポンをやめることではありませんでした。

「どんなお客さんに来てほしいか」を決めて、
その人に届く価値の伝え方を始めたこと。
客単価・客数・再来店の3軸で
売上を意図的に作れる状態に向けて、
一歩ずつ動き始めたこと。

その変化が、経営者の安心につながり、
店の空気を変えていきます。

スタッフが誇りを持って働ける店は、
経営者が方向を持って動いている店です。
「ありがとう」が増える店は、
呼ぶお客さんの質と仕組みを変えた店です。

「値引きで集めた客で回している間は、店も人も疲れていきます。価値を伝えて選ばれる店になると、同じ忙しさでも全然違う疲れ方になる。そっちの方向へ、一歩ずつ進んでいきましょう。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

今日から動いていきましょう。

店舗経営は、ゴールのないマラソンです。
でも、走る方向が決まれば、
足どりは必ず変わります。

クーポンを縮小しながら、客単価と再来店の仕組みを並行して作る。この3ステップを一人でやり切るのは、正直しんどいです。増益繁盛クラブでは、同じ課題を抱える全国の飲食店・美容室オーナーと一緒に、値下げに頼らない売上の作り方を月ごとに実践できます。申込フォームへの入力のみで参加できます。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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