「お客様は神様です」
この言葉を、どこかで信じ込んでいないだろうか。
それが「顧客第一」だと、どこかで思っていないか。
私はこの風潮に、はっきりと異を唱えたい。
お客さんは神様ではない。
医師を思い浮かべてほしい。
患者が「この薬を出してくれ」と言ったとき、
医師は従うだろうか。
違う。
症状を診て、検査結果を見て、
医師としての判断で処方を決める。
患者の希望より、患者の健康を優先する。
プロとしての、本物の誠意だ。
患者に媚びて、言われた通りの薬を出す医師を
「良い医者」とは呼ばない。
あなたの仕事も、同じではないか。
無理な要求に応じることは、一見「親切」に見える。
しかし実際には、何が起きているか。
① 無理を聞いてくれる店だと学習した客が、さらに無理を言うようになる
② 良識あるお客さんは「この店、プロとして頼りない」と感じ、離れていく
③ 残るのは、値引きを要求し、クレームをつけ、時間を奪う客だけになる
④ 疲弊しながら、報われない仕事を回し続けることになる
「断れない」ことは優しさではない。
長期的に見れば、店を弱くする行為だ。
本物の顧客サービスとは、
お客さんの「言いなりになること」ではない。
プロとしての知識と経験で、
お客さんが「気づいていない本当のニーズ」に応えることだ。
お客さんが「安くしてくれ」と言うとき、
本当に求めているのは「価格の安さ」ではなく
「この金額を払う価値があると納得したい」ことが多い。
この言葉を、自信を持って言える経営者のもとに
本物のお客さんは集まる。
なぜなら、プロを求めているからだ。
理想のお客さんとの関係は、こういうものだと思っている。
こういうお客さんと仕事をするために、
まずあなた自身が「プロ」としての軸を持つことが必要だ。
軸のない経営者には、軸のない客が集まる。
お客さんは神様ではない。
パートナーだ。
互いにリスペクトし合える関係の中にこそ、
本当の繁盛がある。
「断れない経営者」をやめることが、
良いお客さんと出会う第一歩だ。