「もう少しお金に余裕ができたら、やってみます」
この言葉を、何度聞いてきただろう。
理由はいつも「お金がない」だ。
しかし私はそのたびに、こう思う。
順序が逆ではないか、と。
農家には、代々伝わる鉄則がある。
「来年の種は食べるな」
どれだけ今年の収穫が少なくても、
どれだけ食卓が貧しくても——
来年の種まきに使う分は、絶対に手をつけない。
その種が、次の収穫を生み出すからだ。
「今が苦しいから」「余裕ができたら」——
その言葉の裏で、来年の収穫の種を
今日の食事にあてている。
苦しいまま、来年も、再来年も。
投資には、方向がある。
時間が経つほど、取り返しのつかない差になっていく
投資とは、広告費だけではない。
知識への投資、時間への投資、人への投資——
すべてが「次の収穫のための種」だ。
よく聞く言葉がある。
「お金がないから、投資できない」
しかし本当のことを言おう。
「投資しないから、お金が生まれない」のだ。
怖いのはわかる。
うまくいかなかったらどうしようという不安もわかる。
しかし、投資なき経営に成長はない。
市場は変化し、競合は動き続けている。
止まることは、後退することと同じだ。
種を食べ続けた農家に、秋の実りはない。
「余裕ができたら」と言い続けて、何年が経ったか。
余裕は、待っていても生まれない。
種を蒔くから、実りが生まれ、余裕が生まれる。
投資の判断に迷うことはある。
何に、いくら、いつ投資するか——
それを考え、決断することが経営者の仕事だ。
「投資が怖くてできない」は、
「経営の判断ができない」と言っているに等しい。
投資できない経営者は、経営者ではない。
お金を動かすことへの恐怖を手放し、
種を蒔く勇気を持つことが、経営の出発点だ。
投資→収益→再投資のスパイラルに入れ。
それが、繁盛への唯一の道だ。