3.儲かる販促と利益アップ

利益が手元に残らない飲食店が、まず変えたい売上の作り方

先日、ある居酒屋オーナーの方からこんな相談をいただきました。

「ジョイマンさん、席は埋まっているんです。週末は満席で、スタッフも必死に動いてる。なのに月末になると、手元にぜんぜんお金が残らないんですよ……」

この言葉、聞いたことがある方、多いと思います。あるいは、今まさに同じ場所に立っているかもしれない。

私、ハワードジョイマンは中小企業診断士として21年・833件以上の店舗経営を支援してきましたが、「忙しいのに利益が残らない」という悩みは、飲食店経営者の中でも特に多いご相談のひとつです。

大事なことを最初にお伝えします。「忙しさ」と「儲かり」は、まったく別物です。そしてこの問題の根っこは、売上の「作り方」そのものに潜んでいることがほとんどです。

この記事では、利益が手元に残らない飲食店に共通するパターンをチェックリスト形式で診断しながら、まず変えるべき売上の作り方をお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 「忙しいのに利益が残らない」飲食店に共通する売上構造の問題
  2. 客数・客単価・来店頻度の3分解で自店の弱点を見つける方法
  3. 値下げ・クーポン依存から抜け出すための具体的な切り替え方
  4. 利益が残る経営に変えるために、今日から動けるステップ

こんな方におすすめ

  • ✅ 月末になると手元にお金が残らないと感じている飲食店オーナーの方
  • ✅ 席は埋まっているのに利益が薄いと悩んでいる方
  • ✅ クーポンや値引きで集客してきたが、そろそろ限界を感じている方
  • ✅ 売上の波が大きく、安定した経営に切り替えたい方
  • ✅ 「このままでは3年後が見えない」と漠然とした不安を持っている方
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あなたの店は「どこ」で利益を失っていますか?まず売上を3つに分解する

利益が残らない原因を探るとき、私がまず必ずやるのが「売上の3分解」です。

売上 = 客数 × 客単価 × 来店頻度

この3つのどこかが崩れているから、忙しくても利益が残らない。シンプルですが、ここを見ずに「もっと頑張ろう」と走り続けても、消耗するだけです。

たとえば、こんなパターンがあります。

客数は多いが、客単価が低いパターン

  • ドリンクの注文が少なく、ほぼ料理一品で帰られてしまう
  • クーポン目当てのお客さんが多く、追加注文が起きにくい
  • 「安い店」というポジションが定着してしまっている

客単価を正しく設計できている状態

  • 看板メニューとセットになる「もう一品」が自然と売れている
  • POPやメニュー表が「この料理はこういう理由で美味しい」と価値を伝えている
  • 適正価格でも選ばれる理由が、店の随所に表現されている

来店頻度が低いパターン

  • 新規客はそれなりに来るが、リピートが続かない
  • 来店後のフォローが何もなく、次の来店を促す接点がゼロ
  • 「また来たい」と思われているかどうか、確認する術がない

来店頻度を仕組み化できている状態

  • ハガキDMやLINE配信で、定期的にお客さんとの接点を持っている
  • ニュースレターで店主やスタッフの人柄が伝わり、「あの店に行きたい」が生まれている
  • 一度来てくれた人を放置せず、次の来店を設計している

3つのうち、あなたの店はどこが崩れているでしょうか。まずここを自分ごととして確認することが、利益が残る経営への出発点です。

「利益が残らない」飲食店の共通パターン、自己診断チェックリスト

以下の項目を読みながら、自分の店に当てはまるものを確認してみてください。3つ以上当てはまる場合は、売上の作り方に構造的な問題が起きているサインです。

チェックポイント①:値下げ・クーポンが集客の主軸になっている

食べログやホットペッパー系のクーポン、SNSでの割引告知——これが集客の中心になっているとしたら、要注意です。価格で来たお客さんは、価格が下がった別の店に移ります。クーポンをやめた瞬間に新規が止まる恐怖は、この構造から来ています。

✅ ポイント:クーポンを「入口」として使うのはありですが、来てくれたお客さんをリピーターに変える仕組みをセットで持てているか確認しましょう。クーポン依存の集客は、新規獲得コストが永遠にかかり続ける構造です。

チェックポイント②:メニューの価格が「なんとなく」決まっている

原価率・人件費・光熱費・家賃——これらを逆算して客単価を設計している飲食店は、実は少数派です。「近くの競合より少し安くしよう」「この価格なら抵抗ないだろう」で決めてきた価格設定は、忙しくなるほど赤字に近づく構造を内包しています。

✅ ポイント:一度、1組のお客さんが来店したときに得られる粗利を計算してみてください。席数・回転数・営業日数から、月の利益がいくらになるかが見えてきます。「忙しいのに利益がない」の答えが、ここに出ていることが多いです。

チェックポイント③:一度来たお客さんへのフォローが何もない

来てくれたお客さんのその後を、何も追いかけていない。LINEの登録もなく、ハガキDMも出したことがなく、ニュースレターも作ったことがない——こうした状態では、せっかく来てくれたお客さんが「縁のなかった人」に戻っていくだけです。

✅ ポイント:新規客を獲得するコストは、既存客をもう一度来てもらうコストの5倍以上かかると言われています(マーケティング上の一般論として広く知られています)。既存客との関係を育てることが、最もコストパフォーマンスの高い利益対策です。

チェックポイント④:「売上を上げよう」と思ったとき、何をすればいいか分からない

売上が落ちたとき、「とりあえず割引しようか」「SNSに投稿してみようか」と場当たり的な対応をしていませんか。売上が運任せになっている状態は、経営の安定を奪い続けます。

✅ ポイント:売上は「客数×客単価×来店頻度」に分解できます。どこを動かせば売上が上がるかを設計できるようになると、「月末に何が起きているか」が予測できるようになります。

チェックポイント⑤:「もっと美味しい料理を作れば、いつかお客さんが増えるはず」と信じている

料理の質は絶対に大切です。でも、料理の質と集客の仕組みは別の話です。美味しい料理は「前提」であって、それだけでお客さんが増えるわけではありません。

✅ ポイント:「味が分かってくれるお客さんだけ来てくれればいい」という姿勢は経営を脆弱にします。価値を伝える販促——POP、メニュー表の書き方、看板、Googleビジネスプロフィールの整備——これが味と並走して必要な仕事です。

✓ ここまでのポイント

  • 売上は「客数×客単価×来店頻度」の3つに分解でき、どこが崩れているかで対策が変わる
  • 値下げ・クーポン依存は、新規獲得コストが永遠にかかり続ける構造を作り出す
  • 既存客へのフォローがないまま新規集客を続けることは、最もコストのかかる経営の形

「忙しいのに利益が残らない、というのは経営の病気のサインです。でも怖くはない。売上を3つに分解して、どこが問題かを見つければ、必ず打ち手は出てきます。私が独立当初、貯金を使い果たして家族から借金した経験があるからこそ、この話は自信を持って伝えられます」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)

値下げ依存から抜け出す、「価値を伝える」売上の作り方

チェックリストで問題に気づいたとして、では何から変えるか。

私が最初に取り組んでいただくことのひとつが、「価値を伝える接点を作ること」です。

売上改善 STEP 1

看板メニューと「もう一品」を設計する

客単価を上げる最も地味で確実な方法は、お客さんが自然ともう一品頼みたくなる構造を作ることです。看板メニューに合うサイドメニュー、ドリンクのセット提案、シーズナルな「限定感」——これらはPOPとメニュー表の設計次第で、価格を変えなくても客単価が動きます。

⚠️ よくある失敗:「いいものをたくさん並べればいい」とメニューを増やしすぎること。選択肢が多すぎると、お客さんは無難なものを選んで終わります。「この店に来たら、これを頼む」という軸を作ることが先です。

売上改善 STEP 2

来店後の接点を仕組みにする

一度来てくれたお客さんとの関係を、来店で終わらせないこと。LINE公式アカウントへの誘導、ハガキDMの定期送付、月に一度のニュースレター——これらを「思い立ったらやる」から「年間スケジュールに落とす」に変えるだけで、再来店の頻度が変わってきます。

⚠️ よくある失敗:「やってみたけど反応がなかった」と一回で諦めること。ニュースレターやDMは、3回・6回・12回と続けることで関係性が育ちます。一発で結果を求めると、どの手法も続かなくなります。

売上改善 STEP 3

Googleビジネスプロフィールと口コミを整備する

新規客がお店を探すとき、多くの方がGoogleマップやGoogle検索で確認します。写真、営業時間、口コミへの返信——これが整っているだけで、来店の判断が変わります。しかもほぼ無料でできる打ち手です。

⚠️ よくある失敗:登録したまま放置すること。口コミへの返信がゼロの店と、丁寧に返信している店では、見る側の印象がまったく違います。AIを使えば返信文の下書きも数分でできます。

「チラシ+Google広告で取り組んだ居酒屋さんでは、6ヶ月で月商が350万円から620万円になりました。客単価も1,400円アップしています。特別なことは何もしていません。売上を3分解して、弱いところに地道に手を入れ続けた結果です」

(飲食店オーナー・居酒屋 経営者)

「広告にお金をかけるのが怖い」という感覚について、正直に話します

ここまで読んで、「でも広告費やDMのコストをかけるのが怖い」と感じた方もいると思います。その気持ち、よく分かります。

私自身、独立直後は全財産が底をつき、妻と母から借金をして事業を続けた時期があります。そのとき、恐る恐る毎月広告を出すようにしたことで売上が立ち始め、借金を完済することができました。

だからこそ、はっきり言えます。「お金をかけずに売上を伸ばしたい」という発想は、実は最も多くの時間と機会を失う選択です。

学びと広告は投資です。投資して得たリターンを再投資する——これが経営の基本的な構造です。問題は「お金をかけるかどうか」ではなく、「かけたお金が顧客を創造しているかどうか」です。

紙(チラシ・ハガキDM・POP・ニュースレター)、ネット(Google広告・MEO・LINE・Instagram)、AI(販促文作成・口コミ返信・画像制作)——この3層を、優劣をつけずに組み合わせる。これが私が833件の指導実績を通じて確かめてきた、利益が残る売上の作り方です。

「月商60万円で超赤字だったイタリアンが月商470万円・利益200万円になった事例も、月商45万円の理容室が『メンズパーマ専門店』として再生した事例も、最初の一歩は派手な施策ではありませんでした。自分の店の弱点を正直に直視して、地味な打ち手を継続したことが全てです」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

まとめ:今日、まず一つだけ確認してみてください

利益が手元に残らない飲食店が変えるべきことは、実はシンプルです。

売上を「客数×客単価×来店頻度」に分解して、どこが弱いかを見る。値下げで集めた客ではなく、価値を伝えて選ばれる店に変える。そして、来店してくれたお客さんとの関係を仕組みで育てる。

派手な手法は要りません。地味な販促を「すぐに」「継続して」やり切ること——これが、長く利益が残る経営の本質です。

もし今日この記事を読んで「チェックリストに3つ以上当てはまった」と感じたなら、売上の作り方を変えるタイミングが来ています。一人で抱え込まず、まず仕組みを整える場所に来てみてください。

私たちの会員制サポート「増益繁盛クラブ」では、飲食店・美容室・小売店の経営者が、客数・客単価・来店頻度の3系統を体系的に学び、実際の店舗で動かしていく支援をしています。北海道から沖縄、海外在住の方まで、全国の経営者と一緒に取り組んでいます。

まずは情報収集から、という方はこちらから無料でご登録いただけます。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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