3.儲かる販促と利益アップ

美容室の値上げをお客さんに納得してもらう伝え方と手順

先日、ある美容室のオーナーさんからこんな相談をいただきました。

「ジョイマンさん、原材料も光熱費もどんどん上がっていて、もう今の価格では正直やっていけないんです。でも値上げしたらお客さんが離れていくんじゃないかと思うと、どうしても踏み出せなくて……」

この言葉、ひとごとではない方も多いんじゃないでしょうか。美容室の値上げというのは、技術に自信があればあるほど、「お客さんに嫌われたくない」という気持ちと複雑に絡み合って、なかなか動けなくなってしまうものです。

でも、私はこう思っています。値上げは、地域No.1のブランドを築くための、最初の大切な一歩なんです。値段を上げることそのものが目的じゃない。「この店じゃないといけない」と感じてもらえるお客さんとの関係を、ちゃんと育てていく過程の話です。

今回は、値上げをお客さんに納得してもらうための「伝え方」と「手順」を、具体的にステップで解説していきます。

📋 この記事でわかること

  1. 美容室が値上げを躊躇してしまう本当の原因
  2. お客さんに納得してもらうための「価値の見せ方」
  3. 値上げを伝えるタイミングと手順(STEP解説)
  4. 値上げ後もリピートされ続けるための関係づくり

こんな方におすすめ

  • ✅ 値上げを考えているが、お客さんへの伝え方で悩んでいる美容室オーナー
  • ✅ 安売りやクーポン依存から脱け出して、適正価格で選ばれる店にしたい方
  • ✅ 地域で「あの美容室」と一目置かれるブランドを作りたいと思っている方
  • ✅ 値上げ後にリピート率が下がるのではないかと不安な方
  • ✅ 技術には自信があるのに、収益が伸び悩んでいる美容室オーナー
美容室の値上げをお客さんに納得してもらう伝え方と手順 | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

なぜ「値上げ=お客さんが離れる」と感じてしまうのか

値上げを躊躇するとき、頭の中にあるのはだいたい「価格だけで選ばれている」という不安です。「うちのお客さんは安いから来てくれているんじゃないか」という怖さ、ありますよね。

でも、ここをよく考えてほしいのです。価格だけで選ばれているお客さんは、もっと安い店が現れたら、そちらへ行きます。それは値上げしなくても、いずれ起きることです。

逆に、あなたの技術や雰囲気、スタッフとの会話、あの居心地の良さを好きで来てくれているお客さんは、少し値段が上がっても「まあ仕方ないよね、あの店じゃないと」と思ってくれる可能性が高い。

問題は値上げそのものではなく、「なぜこの価格になったのか」「なぜこの店を選ぶ価値があるのか」が、お客さんに伝わっていないことにあります。

「値上げを怖がる前に、まず自分の店の価値を棚卸しするところから始めてほしい。価値が見えていない状態で値段を上げようとするから怖くなる。価値が見えれば、伝えることに迷わなくなります」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

値上げの前にやるべき「価値の棚卸し」

値上げを伝える前に、まず自分の店の「強み」をきちんと言語化しておく必要があります。これをやらずに値上げのお知らせだけ出しても、お客さんには「ただ高くなった」にしか映りません。

チェックポイント1:あなたの技術・こだわりは、ちゃんと「言葉」になっていますか?

「腕は確かです」「丁寧にやっています」では伝わりません。たとえば「乾燥しやすい30代・40代の頭皮に特化したトリートメントを導入している」「カウンセリングに20分かけて、次の日のスタイリングまで確認している」——こういう具体的な言葉にして初めて、お客さんは価値を感じます。

✅ ポイント:自分が「当たり前にやっていること」の中に、他の店がやっていない価値が眠っていることが多い。スタッフや常連のお客さんに「なぜうちを選んでいるか」を直接聞いてみると、ヒントが出てきます。

チェックポイント2:お客さんは「次の来店理由」を持って帰っていますか?

値段が上がっても戻ってきてもらえる関係は、一度の施術で完結するのではなく、「また来たい」という感情の積み重ねでできています。施術の最後に次回の提案をしているか、ニュースレターや LINE でお客さんとの接点を作っているか——ここが弱いまま値上げすると、確かに流出します。

✅ ポイント:値上げの前に、リピート導線(次回予約・LINE登録・ニュースレター)を整えておく。値上げと同時にリピートの仕組みを強化することで、客数より客単価×来店頻度で売上を作れる体制になっていきます。

チェックポイント3:あなたの店の「見せ方」は価値に見合っていますか?

店頭の看板、Googleビジネスプロフィールの写真、メニュー表の見た目——これらが古いまま、または価値を伝えきれていない状態で値段を上げると、ちぐはぐな印象を与えます。「少し高いけど、それだけのことはありそう」と思ってもらえる見せ方が整っているかどうかを確認しましょう。

✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの口コミ対策と写真の見直しは、値上げ前にやっておくとその後の集客が安定しやすくなります。「高い店」ではなく「価値のある店」として認識してもらえるかどうかは、ネット上の第一印象で大きく変わります。

✓ ここまでのポイント

  • 値上げへの不安の正体は「価値が言葉になっていないこと」にある
  • 値上げ前に自店の強みを棚卸しし、リピート導線を整えることが先決
  • Googleビジネスプロフィールや店頭の見せ方も、価値に見合う状態に整えておく

お客さんに納得してもらう「値上げの伝え方」ステップ

価値の棚卸しができたら、いよいよ「伝える」段階です。ここでの順番と言葉選びが、お客さんの受け取り方を大きく左右します。

値上げ告知 STEP 1

「なぜ上げるのか」を正直に、でも感情的にならず伝える

材料費・光熱費の上昇、技術向上のための研修費用、より良い薬剤への切り替え——値上げの背景をきちんと伝えることで、お客さんは「理由がある」と理解できます。感情的に「大変で……」と伝えるのではなく、「これからもより良いサービスを続けるために」という前向きな文脈で話しましょう。

⚠️ よくある失敗:「申し訳ないのですが……」と過剰に謝ってしまうと、お客さんは「値上げ=悪いこと」と感じやすくなります。謝罪ではなく「ご説明」のスタンスで伝えることが大切です。

値上げ告知 STEP 2

「何が変わり、何が良くなるか」を一緒に伝える

値段が上がるだけの情報は、お客さんにとってマイナスにしか映りません。「新しいトリートメントを導入します」「カウンセリング時間を5分延ばします」「次回来店時に〇〇のプレゼントがつきます」——値上げと同時に、お客さんへの「プラス」を届ける工夫をしましょう。

⚠️ よくある失敗:値上げのお知らせだけ貼り出して、その後フォローなし。一度驚いて離れたお客さんを再度呼び戻すには、最初の告知の何倍もの労力がかかります。

値上げ告知 STEP 3

「いつから」を明確に、余裕を持って伝える

少なくとも1〜2ヶ月前には告知しましょう。Googleビジネスプロフィールの投稿欄、LINE公式アカウントへの配信、店頭のPOPやメニュー表への記載——複数の接点で繰り返し伝えることで、「知らなかった」というトラブルを防げます。

⚠️ よくある失敗:直前に一度だけ告知して終わり。特に来店頻度が2〜3ヶ月に一度のお客さんには届かないことが多く、当日に初めて知って不信感を持たれるリスクがあります。

値上げ告知 STEP 4

「口頭」でも伝える。施術中の会話が一番届く

紙やデジタルでの告知はあくまで補助です。実際に施術しながら、「来月から少し料金が変わるのですが……」と自然な会話の中で伝えることが、関係があるからこそできる伝え方です。「あなたにはきちんと伝えておきたかった」という一言が、お客さんとの信頼をかえって強めることがあります。

⚠️ よくある失敗:スタッフに任せきりで、オーナー自身が伝えていない。自分の言葉で話すことが、一番の説得力になります。

値上げ後に地域No.1ブランドへ近づくための関係づくり

値上げはゴールではなく、スタートです。価格が上がったあとも「やっぱりここにして良かった」と思ってもらえる関係を積み重ねることが、地域で一目置かれる存在への道です。

私がいつも大切にしてほしいとお伝えしているのは、派手な広告より、地味な販促を「すぐに」「継続して」やり切ることです。ニュースレターで施術へのこだわりを伝える、LINEでお客さんの記念日に一言送る、Googleの口コミに丁寧に返信する——こういったことの積み重ねが、「あの美容室」というブランドを地域に根付かせていきます。

「月商45万円で赤字続きだった町の理容室が、『メンズパーマ専門店』として再スタートしたことで、価格帯が変わり、来てほしいお客さんが集まるようになった。値上げというより『自分たちが何者かを決めた』ことが、一番の転換点でした」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

この事例が示しているのは、値上げの本質は「価格を変えること」ではなく、「自店が誰のために、何をする場所なのかを明確にすること」だということです。専門性を打ち出したとき、価格は自然とついてくる。そしてその価格に納得したお客さんだけが残っていく——それが、地域No.1に向かう本当の姿だと思っています。

「月商260万→340万になったのは、数字だけの話ではありません。お客さんに感謝されながら単価が上がっていく喜びを、初めて実感できた期間でした」

大人女性向けサロン(女性・50代)

まとめ:値上げは「勇気」より「準備」と「伝え方」

美容室の値上げで大切なのは、勇気を振り絞ることではなく、きちんと準備して、順を追って伝えることです。

価値を言葉にする→リピート導線を整える→余裕を持って告知する→口頭でも伝える——このステップを踏めば、「値上げしたら客が離れた」という最悪のシナリオは、かなりの確率で避けられます。そしてその先に、地域で一目置かれる「あの美容室」という存在があると、私は信じています。

値上げに踏み切れずにいる方、伝え方で迷っている方——一緒に考えていきましょう。同じ方向を向いて、隣を歩く伴走者として関わらせていただければ幸いです。

まずは以下からお気軽にのぞいてみてください。同じ悩みを乗り越えた全国の経営者仲間が待っています。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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