あれこれ

お客様が来ない美容室、見えない3つの原因

美容師資格を取って、念願のお店を開いて、腕には自信がある。それなのに、なぜかお客さんの数が伸びない──。

実は、美容室の廃業率は開業から3年以内で約50%というデータがあります(中小企業庁「中小企業白書」の廃業動向に関する分析より)。これは飲食業と並ぶ高水準です。技術力のある美容師さんが懸命に働いているにもかかわらず、多くのお店が集客の壁を越えられずに閉じていく。

私、ハワードジョイマンは静岡市清水区を拠点に、21年間・833件の店舗経営者を支援してきた中小企業診断士です。そのうち美容室だけで150件以上の支援実績があります。

その経験から言えることがあります。「お客さんが来ない美容室」には、ほぼ例外なく共通して見えていない3つの原因があります。技術の問題ではありません。経営の「見え方」と「仕組み」の問題です。今日はその3つを、できるだけ分かりやすくお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. お客さんが来ない美容室に共通する「見えない3つの原因」の正体
  2. なぜ「技術で勝負」だけでは集客できないのか
  3. 今日から動ける、最初の一手の考え方
  4. 値下げに頼らず選ばれるお店に変わるための基本的な方向性

こんな方におすすめ

  • ✅ 「技術には自信があるのに集客できない」と感じている美容室オーナーの方
  • ✅ ホットペッパービューティーへの依存から抜け出したい方
  • ✅ 値下げクーポンを続けることに疲れてきた方
  • ✅ リピート率が低く、毎月新規獲得に追われている方
  • ✅ 集客の何から手をつけていいか分からない、という方
お客様が来ない美容室、見えない3つの原因 | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

原因①「いい技術をすれば伝わる」という思い込み

美容師さんの多くが、独立前に叩き込まれてきた価値観があります。「腕を磨けばお客さんはついてくる」というものです。これ自体は間違いではありません。ただ、「腕が良ければ勝手に集まってくる」は別の話です。

私が支援してきた美容室オーナーの中でも、技術力には本当に定評があるのに集客で苦しんでいる方がたくさんいました。なぜか。それは、「良さを知られていない」からです。

よく言うのですが、「良いものを作っていれば報われる」という考えは、料理人や美容師さんに特に強い。しかしこれは職人の感覚であって、経営の感覚ではありません。

技術は「前提」です。あって当然のもの。それとは別に、「どうやってその価値を見込みのお客さんに届けるか」という販促の仕事が必要です。この2つは全く別の仕事です。

「味が良ければお客さんは来る、技術が高ければ選ばれる──この思い込みが、一番静かに経営を蝕んでいます。価値を作ることと、価値を届けることは、全然違う仕事なんです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)

では何をすればいいか。まず最初の一歩は、Googleビジネスプロフィール(MEO)の整備です。今日、「○○市 美容室」と検索した時に、あなたのお店は地図上に正しく出てきていますか?写真は載っていますか?口コミはありますか?

これは無料でできます。しかし意外に整備されていないお店が多い。お客さんが「行こうかな」と思った瞬間に検索する場所を、まず整えることが出発点です。

原因②「新規だけ」を追いかけて、既存客との関係が切れている

お客さんが来ない、と悩んでいる美容室のほとんどが、実は「新規獲得」だけを考えています。ホットペッパービューティーに掲載してクーポンを出す、Instagramを頑張る、チラシを撒く。これは間違いではないのですが、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けている状態になっていることが多い。

ここで確認してほしいことがあります。

チェックポイント1:来店したお客さんの「次回予約率」を把握していますか?

施術が終わった後、次回の予約を取らずに帰ったお客さんのうち、何割が再来店していますか?「なんとなく来てくれるだろう」では、数字はつかめません。

✅ ポイント:施術後に次回予約を取る声がけ、またはLINE公式アカウントへの登録誘導を仕組み化することで、再来店率は大きく変わります。リピート率を把握していない場合は、まずそこを数値化することから始めましょう。

チェックポイント2:一度来てくれたお客さんに「再来店のきっかけ」を届けていますか?

お客さんは忘れます。「また行こう」と思っていても、日常に流されてそのまま来なくなることがほとんどです。これはお客さんの意志の問題ではなく、接点が切れてしまっているからです。

✅ ポイント:LINE公式アカウントを使ったフォローアップ配信、ハガキDM、ニュースレターなど、定期的にお店の存在を思い出してもらえる接点を作ることが再来店の仕組みになります。「来てくれたら終わり」ではなく、「来てくれてからが始まり」という発想に切り替えましょう。

✓ ここまでのポイント

  • 「技術が良ければ集まる」は職人の感覚。経営には「価値を届ける」仕組みが別に必要
  • 新規獲得だけを追いかけていると、既存客との関係が切れてリピートが生まれない
  • まずGoogleビジネスプロフィール整備とLINE等での再来店接点づくりが基本の出発点

原因③ 値下げに頼った集客が「来てほしいお客さん」を遠ざけている

ここが一番見えにくい原因かもしれません。

クーポンでお客さんを集めること自体は、手段として間違いではありません。ただ、「価格で集まったお客さんは、価格で去ります」。これは美容室に限らず、私が21年間支援してきた全業種に共通する法則です。

初回1,000円カットのクーポンで来たお客さんは、次回も安さを求めます。隣のお店がもっと安いクーポンを出せば、そちらに行きます。あなたの技術でも、あなたのお店の雰囲気でもなく、「価格」で来ているからです。

❌ よくあるパターン:値下げクーポン中心の集客

  • 新規は来るが、リピートにつながらない
  • 「安いから来ている」お客さんが増え、客単価が下がる一方
  • クーポン掲載をやめると新規がゼロになる恐怖が生まれる
  • 忙しくなるのに利益が残らない

✅ 推奨アプローチ:価値を伝えて選ばれる集客

  • POPやメニュー表で技術・こだわり・ストーリーを言語化する
  • 「このお店だから来たい」というファン客が育つ
  • 適正な単価で選ばれるため、利益が残りやすくなる
  • 口コミや紹介が生まれやすい体質になる

東京・中野区の5坪の美容室(藤田啓子氏)では、値上げに踏み切ることで単価・売上が1.5倍になりました。小さなお店でも、「価値を伝えて選ばれる」状態を作れれば、値下げとは逆方向に進めます。

POPやメニュー表に「なぜこの技術にこだわっているのか」「どんなお客さんに来てほしいのか」を書くだけで、お客さんの見方が変わります。これはお金のかかる施策ではなく、言葉の設計の話です。

「リピート率が38%から71%になって、月商が年間で1.6倍になりました。LINE集客とフォローアップの自動化を整えてから、追いかける集客から卒業できた感じがします。」

美容室オーナー(2店舗経営)

「見えない原因」が見えてきたら、次の一手は何か

ここまで3つの原因をお伝えしました。整理すると、こういうことです。

お客さんが来ない美容室には、①「価値を届ける仕組みがない」②「再来店の接点が切れている」③「値下げで来る人を集めてしまっている」──この3つが重なっています。技術の問題ではなく、経営の設計の問題です。

では何から手をつけるか。私がいつもお伝えしているのは、売上を「客数×客単価×来店頻度」の3つに分解することです。この3つのうち、どこが一番弱いかを特定する。それが分かれば、打つべき手が見えてきます。

STEP 1:現状を数字で把握する

今月の客数・客単価・リピート率を書き出してみましょう。

「なんとなく少ない」「最近減った気がする」という感覚ではなく、数字にする。月に何人来て、平均いくら使ってもらって、何割が再来店しているか。ここが見えていないと、どこを直せばいいかが永遠に分かりません。

⚠️ よくある失敗:「POSレジがないから分からない」と諦めてしまうケース。手書きのメモでも構いません。まず把握しようとする意志が最初の一歩です。

STEP 2:「弱いところ」に合った手を選ぶ

客数が少ないのか、客単価が低いのか、リピートが少ないのかで、打つ手は全く違います。

客数が少ないならGoogleビジネスプロフィール・MEO・チラシ・紹介促進が優先です。客単価が低いならメニュー設計とPOPの見直しが先。リピートが少ないならLINEやハガキDMによる再来店接点の整備が最初の手です。

⚠️ よくある失敗:「全部一度にやろう」として何も続かないケース。弱い1点に絞って、まず1つを継続することが大事です。

STEP 3:地味な販促を「すぐに」「継続して」やり切る

派手な施策より、地味な接点を続けることが繁盛店への道です。

LINE配信、ハガキDM、ニュースレター、Googleの口コミへの返信。一つひとつは小さなことです。しかしこれを「すぐに始めて」「続ける」ことで、半年後・1年後のお店の状態は全く違うものになります。

⚠️ よくある失敗:「効果がすぐに出ない」と感じて2〜3回で止めてしまうこと。再来店の仕組みは積み上げるものです。即効性を求めすぎず、続けること自体を目標にしましょう。

まとめ:「技術がある」は出発点。伝える仕組みが繁盛をつくる

お客さんが来ない美容室に共通する3つの見えない原因、もう一度まとめます。

  • ①「良い技術をすれば伝わる」という思い込みが、価値を届ける行動を妨げている
  • ②既存客との接点が切れていて、再来店が生まれていない
  • ③値下げクーポンで「価格に来るお客さん」を集め続けている

どれも「技術が足りない」の話ではありません。経営の仕組みをどう設計するか、の話です。

私自身、独立当初は全財産を使い果たし、家族から借金をする経験をしました。そこから這い上がれたのは、「広告に投資して顧客を創造する」という発想に切り替えたからです。お金をかけずに売上を伸ばそうとする発想は、最も時間と機会を無駄にします。正しい方向に、必要な投資をすることが経営です。

支援実績833件、美容室だけで150件以上。一緒に、あなたのお店の「見えていなかった部分」を見つけましょう。

まずは無料で使える「繁盛店ポータル」から、自店の現状を整理してみてください。何から手をつければいいかが見えてくる入り口として活用いただけます。

繁盛店ポータル無料アカウント開設

また、「お客さんが来ない」「リピートが続かない」「値下げから抜け出せない」という悩みを抱えたまま今日を終わらせたくない方は、ぜひこちらもご覧ください。全国の美容室・飲食店・小売店オーナーが集まる「増益繁盛クラブ」の詳細をお伝えしています。一人で悩まず、隣を歩く伴走者を見つけてほしいと思っています。

超絶繁盛店を目指すあなたへ

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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