2.集客対策

飲食店のネット集客、紙の販促と組み合わせる考え方

少し意外な話から始めます。「ネット集客に力を入れている飲食店」の中で、新規集客の費用対効果に満足していると答えた経営者は、ある調査によれば全体の2割程度とされています。8割は「やってはいるが、どこか手応えが薄い」という感覚を持ち続けているわけです。

ネット集客は今や当たり前の話です。Googleで検索されれば上位に出てほしいし、SNSにも写真を投稿したい。食べログやホットペッパーにも載っている。それ自体は正しい。でも「それだけ」で完結しようとしているのが、多くの飲食店で起きていることです。

紙の販促と組み合わせる——この発想が出てくると、集客の景色がガラッと変わります。今日はその考え方を、経営診断の視点で一緒に整理していきましょう。

📋 この記事でわかること

  1. 飲食店のネット集客が「何となく回っているが成果が出ない」原因の診断視点
  2. 紙の販促とネット集客を組み合わせる必要がある理由と、それぞれの役割分担
  3. 組み合わせを実践するための具体的なステップとよくある失敗
  4. 集客の仕組みを「意図的に回す」状態に変えるためのマインドセット

こんな方におすすめ

  • ✅ ネット集客(SNS・食べログ・Google等)をやっているが、新規客の増え方が安定しない飲食店オーナー
  • ✅ チラシや紙のポスターを「時代遅れ」と思って10年近く試していない方
  • ✅ 集客の打ち手が「クーポン配布とSNS投稿」だけになっていると感じている方
  • ✅ 月商の波が大きく、売上を意図的にコントロールできている感覚がない方
  • ✅ ネットと紙、どう使い分ければいいのかをちゃんと理解したい方
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「ネット集客をやっています」の中身を診断してみる

まず確認したいのは、「ネット集客をやっている」という状態が、実際に何をしているのかということです。Instagramに週2〜3回投稿している、食べログに店舗ページがある、Googleビジネスプロフィールを登録してある——これを「ネット集客をやっている」と定義していると、ほぼ確実に成果が出にくい状態にあります。

投稿があること、ページがあること、は手段であって目的ではありません。「誰に」「何を伝えて」「どう来店につなげるか」という設計が抜けると、ネット上に存在しているだけになります。

チェックポイント①:集客の起点がどこかを把握しているか

新規のお客さんが、どのルートで来店したかを把握できていますか?Googleから来たのか、Instagramから来たのか、口コミから来たのか。これが分かっていないと、何を強化すれば良いのかが見えません。

✅ ポイント:「どこから知りましたか?」という一言を接客に組み込む、または来店時のアンケートカードを作るだけで、起点が見えてきます。把握できていない状態で打ち手を増やしても、費用と手間が分散するだけです。

チェックポイント②:再来店(リピート)の仕組みがあるか

ネット集客は新規獲得に強い反面、リピートを生む力は単独では弱い傾向があります。一度来てくれたお客さんとの関係を継続する接点が、SNSのフォローだけになっていませんか?

✅ ポイント:LINE公式アカウントへの誘導、ニュースレターの手渡し、ハガキDMの送付など、「また来てほしい人に、直接届く接点」を少なくとも一つ持っておくことが重要です。ここが紙の販促の出番になります。

チェックポイント③:クーポンや値引きが集客の中心になっていないか

ホットペッパーや食べログのクーポン、SNSでの「○○無料」投稿——これで来てくれるお客さんは、次も「クーポンがある店」を選びます。価格で集まった人は価格で去る、というのは冷たい表現に聞こえるかもしれませんが、現実です。

✅ ポイント:値引きの代わりに「この店ならでは」の価値を言葉にする練習が必要です。POPやメニューの説明文、看板の文言——ここに価値を乗せていくのが、長期的に客単価を守る打ち手になります。

✓ ここまでのポイント

  • 「ネット集客をやっている」は手段であり、誰に何を届けるか設計されていなければ成果にならない
  • 新規の流入経路を把握していないと、強化すべき打ち手が見えない
  • クーポンや値引きで集めたお客さんは価格で去る。価値を伝える言葉の設計が先にある

紙の販促がなぜ今も有効なのか——役割の違いを整理する

「チラシって効くんですか?」と聞かれることが増えました。私の答えはいつも同じで、「正しく使えば、確実に効きます」です。

ネット集客と紙の販促は、得意なことが違います。これを混同すると、どちらも中途半端になります。

❌ よくあるパターン:「ネット時代にチラシは時代遅れ」

  • 地域の商圏内に住む潜在顧客(まだGoogleで検索すらしていない人)への接触機会をゼロにしてしまう
  • 「知っているが行ったことがない」層への継続的なリマインドができない
  • 既存客への感謝や近況報告(関係性の維持)が薄くなる

✅ 推奨アプローチ:ネットと紙を役割分担して使う

  • ネット(Google・SNS・MEO)=検索している人・情報収集している人へのリーチ
  • 紙(チラシ・ハガキDM・ニュースレター)=商圏内の潜在客・既存客への継続的な接触
  • 両方を持つことで、「知らない人→知る→来店→また来る」の流れが途切れにくくなる

実際に支援した居酒屋のケースでは、チラシ+Google広告の組み合わせで新規客が約2倍になり、客単価も1,400円上がりました。ネットだけ、紙だけではなく、両者を同時に動かしたことが結果につながっています。

「紙は古い、ネットが正解、という二項対立で考えているうちは、集客の天井を自分で低く設定しているのと同じです。手段に優劣はない。それぞれの役割を理解して、等価に組み合わせることが経営者の仕事です。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

組み合わせを機能させるための3つのステップ

集客改善 STEP 1

自店の「客数・客単価・来店頻度」のどこが弱いかを特定する

集客の打ち手を考える前に、売上を「客数×客単価×来店頻度」の3系統に分解してみてください。新規が少ないのか、一人当たりの使う金額が少ないのか、リピートが薄いのか——弱点がどこにあるかで、使う手段が変わります。新規獲得が課題ならネットとチラシを強化。リピートが薄いならハガキDMやLINEの仕組みが先です。

⚠️ よくある失敗:課題を特定しないまま「とりあえずSNSを頑張る」という状態に陥り、労力が分散してどれも薄くなる。

集客改善 STEP 2

商圏内の「まだ来ていない人」への接触手段を一つ確認する

ネット集客は「検索している人」には強いですが、まだ検索すらしていない商圏内の住民には届きにくいです。この層にリーチするためのチラシ配布・ポスティング・近隣へのDMを、月に一度でもいいので動かし始めることを検討してください。

⚠️ よくある失敗:「一度やって反応がなかった」と諦めてしまう。チラシは継続的に届け続けることで認知が積み上がる性質があります。一発で判断するのは早すぎます。

集客改善 STEP 3

既存客との関係を継続する「定期接点」を設計する

来てくれたお客さんとの関係は、帰った瞬間に薄れ始めます。LINE公式アカウントへの誘導、ニュースレターの手渡し、誕生日ハガキ——何か一つ、定期的に連絡が届く仕組みを持ってください。これが来店頻度を上げる直接の手段になります。

⚠️ よくある失敗:LINE登録者に毎回クーポンを送り続けて、値引き頼みのリピート構造を作ってしまう。送る内容は「価値と関係性」を伝えることに重点を置くべきです。

「チラシ+Google広告の組み合わせで取り組んでから、新規のお客さんが目に見えて増え始めました。月商が6ヶ月で倍近くになって、正直驚いています。」

居酒屋オーナー(40代・男性)

「お金をかけずに集客したい」という考え方の落とし穴

「できるだけ費用をかけずに集客したい」という気持ちは理解できます。でも私自身、独立直後に貯金が底をつき、家族から借金をした経験があるので、この発想がどこに向かうかをよく知っています。

無料の手段だけを組み合わせようとすると、結果が出るまでの時間がかかりすぎる。その間に機会損失が積み上がり、体力を削りながら無料施策を続けることになります。私が毎月広告を出すようにしてから売上が立ち、借金を完済できた体験は、今も伝え続けている原体験です。

学びと広告は投資です。投資として設計して、リターンを回収していく形に変えること——ここを外すと、忙しいのに利益が残らない構造から抜け出せません。

飲食店のネット集客と紙の販促を組み合わせる取り組みも、「タダで何とかしよう」ではなく「投資として設計して、客数・客単価・来店頻度のどれを動かすか」という視点で取り組むことが大切です。

まとめ:集客は「やっている」から「機能している」状態に変える

ネット集客をやっている、紙も出したことがある——それ自体は悪くない。でも、それが「機能している」かどうかは別の話です。

どこから来たか把握しているか。リピートの仕組みがあるか。価値を伝える言葉があるか。この3つが揃って初めて、集客は「意図的に動かせるもの」になります。

支援実績833件、飲食店だけで610件の中で見てきた繁盛店に共通しているのは、派手な手法ではなく、地味な販促をすぐに・継続して・組み合わせてやり切っていることです。ネットと紙の役割をきちんと理解して、両方を回し続けている店は、売上の波が小さくなっていきます。

業歴21年の経験から言えるのは、「どちらかだけで完結しようとすると、必ずどこかに穴が開く」ということです。ぜひ自店の集客を一度、今回のチェックポイントで診断してみてください。

もし「自分の店はどこが弱いのか」「何から手をつければいいのか」を一緒に整理したい、という方は、ぜひ下記からどうぞ。一人で抱えていると見えないことが、一緒に考えるとずっとクリアになります。

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また、ネット集客・紙の販促・AI活用を組み合わせながら、月次で実行を続けていく伴走の場をお探しの方は、こちらもあわせてご覧ください。

着実に繁盛店を目指すあなたへ

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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