年が明けた直後の街の空気。
初詣の帰りに家族でふらっと入った店が、
お正月仕様の特別メニューを出していて、
思わず「せっかくだから」と頼んでしまった——
そんな経験、あなたにもないでしょうか。
あの「せっかくだから」は偶然じゃないんです。
お正月という時間軸の特別感が、
お客さんの財布の紐を自然にゆるめる。
それを意図的に設計した店と、
ただカレンダーをめくっただけの店とでは、
同じお正月でも全然違う売上になります。
今日は、お正月の「特別感」演出で
客単価を上げた事例と、
その組み立て方をお伝えします。
ただ、その前に一つ、
大事なことを先に話しておかないといけません。
補助金を使って厨房機器を入れ替えたり、
インテリアを刷新したりする飲食店が
ここ数年かなり増えています。
設備が良くなることは、
それ自体は悪くない。
でも、設備を入れることが
「目的」になってしまっている店があります。
設備が入っても、
それで客数が増えるのか。
客単価が上がるのか。
再来店につながるのか。
この問いに答えられないまま投資すると、
お金は出ていくのに、売上は変わらない。
補助金の申請要件や採択ノウハウ、
税務処理については、
認定支援機関や中小企業診断士、
行政書士、税理士の専門家に
お任せするのが正解です。
私がお伝えしたいのは、
投資した設備で「どう売上を作るか」の
販促設計の部分。
お正月販促の事例は、
まさにその「投資を回収する設計」の
典型的な事例でもあります。
📋 この記事でわかること
- お正月の「特別感」が客単価に与える心理的な効果
- 客単価6,000円→8,500円を実現した寿司店の具体的な販促の組み立て
- 設備投資と販促設計をセットで考える重要性
- お正月販促を「来年も使える仕組み」に育てる方法
こんな方におすすめ
- ✅ お正月に何か特別なことをやりたいが、何から手をつければいいか分からない方
- ✅ 補助金で設備を入れたが、売上がなかなか伸びないと感じている飲食店オーナー
- ✅ 値引きや割引に頼らず、適正単価でお客さんに選ばれたい方
- ✅ 客単価を上げたいが、強引なアップセルは気が引けると思っている方
- ✅ 年間の行事を販促カレンダーとして活用していきたい方

「特別感」はなぜ、客単価を上げるのか
お正月に人がお金を使いやすくなる理由は、
シンプルです。
「ハレの日」だから。
普段は「ちょっと高いかな」と躊躇する金額でも、
お正月という非日常の文脈が
「せっかくだから良いものを」という
心理的な許可を出してくれます。
これは値上げではないんです。
価値を伝える場所を、
お正月という舞台に乗せているだけ。
例えば、ふだん3,500円のコースしか
注文しないお客さんが、
お正月の特別会席という名前がついた
5,500円のメニューを頼む。
そこに無理はありません。
「特別な日だから、いつもと違うものを」
という行動が、お客さん自身の中から
自然に出てくるからです。
あなたのお店は、
その「せっかくだから」を
受け取れる準備をしていますか?
レギュラーメニューだけを並べた状態では、
その気持ちの受け皿がありません。
「特別感」を作りたいのに、何から手をつければいいか分からない——そのもどかしさ、この記事を読んでいる方ならよく分かると思います。繁盛店ポータルに無料登録すると、ハワードジョイマンのメソッドを搭載したAIに、あなたのお店の業種・状況を伝えて具体的な販促アドバイスをその場で得られます。メール登録のみ、1分で完了します。
寿司店が客単価6,000円→8,500円を実現した、お正月の組み立て方
ある寿司店のオーナー(50代・男性)が、
私のところに相談に来たのは、
「腕には自信があるのに、
客単価がなかなか上がらない」
というものでした。
技術はある。
でも、その価値が伝わっていない。
そこで最初に取り組んだのが、
お正月の「特別会席」の設計でした。
既存の仕入れルートを活かしながら、
お正月限定の食材と
「選ばれた理由」を言語化したメニュー表を作る。
それだけで、客単価は6,000円から8,500円へ。
そのオーナーが後にこう話してくれました。
「値上げしたわけじゃないんです。
お客さんが自然に高いコースを頼んでくれるようになった。
『価値で選ばれている』という実感が、
やっと生まれた気がします」寿司店(50代・男性)
この結果の裏側には、
3つの仕掛けがありました。
チェックポイント1:「お正月限定」の名前と理由を作る
「特別会席」と書くだけでは弱い。
「なぜこれがお正月なのか」の理由が
メニューに書いてあるかどうかが分かれ目です。
例えば、「正月三が日だけ入荷する○○産の甘海老」
という一文があるだけで、
お客さんは「今しかない」と感じます。
✅ ポイント:希少性・季節性・生産地の情報を
短い一文で添えるだけで、
メニューの価値の見え方が変わります。
チェックポイント2:価格の「段差」を設計する
お正月メニューをいきなり高単価1本にすると、
「選べない」と感じるお客さんが出ます。
レギュラーと特別の間に、
「ちょっと良いもの」を置く。
3段階の価格帯があると、
真ん中が自然に選ばれます。
これは販促の世界では
「ゴルディロックス効果」と呼ばれる現象です。
✅ ポイント:3段階の価格設計は、
強制的なアップセルなしに
客単価を引き上げる仕組みになります。
チェックポイント3:卓上のPOPとスタッフの一言をセットにする
メニューだけではなく、
席に着いたときの卓上POPと、
注文を取りに来たスタッフの一言で
「今日はお正月の特別なコースもございます」
と案内する。
この「3点セット」があると、
見落としがなくなります。
✅ ポイント:POPの文言を変えるだけで注文数が変わった事例は多い。
POPのタイミングと文言を変えた飲食店の事例も参考にしてみてください。
✓ ここまでのポイント
- お正月は「ハレの日」の心理が自然に客単価を押し上げる。その受け皿を作れているかが問われます。
- 「限定感・希少性・理由」の言語化が、値上げではなく価値の伝達として機能します。
- 3段階の価格設計とPOP・スタッフ案内のセットが、特別メニューの注文率を高めます。
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設備投資と販促設計は、セットで考える
補助金を使って厨房を刷新したり、
内装をリニューアルしたりすること自体は、
間違いじゃないんです。
でも、よくある失敗があります。
❌ よくあるパターン
- 補助金で設備を入れたが、告知を何もしない
- 新しい厨房で何を作るか、決まっていない
- 「きれいになった」だけで終わり、客単価も客数も変わらない
✅ 推奨アプローチ
- 設備投資のタイミングを販促の機会として使う(「リニューアルオープン」として告知する)
- 新しい設備で実現できる新メニューをお正月や周年記念と紐づける
- 客数・客単価・再来店のどれを動かすための設備なのかを先に決める
「お金を掛けずに売上を伸ばす」という発想は、
私はずっと愚策だと言い続けています。
でも一方で、
「お金を掛ければ売上が上がる」も違う。
「掛けたお金が顧客を創造するかどうか。
その問いを持たずに投資した店は、
設備の減価償却だけが残ります。」ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
設備が入ったら、
その設備で何をどう売るかを
先に設計してほしいんです。
お正月という行事は、
その設計を実行する
わかりやすいタイミングの一つです。
例えば、クリスマスや母の日など特別企画で客単価を上げた飲食店の事例でも、
共通しているのは「設備が先」ではなく
「企画と伝え方が先」という点です。
お正月販促を「来年も使える仕組み」に育てる
お正月の販促で失敗する店の多くは、
「今年だけやって終わり」になっています。
反省もせず、記録もしない。
来年また1から考える。
これは時間の浪費です。
今年のお正月販促が終わったら、
必ずやってほしいことがあります。
お正月販促 STEP 1
数字を記録する
お正月期間の客単価・注文数・特別メニューの注文率。
この3つだけでも残しておくと、
来年の設計の出発点になります。
どのメニューが売れて、
どれが全然出なかったか。
⚠️ よくある失敗:「なんとなく忙しかった」で終わらせて、
何が数字を動かしたのか分からないまま次の年を迎える。
お正月販促 STEP 2
来てくれたお客さんに「次回」を渡す
お正月に来てくれたお客さんは、
その年のお正月にまた来る可能性が高い。
「ありがとうございました」だけで終わらず、
LINE登録や次回来店の種を撒いておく。
再来店を生む「一言」の設計と仕組みは、
この記事で詳しく解説しています。
⚠️ よくある失敗:新規客を取ることだけを考えて、
来てくれた人への関係づくりを忘れる。
お正月販促 STEP 3
次の季節の行事と繋げる
お正月の次は節分、そしてバレンタイン。
年間の行事を「販促カレンダー」として設計すると、
毎月何かしら「特別感」の演出ができます。
客数・客単価・来店頻度の3軸で販促施策を整理する方法と組み合わせると、
年間の動きが一気に見えてきます。
⚠️ よくある失敗:お正月が終わるとまた「普通の日常」に戻り、
販促を止めてしまう。
まとめ:特別感は演出するものではなく、設計するもの
お正月の「特別感」は、
松飾りを飾ったり、着物姿のスタッフを置いたりすることだけではありません。
お客さんが「せっかくだから」と感じる瞬間を、
メニューの設計・価格の段差・POPと言葉のセットで
意図的に作ること。
それが販促の設計です。
補助金で設備を入れる場合も、
「その設備でお正月の特別メニューを実現する」
という発想があれば、
投資は顧客を創造するものになります。
設備投資の補助金申請は専門家に任せてください。
私がお手伝いするのは、
「その設備と投資で、どう客単価と再来店を作るか」
の設計の部分です。
腕があるのに、それが数字に反映されない。
そのギャップを埋めるのは、
技術よりも「伝え方」と「設計」です。
寿司店のオーナーが
「価値で選ばれている」実感を
掴んだように、
あなたのお店でも、
その実感を一つずつ積み上げていきましょう。
店舗経営は、
ゴールのないマラソンです。
走り続けましょう。
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