3.儲かる販促と利益アップ

POPを変えたら注文が増えた飲食店、タイミングと文言を変えた3つの事例(ケーススタディ)

先日、会員の方からこんな相談をいただきました。

「ジョイマンさん、うちの看板メニューって、正直まだ全然売れてないんですよ。味には自信があるんですけど……」

50代の男性で、和食店を営む方です。食材のこだわりは本物で、仕入れにも手間とお金をかけている。なのに、客単価がなかなか上がらない。ランチのときに「おすすめ」と書いた紙を貼っても、スルーされる。「やっぱり値段を下げないとだめですかね」と、諦めかけた表情でおっしゃっていました。

気持ちは痛いほどわかります。「安くしないと選ばれないのでは」という不安は、お店を続けてきた経営者なら一度は通る道です。でも、問題は価格ではなく、価値が伝わっていないことにある場合がほとんどです。

今回は、POPのタイミングと文言を変えることで注文が動いた飲食店の事例を3つ、具体的にご紹介します。値下げをせず、価値を伝えて選ばれる店になるためのヒントとして、ぜひ読んでみてください。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ「おすすめ」と書いただけのPOPは機能しないのか
  2. POP文言のどこを変えると注文が増えるか(3つの事例)
  3. POPを変えるタイミングの考え方(季節・曜日・客層別)
  4. 値下げなしで客単価を上げるPOP設計の基本

こんな方におすすめ

  • ✅ 看板メニューがあるのに、注文が思ったより入らないと感じている方
  • ✅ 値引きやクーポンに頼らず、単価を上げたいと考えている飲食店オーナー
  • ✅ POPを作ったことはあるが、効果が出ているのかよくわからない方
  • ✅ 料理や食材にこだわりがあるのに、お客さんにうまく伝わっていないと感じる方
  • ✅ 季節に合わせて販促を変えていきたいけれど、何から手をつければいいか迷っている方
POPを変えたら注文が増えた飲食店、タイミングと文言を変えた3つの事例(ケーススタディ) | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

「おすすめ」という言葉だけでは、何も伝わっていない

POPを貼っても注文が増えないとき、多くの場合に共通しているのが「おすすめ」「人気No.1」「定番」といった言葉で止まっていることです。

お客さんの立場で考えてみると、「おすすめ」と書かれていても、なぜおすすめなのかがわからない。「誰にとっておすすめなのか」も見えない。結果として、目に入っても意識されずに終わります。

POPが機能するのは、お客さんが「これは自分のことだ」「これを頼めばよかったのか」と腑に落ちる瞬間が生まれたときです。そのためには、料理の背景・食材のこだわり・食べると得られる体験を、短い言葉で具体的に伝える必要があります。

私がよくお伝えしているのは、「POPは、お客さんの横に立ってすすめる、口の達者なスタッフの代わりだ」ということです。スタッフが話しかけるように、読んだ人の心に響く言葉を置く。これがPOP文言の本質です。

「値引きをしなくても選ばれる店は、必ずどこかで価値をちゃんと言葉にしている。POPはその最初の一歩です」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

「おすすめと書いても注文が増えない」という感覚、まさに今回の事例で出てきた状況です。繁盛店ポータルに無料登録すると、ハワードジョイマンAIにあなたのお店の業種・状況を伝えて、POP文言の改善案や価値の言語化について具体的に相談できます。メール登録のみ、1分で完了です。

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事例1|和食店(50代・男性):文言を変えたら、月商が80万円上乗せに

冒頭でご紹介した和食店のオーナーとのやりとりに戻ります。

話を聞いていくと、自家製の出汁へのこだわりが相当なものでした。朝4時に仕入れた昆布と鰹を丁寧に引いて、その日の料理すべてに使っている。しかし店内のPOPには「本日のおすすめ 季節の煮物盛り合わせ 1,200円」と書いてあるだけ。

そこで、文言を変えることを提案しました。

「毎朝4時、利尻昆布と枕崎産の鰹節だけで引く、その日限りの出汁。この出汁でしか作れない煮物があります」

値段もメニュー名も変えていません。変えたのは、その1枚の紙に書いてある言葉だけです。

合わせて、提供するタイミングも見直しました。このPOPを、ランチの混雑ピーク前の時間帯に、席に置くのではなくメニューブックの最初のページに挟む形に変更。入店直後に目に入るように設計しました。

結果として、この煮物盛り合わせの注文数が増え、客単価が上がり始めました。月商にして80万円の上乗せにつながっています。加えて、POPの管理や内容の更新をスタッフに任せられる仕組みも整い、オーナー自身が経営に集中できる時間が増えたとおっしゃっていました。「抱え込みグセが減った」という言葉が印象的でした。

「月商80万円上乗せできた。それより嬉しかったのは、自分の料理に自信を持って話せるようになったことです」

和食店オーナー(男性・50代)

POPの文言には、食材の産地・仕入れのこだわり・作り手の思いなど、「なぜこれを出しているのか」を入れること。これが価値を伝えることの基本です。POPをいつ変えるべきか、季節・曜日・客層別に整理した完全ガイドも参考にしてみてください。

✓ ここまでのポイント

  • 「おすすめ」だけのPOPは、価値が伝わらず素通りされる
  • 食材の背景・こだわりを具体的な言葉にすることで、注文行動が変わる
  • POPを置くタイミング(入店直後・混雑前)も、効果を左右する大事な変数

「なぜこれを出しているのか」を言葉にする作業、一人でやろうとすると手が止まることが多いです。繁盛店ポータルでは、あなたのメニューや販促物を添付してAIに添削・改善アドバイスをもらうこともできます。無料で使えて、登録はメールアドレスだけです。

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事例2|居酒屋(40代・男性):曜日別に文言を使い分けて客単価が上がった

次は、鉄板居酒屋を営む40代の男性オーナーのケースです。

この方の悩みは、週末と平日の客単価の差でした。週末は比較的アルコールも出るが、平日は料理だけで帰ってしまうお客さんが多い。「平日の客単価を上げたい」というのが最初の相談内容でした。

お話を聞いていくと、平日の来店客は、近くの会社員や地元の常連が中心でした。週末とは客層が違う。それなのに、POPの内容は週末も平日も同じだったのです。

そこで、平日限定で「一人でふらっと来たときに頼みたいセット」という切り口のPOPを作ることにしました。「今日だけの鉄板小皿3品+ハイボール 1,900円」という内容で、単品で頼むより少し得になる設計にしつつ、POPの文言には「今日少し疲れた夜に、一人でゆっくり食べてほしい。常連さんへのこっそり定番です」と書きました。

値引きではありません。「このセットがあなたに合っている」という文脈を作ったのです。

結果、平日のドリンク付注文が増え、客単価が上向きました。オーナー自身も「月商25%増えた。それより、店に立つのが待ち遠しくなった」とおっしゃっていました。

客層によって刺さる言葉は違います。平日と週末、ランチとディナー、若い客層とファミリー。それぞれに合ったPOPを用意することが、幅広い客単価アップへの道です。飲食店のドリンク売上を上げるメニューとPOPの考え方も合わせてご覧ください。

チェックポイント1:あなたのPOPは、今の季節・曜日・客層に合っているか

8月下旬の今、店内に残暑を意識したPOPはありますか。平日の常連向けの一言が入っていますか。同じPOPを1ヶ月以上貼りっぱなしにしていないでしょうか。

✅ ポイント:POPは「貼って終わり」ではなく、季節・曜日・客層の変化に合わせて更新することで効果が持続します。月1回、POPを見直すサイクルを作るだけでも、売り場の鮮度は全然違います。

チェックポイント2:POPに「なぜこれを選ぶといいか」が書かれているか

「人気No.1」「売れています」という言葉は、証拠が見えないため信頼されにくい時代になっています。食材の仕入れ先・調理法の一手間・生産者の背景など、「なぜこれが良いのか」を一行でも加えると反応が変わります。

✅ ポイント:料理の「価値の根拠」を言葉にすることが、値下げなしで選ばれるための基本。一行でいい。書いてあるのとないのでは大違いです。

事例3|カフェ(30代・女性):看板メニュー設計とPOPのセットで月商が20%増えた

3つめは、カフェを営む30代の女性オーナーのケースです。

この方は、物販とサブスク(定期便)を導入したいと考えていましたが、「何を看板商品にすればいいかわからない」という状態でした。ドリンクもスイーツも揃っているが、何でも売ろうとしているため、お客さんに「ここに来たらこれ」という印象が生まれていなかったのです。

最初にやったのは、看板メニューを1つに絞ること。このカフェの場合、自家焙煎のコーヒーへのこだわりが一番の強みでした。そこで「毎朝焙煎した豆で淹れる、その日かぎりのブレンド」を看板として前面に出す設計にしました。

POPには、焙煎の工程を短く書いた文と、「豆の違いが気になったら、スタッフに聞いてください」という一言を添えました。これにより、スタッフとの会話が生まれ、豆の物販や定期便の説明につながる流れができました。

結果、物販とサブスクの導入で月商が20%増。「安売り以外の道があると、視界が開けた」とおっしゃっていました。

看板メニューを1つ決めることで、POPの文言も書きやすくなります。何でも売ろうとすると、POPも何を伝えたいかわからなくなる。「これがうちの一番だ」と決めることが、価値を伝える出発点です。

「看板メニューがない店は、POPを何枚貼っても届かない。まず一点突破の軸を決めることが先です」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

まとめ|POPは「貼るもの」から「語りかけるもの」に変える

今回の3つの事例に共通しているのは、値段を変えたのではなく、「言葉」を変えたということです。

和食店のオーナーは、出汁へのこだわりを言葉にした。居酒屋のオーナーは、平日の客層に語りかける文言を作った。カフェのオーナーは、看板を1つに絞ってPOPに軸を持たせた。

どれも大きなコストはかかっていません。必要なのは、「自分のお店の価値は何か」を言語化する作業と、それを適切なタイミングで届ける意識です。

「安くしないと選ばれない」という不安は、価値が伝わっていないことへの不安に過ぎないことが多い。POPという小さな紙切れ一枚でも、言葉を変えるだけでお客さんの行動は変わります。

売上は運任せでも、勢いで作るものでもなく、こういった地味な販促を「すぐに」「継続して」やり切ることで積み上がっていくものです。

まずは今日、店内のPOPを1枚だけ見直してみてください。「おすすめ」の一言で止まっているものがあれば、そこに「なぜおすすめか」を1行足すだけでいい。それが最初の一歩です。

紹介が生まれる店とそうでない店の違いも、実は価値の伝え方に根ざしています。紹介が生まれる店と生まれない店、何が違うのかを飲食店・美容室・工務店の事例で比較した記事も参考になると思います。

事例3つを読んで、「自分の店でもやれそう」と感じたなら、次は実行の仕組みをどう作るかが問われます。増益繁盛クラブでは、POPや客単価設計を含む販促の打ち手を、同じ景色を見ている全国の仲間と一緒に、迷わず継続できる環境で進められます。申込フォームに必要事項を入力するだけで始められます。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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