先日、ある居酒屋オーナーから連絡をいただきました。
「ジョイマンさん、ChatGPTでメニュー説明文を作ってみたんですよ。すごく早くできて、見た目もきれいで。でも……なんか、注文が変わらないんですよね。単価も上がらないし、これって使い方が違うんですかね?」
この感覚、最近ほんとうによく聞きます。AIでメニュー説明文を「作れた」のに、何も変わらない。そのモヤモヤの正体、今日はじっくりお話しさせてください。
私、ハワードジョイマンは静岡県清水区を拠点に、飲食店・美容室・小売店を中心に833件以上の店舗経営支援に携わってきた中小企業診断士です(経済産業省 登録番号 402345)。コピーライティングとAI活用の両方を専門領域として持つ立場から、「書き方」の話を正直にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- AIでメニュー説明文を作るだけでは単価が動かない理由
- 注文単価を引き上げる「説明文の構造」とは何か
- AIへの指示(プロンプト)で変わる出力の質の差
- 小さな飲食店でも今日から始められる実践ステップ
こんな方におすすめ
- ✅ AIでメニュー説明文を作ったが客単価が変わらない飲食店オーナー
- ✅ メニュー表・卓上POPの言葉を見直したいと思っている方
- ✅ ChatGPTを使い始めたが、販促への活かし方がよくわからない方
- ✅ 値引きに頼らず客単価を上げる方法を知りたい方
- ✅ 忙しくて販促に時間をかけられない小規模飲食店の経営者の方

「AIで作れた」と「売れる言葉になった」は、まったく別の話
お笑い芸人をやっていた学生時代、私はネタを書くとき必ず「客席にいる人の顔」を想像してから書き始めていました。どんな人が、どんな気持ちでここに来ているのか。その人が笑うのはどこか。言葉は、受け取る人があって初めて機能する、ということを舞台の上で身体で学んだんです。
メニュー説明文もまったく同じです。
AIに「このメニューの説明文を書いて」と頼むと、確かに流暢な文章が返ってきます。でも、その文章が誰に向けて書かれているか、注文してもらうためにどんな心理を動かすべきか──そこを指示していない文章は、「きれいな説明」にはなっても「注文を増やす言葉」にはなりません。
「AIは道具です。包丁が良くても、切り方と使う食材が間違っていれば料理はまずい。メニュー説明文もまったく同じで、AIの質問に何を込めるかが、全部の出発点なんです」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
注文単価を動かす説明文には「4つの役割」がある
私が飲食店のメニュー説明文を見るとき、必ず4つの役割を持っているかどうかを確認します。これはAI以前から、コピーライターとしての経験の中で整理してきたフレームです。
チェックポイント①:「これはどんな料理か」ではなく「なぜこれを選ぶのか」が書いてあるか
「若鶏の唐揚げ。カラッと揚げた一品です」──これは説明です。でも「なぜ頼むか」の理由がありません。「地元養鶏場から毎朝直送。揚げたての香りが隣のテーブルにも届く、うちの一番人気です」なら、頼む理由と周囲への影響(社会的証明)が入っています。
✅ ポイント:AIに「この料理を注文する理由を2つ含めて書いて」と指定するだけで、出力の質が大きく変わります。
チェックポイント②:客単価を上げる「もう一品」への誘導があるか
単価を動かすのは、1品ずつの価格よりも「追加注文」の回数です。「おすすめの組み合わせ:〇〇と一緒に」「これを食べたら、次はぜひ△△を」という一言が説明文にあるだけで、注文の流れが変わります。
✅ ポイント:AIに「この料理と相性のいい追加の一品を自然に勧める文章を末尾に加えて」と依頼してみてください。
チェックポイント③:価格を正当化する「背景」があるか
値下げしないで選ばれる店をつくるには、なぜその価格なのかの文脈が必要です。食材の産地、仕込みの手間、オーナーのこだわり──短い一文でも「この値段には理由がある」と伝わる言葉が、値引き不要の単価を守ります。
✅ ポイント:「この料理の価格に説得力を持たせる背景(こだわり・素材・製法)を盛り込んで」という指定を加えましょう。
チェックポイント④:注文の「背中を押す一言」があるか
「初めての方でも絶対にご満足いただけます」という表現は使えませんが、「スタッフ全員が最もよく食べるまかない飯です」「今月だけの特別仕込みです」という事実ベースの一言は、背中を押す効果があります。
✅ ポイント:「注文を後押しする実話ベースのひと言を最後に加えて」とAIに依頼するだけで、心理的なクロージングが入ります。
✓ ここまでのポイント
- AIで「作れた」と「売れる言葉になった」は別物。指示(プロンプト)の質が出力の質を決める
- 注文単価を動かす説明文には「選ぶ理由・追加誘導・価格背景・背中の一押し」の4役割がある
「AIへの指示」を変えると、出力がここまで変わる
具体的に見てみましょう。たとえば「自家製タレの豚バラ炙り焼き(980円)」というメニューの説明文を作るとします。
❌ よくある指示(結果:きれいだが単価を動かさない文章になる)
- 「豚バラ炙り焼きのメニュー説明文を書いて」
- 出力例:「柔らかな豚バラ肉を自家製タレでじっくり炙った一品。ご飯にもお酒にも合います」──普通の説明文で終わる
✅ 推奨の指示(結果:注文単価を動かす文章になる)
- 「豚バラ炙り焼き(980円)のメニュー説明文を書いてください。①この料理を注文する理由を2つ含める、②相性のいいドリンクか副菜への自然な誘導を末尾に入れる、③タレの仕込みにこだわっているという背景を1文加える、という3条件で書いてください」
- 出力例:「創業以来20年、変えていない自家製の醤油ダレが決め手です。炙ることで脂が程よく落ち、サッパリとした後味が続きます(①)。仕込みには丸1日かける手間を、ずっと省かずにいます(③)。日本酒との組み合わせが特にお気に入り、とスタッフの声もよく聞きます(②)」
同じ料理でも、指示の構造が変わると出力の構造が変わります。そしてこれは、10品のメニュー全部に使える型です。
「私がAIを使うとき、絶対に手を抜かないのがプロンプト(指示文)の設計です。ここをさぼると、AIはとても流暢な『無害な文章』を返してきます。でも無害な文章は、注文も単価も動かしません」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
今日から動けるSTEP:説明文の見直しを「仕組み」にする
メニュー説明文 改善 STEP 1
現状のメニュー説明文を書き出す
まず今あるメニュー表・卓上POPの説明文を全部テキストに書き起こします。何文字あるか、どんな構成になっているかを「見える化」することが出発点です。この段階で「ほとんど説明文がない」と気づく方も多いです。
⚠️ よくある失敗:「メニュー名と価格だけ」という状態に気づかないまま、AIで説明文を作っても「どこに使うのか」が決まらず止まってしまう。
メニュー説明文 改善 STEP 2
「一番売りたいメニュー」を3品だけ先に完成させる
全品いっぺんに改訂しようとすると止まります。利益率が高い・単価を上げたい・もっと知ってほしい、という理由で3品に絞り、上記の4役割を意識したプロンプトでAIに依頼します。完成した3品をまずPOPやメニュー表に反映してみましょう。
⚠️ よくある失敗:全品を一度に変えようとして、完成するまで店頭に何も反映されないまま時間が経つ。
メニュー説明文 改善 STEP 3
反応を測って残りを広げていく
3品を変えた後、注文数と客単価の変化を1ヶ月追います。実感があれば他のメニューにも展開。変化がなければ「どの役割が弱かったか」を見直してプロンプトを調整します。この繰り返しが、AIを使いこなす本当の力になります。
⚠️ よくある失敗:変えたことを忘れて測定しないまま「やっぱり効果がなかった」と結論づけてしまう。
実際に変わった飲食店の声
「最初はAIで説明文を作るだけで十分だと思っていました。でも、何を書かせるかを変えたら、卓上POPへの反応が明らかに変わりました。以前は素通りだったメニューが『これ何ですか?』と聞かれるようになったんです。チラシとGoogle広告と組み合わせた結果、6ヶ月で月商350万円から620万円になりました」
飲食店オーナー(居酒屋)/月商350万円→620万円(6ヶ月)、客単価1,400円アップ
まとめ:AIは「書く速度」を上げる道具、「売れる構造」は人が設計する
AIでメニュー説明文を作ること自体は、今や誰でもできます。でも注文単価を動かすかどうかは、AIに何を、どういう構造で書かせるか次第です。
私自身、お笑い芸人の経験でコピーライティングの原点を学び、市役所での6年・独立からの21年で「言葉が人の行動を動かす構造」を磨いてきました。AIはその構造を実行するスピードを大幅に上げてくれる道具です。でも、構造を設計するのは人間、つまりあなた自身です。
地味に聞こえるかもしれないけれど、「3品だけ説明文を変えてみる」「プロンプトに4つの役割を入れる」──こういう小さな実行を「すぐに」「継続して」積み重ねていくことが、半年後の客単価の差になります。
AIの使い方・メニュー説明文の書き方・客単価を意図的に上げる方法について、もっと具体的に学んでいきたい方は、ぜひ一度のぞいてみてください。833件以上の支援実績の中で培った、現場で使える型をお伝えしています。
一人で抱え込まず、同じ方向を向いて一緒に歩く場所があります。お気軽にどうぞ。
まずは情報収集から、という方はこちらもご活用ください。