結論から言うと、「名物メニュー」は最初から存在するものではなく、すでにある要素を組み合わせることで意図的に作るものです。センスや才能の話ではなく、仕組みの話です。今日はそのプロセスを、私ハワードジョイマンの一日の流れに沿って具体的にお話しします。
📋 この記事でわかること
- 看板商品がなぜ「発見」ではなく「設計」で生まれるか
- 既存メニュー・サービスを組み合わせて名物を作るステップ
- 名物メニューを集客に結びつける告知・販促の具体的な方法
- 値下げなしで「選ばれる店」になるための考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 「うちには特に売りになるものがない」と感じている飲食店・美容室オーナー
- ✅ 看板メニューを作りたいが何から手をつければいいかわからない方
- ✅ クーポンや値引きに頼らず、価値で選ばれる店にしたい方
- ✅ 既存のメニューやサービスをもっと有効に活かしたい方
- ✅ 集客の手応えが薄く、次の一手を探している経営者の方

朝7時:神社参拝と「問い」の時間
私の一日は、たいてい外に出ることから始まります。清水区の自宅近くを歩きながら頭を整理する習慣があって、毎月の墓参りや神社参拝もそのリズムの一部です。この時間に意外とアイデアが浮かびます。
今日もそうでした。ある飲食店オーナーから前日に届いていたメッセージを頭の中で転がしていました。「新メニューを考えたんですが、何を出せば看板になるか分からなくて」という相談です。
正直に言います。この問いの立て方が、最初のつまずきポイントです。「何を作れば名物になるか」ではなく、「今すでにあるものをどう組み合わせれば名物になるか」が正しい問いなのです。
清水の中華「百一番」を思い出すんですよね。あそこが名物になったのは、突然天才的な新料理を生み出したからじゃない。地域の人の記憶と、味と、雰囲気が積み重なって「百一番と言えば」になっていった。それを意図的にやる方法が、今日の本題です。
午前10時:事務所に入って最初の30分でやること
静岡鉄道新清水駅から徒歩10秒の事務所に着くと、まずメッセージのチェックと、その日に扱う会員さんの事例整理を始めます。今日のテーマは「名物メニューの設計」なので、過去に関わった事例をいくつか手元に引き出してきました。
飲食店でも美容室でも、名物と呼ばれるようになったお店に共通しているのは「これと言えばここ」という連想が生まれていること。そしてその連想は、ほぼ例外なく「素材×調理法×ストーリー」「施術×対象客×こだわり」という組み合わせから生まれています。
単品で勝負しようとするから難しくなる。組み合わせで設計すれば、すでにある素材でいくらでも名物は作れます。
チェックポイント1:「自分の店の強み」を正しく棚卸しできているか
看板メニューを作ろうとすると、多くの経営者の方は「何か新しいものを追加しなければ」と考えます。でも実際に話を聞いてみると、すでに武器になる素材が眠っていることがほとんどです。仕入れ先のこだわり、調理の手順、創業のエピソード、常連さんがよく頼む組み合わせ。これを書き出すところが出発点です。
✅ ポイント:「なぜうちで買うのか」を既存客に直接聞いてみるのが一番早い。来てくれているお客さんの言葉の中に、名物の種が必ず落ちています。
チェックポイント2:「誰のための看板商品か」が決まっているか
全員に向けた名物メニューは、誰にも刺さりません。「40代女性が一人でランチに来たときに頼みやすい」とか「家族連れの父親が子供に頼んであげたくなる」とか、受け取る人の顔を描くことで商品の輪郭が鮮明になります。
✅ ポイント:ターゲットを絞ると売上が減るように感じるが、逆です。刺さる人に深く刺さるほど、その人が「あそこに連れていきたい」と紹介者になってくれます。
✓ ここまでのポイント
- 名物メニューは「発明」ではなく「組み合わせの設計」で作るもの
- すでにある素材・強み・ストーリーを棚卸しするところから始める
- 「誰のための看板商品か」を先に決めることで商品の輪郭が定まる
午前11時〜正午:名物メニューを「設計」する3ステップ
会員さんへのフィードバック資料を作りながら、私がいつも使っている組み合わせ設計のプロセスを整理しました。ここが今日の記事の核心部分です。
名物設計 STEP 1
「素材」「技術・方法」「物語」を別々に書き出す
飲食店なら、食材の産地・仕入れ先のこだわり・調理の手間・創業の経緯。美容室なら、使用する薬剤・施術の独自の手順・オーナーの修行先・得意な客層。これを3列に分けてメモします。いきなり「メニュー名」を考え始めるのではなく、材料を並べることが先です。
⚠️ よくある失敗:「どうせうちには特別なものがない」と決めつけて書き出しを止めてしまうこと。「普通のこと」を丁寧に書き出した中に、他店が言語化できていない差別化要素が眠っています。
名物設計 STEP 2
3列の中から「組み合わせの妙」を見つける
書き出した素材・技術・物語を横断的に見て、「これとこれを掛け合わせると面白い」という接点を探します。たとえば「地元農家直送の野菜×創業30年のタレ×先代から受け継いだ炭火焼き」という組み合わせが出てきたとする。これだけで「〇〇特製 炭火焼きのあの一皿」という名物の骨格が見えてきます。美容室なら「カラーの色落ちにくい技術×髪の傷みに悩む30代女性×美容師自身の産後のダメージ経験」が組み合わさると、「産後のお母さんのための傷まないカラーコース」になる。
⚠️ よくある失敗:組み合わせを考えずに「高級食材を使えば名物になる」と単品コストに頼ること。名物の力はストーリーと文脈の掛け算から生まれます。
名物設計 STEP 3
「名前」と「説明文」を一緒に作る
看板商品は名前で記憶されます。「日替わり定食」「人気No.1カット」では名物になりません。「〇〇農園のとれたて野菜と先代のタレで食べる炭火焼きランチ」のように、素材と物語が見える名前をつけることで、お客さんの頭の中に「絵」が浮かびます。そしてその名前の下に、2〜3行の説明文をPOPや看板、メニュー表に載せる。この説明文が価値を伝える仕事をするので、値引きなしで選ばれる土台になります。
⚠️ よくある失敗:名前を作ったあとで満足して、説明文・POP・告知を後回しにすること。名物は「作った瞬間」ではなく「伝わった瞬間」に生まれます。
「名物メニューは才能で生まれるんじゃない。今ある素材を、誰に届けるかを決めて、言葉で包んでやる。その順番を守るだけで、どんな店にも看板商品は作れます。」
ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)
午後13時:名物を「集客」に結びつける告知の設計
昼食を挟んで、次は「作った名物をどうやってお客さんに届けるか」の設計に入ります。ここで多くの方が「SNSに投稿したけど反応がない」「メニューに載せたが頼んでもらえない」という壁にぶつかります。
原因はほぼ一つ。名物を「存在している」だけにして、「選ばれる理由」を伝えていないからです。
❌ よくあるパターン:「新メニューできました!ぜひ食べてみてください」
- 何が特別なのかが伝わらない
- 「なぜ今日行くべきか」の理由がない
- お客さんの記憶に残らない
✅ 推奨アプローチ:「この一皿が生まれた背景と、誰のために作ったかを先に語る」
- POPやSNSに素材・作り手・こだわりの順で文章を構成する
- 「常連さんからこんな声をいただいた」という事実を添える
- LINE配信やニュースレターで既存客に「先に」届ける(新規より既存客への告知が先)
名物は「広める」より「育てる」という感覚が大事です。最初は常連さんが「あそこに行ったらあれを食べてみて」と言い始める。その口コミが広がって初めて、名物として地域に根を張ります。プレスリリースも使えます。私が関わった会員さんの中には、プレスリリースで累計100回以上メディア掲載を実現し、観光バスが止まる名物店になったケースもあります。名物メニューとメディアの組み合わせは、それほど威力があります。
「チラシとGoogle広告を組み合わせて新規客が約2倍になり、客単価も1,400円上がりました。正直、こんなに変わるとは思っていませんでした。」
居酒屋オーナー(月商350万円→620万円・6ヶ月)
「値上げする前は怖かったのですが、POPで価値をきちんと伝えるようにしたら、むしろお客さんの反応がよくなりました。単価と売上が1.5倍になって、自分でも驚いています。」
美容室オーナー(東京・5坪・値上げにより単価・売上1.5倍)
午後14時〜15時:一日の締めくくりに整理すること
営業時間の終わりに近づいたころ、私はその日に扱ったテーマや会員さんへのフィードバックをざっと振り返ります。今日のテーマで言えば「名物はあるか、告知できているか、誰に届けているか」の3点が揃っているかどうかです。
名物集客法は、センスの話でもリソースの話でもありません。今日お伝えしたSTEP1〜3の設計を一度やりきって、あとはPOPとLINEと口コミで地道に育てる。それだけです。派手な仕掛けより、この地味な積み重ねの方が確実に「選ばれる店」に近づきます。
私が21年この仕事をしてきて、いつも感じるのは、833件を超える指導実績の中でうまくいった店の共通点は「一つの武器を磨き続けた」ことだということです。名物も同じで、作ったら終わりじゃなく、伝え続けることで名物になっていく。
まとめ:名物メニューは「組み合わせ」と「言葉」で作る
今日お伝えしたことを整理すると、こうなります。
- 名物は新しいものを「発明」するのではなく、今ある素材・技術・物語を「組み合わせ」て設計する
- 「誰のための看板商品か」をターゲットを絞って先に決める
- 名前と説明文をセットで作り、POPや告知で価値を言語化する
- 既存客への告知を先にして、口コミとLINEで育てていく
- 値引きではなく、価値を伝えることで適正単価で選ばれる仕組みにする
「うちには名物と呼べるものがない」という経営者の方に、私はいつもこう聞き返します。「あなたの店に何年も通い続けているお客さんは、なぜ通い続けているんですか?」その答えの中に、看板商品の種が必ず入っています。
もし一人で考えているとどこかでつまずきそうなら、同じ悩みを抱える経営者の方が集まる場所で一緒に整理しましょう。全国の飲食店・美容室・小売店のオーナーが集まる場で、看板商品の設計から告知の仕組みまで、一緒に動かしていけます。
まずは以下から覗いてみてください。一歩踏み出すだけで、見える景色が変わります。
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