商店街で合同イベントを企画しても、「結局いつも来るお客さんしか来なかった」という結果に終わった経験、ありませんか?
実は、商店街の合同イベントに参加した来場者のうち、初めてその商店街を訪れた新規客は全体の2割に満たないケースが多いとされています。労力をかけて企画・準備したのに、新規集客にほとんどつながっていない——これが商店街イベントの現実です。
こんにちは。繁盛店研究所スタッフの渥美 昌代(あつみ まさよ)です。私はふだん、増益繁盛クラブの会員さんのサポートやコンテンツ運営を担当しています。週末は畑を耕したり、猫のアメちゃん(アメリカンショートヘアー)と過ごすのが好きな、どこにでもいる49歳です。
今日は、私自身が会員さんのご相談や資料づくりをお手伝いするなかで感じてきた「合同イベントがうまくいかない理由」と、個店の集客につなげるための企画書づくりのコツを、一日の業務の流れを追いながらお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 商店街合同イベントが「集客できない」本当の原因
- 個店が新規客を獲得するための企画書の構成と書き方
- 当日だけで終わらせない「再来店」につなげる仕組みづくり
- すぐに使えるテンプレートと、継続するための運営のコツ
こんな方におすすめ
- ✅ 商店街や地域の合同イベントを企画・参加している個店オーナーの方
- ✅ イベントを開いても新規客が定着しないと悩んでいる方
- ✅ 合同イベントの企画書をどう書けばいいか迷っている方
- ✅ イベント後のフォローアップがうまくできていない方
- ✅ 地域での認知を高めて、地元に根ざした集客をしたい方

朝9時:まず「目的」を一行で書く。それだけでほぼ決まる
私の一日は、会員さんから届いた相談メールを読むところから始まります。この日の相談は「地元の商店街で秋のイベントを企画したいんですが、何から始めればいいですか?」という内容でした。
企画書を作ろうとすると、みなさん最初に「タイトル」や「日程」から書き始めることが多いんですよね。でも私がまず一番最初にお伝えするのは、「目的を一行で書く」ことです。
「なんとなく賑わいを作りたい」「毎年やってるから」では、企画書が途中で迷子になります。個店が合同イベントに参加する目的は、大きく3つに絞れます。
- ①新規客の来店数を増やしたい(客数アップ)
- ②一度来てくれたお客さんに再来店してほしい(来店頻度アップ)
- ③お試しで来てくれたお客さんの客単価を上げたい(客単価アップ)
この3つのどれを今回のイベントのメイン目的にするかを最初に決める。それだけで、企画全体の方向性がぶれなくなります。「全部やりたい」気持ちはわかりますが、ターゲットを絞ることで、告知チラシの言葉も、当日の声かけも、後日のフォローの内容も、ぜんぶ変わってきます。
10時:企画書テンプレートの「5つの箱」を埋める
朝のメール対応が一段落したら、資料の更新作業に入ります。今日はちょうど、会員さん向けに使える企画書テンプレートを整理していました。
テンプレートといっても難しく考える必要はなくて、「5つの箱」を埋めるだけです。
チェックポイント1:目的と参加店ごとのゴール設定
「商店街全体の賑わい創出」はあくまで商店街としての目的です。個店としては「自店にとって何が成果か」を別に設定します。例:「新規来店5名から連絡先を取得する」「当日のみの限定メニューで客単価1,000円アップを試す」など、小さく具体的に。
✅ ポイント:「来場者数が増えた」だけでは個店の成果は測れません。自店に来てくれた人数・連絡先の取得数・購入点数など、自店独自の数字を設定しましょう。
チェックポイント2:来場者の「その後」の設計
イベント当日に来てくれたお客さんが、次に来る理由を作れているか確認します。「また来たいな」と思っても、理由がなければ人は動きません。割引でなくていい。LINEの登録、ニュースレターの手渡し、次回使えるスタンプカード——何かひとつ「次につながる接点」を当日に渡すことが大事です。
✅ ポイント:値引きクーポンはその場限りのお客さんを集めます。次に来る「理由」と「きっかけ」は別物です。
チェックポイント3:告知チラシの言葉は「誰に」「何を伝えるか」から逆算する
チラシを作るとき、つい「開催日時・場所・参加店一覧」だけを並べがちですが、それは読み手にとって「行く理由」になっていません。「あなたにとってこんないいことがある」という一文を、チラシの一番目立つ場所に置きましょう。例:「この日だけ、うちの看板ランチが500円引き」ではなく「普段来れない平日ランチタイムのお試しに、ちょうどいい日です」のような、価値ベースの言葉です。
✅ ポイント:値下げを前面に出した告知は、価格目当てのお客さんを集めます。価値を伝える一文があるだけで、来てくれる人の質が変わります。
✓ ここまでのポイント
- 合同イベントの企画書は「目的を一行で書く」ことから始める。客数・客単価・来店頻度のどれを動かしたいかを明確に。
- 個店は商店街全体の目標とは別に、自店独自の小さなゴールを設定すること。
- 当日だけで終わらせない「次への接点」をイベント設計の段階から組み込む。
13時:実際に使える企画書テンプレートの構成
午後になると、ハワードさん(ジョイマン)が事務所に戻ってきて、ちょっとした打ち合わせになることがあります。今日も「イベント企画書って、何が入ってれば最低限機能するの?」という話になりました。
「企画書は誰かを説得するための文書じゃなくて、自分たちが実行するための地図。ゴールと動線が書いてあれば、あとは動けばいい。」
ハワード・ジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント/中小企業診断士)
この言葉、私は毎回「そうだよなあ」と思います。企画書を完璧に仕上げることに時間をかけすぎて、結局告知が直前になってしまう——というパターン、商店街の合同企画ではよくあることです。
以下が、個店向けに使いやすいシンプルな企画書テンプレートの構成です。
企画書 STEP 1
基本情報(1枚目)
・イベント名(仮でOK)
・開催日時・場所
・主催・参加店リスト
・商店街全体のテーマ(例:秋の収穫祭・地元再発見フェア)
・個店としての参加内容(例:〇〇屋は当日限定セットを提供)
⚠️ よくある失敗:参加店の「出し物一覧」を作ることに夢中になり、来場者へのメリットが抜け落ちる。
企画書 STEP 2
個店のゴール設定(2枚目)
・当日の目標来店数(例:新規15名)
・接点取得の目標(LINE登録・ニュースレター配布など)
・イベント後30日以内の再来店目標(例:5名)
・測定方法(来店時にアンケート用紙を渡す、QRコードでLINE登録を促すなど)
⚠️ よくある失敗:ゴールを「賑やかになればいい」と曖昧にしておくと、イベント後に「よかったね」で終わり、次につながらない。
企画書 STEP 3
告知計画(3枚目)
・チラシ配布エリアと枚数・配布日程
・Googleビジネスプロフィールへの投稿スケジュール
・InstagramやLINE公式アカウントでの告知タイミング(開催3週前・1週前・前日)
・地域コミュニティへの情報提供(地域のFacebookグループ、回覧板など)
⚠️ よくある失敗:告知を開催1週間前から始めてしまう。認知は最低3週間前から動かさないと、「知ってたけど行けなかった」が増える。
企画書 STEP 4
当日の動線設計(4枚目)
・店内での声かけの流れ(例:「今日は商店街のイベントで初めてお越しの方ですか?」「よければLINE登録でお得な情報お届けします」)
・次回来店につながる仕掛け(スタンプカード・ニュースレター手渡し・次回クーポン等)
・スタッフへの事前共有(いつもと違う動きを当日ぶっつけにしない)
⚠️ よくある失敗:当日スタッフに「今日は何か配るんですか?」と聞かれて初めて気づく。当日の動線は3日前までに全員で確認。
「チラシ+Google広告で新規のお客さんが倍になりました。最初は『こんなことで変わるの?』と半信半疑でしたが、続けるって大事ですね。」
飲食店(居酒屋)オーナー・40代男性(月商350万円→620万円)
15時:企画書は「出力して終わり」にしない
午後3時になると、事務所の業務は一区切り。私はここで一日の対応履歴を整理して、翌日の連絡事項をメモします。畑に早く帰りたい気持ちをちょっと抑えながら(笑)。
この時間に感じることがあります。企画書をせっかく作っても、イベントが終わった後に「で、どうだった?」の振り返りをしていない個店さんがとても多い、ということです。
❌ よくあるパターン:「盛り上がったからよかった」
- 来場者数は把握していない
- 自店に何人来たかも数えていない
- 連絡先を取得できなかったので再来店を促せない
- 次回イベントも「なんとなく同じ形」で繰り返す
✅ 推奨アプローチ:「イベント後1週間の振り返りシート」を企画書に添付する
- 当日来店数・連絡先取得数・販売実績を記録する
- LINE・ハガキDMで「来てくれたお礼」を1週間以内に送る
- 次回イベントの改善点を3つだけ書き留めておく
- 「この施策は続ける・やめる・変える」を一行で判断する
地味に聞こえますよね。でも、この地味な振り返りを「すぐに」「継続して」やり切れるかどうかが、半年後・一年後の集客の土台になります。
まとめ:個店の集客は、イベント後の「一手」で決まる
商店街の合同イベントは、確かに新規のお客さんと出会うチャンスです。でも「来てよかった」で終わらせず、「また来たい」「次も行こう」につなげる仕掛けがないと、毎回同じ顔ぶれで盛り上がって終わり——という繰り返しになります。
企画書の「5つの箱」は難しくありません。目的の一行・個店ゴール・告知計画・当日動線・振り返りシート。これを一枚ずつ埋めるだけで、イベントの「やりっぱなし」が「つながる仕掛け」に変わります。
私自身、畑で種を蒔くときも「蒔いて終わり」じゃなくて水やり・追肥・土の確認を繰り返してやっと収穫できます。集客もそれと同じだな、といつも感じています。地味でも、続く仕組みが一番強い。
もし「企画書の書き方はわかったけど、実際の告知文やLINE配信の文章はどう作ればいいの?」「チラシの反応を測る方法がわからない」という方は、ぜひ一度のぞいてみてください。増益繁盛クラブでは、こういった具体的な販促の仕組みづくりを、仲間と一緒に実践できる場があります。
まずは情報収集から、という方はこちらからどうぞ。お気軽にご活用ください。
もう少し踏み込んで、自分のお店の集客をしっかり変えたいという方はこちらもご覧いただけると嬉しいです。
渥美 昌代(繁盛店研究所スタッフ)