あれこれ

小売店のメディア露出を増やす、ネタの作り方のフロー

「うちみたいな小さなお店が、メディアに取り上げてもらえるわけがない」

そう思っていませんか?

毎年この時期になると、テレビや新聞が「話題のお店」「地元の注目スポット」を特集する企画がぐっと増えます。お正月の地域特集、春の新生活特集、夏の地元グルメ特集……記者やディレクターたちは、常に「次のネタ」を探して動いています。

実は、その「ネタ」を渡しているのが、プレスリリースなんです。

私が主宰する増益繁盛クラブには、プレスリリースを活用してメディア露出を積み重ね、累計100回以上メディアに掲載された会員や、観光バスが止まる名物店に育てた会員もいます。特別な伝手があったわけでも、大きな予算を使ったわけでもありません。「ネタの作り方」と「届け方の型」を知っていただけです。

この記事では、小売店のメディア露出を増やすためのネタの作り方を、いくつかの切り口を比較しながら解説します。「うちには取り上げてもらえるネタがない」と感じている方ほど、ぜひ読んでみてください。

📋 この記事でわかること

  1. メディアが「取り上げたくなるネタ」と「スルーされるネタ」の違い
  2. 小売店がネタを生み出す3つのフロー(比較形式で解説)
  3. プレスリリースの効果を左右する「切り口の選び方」
  4. メディア露出を販促につなげるための次の一手

こんな方におすすめ

  • ✅ 「うちにはメディアに出るようなネタがない」と思っている小売店オーナーの方
  • ✅ プレスリリースを書いてみたが、一度も取り上げられたことがない方
  • ✅ チラシや広告以外の集客手段を増やしたい方
  • ✅ 地域で知名度を上げ、新規客の流入を安定させたい方
  • ✅ SNSや口コミだけに頼らず、信頼性の高い露出を狙いたい方
小売店のメディア露出を増やす、ネタの作り方のフロー | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

メディアが求めているのは「商品情報」ではなく「物語」

まず最初に、ここだけは押さえておいてほしいことがあります。

メディアに取り上げてもらえない最大の理由は、「ネタがない」のではなく、「メディアの視点で切り取れていない」からです。

記者やディレクターは、「良い商品を紹介したい」のではありません。彼らが探しているのは、視聴者・読者が「へえ!」「面白い!」「行ってみたい!」と反応するストーリーです。

❌ スルーされるプレスリリースのパターン

  • 「新商品が入荷しました。ぜひご来店ください」
  • 「○○周年を迎えました。感謝セールを開催します」
  • 商品スペック・価格・営業時間しか書かれていない

✅ 取り上げられやすいプレスリリースのパターン

  • 「なぜ、その商品・その売り方にたどり着いたのか」の背景がある
  • 時事・季節・社会的なテーマと接点がある(例:フードロス、地産地消、高齢化、子育て)
  • 読者・視聴者の「これ、知りたかった」「共感する」感情を動かす要素がある

商品の説明ではなく、「お店がそこに存在する理由」「この商品が生まれた経緯」「こんな人のために作った」という文脈を乗せることが、ネタを育てる第一歩です。

ネタの作り方フロー①「商品の由来」から掘り起こす

最もシンプルで、小売店が取り組みやすいのがこのフローです。

自分たちが扱っている商品・取り寄せている素材・こだわって選んでいる仕入れ先に、「なぜ?」を3回繰り返してみてください。

チェックポイント1:商品の「なぜ」を掘り下げる

「なぜこの商品を仕入れているのか」「なぜこの産地・メーカーにこだわっているのか」「なぜその価格帯で売っているのか」。この問いに答えられない商品は、メディアネタになりません。逆に、ここに明確な答えがある商品は、それだけで記事になる素材を持っています。

✅ ポイント:商品の「スペック」ではなく「ストーリー」を言語化することが、プレスリリースの核になります。なぜ選んだのか、どんな人を喜ばせたくて扱っているのか、一度文章に書き出してみてください。

たとえば、アパレル店であれば「なぜこのブランドをメインに置いているのか」の背景に、「育児中の自分が着たい服がどこにもなかった」という実体験があれば、それは立派なメディアネタです。米穀店なら「この農家の米だけを扱い続けている理由」が、地域農業の継承というテーマと絡めば、地方紙やNHKの地域ニュースに刺さる可能性があります。

ネタの作り方フロー②「時事・季節」に乗せて切り口を作る

もう一つのフローは、「時事ネタに乗る」というアプローチです。これは商品そのものよりも、「今、社会で何が語られているか」を起点にします。

❌ よくある失敗:自店の都合に合わせた発信タイミング

  • 新商品が入荷したから出す、セールがあるから出す
  • メディア側の「今、何を取り上げたいか」を無視している
  • 結果として、記者に「で、これが読者にとって何の意味があるの?」と思われてスルーされる

✅ 推奨アプローチ:時事テーマに自店の「強み」を結びつける

  • 物価高騰のニュースが多い時期 → 「安くて質が高い」ではなく「価値を正しく伝える売り方」へ転換した事例として発信
  • 地産地消・SDGsが話題の時期 → 地元生産者との連携や、フードロスへの取り組みを切り口に
  • 高齢化・一人暮らし増加のテーマ → 「ひとり分から買える」「届ける」など、サービス設計の工夫を打ち出す

チェックポイント2:メディアが今「追いかけているテーマ」を把握する

地方紙・地域情報番組・NHK地域ニュースが最近どんな特集を組んでいるかを観察する習慣をつけてください。繰り返し登場するテーマは、記者が「また取り上げたい」と思っている分野です。そこに自店の切り口を当てはめると、プレスリリースの通過率が格段に上がります。

✅ ポイント:プレスリリースは「出すタイミング」が半分以上を決めます。企画特集の締め切り1〜2ヶ月前を狙って送ることが大切です。

✓ ここまでのポイント

  • メディアが求めているのは「商品情報」ではなく「ストーリー」と「時代との接点」
  • 自店の商品に「なぜ」を3回繰り返すだけで、メディアネタの素材は見えてくる
  • 時事・季節テーマに自店の強みを結びつけることで、プレスリリースの通過率は上がる

「プレスリリースは宣伝文ではありません。記者が『これは読者に届けるべき話だ』と思える材料を渡す行為です。書き手の都合より、受け取り手の都合を先に考える。これはプレスリリースも、POPも、チラシも同じ原則です。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

ネタの作り方フロー③「人」を主役にして差別化する

3つ目のフローは、最も強力でありながら、最も見落とされているアプローチです。それは、「商品より先に、人(オーナー自身やスタッフ)を主役にする」ことです。

テレビも新聞も雑誌も、最終的には「人の話」が最も視聴者・読者の感情を動かすことを知っています。だから、「○○を売っている店」より「○○な経緯でこの店を始めたオーナー」の方が、格段に取り上げられやすいのです。

チェックポイント3:「あなた自身のストーリー」が売れるコンテンツになっていないか確認する

脱サラして開業した、地元を出て戻ってきた、家業を継いだ、病気や挫折を経験した、子育てと両立している──こうした「あなた自身の背景」は、商品の説明文よりはるかに記者の興味を引きます。自分の話は恥ずかしいと感じるかもしれませんが、それが「物語」として機能するとき、それは強力な集客装置に変わります。

✅ ポイント:プレスリリースの冒頭に、オーナーの一言コメントやエピソードを入れると、記者が「話を聞きに行きたい」と思う確率が上がります。

「メディアに出ることは目的ではなく、信頼の蓄積と新規客の入り口をつくる手段です。一度取り上げられると、その記事や放送は半永久的にネット上に残り、検索した人が見つけてくれる。これが、広告費ゼロで働き続けてくれる仕組みです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

「プレスリリースを出し続けた結果、気がついたら地元の新聞やテレビから連絡が来るようになっていました。観光バスが止まってくれたときは、本当に驚きました。」

プレスリリースで累計100回以上メディア掲載を達成した会員

3つのフローを比較する:どれから始めるか

この3つのフローは、排他的なものではありません。ただ、「今の自店の状況」によって、どれから着手するかが変わります。

❌ よくある失敗:「完璧なプレスリリースを書いてから出す」という先延ばし

  • 完成度を求めすぎて一度も送らないまま終わる
  • タイミングを外して取り上げられる機会を失う
  • 「1回出して反応がなかったからやめた」という継続の欠如

✅ 推奨アプローチ:まず「商品の由来」フローから1本書いて出す

  • フロー①(商品の由来)は、今すぐ手元にある素材で書けるため、最初の一歩として最適
  • フロー②(時事・季節)は、慣れてきたら月次・季節ごとのスケジュールに組み込む
  • フロー③(人を主役に)は、メディア取材が来たときにより深いストーリーとして話すための「準備」として練っておく

プレスリリースは一度で結果を出すものではなく、出し続けることで記者に「この店はこういう情報を発信しているんだ」と認知させる積み重ねです。地味な作業を「すぐに」「継続して」やり切ること──これはチラシでも、ニュースレターでも、プレスリリースでも変わらない原則です。

私自身、支援してきた833件以上の店舗の中で、メディア露出を一度も試みていないお店の多くは「自分たちのネタは地味すぎる」と感じていました。でも、掘り起こしてみると、必ず何か出てくる。経営歴21年でそれは断言できます。

まとめ:プレスリリースは「出し続ける」ことで機能する

今回の内容を整理します。

小売店がメディア露出を増やすためのネタの作り方は、大きく3つのフローがあります。①商品の由来を掘り起こす、②時事・季節テーマに乗せる、③オーナー自身を主役にする。この3つを組み合わせ、継続的にプレスリリースを送り続けることが、メディア露出を増やす現実的な方法です。

「うちには無理」と思っていた方も、まず1本書いて、1社に送ってみてください。地域の新聞社・フリーペーパー・地元のテレビ局のニュース担当──そこから始めれば十分です。

メディア露出は、広告費をかけずに信頼と知名度を同時に積み上げる数少ない手段のひとつです。「お金をかけずに売上を伸ばす」という発想は愚策だとお伝えすることが多い私ですが、プレスリリースは手間をかけることで機能する、珍しいタイプの施策です。だからこそ、継続する意志と仕組みが問われます。

増益繁盛クラブでは、プレスリリース戦略を含む販促の仕組み化を、あなたの業種・店舗規模に合わせて一緒に整えています。「何から手をつければいいか分からない」という段階から、遠慮なく声をかけてください。

超絶繁盛店を目指すあなたへ

まずは情報収集から始めたい方は、こちらの無料アカウントをご活用ください。

繁盛店ポータル無料アカウント開設

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

-あれこれ