3.儲かる販促と利益アップ

赤字の飲食店が黒字化するために、優先したい販促の順番

先日、ある飲食店オーナーの方から、こんな相談を受けました。

「チラシもやった、SNSもやった、食べログのクーポンも出した。でも全然売上が上がらなくて、毎月赤字が続いています。何から手をつければいいのか、もう分からなくなってしまいました」

この言葉、他人事には聞こえませんでした。私自身、独立直後に全財産が底をついて、妻と母から借金をした経験があります。「何をやっても空回りしている感覚」というのは、あの頃の自分とぴったり重なります。

赤字の状態で販促を打つのは、確かにしんどい。でも、今の状況を変えられるのも販促しかない。問題は「何をやるか」ではなく、「どの順番でやるか」です。今日は私、ハワードジョイマンが実際の指導経験を踏まえて、この「順番」についてお話しします。

📋 この記事でわかること

  1. 赤字の飲食店が最初に手をつけるべき販促がどこか
  2. 売上の「どこが弱いか」を自分で診断する方法
  3. 限られた時間とお金で効果を出すための順序の考え方
  4. 黒字化した後に広げていく次のステップ

こんな方におすすめ

  • ✅ 毎月赤字が続いており、何とか黒字化したい飲食店オーナーの方
  • ✅ いろんな販促を試したが結果が出ず、手詰まり感を感じている方
  • ✅ 販促に使える時間もお金も限られていて、優先順位を知りたい方
  • ✅ クーポンや値引きに頼らず、利益の残る経営に切り替えたい方
  • ✅ 「忙しいのに手元にお金が残らない」という状況を打開したい方
赤字の飲食店が黒字化するために、優先したい販促の順番 | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

まず「売上の弱点はどこか」を見極める

販促の順番を決める前に、一つだけ確認してほしいことがあります。「自分の店の売上の弱点は、客数・客単価・来店頻度のどれか」という問いです。

売上はシンプルに分解できます。客数 × 客単価 × 来店頻度。この3つのどれかが弱いから、売上が出ない。赤字になっている。

これを見極めずに「とにかく新規を集めよう」とチラシを打っても、そもそも客単価が極端に低ければ何人来ても利益は残りません。逆に、既存のお客さんとの関係が薄くて再来店が少ないお店が、値引きクーポンで新規を集めても、ざるで水を汲むようなものです。

まずは自店のこの3つの数字を、ざっくりでいいので把握してください。そこから優先順位が決まります。

チェックポイント1:客数の問題か

「そもそも来店数が少ない」「新規のお客さんがほとんど来ない」という状態であれば、外からの認知を増やす手が先になります。

✅ ポイント:Googleビジネスプロフィールの整備、店頭の看板、チラシのポスティングなど、商圏の見込み客に届く打ち手から始めてください。広告費を惜しんで空振りし続けるより、月に数万円の広告投資で顧客を創造する発想に切り替えることが大切です。

チェックポイント2:客単価の問題か

「お客さんは来るのに、売上が伸びない」「一人あたりの注文が少ない」という状態であれば、客単価を上げる仕組みが先です。

✅ ポイント:POPで単品の価値を伝えること、看板メニューの設計を見直すことが効きます。値引きや安売りで客単価を下げ続けているなら、まずそこを止めることから始めてください。

チェックポイント3:来店頻度の問題か

「一度来たお客さんがリピートしない」という状態は、既存客との関係が薄いことが原因です。

✅ ポイント:ハガキDM、ニュースレター、LINE公式アカウントを使った定期的な接点が有効です。「また来てもらえる仕組み」がない店は、新規獲得コストをずっと払い続けることになります。

✓ ここまでのポイント

  • 赤字の飲食店が闇雲に販促を打っても空回りする。まず「客数・客単価・来店頻度」のどれが弱いかを自分で診断することが先決。
  • 弱点ごとに有効な打ち手が異なるため、診断なしに「流行りの販促」に飛びつくのは効率が悪い。
  • 値引きやクーポンで集めたお客さんは値引きで去る。利益構造そのものを変えることを視野に入れておく。

黒字化への「最初の一手」は既存客への再来店促進

多くの赤字の飲食店オーナーが「まず新規を増やさなければ」と考えます。気持ちはよく分かります。でも実は、最初に手をつけるべきは「今まで来てくれたお客さんに、もう一度来てもらうこと」の場合がほとんどです。

理由は単純で、新規を一人獲得するコストは、既存客に再来店してもらうコストの5倍以上かかるといわれています。お金と時間が限られている赤字店舗なら、まず「手元にある資産」を活かす順番が合理的です。

具体的にはこういう順番がおすすめです。

黒字化STEP 1

お客さんの連絡先を集める仕組みを作る

LINE公式アカウントへの登録促進、スタンプカードとセットでのDM許可取りなど、今来ているお客さんとの接点を持てる状態にする。これが最初の土台になります。

⚠️ よくある失敗:登録してもらっても、その後配信しない。せっかく集めたリストを使わないでは意味がありません。

黒字化STEP 2

定期的な接点を仕組み化する

月に一度のLINE配信、季節に合わせたハガキDM、ニュースレターなどで「お店を思い出してもらう機会」を意図的に作ります。「思い立ったときだけやる」では続きません。年間スケジュールに落として、仕組みにしてしまうのがポイントです。

⚠️ よくある失敗:「配信ネタがない」と止めてしまう。季節・食材・スタッフの話など、日常の中に必ずネタはあります。AIを使って下書きを作る方法も有効です。

黒字化STEP 3

客単価を上げる設計を整える

再来店の仕組みができてきたら、次は一回の来店でより価値を感じてもらえる設計に移ります。看板メニューの見直し、POPでの価値訴求、セットメニューの組み方など。ここで初めて値上げや単価アップの話が機能し始めます。

⚠️ よくある失敗:仕組みができていない段階で値上げだけ先行させると、既存客が離れやすくなります。関係性の土台を先に作ることが順番として大切です。

黒字化STEP 4

新規集客に投資する

既存客との関係と客単価の土台ができてから、Googleビジネスプロフィールの強化、チラシ・ポスティング、Google広告などで新規のお客さんを呼び込む投資を始めます。この段階になってはじめて、「新規を呼んでも利益が残る構造」が出来上がっています。

⚠️ よくある失敗:新規を集めたのに、その後フォローする仕組みがなくて一見客で終わる。STEP1〜3が先にあるから、新規の投資が活きてきます。

「お金を掛けずに売上を伸ばす──この発想が、一番時間と機会を無駄にします。私自身、独立当初に毎月広告を出すようになってから売上が立ち始め、母から借りた300万円を返すことができました。学びと広告は投資です。でも順番を間違えると、投資は回収できません」

ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)

値引きとクーポン依存からの脱出が、利益を生む分岐点になる

赤字の飲食店が陥りがちなパターンの一つが、「値引きやクーポンで客数を維持しようとしている」状態です。

短期的には来店数が増えて安心できます。でも、価格で来たお客さんは価格で去ります。クーポンがなくなった途端に来なくなる。そしてまたクーポンを出す、という悪循環にはまります。

❌ クーポン・値引き頼みの集客

  • 来店コストは下がるが、利益率も一緒に下がる
  • 価格以外の理由でお店を選んでいないお客さんが集まりやすい
  • クーポンをやめると新規がゼロになる恐怖が生まれる

✅ 価値を伝えて選ばれる集客

  • POPやニュースレターで「なぜこの料理が美味しいか」「どんな想いで作っているか」を伝える
  • 価格より価値を理由に選んでくれるお客さんが増える
  • 再来店しやすくなり、口コミも生まれやすくなる

この切り替えが、赤字から黒字へ向かうための一番大きな分岐点です。販促のテクニックよりも先に、「うちは価値で選ばれる店を目指す」という経営者のマインドを変えることが、全ての施策の土台になります。

「私が月商60万円の超赤字のイタリアンを経営していた頃、週末はイタリアンレストランで無給修行をしていました。あの頃の経験があるから、赤字の飲食店オーナーの方が感じるプレッシャーは、頭だけでなく体で分かります。だからこそ、闇雲に何でもやるのではなく、順番を決めて一つずつ動かすことの大切さを伝え続けています」

ハワードジョイマン(繁盛店グループ総代表/店舗利益最大化コンサルタント)

「続けられる仕組み」がないと、どんな販促も効果半減になる

黒字化のための販促でもう一つ大事なのが、「一度やって終わりにしない」ことです。

赤字の店が一番やりがちなのは、「チラシを一回やった、反応が薄かった、もうやめた」というパターンです。販促は基本的に、継続することで初めて効果が積み上がっていくものです。

「派手な手法を一発」より「地味な手法を継続」の方が、圧倒的に結果が出ます。ハガキDM、ニュースレター、LINE配信──どれも地味に見えます。でも、月一回それをやり続けることで、「あのお店、また便りをくれた」「そういえば最近行っていなかったな」と思い出してもらう機会が積み重なっていきます。

販促を「思い立ったときにやるもの」から、「仕組みとして回るもの」に変えること。これが、黒字化後も安定して売上を作り続けるための根っこになります。

「月商350万円だった居酒屋が、6ヶ月でチラシとGoogle広告を組み合わせて月商620万円になりました。新規客が約2倍、客単価も1,400円上がった。一発の奇策ではなく、測定しながら継続した結果です」

飲食店(居酒屋)オーナー

まとめ:赤字の飲食店が黒字化するための「順番」

今日お伝えしたことを、改めて整理します。

赤字の飲食店が黒字化するために優先したい販促の順番は、こうです。

  1. 「客数・客単価・来店頻度」のどれが弱いかを自分で診断する
  2. 既存客への再来店促進(LINE・DM・ニュースレター)を先に仕組み化する
  3. 客単価を上げる設計(POP・看板メニュー)を整える
  4. 値引きクーポン依存から「価値を伝える販促」に切り替える
  5. 土台ができてから、新規集客への投資(チラシ・Google広告・MEO)を本格化する

順番を間違えると、投資は回収できません。でも順番を正しく踏むと、地味な打ち手が着実に積み重なって、黒字が見え始めてきます。

私は静岡市清水区を拠点に、北海道から沖縄、海外の経営者まで833件以上の店舗を指導してきました。飲食店だけで610件。赤字から黒字に変わっていったお店を間近で見てきた経験から言えば、「何をやるか」より「どの順番でやるか」の方が、ずっと大きな差を生みます。

一人で悩み続けずに、一度ご相談ください。あなたの店の弱点がどこにあるか、一緒に整理するところから始めましょう。

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また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」では、販促の仕組み化から黒字化まで、伴走者として一緒に取り組んでいます。詳しくはこちらからどうぞ。
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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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