秋の終わりの静岡の朝。
ランニングコースの途中に、
地元でながく続く中華料理店があります。
朝8時前だというのに、
シャッターの前にメモが貼ってあります。
「本日の日替わりは麻婆豆腐。
仕入れたての豆腐を使います」
こんな一言が書かれているだけで、
私は「今日の昼はここにしよう」と思います。
別に安売りのチラシでも、
クーポンでもありません。
「今日の豆腐」を教えてくれただけです。
でも、それだけで行きたくなる。
と言うことで、今日は
「価格で選ばれる店」から
「あの店じゃないと」に変わるための
ブランドの作り方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 飲食店のブランドが「価格競争」に引きずられる理由と構造
- 「あの店じゃないと」と思わせる価値の伝え方の順番
- POP・看板メニュー・ニュースレターを使った具体的なステップ
- 値下げに頼らず客単価を上げた実例と考え方
こんな方におすすめ
- ✅ 「安くしないと選ばれない」という不安がずっとある飲食店オーナーの方
- ✅ クーポンや値引きに頼った集客から抜け出したい方
- ✅ 看板メニューを作りたいが、どこから手をつければいいか分からない方
- ✅ 客単価を上げたいのに、値上げに踏み切れずにいる方
- ✅ 「うちの店の良さ」を言葉にできていないと感じている方

「安くしないと選ばれない」は、本当にそうでしょうか
「値段で選ばれているうちは、
値段で負けたら終わりです」
これは私がコンサルで
よくお伝えする言葉です。
でも、「安くしないと選ばれないのでは」
という不安、わかります。
お店を続けてきた方なら、
誰しも一度は通る道です。
近くに安い店ができた。
食べログのランキングが下がった。
常連さんの来る頻度が減ってきた。
そうなると、つい
「ランチを100円下げようか」
「クーポンを配ろうか」
と考えてしまいます。
でも、これは逆です。
値段を下げれば利益が削れます。
利益が削れれば、仕入れに使えるお金が減ります。
仕入れが落ちれば、料理の質が落ちます。
料理の質が落ちれば、お客さんは離れます。
この悪循環から抜け出すには、
「価格を下げる」という発想そのものを
手放すところから始まります。
問題は価格ではなく、
「価値が伝わっていないこと」です。
「価値が伝わっていない」と頭ではわかっていても、じゃあ具体的に何から手をつければいいか、一人では整理しにくいですよね。無料で読める書籍の中に「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」(48ページ)があり、自店診断ワークシートで自分のお店の現状を整理するところから始められます。メール登録だけで、1分で受け取れます。
ブランドとは「特別な理由」を相手の頭に植える作業です
「ブランドを作る」と聞くと、
大手チェーンの話に聞こえるかもしれません。
でも、個人店のブランドは
もっとシンプルなものです。
「あの店じゃないと」
「あの料理じゃないと」
「あの店主に会いに行きたい」
こう思われることが、
個人店のブランドです。
そして、これを作るために必要なのは
広告費でも、おしゃれなロゴでもありません。
「価値を伝える接点」を増やすこと。
これだけです。
あなたのお店は、
その価値をお客さんに伝えていますか?
「伝えているつもり」になっていませんか?
「お客さんは来てみるまで、あなたのお店の良さを知らない。でも来てからも伝えなければ、その良さは持って帰ってもらえません。価値を伝えることは、料理を作ることと同じくらい大事な仕事です」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
✓ ここまでのポイント
- 値下げは利益を削り、品質低下→客離れのループを生む
- 「価格で選ばれている」状態は、いつでも価格で負け得る不安定な立場
- 個人店のブランドとは、「あの店じゃないと」という理由を作ること
POPやニュースレターで「価値を伝える」と言っても、自分のお店に当てはめようとすると手が止まることがあります。無料で読める「増益繁盛店になる12ステップ」(74ページ)には、看板メニューの設計から販促物の作り方まで、順を追って整理されています。メール登録のみで、すぐ読み始められます。
STEP1:看板メニューを「ひとつ」決める
ブランド構築 STEP 1
「何屋か」ではなく「何が一番うまい店か」を決める
メニューをたくさん並べると、
「何でもある店」になります。
「何でもある店」は、
残念ながら「何もない店」に見えます。
だから最初にやることは、
看板メニューをひとつ決めることです。
例えば、ラーメン店で言えば
「醤油一択、あとはサイドだけ」
という店が強い理由はここにあります。
居酒屋なら
「焼き鳥は他所に負けない」
という一点突破が、口コミの起点になります。
看板メニューを決めるときのポイントは3つ。
- あなたが一番自信を持って出せるもの
- 原価と手間のバランスが取れているもの
- 「これはどこにあるの?」と聞かれたことがあるもの
「そんなメニュー、うちにはない」
と思った方、少し待ってください。
常連さんに「うちで一番好きな料理は何?」
と聞いてみてください。
答えが看板メニューの候補です。
⚠️ よくある失敗:看板メニューを「いくつも」作ろうとすること。ひとつに絞るから意味があります。
STEP2:POPで「理由」を言葉にする
ブランド構築 STEP 2
商品の前に「なぜこれがうまいのか」を置く
看板メニューが決まったら、
次はPOPです。
POPというと、
「おすすめ!」「人気No.1!」
という文字を書いたものを想像するかもしれません。
でも、それは意味がありません。
「おすすめ」は理由じゃないからです。
POPに書くのは「なぜそれが特別なのか」です。
例えば、こういうことです。
❌ よくあるPOP(理由なし)
- 「当店人気No.1!麻婆豆腐 850円」
- 情報が「値段と順位」だけ。選ぶ理由にならない
✅ 価値が伝わるPOP(理由あり)
- 「豆腐は毎朝、地元の豆腐店から仕入れています。柔らかさが全然違うので、一度食べてみてください。麻婆豆腐 850円」
- 仕入れの背景・質の違い・店主の言葉が入ることで、「食べてみたい」に変わる
POPひとつで、
同じ850円のメニューの「見え方」が変わります。
値段は同じでも、
「価値が伝わっている850円」は
「ただの850円」とは違います。
これが飲食店の値上げを成功させる考え方にもつながる話で、
価格を上げる前に「価値を伝える」ことが先です。
⚠️ よくある失敗:POPを作ったのに「手書きが恥ずかしい」と貼らないこと。きれいに書かなくていいです。手書きのほうが温かみが出て、個人店には合っています。
STEP3:ニュースレターで「人」を伝える
ブランド構築 STEP 3
料理の前に「作る人」を知ってもらう
POPで「なぜこの料理か」を伝えたら、
次は「なぜこの店なのか」を伝える番です。
そこで使うのが、ニュースレターです。
難しく考えなくていいです。
A4用紙1枚でいい。
書く内容は、たとえばこういうことです。
- 今月の仕入れで良かった食材の話
- 新メニューを考えた経緯
- 最近お客さんに言われて嬉しかった一言
- 来月のおすすめメニューの予告
「そんな話、誰が読むの?」
と思った方、これも逆です。
チェーン店では絶対に読めない話だから、
読まれるんです。
「あの店主、今月は○○産の食材を探しに行ったんだって」
こう言ってもらえたら、
もうその店はブランドになっています。
個人店の強みは「人」です。
その「人」を伝えずにいるのは、
最大の武器を使っていないのと同じです。
「月商15%増で安定してきました。仕入れの見直しで週3時間が浮いて、その時間を使って店のことを考えられるようになった。焦りが前向きな計画に変わった感じです」
中華料理店オーナー(60代・男性)
この方が実践したのも、
難しい手法ではありません。
仕入れを整理して、
浮いた時間で「伝えること」に使った。
それだけで月商が15%上がって、
気持ちまで変わっています。
⚠️ よくある失敗:ニュースレターを「完璧に書こう」として一度も出せないこと。最初は2〜3行でいい。続けることが大事です。
STEP4:「あの店じゃないと」をお客さんに言ってもらう仕掛けを作る
ブランド構築 STEP 4
口コミを「起こす」のではなく「起きやすくする」設計をする
ここまでのステップで、
看板メニューが決まり、
POPで価値が伝わり、
ニュースレターで人柄が伝わってきます。
次は、それをお客さんが
「誰かに話したくなる」設計です。
「口コミしてください」と頼むのは逆効果です。
でも、話のネタを置いておくことはできます。
例えば、こういうことです。
- 「これはどこで仕入れているの?」と聞かれそうな食材の産地をメニューに書く
- 「珍しい名前だね」と言われる看板メニューの名前をつける
- 会計のときに「今日のおすすめは食べましたか?」と一声かける
「話のネタ」があると、
帰ったあとで家族や同僚に話してくれます。
「あそこの中華、豆腐が違うんだよ」
「あの店長、産地にこだわってるらしくてさ」
こうやって口コミは起きます。
Googleマップのクチコミも、
書いてもらうきっかけは同じです。
「話したくなる体験」が先にあって、
クチコミは後からついてきます。
クチコミを増やすための具体的な取り組みと、
売上を客数・客単価・来店頻度に分解して考える手順は、
合わせて読んでみてください。
⚠️ よくある失敗:Googleマップへの誘導だけに頼ること。まず「話したくなる体験」がないとクチコミは増えません。
まとめ:ブランドは一日で作れないが、今日から始められる
「あの店じゃないと」
と言われる店になるのに、
大きな予算は要りません。
順番はこうです。
- 看板メニューをひとつ決める
- POPで「なぜ特別か」を言葉にする
- ニュースレターで「人」を伝える
- 話のネタを置いて、口コミが起きやすくする
どれも今日から動けることです。
「そんな時間ない」と思った方、
少し視点を変えてみてください。
値引きクーポンを考える時間を、
POPを書く時間に使う。
それだけで変わります。
「価格で選ばれる店」は、
いつも価格で勝負しなければなりません。
「あの店じゃないと」と思われる店は、
価格以外で選ばれています。
どちらが長く続けられるか、
答えは明らかです。
看板メニューとPOPの設計については、
飲食店のコンセプトを「誰に・何を・なぜここで」の3問で言語化する手順も参考になります。
ぜひ、今日の営業が終わったあとで
「うちの看板メニューは何か」を
紙に書いてみてください。
そこから全部始まっていきましょう。
店舗経営は、じっくり育てる畑仕事です。
今日植えた種が、来年の常連さんになります。
「価格で選ばれている状態から抜け出したい」と思い始めた今が、動くタイミングです。増益繁盛クラブでは、看板メニューの設計・POPの書き方・客単価の適正化まで、あなたのお店の具体的な状況に合わせて一緒に考えます。申込フォームに必要事項を入力するだけで始められます。