6月・7月って、飲食店にとってじわじわきつい時期ですよね。梅雨でお客さんの出足が鈍くなって、「先月よりなんか少ないな…」と感じ始めるタイミング。そういう閑散期に入ると、多くの飲食店オーナーさんがやってしまうことがあります。
値引きクーポンを打つ、ホットペッパーの露出を増やす、SNS広告に手を出してみる——。
でも、ちょっと待ってください。再来店が増えない本当の原因って、そこじゃないんですよね。
「また来てくれるかどうか」をお客さん任せにしている——これが根本原因です。
今日の記事では、飲食店の再来店を仕組みとして作るために、プロとして「次に来るタイミング」をどう堂々と伝えるか、その具体的なやり方をお話しします。
こんな方におすすめ
- ✅ 新規客は来るのにリピートが続かない飲食店オーナーさん
- ✅ 再来店を「お客さん任せ」にしてしまっていると感じている方
- ✅ 閑散期のたびに売上が読めなくて不安になっている経営者さん
- ✅ 値引きやクーポンに頼らずに来店頻度を上げたい方
- ✅ スタッフでも同じレベルで接客・次回提案ができる仕組みを作りたい方

「また来てね」はプロの仕事じゃない
食後のお会計で「ありがとうございました、またお越しくださいね」と言う。これ、飲食店での当たり前の光景ですよね。
でも冷静に考えると、この「また来てね」って、いつのことを言ってるんでしょう。来週?来月?3か月後?
何も決まっていない。だからお客さんも「そのうちまた来よう」で終わって、気がつくと半年経ってる——というのが現実なんですよね。
これはお客さんが悪いわけじゃないんです。来るタイミングを教えてもらっていないから、お客さん自身も動けないだけ。
じゃあプロとして何をするべきか。答えはシンプルで、「次に来る理由とタイミングを、こちら側から提案する」ことです。
美容室では当たり前にやっていることが、飲食店では全然できていないことが多い。美容師さんって「次は6週間後くらいにいらしてください。根元が伸びてきますから」ってその場で言いますよね。なぜ飲食店ではそれをやらないのか。
「飲食店は毎回違う気分で来るものだから」という思い込みがあるのかもしれませんが、それはターゲットを「誰でもいいお客さん」に設定しているからです。ファンになってくれているお客さんは、次に来る理由を待っています。
「未来計画表」で来店タイミングを一緒に設計する
私がご支援する飲食店オーナーさんに使ってもらっているツールのひとつが「未来計画表」です。
難しいものじゃありません。要は、「今後半年間に、どんなシーンで来てもらえそうか」をお客さんと一緒に話しながら、その場で書き込んでいくシートです。
例えばこんな感じです。
「来月、お父さんのお誕生日があるんですか。それならぜひうちで!8月は特別コースも出るので、ご家族でいかがですか」
「9月は同窓会シーズンですよね。個室も使えますので、幹事さんに声かけてもらえると嬉しいです」
こうやって会話しながら、カレンダーに来店の予定が自然に埋まっていく。これが未来計画表の本質です。
これをやると何が変わるか。まず、売上予測が立てやすくなります。「今月誰が来るか」がある程度見えれば、食材の仕入れも、シフトの組み方も、無駄が減ります。そして何より、お客さんとの会話のなかで「次に来る楽しみ」が生まれる。お客さんの頭の中に「あのお店にいつ行こう」という予定が入ってしまう。これが再来店を「お客さん任せ」から「仕組み」に変える第一歩です。
✓ ここまでのポイント
- 「またお越しください」はタイミングを伝えていないので再来店につながりにくい
- プロとして「次に来る理由とタイミング」をこちらから提案することが大事
- 未来計画表を使ってお客さんと一緒に来店スケジュールを決めると、売上予測が安定する
来店タイミングを伝えるための「3つの切り口」
「でも、どうやって自然に次の来店を促せばいいですか?」という声はよく聞きます。ポイントは3つです。
① 季節と行事に紐づける
お客さんの生活リズムには必ず節目があります。誕生日、記念日、お盆、年末年始、歓送迎会シーズン——これらをさりげなく話題にして「その時期にぜひ」と伝えるだけで、来店の理由が生まれます。
「お父さんが大好きなんですね。お父さんのお誕生日っていつですか?」こういう会話ができるかどうかが、再来店の数を決めます。
② 新メニューや仕入れのタイミングを先に予告する
「来月から秋のコースが始まります。松茸を使ったものを考えていて、今年は◯◯産が良くて」なんて話をしておくと、お客さんの頭に「あそこに行かないと」という予定が入ります。これは値引きなしで再来店を作る典型的な方法です。
③ 前回食べなかったものを「次回への宿題」にする
「今日はAコースでしたよね。次はぜひBも試してみてください。あちらはまた違う食材を使っていて」とさらっと言う。これだけで「じゃあ次はBを頼もう」という具体的な来店目的ができます。
3つとも、値引きは一切関係ありません。お客さんに「次に来たくなる理由」を渡しているだけです。これが値引きではなく価値で選ばれるということの、飲食店における具体的な形です。
「以前は毎月の売上が読めなくて、月末になるたびにドキドキしていました。未来計画表を使い始めて、常連さんの来店が少しずつ予測できるようになって、仕入れのムダも減りました。今では月商130万円から230万円まで伸びています」
焼き鳥店オーナー
スタッフでもできる仕組みに落とし込むことが大事
ここまでお話しした「次回来店の提案」、多くの飲食店では「オーナーだけができること」になってしまっています。
これが問題なんですよね。オーナーが接客した日は再来店率が上がるけど、スタッフが対応した日は何も言えずに終わる。これでは仕組みじゃなくて、オーナーの個人技です。
未来計画表は、スタッフ誰でも同じように使えるようにすることが目的のひとつでもあります。「お客さんにどんな質問をして、どうシートに書き込んで、最後にどう渡すか」をルール化してしまえば、接客経験の浅いスタッフでも自然に次回提案ができるようになります。
これはスタッフの定着にも効いてきます。「自分が接客したお客さんが次回また来てくれた」という体験は、スタッフの自信になるからです。売上が伸びる→成長を実感できる→辞めない、という流れが生まれます。
スタッフと一緒に「再来店を作る店」を目指してください。オーナーが現場にいなくても売上が立つ仕組みの第一歩が、ここにあります。
「スタッフ任せにすると売上が落ちるのが怖くて、ずっと自分が現場に立ち続けていました。でも未来計画表を使ったら、スタッフでも次回提案ができるようになって、気づいたら前年比151万円増になっていました」
地方都市のパスタ店オーナー
まとめ:再来店の鍵は「タイミングをお客さんに渡す」こと
今日お伝えしたことをまとめます。
飲食店の再来店が増えない一番の原因は、「次いつ来るか」をお客さん任せにしていること。これを変えるには、プロとして次に来るタイミングを堂々と提案することが必要です。
未来計画表を使って半年先の来店シーンを一緒に描く、季節や行事に紐づけて理由を作る、次回への宿題を渡す——この3つを今週から試してみてください。値引きは一切必要ありません。
そしてそれをスタッフ全員の標準業務にしてしまう。これで「オーナーがいなくても再来店が作れる店」に近づきます。
閑散期のたびに値引きで集客しようとするより、繁忙期にしっかりお客さんとの次回の約束を作っておく方が、結果として月の売上は安定します。繁忙期で顧客母数が増えれば、閑散期の売上も自動的に底上げされるからです。これが「がんばらない繁盛」の考え方のひとつです。
全国500社を超える飲食店・美容室オーナーさんが実践してきた仕組みを、あなたのお店にも取り入れてもらえたら嬉しいです。
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