「料理には自信がある。でも、なぜか毎月の売上が130万円から上に行かないんです」
こういう声、飲食店オーナーさんから本当によく聞きます。仕込みも丁寧、接客も丁寧。なのに、月末に通帳を見ると同じ数字がずっと並んでいる。そのモヤモヤ、よくわかりますよね。
今日お話しするのは、実際にそこから抜け出した焼鳥屋さんの話です。値引きも大型広告も一切なし。やったことは、売上を「7つの軸」で分解して、一番弱いところだけに手を打ったこと。それだけで月商が130万円から230万円になりました。
どんな打ち手を打ったのか、順番に見ていきましょう。
こんな方におすすめ
- ✅ 月商が半年以上横ばいで、打ち手が思いつかない飲食店オーナーさん
- ✅ 値引きやクーポンに頼らず売上を伸ばしたいと考えている方
- ✅ 「客数を増やす」以外の方向性を探している方
- ✅ 忙しいのに手元にお金が残らないと感じている飲食店経営者さん
- ✅ 焼鳥・居酒屋・専門店など、こだわり系の業態を運営している方

「売上が伸びない」の正体は、7つのうちどこかが穴になっているということ
まず最初に確認したいのが、「売上ってどこから来るか」という話です。
多くの飲食店オーナーさんは「売上=客数×客単価」という2つの変数だけで考えています。だから打ち手も「もっと客を増やすか」「単価を上げるか」の2択しかない。でも、どちらも難しいと感じて手詰まりになるパターン、わかりますよね。
実際は売上を作る要素は7つあります。
- 入店率(店の前を通った人が入ってくれる割合)
- 購入率(メニューを見て注文してくれる割合)
- 購入点数(1回の来店で何品頼んでもらえるか)
- 客単価(1人あたりいくら使ってもらえるか)
- 来店回数(1年間に何回来てくれるか)
- 来店タイミング(閑散期・アイドルタイムの底上げができているか)
- 新規客(新しいお客さんが来ているか)
この7つのどれかに穴があると、どれだけ頑張っても売上は伸びません。逆に言えば、穴を1つ塞ぐだけで売上は動き出す。それが「7つの軸」で考えることの強みです。
今日ご紹介する焼鳥屋さんのケースでは、この7つを一つひとつ丁寧に確認したところ、ボトルネックが2つ見つかりました。それは「購入点数」と「来店回数」です。
焼鳥屋さんが最初にやったこと——「ご利益中心ネーミング」でメニュー表を書き換えた
そのオーナーさんは静岡県内で焼鳥屋を営んでいる方で、こだわりの地鶏を使い、タレも試行錯誤を重ねた自慢の1本を出していました。でも、メニュー表に書いてあったのは「もも串 280円」「ねぎま串 280円」とシンプルな商品名だけ。
「いい素材を使っているのに、全然伝わっていないと感じていました。お客さんには『焼鳥屋だからどこも似たようなもんだろう』と思われていた気がします」とおっしゃっていました。
そこで最初に取り組んだのが、メニュー表の書き換えです。やり方はシンプルで、「誰のための、どんなご利益があるメニューか」を名前と説明文に加えるだけ。
たとえば、こんな感じです。
- 「もも串」→「地元養鶏場から毎朝直送。噛むたびに肉汁があふれる至福のもも串」
- 「つくね」→「国産鶏を粗挽きにして焼いた。濃い旨みが口に残る。2本食べると止まらない」
- 特選コース →「焼き職人が厳選した部位だけを使う、今日のいちばんいいもの全部盛りコース」
さらに、見せ球として「焼き師おまかせ特選コース」を既存の上位メニューとして設定しました。これがあることで、既存のコースが相対的にお得に見える。「当て玉」の役割を果たしてくれるわけです。
この変更だけで、1人あたりの注文点数が増えました。「よくわからないから安いのを2〜3本」だったお客さんが、「これ、食べてみたい」と積極的に選んでくれるようになったんです。購入点数が上がれば、客数が変わらなくても売上は伸びる。それが数字に出てきました。
次に打ったのは「未来計画表」——来店回数を仕組みで増やした
購入点数が上がって売上が動き始めたところで、次に手をつけたのが「来店回数」の軸です。
もともとそのオーナーさんのお店には常連のお客さんが何人もいました。でも次の来店がお客さん任せで、来るかどうかは「気分次第」。閑散期になると途端に客足が遠のいて、毎月の売上が読めない状態でした。
ここで導入したのが「未来計画表」です。
会計のタイミングで、スタッフがひと言添えながら次回来店の目安を共有する。「次は○月ごろにまた来てみてください。その頃に旬の地鶏が入るので、絶対おすすめですよ」という感じで、お客さんと一緒に「次に来る理由」を作るわけです。
予約を強制するわけじゃありません。でも「次はいつ頃来よう」という意識がお客さんの中に生まれることで、来店のタイミングが早まります。1年に6回来ていたお客さんが8回来てくれるだけで、そのお客さんからの年間売上は30%以上増えます。これを積み重ねていくと、閑散期でも売上の底が下がらなくなってくるんです。
「最初はメニュー表を書き換えるだけで本当に変わるのか、半信半疑でした。でも2週間後の売上を見たとき、正直驚きました。お客さんが頼む量が明らかに増えていて、同じ日でも客単価が上がっていたんです。値引きは一切していないのに」
焼鳥屋オーナー(40代・男性)
✓ ここまでのポイント
- 売上は「7つの軸」に分解すると、どこが穴になっているかが見えてくる
- メニュー表の「ご利益中心ネーミング」だけで、購入点数・客単価は上げられる
- 「未来計画表」で次の来店理由をお客さんと一緒に作ると、来店回数が底上げされる
2週間で3つだけ——それを繰り返したら月商が100万円変わった
「7つの軸」「ご利益中心ネーミング」「未来計画表」と聞くと、「やることが多そう」と感じるかもしれません。でも実際、このオーナーさんがやったことはシンプルです。
2週間で3つだけ実行する。これだけです。
最初の2週間でメニュー表を書き換えた(3日で完成)。次の2週間で会計時の一言とPOPを変えた。その次の2週間で「未来計画表」を会計導線に組み込んだ。全部合わせても、だいたい1.5ヶ月の話です。
2週間で3つ実行すると、1ヶ月で6つ、1年で72の打ち手を打てる計算になります。日本全国で、年間72の販促改善を継続している飲食店オーナーさんはほとんどいません。だから、これを続けるだけで確実に周りと差がつくんです。
大事なのは「全部同時にやろうとしない」こと。一番穴になっている軸を特定して、そこだけに集中する。それがこのオーナーさんが月商100万円を積み上げた理由です。
「値引き」は一度もしていない——それでも売上が伸びた理由
ここで改めて強調したいのは、今回ご紹介した打ち手の中に値引きが一つもないということです。
クーポンも出していない。特別セールもしていない。「安くするから来てください」という告知も一切なし。にもかかわらず月商が100万円伸びた。これが「値引きではなく価値で選ばれる」という考え方の根っこです。
値引きで集まったお客さんは、値引きがなくなれば消えていきます。でも「この串が食べたい」「このお店の雰囲気が好き」で来てくれているお客さんは、値段が少し上がっても来てくれます。それどころか、友達を連れてきてくれたりもする。
売上より利益を重視するというのは、そういうことです。集める数より、一人ひとりとの関係を深める方向に力を使う。その積み重ねが、結果として売上の数字にも出てくる。
「赤字経営から抜け出して、今では年商が入会前の2倍になりました。値引きで集客することを一切やめたのに、売上が上がるなんて最初は信じられなかったです」
美容室オーナー(50代・女性)
まとめ:今日から動ける、最初の一歩
この記事でお伝えしたことを整理します。
- 売上は「7つの軸」に分解すると、どこに手を打てばいいかが見える
- 最初の打ち手は「メニュー表のご利益中心ネーミング」——これは今週からできる
- 来店回数を増やすには「未来計画表」で次の来店理由をお客さんと一緒に作る
- 2週間で3つだけ実行する習慣が、1年で72の打ち手になる
- 値引きは一切不要。価値で選ばれる方向に切り替えることが利益を生む
月商130万から230万への変化は、特別なお店だから起きたわけじゃないです。7つのどこが穴になっているかを見極めて、そこに的を絞って打ち手を打った。それだけです。
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