飲食店が値引きせずに集客する方法。「価値で選ばれる店」への3つのステップ
結論から言うと、値引きをしなくても集客は十分にできます。そして値引きをやめた店ほど、利益が残り、いいお客さんが集まり、経営が安定していくという事実があります。
その理由を、これから詳しくお伝えします。
「おいしい料理を作っているのに、なぜかお客さんが増えない」「グルメサイトのクーポンを出さないと来てくれない」「値引きをやめたら一気に客数が落ちそうで怖い」——こういうお悩みを持つ飲食店オーナーさんから、全国各地でよく聞きます。
ここで一つ、聞いてください。
値引きで来たお客さんは、値引きがなくなれば消えていきます。当たり前のことですが、この構造に気づかないまま、集客のたびにクーポンや割引を出し続けている店が本当に多い。クーポン客は「安いから来た」のであって、「あなたの店が好きだから来た」わけではないんです。
では、値引きなしで集客するにはどうすればいいか。今回は、実際に成果を出した飲食店の事例をもとに、3つのステップで解説します。

ステップ1:売上の「どこに穴があるか」を正確に見極める
多くの飲食店オーナーさんは、売上が伸びないと「新規客を増やさなきゃ」と考えます。でも、それが最初の落とし穴です。
売上は「客数×客単価」の2つで決まると思っていませんか?実はそうじゃない。売上には7つの軸があります。
- ①入店率(店の前を通った人が実際に入ってくる割合)
- ②購入率(入店したお客さんが何かを注文する割合)
- ③購入点数(1回の来店で注文するメニューの数)
- ④客単価(1人あたりの会計金額)
- ⑤来店回数(同じお客さんが1ヶ月・1年に何回来るか)
- ⑥来店タイミング(いつ来るか)
- ⑦新規客(新しいお客さんの数)
この7つのどこに穴があるかを特定しないまま、とりあえず新規集客に広告費を投じる。これが「忙しいのにお金が残らない」状態を生む原因の一つです。
たとえば、入店率に問題がある店に新規集客の広告を打っても、お客さんは店の前まで来て素通りしていくだけです。穴が空いたバケツに水を注ぎ続けているようなもの、わかりますよね。
まず自店のボトルネックがどの軸にあるかを見極める。これが「価値で選ばれる集客」の出発点です。
ステップ2:「価値の伝え方」を変えて、値引きしなくても選ばれる状態を作る
値引きをやめた瞬間に怖くなる理由は、「価値の伝え方」が変わっていないからです。値引きをやめるのではなく、値引きしなくても選ばれる状態を先に作る。順番はこっちです。
具体的にやることは3つあります。
①メニュー表を「ご利益中心ネーミング」に書き換える
「本日の旬魚盛り合わせ」という表記と「駿河湾直送・その日の朝に仕入れた鮮魚5種盛り」という表記、どちらが頼みたくなりますか?
後者ですよね。これがご利益中心のネーミングです。「誰のための」「どんなメリットのある」商品かを、お客さんの視点で書く。「特注麺」「魚介ダブルスープ」のように作り手目線で書いてもお客さんには伝わりません。玄人向けの訴求は今日でやめてください。ターゲットは常に初心者です。
さらに、手間と時間を具体的な数字で書くと効果が上がります。「16時間かけてじっくり煮込んだ黒毛和牛のビーフシチュー」のように。数字があるだけで、価格への納得感が全然違います。
②お客さんの声をビフォーアフター形式で店内に掲示する
「おいしかった」という感想文ではなく、「来る前は〇〇と思っていたけど、来てからは〇〇になった」というビフォーアフター形式の声を集めて掲示する。これだけで、初めて来るお客さんの「自分もこうなれそう」という安心感が生まれます。
③店前看板に「今すぐ入りたくなる情報」を3〜4個置く
静岡市内でも、清水区でも、店前を通る人は「3秒」しか看板を見ません。その3秒で伝えられることは、美味しそうな料理写真、一言のキャッチコピー、そしてその場で使えるクーポンの3つだけで十分です。あるコーヒー店では、看板を変えただけで店内飲食の売上が月7万円から32万円に跳ね上がりました。
外観の照明を周りの店の3倍明るくする、というのも即効性があります。暗い入り口の店には入りにくい。これは心理的な話ではなく、物理的な問題です。
ステップ3:「見せ球の当て玉」を作って、既存メニューを相対的に安く見せる
値上げや単価アップと聞くと、「うちのお客さんは値段に敏感だから無理」と思うオーナーさんがいます。でも、これは思い込みです。
人は「価格の絶対値」ではなく「比較したときの相対値」で判断します。
たとえば、通常の焼肉コースが7,000円だとします。そこに「特選和牛プレミアムコース 15,000円」を加えると、7,000円のコースが「安い」と感じられるようになります。これが「見せ球の当て玉」です。
実際に15,000円のコースが売れなくてもいい。7,000円のコースの注文が増えることと、「せっかくだから9,000円のコースにしようか」という中間価格帯への誘導が目的です。
さらに、新商品を出すときは必ず既存商品より20%以上高く設定するルールを店内で徹底してください。これだけでメニュー全体の単価が自然に底上げされていきます。新幹線や飛行機と同じで、上位のものが高いのは当たり前、という感覚をお客さんに持ってもらうことが大事です。
実例:月商130万円から230万円に成長した焼き鳥店の話
実際にこの3つのステップを実践して成果を出した焼き鳥店があります。
最初にやったのは、売上の7つの軸で自店を診断すること。このお店の場合、購入点数と来店回数に大きな穴がありました。新規客が少ないのではなく、来てくれたお客さんが追加注文せずに帰っていたのと、一度来ても次に来るまでの期間が長かったのが原因だったんです。
そこでまず、メニュー表を全面的にご利益中心ネーミングに書き換えました。「炭火焼き鳥5本盛り」ではなく「備長炭で丁寧に焼き上げた、地元農場直送鶏の5本盛り」に変えた。これだけで注文点数が上がりました。
次に、来店時に「次回いつ来られますか?」とその場で次回来店の予定を確認する未来計画表の仕組みを入れました。お客さんが「来月の誕生日に来ます」と言ってくれたら、その日に合わせてハガキを送る。これで来店回数が上がり、月商は130万円から230万円に。値引きは一切やっていません。
この変化に必要だったのは広告費ではなく、「伝え方の設計」です。
「2週間で3つだけ」実行すれば、1年で72の打ち手になる
ここまで読んで「やることが多そう」と感じた方もいるかもしれません。でも、一度に全部やる必要はないんです。
2週間で3つだけ実行してください。それだけで1ヶ月に6つ、1年間で72の打ち手を打てる経営者になれます。日本全国で、年間72の販促改善を継続できている飲食店オーナーはほぼいません。それだけで大きなアドバンテージになる、わかりますよね。
今週のうちにできる3つを挙げるなら、
- メニュー表の看板商品1品だけ、ご利益中心ネーミングに書き換える
- 店前看板に「今日食べたくなる一言」と料理写真を追加する
- お客さんが会計するタイミングで「次回いつ来られますか?」と声をかける習慣を始める
この3つです。費用はほぼゼロ。今日から動けます。
まとめ:値引きをやめても、集客はできる
「値引きしないと集客できない」は思い込みです。値引きで集まるお客さんは値引きがなくなれば消えていく。でも、価値を正しく伝えて選ばれた店には、リピーターとして戻ってきてくれるお客さんが育っていきます。
価値で選ばれる店への3つのステップをもう一度確認しましょう。
- 売上の7つの軸で自店のボトルネックを見極める
- メニュー表・店前看板・お客さんの声で「価値の伝え方」を変える
- 見せ球の当て玉と20%値上げルールで単価を自然に上げる
これを2週間で3つずつ、コツコツ積み上げていくことが「がんばらない繁盛」の本質です。
飲食店経営の現場でどこから手をつければいいか迷っている方、あるいは値引き依存から抜け出したいと思っているオーナーさんに向けて、今すぐ使える販促の考え方をまとめた教材を無料でお届けしています。ぜひ受け取って、明日の営業から試してみてください。
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