飲食店のPOPの書き方は「数を増やす」ことが先。書き方より先にやるべきこと

結論から言います。POPの書き方を勉強する前に、まず店内のPOPの数を増やしてください。

「うまく書けるか不安で…」「センスがないから…」と言いながら、結局POPを一枚も貼らないまま月日が流れている飲食店オーナーさんが、本当に多いんです。でも考えてみてください。お客さんの目に触れるPOPがゼロの状態と、手書きで多少ぎこちなくても5枚貼ってある状態とでは、どちらが売上を動かす可能性があるか。答えは明白ですよね。

僕は経営コンサルタントとして20年間・累計1,000店舗以上の飲食店・美容室の支援に関わってきました。その経験から断言できるのは、「POPは書き方より枚数が先」ということです。今日はその理由と、具体的に何から始めるかをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ「書き方」より「枚数」が先なのか、その理由
  2. 今すぐ自分の店のPOP状況を診断するチェックポイント
  3. POPの数を増やしながら、自然と「伝わる書き方」に近づく具体的なステップ
  4. 購入率・客単価アップにつながるPOPの活かし方

こんな方におすすめ

  • ✅ POPを作りたいけど「うまく書けるか不安」で手が止まっている飲食店オーナーさん
  • ✅ メニュー表はあるのに、料理の魅力がお客さんに伝わっていないと感じている方
  • ✅ 客単価や購入率を上げたいが、スタッフに口頭でのおすすめをさせるのが難しいと感じている方
  • ✅ 販促に時間もお金もかけられないけど、何か手を打ちたい方
  • ✅ ホットペッパーなどのクーポン頼りから脱却して、価値で選ばれる店にしたい方
飲食店のPOPの書き方は「数を増やす」ことが先。書き方より先にやるべきこと | 販促アイデア100選
目次

「うまく書けない」は言い訳です。POPがゼロの店が一番まずい

正直に言いますね。POPの書き方を調べている時点で、すでに一歩進んでいます。でも、調べるだけで終わる人が9割です。

なぜ終わるかというと、「完成度の高いものを作ろう」とするからです。フォントを選んで、レイアウトを考えて、コピーを練って……気づけば「やっぱり難しいな」で止まる。

でもPOPの本来の役割はシンプルです。目の前にいるお客さんに、次の行動を促すこと。それだけです。

席に座ったお客さんが、メニュー表をぼんやり眺めているとき。そこに「今日のおすすめ:名物・牛すじ煮込み 8時間かけてじっくり煮込みました」と書いた紙が一枚あるだけで、頼む確率が変わります。スタッフが全テーブルに声をかける必要もありません。POPが代わりに話しかけてくれるんです。

つまり、POPの数が少ない店は、何も言わない販売員を大量に雇っているようなものです。テーブルもカウンターも壁も、全部無言で立っているだけ。もったいないですよね。

あなたの店のPOP状況を今すぐチェック

まず自分の店がどの状態にあるか、診断してみてください。

チェックポイント①:店内にPOPは何枚貼ってありますか?

席数20〜40の店であれば、最低でも10枚以上のPOPがあることが目安です。おすすめメニュー・季節限定・こだわり食材・お客さんの声……これだけで10枚はすぐに作れます。

✅ ポイント:まずは「5枚を2週間以内に貼る」をゴールに設定してください。完璧な仕上がりでなくていいです。A4の紙に手書きで十分です。

チェックポイント②:POPの内容は「商品名+価格」だけになっていませんか?

「生ビール 600円」だけのPOPは、メニュー表の繰り返しに過ぎません。POPが力を発揮するのは、メニュー表に書けない「物語」や「数字」を伝えるときです。

✅ ポイント:「なぜ美味しいのか」「どれくらい手間がかかっているのか」「どんなお客さんに特に人気か」を1〜2行書き足すだけで、全然違う伝わり方になります。

チェックポイント③:POPはメニュー表の中にしかありませんか?

テーブル上・カウンター・壁・トイレの中・レジ前──これだけの「接触ポイント」があるのに、POPがメニュー表の中だけという店が多いです。

✅ ポイント:お客さんが来店してから帰るまでの動線を一度歩いてみてください。どこで目が止まるか、そこにPOPを置く余地がないか確認しましょう。

チェックポイント④:収益性の高い商品にPOPが付いていますか?

売上を伸ばしたいなら、原価率の低い商品・高単価の商品にPOPを集中させることが先です。全商品に同じ面積のPOPをつけようとすると、逆に何も目立たなくなります。

✅ ポイント:「この店で一番利益が出る商品」を3つ挙げて、そこに先にPOPを貼る。それだけで購入率が変わる可能性があります。

✓ ここまでのポイント

  • POPは「うまく書く」より「まず数を増やす」ことが先決。手書きA4で十分
  • 「商品名+価格」だけのPOPは機能しない。物語・数字・手間を1行足すだけで変わる
  • 収益性の高い商品3つにPOPを集中させるのが最初のステップ

「POPを一枚も貼らないまま『書き方』を勉強し続けるのは、バットを一度も振らずに打撃フォームの本だけ読んでいるのと同じです。とにかく一回振ってみてください。当たらなくていい、まず振ることです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・販促アイデア100選)

「数を増やす」と自然に「書き方」が上達する理由

ここが面白いところなんですが、POPの数を増やしながら試行錯誤していると、自然と「伝わる書き方」が身についてきます。

なぜかというと、お客さんの反応が直接フィードバックになるからです。あるメニューにPOPを貼ったら注文が増えた、別のPOPは誰も見ていない……この繰り返しの中で、「伝わるPOP」と「伝わらないPOP」の差が肌感覚でわかってきます。

これ、セミナーで何百時間勉強しても得られない感覚なんです。現場でしか掴めない。

僕がよくお伝えしている「2週間で3つだけ実行する」というやり方、POPにも使えます。今週は3種類のPOPを貼ってみる。2週間後に何が反応あったか確認する。また次の3枚を試す。これを繰り返せば、1年で72回のPOP改善を重ねたことになります。日本の飲食店で年間72回のPOP改善を続けている店は、ほぼいません。それだけで圧倒的な差がつきます。

「ご利益中心ネーミング」だけ覚えておけば書き方は8割解決する

書き方について「1つだけ覚えてください」と言うなら、これです。

「誰のための、どんなご利益(メリット)があるか」を先に書く。

これをジョイマン流に「ご利益中心ネーミング」と呼んでいます。

❌ よくあるパターン

  • 「本日のおすすめ!産地直送の天然ぶり刺身」──商品の説明だけで終わっている
  • 「シェフ特製!手打ちパスタ」──作り手のこだわりを一方的に伝えているだけ
  • 値段と商品名だけのシール型POP

✅ 推奨アプローチ

  • 「脂がのった天然ぶりを味わいたい方へ。漁港から直送、水揚げ当日だけの限定10食」──誰のためか+なぜ今日でなければいけないかが伝わる
  • 「少し贅沢したい日の夜に。シェフが朝5時から仕込む本格ボロネーゼ」──場面(シーン)とこだわりの数字がセットになっている
  • 「常連さんがリピートするNo.1メニュー:〇〇」──社会的証明が入っている

要するに、「お客さんがそのPOPを読んで、自分ごととして受け取れるか」がポイントです。作り手の視点から書いたPOPは読まれません。読む人の視点で書いたPOPは読まれます。

「16時間かけて煮込みました、という一文があるだけで、お客さんは『それだけ手間をかけてくれているんだ』と感じます。その感情が、値段への納得感に変わる。値引きしなくても売れるPOPとは、そういうものです」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・販促アイデア100選)

「ジョイマンさんに教わった通り、手書きのPOPを3枚貼るところから始めました。最初は恥ずかしかったですが、翌週からそのメニューの注文が明らかに増えて。気づいたら月商が130万円から230万円になっていました。書き方を完璧にしようとしていた自分が馬鹿みたいで(笑)」

焼き鳥店オーナー(40代・男性)

POPを「購入率アップ」と「客単価アップ」の両方に使い分ける

POPには大きく2つの役割があります。これを意識しておくと、どこに何を貼るかが整理されます。

① 購入率を上げるPOP……頼もうか迷っているお客さんを後押しするもの。「本日限定」「残り5食」「常連様人気No.1」など、決断を促す要素が入っている。テーブルやメニュー表に挟み込む形が効果的。

② 客単価を上げるPOP……追加注文や上位メニューへのアップグレードを促すもの。「締めの一品に」「2杯目以降はこちら」「プレミアムコースはこちら」など。レジ前・カウンター・ドリンクメニューの近くが有効。

売上を「7つの軸」で考えると、POPは購入率・購入点数・客単価の3つを同時に動かせる、コストゼロに近いツールです。スタッフへの教育コストも、広告費も不要。今目の前にいるお客さんに働きかける、これが一番効率がいい販促です。

地方都市のパスタ店では、テーブルPOPを5種類入れ替えただけで前年比151万円の売上増を達成しています。派手な施策は何もしていません。POPの数と内容を見直しただけです。

まとめ:今日から始める「POP3枚チャレンジ」

POPの書き方を極める前に、まず今日から3枚作ってください。

材料はA4の紙とマジックペン、それだけで十分です。書く内容は、「あなたの店で一番利益が出るメニュー」のご利益(お客さんにとってのメリット)と、こだわりを表す数字(仕込み時間・産地・限定数など)の2つだけ。

この3枚を2週間貼り続けてみてください。必ず何か変化があります。変化があれば次の3枚を作る。これを繰り返すだけで、1年後にはPOPを武器にできる店になっています。

「書き方が完璧になったら貼ろう」では、いつまでたっても貼れません。バットを振ってから、フォームを直す。それがPOPの正しい順番です。

販促アイデア100選では、こうした「今日から現場で使えるPOPの作り方」から「値引きなしで客単価を上げる仕組みづくり」まで、飲食店オーナーさんに向けた具体的なノウハウを毎日お届けしています。まずは無料の教科書から手に取ってみてください。

“頑張らずに利益を増やす”飲食店の教科書(無料)

「自分の店のPOPを一緒に考えてほしい」「どこから手をつければいいか相談したい」という方は、LINEからお気軽にご連絡ください。お待ちしています。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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