「解決したい問題」を明確にする質問フレームワーク

「解決したい問題」を明確にする質問フレームワーク

目次

なぜ多くの人が「問題」を明確にできないのか

「なんとなく売上が上がらない」「お客さんが少ない気がする」「スタッフのやる気が感じられない」…

こんな漠然とした悩みを抱えていませんか?
実は、良いアイデアが出ない最大の原因は、解決したい問題が曖昧だからです。

カーナビの例で言えば、「どこか楽しい場所に行きたい」では目的地を設定できません。
「東京ディズニーランド」と具体的に入力して初めて、ルートが表示されます。

問題解決も同じです。明確な問題設定があって初めて、具体的な解決策が見えてきます。

問題明確化の4段階フレームワーク

STEP1:現状把握(What’s happening?)

「今、何が起きているのか?」

STEP2:理想設定(What should be?)

「本当はどうなっていてほしいのか?」

STEP3:ギャップ分析(What’s the gap?)

「現状と理想の差は何か?」

STEP4:問題定義(What’s the real problem?)

「本当に解決すべき問題は何か?」

STEP1:現状把握のための質問セット

数値で把握する質問

【売上関連】
・月の売上はいくらですか?
・1日の平均客数は何人ですか?
・平均客単価はいくらですか?
・リピート率は何%ですか?
・新規客比率は何%ですか?

【効率関連】
・1日何時間営業していますか?
・スタッフは何人いますか?
・1人あたりの生産性はどの程度ですか?

【競合関連】
・近隣の同業他社は何軒ありますか?
・競合店との価格差はありますか?
・競合店にあって自店にないものは何ですか?

感覚で把握する質問

【スタッフの状況】
・スタッフは楽しそうに働いていますか?
・スタッフから改善提案は出ますか?
・スタッフの離職率はどうですか?

【お客様の状況】
・お客様は満足して帰られますか?
・お客様からの苦情はありますか?
・お客様から褒められることはありますか?

【自分の状況】
・仕事にやりがいを感じていますか?
・毎日の業務に追われていませんか?
・将来への不安はありますか?

現状把握シート

【数値データ】
月売上:_________________万円
日平均客数:_____________人
平均客単価:_____________円
リピート率:_____________%
新規客比率:_____________%

【定性情報】
スタッフの様子:
_________________________________

お客様の様子:
_________________________________

自分の状況:
_________________________________

気になること:
_________________________________

STEP2:理想設定のための質問セット

具体的数値目標の質問

【理想の数値】
・月売上はいくらにしたいですか?
・1日の客数は何人が理想ですか?
・平均客単価はいくらが目標ですか?
・リピート率は何%が理想ですか?

【期限設定】
・いつまでに達成したいですか?
・短期目標(3ヶ月)は何ですか?
・中期目標(1年)は何ですか?
・長期目標(3年)は何ですか?

理想状態イメージの質問

【お店の理想像】
・どんなお店になっていたいですか?
・どんなお客様に来てほしいですか?
・どんな雰囲気のお店にしたいですか?
・地域でどんな存在になりたいですか?

【働き方の理想像】
・どんな働き方をしたいですか?
・スタッフとどんな関係でいたいですか?
・1日をどう過ごしたいですか?
・休日はどう過ごしたいですか?

【人生の理想像】
・仕事を通じて何を実現したいですか?
・お客様にどんな価値を提供したいですか?
・将来どんな自分になっていたいですか?

理想設定シート

【数値目標】
月売上目標:_____________万円
客数目標:_______________人/日
客単価目標:_____________円
達成期限:_______________

【理想状態】
お店の理想像:
_________________________________

働き方の理想:
_________________________________

提供価値の理想:
_________________________________

将来の理想:
_________________________________

STEP3:ギャップ分析のための質問セット

数値ギャップの分析

【売上ギャップ】
現在:_______万円/月
理想:_______万円/月
差額:_______万円/月(_____倍)

【客数ギャップ】
現在:_______人/日
理想:_______人/日
差額:_______人/日(_____倍)

【客単価ギャップ】
現在:_______円
理想:_______円
差額:_______円(_____円アップ)

ギャップ分析の質問

【なぜギャップが生まれているのか?】
・何が足りないのでしょうか?
・何が余計なのでしょうか?
・何が間違っているのでしょうか?
・何が古いのでしょうか?
・何が新しすぎるのでしょうか?

【ギャップを埋めるには何が必要か?】
・追加すべきものは何ですか?
・削減すべきものは何ですか?
・改善すべきものは何ですか?
・新しく始めるべきことは何ですか?
・やめるべきことは何ですか?

ギャップ要因分析シート

【主なギャップ要因】(5つまで)
1._______________________________
2._______________________________
3._______________________________
4._______________________________
5._______________________________

【最も大きな要因】
_________________________________

【最も改善しやすそうな要因】
_________________________________

【最も改善効果が高そうな要因】
_________________________________

STEP4:真の問題定義のための質問セット

本質的問題を見つける質問

【なぜなぜ分析】
問題:売上が上がらない
↓
なぜ?客数が少ないから
↓
なぜ?認知度が低いから
↓
なぜ?宣伝をしていないから
↓
なぜ?宣伝方法がわからないから
↓
真の問題:マーケティング知識不足

【優先順位づけの質問】
・解決できれば最も効果が大きい問題は?
・解決しないと他の問題も解決しない問題は?
・今すぐ解決できそうな問題は?
・放置すると危険な問題は?

問題の本質を探る質問セット

【根本原因の質問】
・この問題はいつから始まりましたか?
・何がきっかけで問題が発生しましたか?
・この問題は他の問題と関連していますか?
・この問題の背景にある真の原因は何ですか?

【影響範囲の質問】
・この問題は誰に影響していますか?
・この問題を放置するとどうなりますか?
・この問題が解決すると何が変わりますか?
・この問題解決の副次効果は何ですか?

【解決可能性の質問】
・この問題は自分で解決できますか?
・この問題解決に必要なリソースは何ですか?
・この問題解決にどのくらい時間がかかりますか?
・この問題解決の障害は何ですか?

実践例:美容室の問題明確化プロセス

STEP1:現状把握

【数値データ】
月売上:80万円
日平均客数:12人
平均客単価:6,667円
リピート率:60%
新規客比率:40%

【定性情報】
・スタッフは忙しそうだが楽しんでいる
・お客様は満足されているが予約が取りにくい
・自分は技術に専念したいが経営業務が多い

STEP2:理想設定

【数値目標】
月売上目標:120万円
客数目標:16人/日
客単価目標:7,500円
達成期限:6ヶ月後

【理想状態】
・予約の取りやすい人気店
・技術に集中できる環境
・スタッフが成長を実感できる職場

STEP3:ギャップ分析

【売上ギャップ】40万円/月(1.5倍)
【客数ギャップ】4人/日
【客単価ギャップ】833円アップ

【主なギャップ要因】
1. 座席数の制限(物理的限界)
2. 高単価メニューの不足
3. 予約システムの非効率
4. スタッフのスキルバラつき
5. リピート間隔の長さ

STEP4:真の問題定義

【なぜなぜ分析】
問題:売上が目標に届かない
↓
なぜ?客数と客単価が不足しているから
↓
なぜ?座席数に限界があり、高単価メニューが少ないから
↓
なぜ?効率的な運営ができておらず、付加価値サービスがないから
↓
真の問題:「限られた時間と空間での価値最大化ができていない」

【解決すべき問題の優先順位】
1位:予約・施術の効率化(即効性)
2位:高付加価値メニュー開発(収益性)
3位:リピート間隔短縮(継続性)

問題明確化チェックリスト

良い問題設定の条件

□ 具体的な数値が含まれている
□ 期限が明確に設定されている
□ 測定可能な内容になっている
□ 現実的に達成可能である
□ なぜその問題を解決したいか理由が明確
□ 問題解決後の状態がイメージできる
□ 他の人に説明して理解してもらえる
□ 一文で表現できる

悪い問題設定の例と改善案

【悪い例】「売上を上げたい」
【改善案】「6ヶ月以内に月売上を現在の80万円から120万円に40万円アップさせたい」

【悪い例】「お客さんを増やしたい」  
【改善案】「3ヶ月以内に1日平均客数を12人から16人に4人増やしたい」

【悪い例】「スタッフのやる気を向上させたい」
【改善案】「2ヶ月以内にスタッフから月5件以上の改善提案が出る状態にしたい」

チーム実践用問題明確化ワークショップ

90分ワークショップの進行

【20分】個人現状把握
各自で現状把握シート記入

【20分】個人理想設定
各自で理想設定シート記入

【20分】ペア分析
2人1組でギャップ分析実施

【20分】チーム問題定義
3-4人チームで真の問題を議論

【10分】全体共有
各チームの問題定義を発表

スタッフ参加型問題明確化システム

【週1回の問題発見ミーティング】
月曜:現状数値の共有・分析
火曜:理想状態の議論
水曜:ギャップ要因の洗い出し
木曜:なぜなぜ分析の実施
金曜:問題の優先順位づけ

【毎日の問題意識共有】
朝礼:「今日気になることは?」
終礼:「今日発見した問題は?」

今すぐ実践!問題明確化ワーク

15分集中ワーク

【STEP1:現状把握】(3分)
最も気になる現状を3つ書き出す:
1._______________________________
2._______________________________
3._______________________________

【STEP2:理想設定】(3分)
理想の状態を3つ書き出す:
1._______________________________
2._______________________________
3._______________________________

【STEP3:ギャップ分析】(3分)
最大のギャップとその原因:
ギャップ:_________________________
原因:_____________________________

【STEP4:問題定義】(6分)
解決したい問題を一文で表現:
_________________________________

期限と目標数値:
_________________________________

なぜこの問題を解決したいか:
_________________________________

実行計画立案

【今週やること】
_________________________________

【今月やること】
_________________________________

【効果測定方法】
_________________________________

【協力してもらう人】
_________________________________

問題の明確化は、成功への第一歩です。
漠然とした悩みを具体的な解決可能な問題に変換することで、必ず道筋が見えてきます。
まずは一つの問題から、このフレームワークを使って明確化してみてください。


次回予告: 「時間軸発想法:ライフステージ×商品アイデアマトリックス」で、
顧客の人生段階に合わせた商品・サービス開発手法をお伝えします。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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