「トリートメントいかがですか?」と声をかけてみたら、お客さんに苦笑いされた。あるいはスタッフが提案をためらって、結局何も言えないまま会計になってしまった。そんな場面、思い当たりませんか?
追加提案はしたい。でも「売り込んでいる」と思われるのが怖い。この板挟みで、せっかくの客単価アップのチャンスをスルーしてしまっている美容室は、実はとても多いんです。
こんにちは、ハワードジョイマンです。静岡県清水区を拠点に、飲食店・美容室・小売店の店舗利益最大化を専門に、21年・833件以上の経営支援をしてきました。今日はそんな「提案の怖さ」をきれいに消してしまう、第三者話法の使い方をお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 「売り込み感」が出てしまう提案と、「ありがとう」と言われる提案の違い
- 第三者話法の具体的な使い方・会話の組み立て方
- スタッフでも再現できる提案の型の作り方
- 客単価アップを値下げなしで実現するための考え方
こんな方におすすめ
- ✅ トリートメントや追加メニューをうまく提案できずにいる美容室オーナーの方
- ✅ スタッフに提案トークを教えたいが、どう伝えればいいか迷っている方
- ✅ 値引きに頼らずに客単価を上げる方法を探している方
- ✅ お客さんとの会話をもっと豊かにしたいと思っているスタッフの方
- ✅ 「押し売り」にならない自然な接客の言葉を身につけたい方

「提案」と「押し売り」の分かれ目はどこにあるか
私はよく美容室のオーナーさんに聞くんです。「スタッフはトリートメントを提案していますか?」と。すると「してはいるんですが、うまくいかなくて」という答えが返ってくることが多い。
詳しく聞いてみると、たいていこんな提案をしていることがわかります。「トリートメント、追加しませんか?」「ダメージが気になるならトリートメントがおすすめですよ」。
これ、どちらも悪い提案ではないんです。でも、受け取るお客さんの側からすると「お店に勧められている」という感覚が先に来てしまう。すると警戒心が働いて、「いや、今日はいいです」になりやすい。
押し売りと感じられてしまう提案の根っこには、「提案の主語がお店側にある」という構造的な問題があります。「私たちが勧めている」という空気が出てしまっているんですね。
ここを変えるのが、第三者話法です。
第三者話法とは何か、なぜ「ありがとう」につながるのか
第三者話法というのは、提案を「お店の意見」ではなく「他のお客さんの声」「データ」「専門的な観察」として伝える話し方のことです。
具体的に比べてみましょう。
❌ よくあるパターン(お店主語)
- 「トリートメント、追加しませんか?仕上がりがよくなりますよ」
- → お店が売りたいから言っている、に聞こえやすい
✅ 第三者話法を使った提案
- 「最近、カラーを続けてらっしゃるお客さまがトリートメントを入れるようになって、次回いらしたときに『手触りが全然違う』って言ってくださる方が増えてるんです。よかったら今日一緒にどうですか?」
- → 他のお客さんの声を媒介にして、自然に選択肢として提示できる
この違い、伝わりますか?後者は「他の人が体験してよかった話をしている」というかたちになっているので、お客さんが「売り込まれている」と感じにくいんです。そして、自分に近い状況の人がいいと言っている話だから、興味が湧きやすい。
結果として、「そうなんですか、じゃあお願いしてみようかな」「へえ、知らなかった。ありがとうございます」という流れが生まれやすくなります。感謝されながら単価が上がる。これが第三者話法の面白いところです。
「提案は、教えてあげることだと思ってほしいんです。売ろうとするから怖くなる。知らなかったお客さんに、役に立つ情報を渡している、という気持ちに変えるだけで、言葉のトーンが全部変わります」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
会話の型をつくる3つのステップ
第三者話法の考え方はわかった。でも、実際にどう言えばいいか、もう少し具体的に教えてほしい。そういう方のために、会話を組み立てる3つのステップをお伝えします。
提案の STEP 1
観察を言葉にする
まず、施術中にお客さんの髪や頭皮の状態を一言で伝えます。「今日は毛先がちょっと乾燥しているかもしれないですね」「カラーを重ねてきているので、内側がデリケートになっている部分がありますよ」など、お客さんが自分では気づいていない観察を、感情なく、事実として伝える。これが提案の入口になります。
⚠️ よくある失敗:いきなりメニュー名を出す。観察を共有してから提案に入ることで、「なぜこの提案をしているか」の根拠が伝わります。
提案の STEP 2
第三者の声を媒介する
「同じような状態でトリートメントを試してみたお客さんが、〇〇という声をくれていて」という形で、他の人の体験を自然に差し込みます。ここでのポイントは、お客さんの名前や特定できる情報は出さないこと。「似たような方」「こういうケアをされているお客さんから」という伝え方でOKです。
⚠️ よくある失敗:「人気があります」「おすすめです」という表現だけで終わってしまう。体験の具体性(「手触りが全然違う」「次回の染まり方が変わった」など)が入ると、グッとリアルになります。
提案の STEP 3
選択肢として渡す
最後は「よかったら今日どうですか?」「次回でもいいですが、今日一緒にやると効果が出やすいですよ」という形で、柔らかく選択肢を提示します。「いかがですか?」の一言で終わると問い詰めているように聞こえることがあるので、「今日でも、次回でも」という余白を作ると、お客さんが答えやすくなります。
⚠️ よくある失敗:返事を急かす。沈黙が怖くて畳み掛けると逆効果です。提案したら少し間を置く。これだけで成約率が変わります。
✓ ここまでのポイント
- 提案の主語をお店から「第三者(他のお客さんの体験)」に変えることで、売り込み感が消える
- 観察→第三者の声→選択肢提示、という3ステップで会話を組み立てる
- 余白と間を意識するだけで、お客さんが答えやすくなる
スタッフに「型」として渡すにはどうすればいいか
オーナー自身がこの話し方を身につけるのはもちろんですが、スタッフ全員に再現させるには、「型」として渡す必要があります。
私が美容室のオーナーさんに提案するのは、まず自分でロールプレイをやってみること。自分が話した言葉を録音して聞き返す。これをやると、想像以上に「お店側の押し付け感」が残っている自分に気づきます。
そこから言葉を削ぎ落として、シンプルな3文くらいに整理する。それをスタッフとの朝礼や練習の場で共有する。「こういうシーンではこう言う」という具体的な場面を設定して、繰り返し口に出す練習をする。これが一番の近道です。
大事なのは「感情」ではなく「型」です。提案が怖いスタッフも、型があれば動けます。型のない「自然体でやって」は、スタッフには何も渡していないのと同じです。
「私が市役所にいたとき、よく思っていたことがあります。どんなに志がある人でも、仕組みがなければ動き続けられない。それは店舗も同じで、スタッフの善意に依存した販促や提案は、必ずどこかで止まります。型を作るのはオーナーの仕事です」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
客単価アップは「値上げ」より先にやることがある
美容室の経営改善を話すとき、私は「値上げ」より先に「追加提案の仕組み化」を勧めることが多いです。理由は単純で、値上げは既存客への心理的なハードルが高い一方、追加提案はお客さんにとって「新しい体験のご提案」として受け取られるからです。
トリートメント1メニューが500円〜1,500円だとしても、月に40人のお客さんのうち10人が追加してくれれば、それだけで月5,000円〜15,000円の増収になります。年間にすると60,000円〜180,000円。これを1店舗ではなく2〜3店舗でやれば、数字はさらに大きくなります。
そして何より、「提案してよかった」と感謝してもらえる体験が積み重なると、スタッフのモチベーションも変わります。「売らされている」から「役に立っている」に変わる。この変化は、現場の空気を確実に変えます。
「チラシ+Google広告で新規客が約2倍になり、客単価も1,400円上がりました。半年で月商が大きく変わりました」
飲食店(居酒屋)オーナー
「LINEでのフォローアップを自動化してリピート率が大幅に上がりました。やり方を教えてもらってからは、月商が1年間で1.6倍になっています」
美容室オーナー(2店舗経営)
まとめ:「売る」ではなく「伝える」に変えるだけでいい
第三者話法の本質は、難しいテクニックではありません。「自分が勧めている」という立ち位置を、「他のお客さんが体験してよかったことを伝えている」という立ち位置に変えるだけです。
観察を共有して、第三者の声を媒介にして、選択肢として渡す。この3ステップを型として整理し、スタッフと共有する。これだけで、追加提案が「ありがとう」と言われる会話に変わっていきます。
客単価アップは、値下げの逆です。価値を伝えて、適正な単価で選んでもらう。その入口として、今日からでも試せるのが第三者話法です。
私ハワードジョイマンは静岡県清水区を拠点に、美容室オーナーを含む店舗経営者の方と21年・833件以上の支援実績をもとに、こうした「現場で使える型」を一緒に作る伴走をしています。「うちの場合はどう言えばいいんだろう」という方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
提案の型づくり、客単価アップの仕組み化、スタッフへの落とし込み方──増益繁盛クラブでは、こうしたテーマを会員の方と一緒に取り組んでいます。まずは情報を受け取るところから始めていただければと思います。
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