2.集客対策

美容室の常連客の作り方、初回来店から3回目までにすること

実は、美容室に初めて来たお客さんが「3回以上来店するリピーターになる確率」は、全国平均で30〜40%程度と言われています。裏を返せば、初回来店者の6〜7割は2回目以降に来ないという現実があります。

「あの方、また来てくれるかな」と思ったきり音沙汰なし──そんな経験、一度や二度ではないはずです。

今日お話しするのは、初回来店から3回目までの間に「何をするか」という具体的な話です。ただ、その根っこにあるのは技術やサービスの話だけじゃない。地域で長く選ばれ続ける美容室をどう作るか、という話でもあります。

私、ハワードジョイマンは中小企業診断士として21年、飲食店・美容室・小売店など833件以上の店舗経営者に伴走してきました。その中で見えてきたのは、「常連客が育っている店」と「新規ばかり追い続けて疲弊する店」には、初回来店後の対応に明確な違いがあるということです。

📋 この記事でわかること

  1. 初回来店客が「また来よう」と決める瞬間がいつ起きるか
  2. 2回目・3回目への橋渡しとして具体的に何をすべきか
  3. 常連客づくりが「地域No.1の美容室ブランド」に直結する理由
  4. 仕組み化して次の代にも引き継げる常連化ルートの作り方

こんな方におすすめ

  • ✅ 新規来店はあるのにリピートが続かないと感じている美容室オーナー
  • ✅ ホットペッパービューティーのクーポン頼みから抜け出したい方
  • ✅ 地域で長く愛される「常連が多い美容室」を作りたい方
  • ✅ 自分の代だけでなく、次の世代にも引き継げる美容室を育てたい方
  • ✅ 初回対応を見直してリピート率を上げるヒントを探している方
美容室の常連客の作り方、初回来店から3回目までにすること | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

「また来ます」が社交辞令で終わる、その理由

あるカラー特化の美容室オーナーから、こんな話を聞いたことがあります。「技術には自信があるし、お客さんにも喜んでもらえる。でも2回目に来てくれない人が多くて」と。

初回施術後、お客さんは「仕上がりが気に入った」状態でお店を出ます。でも、次に「そろそろカラーしようかな」と思ったとき、そのお客さんの頭の中にあなたの店がすっと浮かんでくるかどうかは、また別の話です。

人は忘れます。忙しい日常の中で、1回しか行ったことのないお店は記憶の優先順位が低い。「良かった」という印象はあっても、次の予約を「あの店で取ろう」とはならない。

これは技術の問題ではありません。「接点の設計」の問題です。

初回来店の帰り際、何を渡しましたか?次回来店への橋渡しを、何か具体的にしましたか?「良ければまたどうぞ」だけで送り出していたとしたら、そのお客さんはそっと別の店に流れていく可能性が高い。

これは美容室に限らず、私が指導してきた飲食店でも全く同じ構造で起きています。

初回来店でやるべきこと、たった3つ

初回来店のゴールは「次回予約を取ること」だけではありません。むしろそれは手段の一つ。本当のゴールは、「このお客さんの記憶の中に、あなたの店をしっかり刻む」ことです。

チェックポイント1:カルテの「感情情報」まで記録しているか

名前・施術内容・髪質──これはどこの美容室でもやっています。でも「今日どんな気持ちで来たか」「どんな生活スタイルをしているか」「何を一番気にしているか」まで記録している店は少ない。カウンセリングで引き出した言葉をそのまま書き留めておくだけで、次回以降の会話が格段に変わります。

✅ ポイント:技術情報だけでなく「感情情報」もカルテに残す。次回来店時に「あの話、どうなりましたか?」の一言が、お客さんの心を大きく動かします。

チェックポイント2:帰り際に「次の来店理由」を渡しているか

「次回予約」を入れてもらうのが理想ですが、その日に決められないお客さんも多い。そういう方には、次に来る「理由」を渡してください。季節のキャンペーン情報、ニュースレター、LINE登録の案内でも構いません。要は、「この店とつながり続けるルート」を手渡して帰ってもらうことが大事です。

✅ ポイント:「LINE登録してくれたら、次回使えるクーポンをお送りします」は今すぐできる接点設計。ただしここで渡す価値は「値引き」より「情報と関係性」にすること。

チェックポイント3:施術後のフォローを仕組みにしているか

初回来店から3〜5日後に「その後、スタイルはいかがですか?」という一言メッセージを送れる体制があるか。これを個人の気配りに頼るのではなく、仕組みとして動く状態にしているかどうかが、店の力の差になります。LINE公式アカウントを使えば、この自動配信は決して難しくありません。

✅ ポイント:フォローの鮮度は「来店後72時間以内」が最も記憶に残ります。お客さんがまだ「良かった気持ち」を持っているうちに、次の接点を作る。

✓ ここまでのポイント

  • 初回来店後にお客さんが離れる原因は「技術」より「接点の設計」にある
  • カルテには感情情報も残し、次回来店時の会話に活かす
  • 帰り際に「次の来店理由=接点」を必ず渡して送り出す

2回目が「常連の入口」、3回目が「習慣化の分岐点」

2回目に来てくれたお客さんは、1回目より明らかに「信頼度」が上がっています。「やっぱりここにしよう」と自分で選んで来てくれている。この時間をどう使うかが、3回目以降への分岐点になります。

2回目来店でやってほしいことが一つあります。それは、「前回からの変化を確認し、声に出して伝える」こと。

「前回カットしてから、ご自分でどうでしたか?」「気になったことありましたか?」──この一問で、お客さんは「ちゃんと覚えていてくれた」「前回の続きとして見てくれている」と感じます。これが関係性を一段深める。

そして3回目。ここで「このお客さんにとって、この店に来ることが当たり前の習慣になるか」が決まります。3回目を迎えられたお客さんは、統計的にも長期リピーターになる確率が大きく上がります。

3回目来店前後に、ぜひニュースレターやLINEで「店の裏側」を少し見せてください。新しいトリートメントのこだわり、オーナーが産地まで足を運んで選んだシャンプーのこと、スタッフの成長の話──お客さんが「この店を応援したい」と思える情報を届ける。価格や割引ではなく、物語と価値観で選ばれていく土台が、ここで育まれます。

「値引き競争から抜けたら、料理への自信が戻ってきました。月商も420万から560万になりましたが、それより週2日の休みが取れるようになったことの方が、今は大切に感じています」

焼肉店オーナー(男性・40代)

これは飲食店の話ですが、美容室でも全く同じことが起きます。値引きをやめて「価値を伝えること」に力を注ぎ始めた瞬間、売上が変わるだけでなく、オーナー自身の自信と余裕が戻ってくるのです。

常連客づくりは「地域No.1ブランド」の土台になる

ここで少し、視点を広げてお話しさせてください。

常連客が多い美容室は、どうやって地域に広まるか。広告でも口コミサイトでもなく、「あの人が通っているお店なら」という紹介で広まります。信頼している友人や家族が「あの美容室、良かったよ」と言うのが、最も強力な集客です。その連鎖が、やがて地域での圧倒的なブランドになる。

私のミッションは、周りから憧れられ、目標とされる経営者を全国に1000人育成・輩出することです。そうした経営者の店には、自然と「ここで働きたい」という人も「ここに通いたい」というお客さんも集まってくる。

そして、もう一つ大切なことをお伝えしたい。

今、自分が築いてきたこの店を、いつか次の代に渡したい──そう考えている経営者の方が確実に増えています。でも「何から準備すればいいか分からない」と後回しにしてしまう。その気持ち、よく分かります。

事業承継の法務・税務面はもちろん専門家に相談していただくのが大前提ですが、私がお手伝いできるのは「次の代の人が同じように売上を作れる状態にしておく」という部分です。

常連客づくりの仕組みを、オーナー個人の感覚から「型」に落として文書化する。初回来店後のフォローフロー、2回目・3回目への橋渡し方法、LINEの配信スケジュール──これを「社長の肌感覚」ではなく「誰でも再現できる仕組み」にしておくこと。それが、引き継いだ人がゼロから悩まなくて済む土台になります。

「販促を自分の感覚でやっていた間は、売上が良い月と悪い月の波が大きくて、いつも不安でした。仕組みにして初めて、再現できるということの意味が分かりました」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)

「仕組み」として回る常連化ルートの作り方

具体的に、常連化の流れを仕組みにするとどうなるか。ステップで整理します。

常連化ルート STEP 1

初回来店時:カルテ記録+LINE登録+次回接点の設計

施術中の会話から「感情情報」をカルテに残す。帰り際にLINE登録を案内し、3日後に自動でフォローメッセージが届く設定をしておく。次回予約が取れれば最善、取れない場合でも「接点の糸」を手渡して送り出す。

⚠️ よくある失敗:LINE登録を「なんとなく勧める」だけで、登録後に何も届かない状態になっている。登録したのに音沙汰なしでは、逆に印象が下がることも。

常連化ルート STEP 2

来店3〜5日後:温かみのあるフォローメッセージ

「スタイル、その後いかがですか?」という一言で十分です。定型文でもいい。大事なのは送ること、そして続けること。これを「手が空いたときにやる」では続きません。LINEの自動配信に組み込んで、仕組みにする。

⚠️ よくある失敗:最初の数人にはやっても、忙しくなると途切れる。人の努力に頼る仕組みは、続かない。

常連化ルート STEP 3

2回目来店:「前回の続き」を意識した会話と提案

カルテの感情情報を見返して、前回の会話を繋ぐ。新しいメニューや施術の提案も、「前回気にされていた〇〇に合う」という文脈で伝えると、押しつけではなく「この店は私を見ていてくれる」と感じてもらえます。

⚠️ よくある失敗:技術の話だけで完結し、関係性を深める会話が生まれない。「良い仕事をすれば自然にリピートが来る」という思い込みがここで出やすい。

常連化ルート STEP 4

3回目前後:ニュースレターや店の「物語」を届ける

月1回でいい。店のこだわり、スタッフの成長、季節に合わせた新しいメニューの背景──そういった「値段のついていない価値」を届ける。お客さんが「この店を好きになる理由」を、積み重ねていく。

⚠️ よくある失敗:情報発信を「割引情報」に使ってしまう。安さで来たお客さんは安さで去ります。価値と物語で来てほしい。

この4ステップを、文書化して・スタッフと共有して・仕組みとして動かせる状態にする。それが「次の代にも引き継げる美容室」の土台です。

まとめ:3回目が「長い関係の始まり」になる

初回来店からの3回で、お客さんとの関係の基礎が決まります。技術は前提。その上で、接点を設計し、感情情報を積み上げ、価値を伝え続けることが常連客を育てます。

地域No.1の美容室ブランドは、派手な広告で一夜にして生まれるものではありません。一人ひとりのお客さんとの関係を、丁寧に、継続して積み上げた先にある。その積み上げが仕組みになったとき、はじめて次の世代にも引き継げる「本物の繁盛店」になります。

「このままでいいのかな」「もっとリピートを増やしたいけど何から手をつければ」──そう感じているなら、まず一歩踏み出してみてください。

常連客の作り方、ブランドづくりの具体的な進め方に興味がある方は、下のリンクからお気軽に覗いてみてください。全国の店舗経営者が集まる場所で、一緒に考えていきましょう。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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