5月の連休が明けると、急に店が静かになる。夏の土用の丑の日は満席なのに、翌週の平日は閑散としている。「週末と平日の差がありすぎて、月の売上が読めない」──飲食店を経営していると、こういう波を毎年のように経験しますよね。
静岡市清水区を拠点に、全国の飲食店・美容室・小売店を支援しているハワードジョイマンです。中小企業診断士として21年・833件の指導経験を積む中で、「平日の集客」というテーマは、本当に多くのオーナーさんから相談を受けてきました。
この記事では、難しい話は抜きにして、今日から動ける打ち手を具体的にお伝えします。派手な施策じゃなくていいんです。地味でも、続けられるものが一番強い。そのことを、一緒に考えていきましょう。
📋 この記事でわかること
- 平日の集客が伸び悩む本当の原因
- 今日から動ける「地味でも効く」具体的な打ち手
- 値下げに頼らず平日客を増やすための考え方
- 販促を継続する仕組みの作り方
こんな方におすすめ
- ✅ 週末は満席なのに平日だけ極端に客が少ない方
- ✅ 平日用のクーポンや割引を出し続けて疲弊している方
- ✅ チラシや販促をやってみたが続かなかった方
- ✅ 月の売上の波が大きく、先の見通しが立てにくいと感じている方
- ✅ 「良い料理を作っているのに、なぜ平日は来ないのか」と悩んでいる方

「平日は仕方ない」と思っていたら、そこで思考が止まる
まず正直にお伝えしたいのは、「平日が暇なのは業種の宿命」と思っている経営者の方が、思いのほか多いということです。
でも、同じエリア・同じ業態で、平日もしっかり席を埋めている店は必ず存在します。その差は料理の腕でも立地でもなく、「平日に来てもらうための仕掛け」をしているかどうかの違いがほとんどです。
料理の美味しさは前提です。でも、美味しいだけでは伝わらない。「あの店、平日の〇時に行くといいんだよ」という情報が、お客さんの頭の中にインプットされて初めて、足が向きます。そのインプットを作るのが販促の仕事です。
「良い料理を出していればいつか報われる、という考え方は、善意の思い込みです。味と集客は別の仕事。どちらも真剣にやらないと、片方が空転し続けます。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
まず「平日集客は意図的に作れる」という出発点に立ってもらうことが、一番大事です。
平日の客が来ない本当の原因を整理する
「なぜ平日に来ないのか」を考えるとき、漠然と悩んでいても打ち手は見えてきません。売上は「客数 × 客単価 × 来店頻度」の掛け算で分解できますから、平日の問題がどこにあるかを特定することが先です。
チェックポイント①:平日に来る理由がお客さんに伝わっているか
土日に来てくれているお客さんが、「平日も使える店だ」と認識しているかどうか。ここが抜けていることが多いです。店内のPOPでも、レシートの一言でも、「平日のランチ・ディナーも営業中」というメッセージを出しているかを確認してください。
✅ ポイント:既存のお客さんへの「告知」が一番コストが低い平日集客の入口です。まずここから。
チェックポイント②:平日に特有の「来店する理由」があるか
「安い」以外の理由で、平日に来てもらえる設計があるかどうか。「平日限定の一皿がある」「平日は席が取りやすいのでゆっくりできる」「平日の〇時以降は静かで落ち着ける」など、体験価値を言語化して届けることが大切です。
✅ ポイント:値下げや割引ではなく、「体験の価値」をPOPやSNSで伝える方向に切り替えましょう。
チェックポイント③:平日を意識した接点を定期的に作っているか
SNSの投稿が週末の満席写真ばかりになっていませんか。平日の料理写真、平日の静かな店内の雰囲気、「今日の日替わり」など、平日をイメージさせる発信が定期的にあるかどうかが問われます。
✅ ポイント:発信の頻度より「平日を想起させる素材」があるかどうかの方が重要です。
✓ ここまでのポイント
- 平日集客は「業種の宿命」ではなく、仕掛けの有無で変わる
- 売上の問題は「客数・客単価・来店頻度」に分解して原因を特定する
- 値下げより「来る理由の言語化と告知」が先に来る
今日から動ける、地味でも効く打ち手5選
では具体的に何をするか。難しいことや費用のかかることは後回しにして、「すぐ動ける」ものから並べます。
打ち手 STEP 1
既存のお客さんへのハガキDMまたはLINE配信
来店済みのお客さんに「平日も来てほしい理由」を一言添えて届ける。LINE公式アカウントを運用しているなら、平日に特化したメッセージを月に1〜2回配信するだけで、再来店の動機になります。ハガキDMは少し手間に感じるかもしれませんが、手書き風の一言が添えてあるだけで開封率が変わります。
⚠️ よくある失敗:「いつでも来てください」という内容にしてしまい、平日という具体的な文脈がない。「特に〇曜日〜〇曜日の夜は席に余裕があります」と具体的に書くほうが動きやすい。
打ち手 STEP 2
Googleビジネスプロフィールへの平日写真・投稿
Googleマップで店を検索したとき、平日の料理写真や「平日おすすめ」の投稿が出てくると印象が変わります。無料でできる上に、「今夜どこに行こう」と検索するお客さんに届く接点になります。投稿は週1回で十分。続けることの方が大事です。
⚠️ よくある失敗:一度設定してそのまま放置。Googleビジネスプロフィールは更新頻度も評価に影響します。
打ち手 STEP 3
店頭POPで「平日に来る理由」を作る
店の外から見えるA4〜A3サイズのPOPに「平日の夜は〇〇がおすすめ」「平日限定 日替わり〇〇」という情報を出す。通りがかりのお客さんにとって、「あ、平日も来れるんだ」という発見になります。コストはほぼゼロ。でも何も出していない店と比べると、通行客へのリーチが全然違います。
⚠️ よくある失敗:値段だけ大きく書いて、体験や料理の魅力を一切書かない。「何が食べられるか」「どんな気分になれるか」を一言添えることで反応が変わります。
打ち手 STEP 4
チラシを「一回だけ」でなく継続して効果測定する
チラシを一度配って反応がなかったから「うちにはチラシが合わない」と判断するのは早計です。エリア・日程・メッセージを変えながら継続することで、反応が出るパターンが見えてきます。月に一回、同じ商圏に同じフォーマットのチラシを配り続けるだけで、認知の積み重ねが起きます。
⚠️ よくある失敗:毎回デザインをゼロから作り直してコストと時間をかけすぎる。基本フォーマットを固定して、差し替える情報だけ変えるのが継続のコツ。
打ち手 STEP 5
Google広告で「今夜 〇〇 近く」の検索に届く
「今夜どこかで食べたい」と検索する人は、平日の夕方にも確実にいます。Google広告を使えば、その瞬間に自分の店を見せることができます。費用が怖いという方もいますが、1日500円〜1,000円の予算から試せます。広告は「お金を掛けて顧客を創造する」投資です。0円で売上を伸ばそうとする発想より、投資した分だけ反応を測る経営の方が、結果として効率が良くなります。
⚠️ よくある失敗:一度設定して放置。広告文とターゲット設定を定期的に見直すことが、費用対効果を上げる鍵です。
「広告は怖いものではなく、顧客を創造するための道具です。私自身、独立当初に毎月広告を出すと決めてから売上が立ち始めました。お金を掛けずに売上を伸ばすという考え方は、時間と機会損失を最も生む選択です。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
値下げに頼らず平日を埋めるために、必要なマインドの転換
平日集客で多くの店が最初に手を出すのが「平日限定割引」です。理由は分かります。すぐに動けるし、反応が出やすい。でも少し立ち止まって考えてほしいのは、価格で来たお客さんは価格で去るということです。
「割引があるから来た」お客さんを、次は「この店が好きだから来た」に変えるには、価値を伝える接点が必要です。平日に来てくれたお客さんとのコミュニケーション、料理へのこだわりを書いたPOPやニュースレター、SNSでの発信──こういう積み重ねが、「割引なしでも来る理由」を作っていきます。
❌ 値下げで集める平日集客
- 来るたびに「次の割引」を期待される
- 値引き分だけ利益が削れ、疲弊していく
- 価格を戻すと客が減る、という悪循環に陥る
✅ 価値を伝えて選ばれる平日集客
- 「ここの〇〇が食べたい」という動機で来店される
- 適正な客単価で選ばれるため、利益が残る構造になる
- リピートのたびに関係が深まり、再来店頻度が上がる
平日集客の問題は「何をやるか」より先に、「どういう店として選ばれたいか」という方向性が固まっているかどうかにあります。そこが曖昧なまま手法だけ試しても、なかなか定着しません。
「リピート率が38%から71%に上がり、LINE集客とフォローアップの自動化で月商が年間で1.6倍になりました。値下げに頼らずに、お客さんとの関係を丁寧に作ることで変わりました。」
美容室オーナー(2店舗経営)
まとめ:地味な打ち手を「すぐに」「継続して」やり切ることが全て
平日の集客を改善するために必要なのは、派手な新サービスでも大きな設備投資でもありません。ハガキDM、LINE配信、店頭POP、Googleビジネスプロフィールへの投稿、チラシの継続──どれも地味に見えますが、この「地味さ」こそが他店との差になります。
一回試して反応がなかったからといって、すぐにやめないこと。効果測定しながら続けること。お客さんに「来る理由」を作る接点を増やし続けること。この積み重ねが、月の売上の波を小さくして、経営を安定させていきます。
私自身、21年間・833件の店舗を支援してきた中で、繁盛し続けている店に共通しているのは、派手な一手ではなく「地味な打ち手を諦めずに続けた経営者の存在」です。
平日集客の改善を一人で抱え込まず、仲間や伴走者と一緒に取り組みたい方は、ぜひ以下からご覧ください。全国の飲食店・美容室・小売店オーナーが集まる「増益繁盛クラブ」で、一緒に考えましょう。お気軽にのぞいてみてください。
また、無料で使える「繁盛店ポータル」への登録もお待ちしています。集客・販促の情報をまとめてご活用いただけます。