飲食店の客数を増やすために最初にやるべきことは、「客数だけを見ない」ことです。売上を客数・客単価・来店頻度の3系統に分解し、自店の弱点がどこにあるかを特定する。それが、すべての打ち手の出発点になります。
「もっとお客さんを増やしたい」という気持ちは、飲食店を営む方なら誰もが持っています。でも、やみくもに新規集客の施策を打っても、思ったように手元の数字が変わらない経験をしたことはないでしょうか。それは施策が悪いのではなく、どの系統に問題があるかを確かめる前に動き出してしまっているからです。
📋 この記事でわかること
- 飲食店の売上を3系統に分解する考え方とその意味
- 客数・客単価・来店頻度それぞれに効く具体的な打ち手
- どの系統から手をつけるべきかの見極め方
- 地味な販促を継続することが最終的に客数増につながる理由
こんな方におすすめ
- ✅ 新規集客に取り組んでいるのに客数が伸び悩んでいる方
- ✅ チラシや広告をやってみたが効果が実感できなかった方
- ✅ 値下げやクーポンに頼らず売上を伸ばしたい飲食店オーナー
- ✅ 忙しく働いているのに利益が残らないと感じている方
- ✅ 売上の仕組みを体系的に理解したい経営者の方

「客数を増やす」だけでは、なぜ売上が伸びないのか?
結論から言うと、「客数」は売上を構成する3つの要素のうちの1つでしかないからです。
飲食店の売上は、次の式で成り立っています。
売上 = 客数 × 客単価 × 来店頻度
この3つの系統のうち、どれか1つが弱ければ、残りの2つをいくら頑張っても売上は思うように伸びません。逆に言えば、3つのどれに問題があるかが分かれば、打ち手はぐっと絞られる。
私がこれまで飲食店だけで610件以上の指導をしてきた中で、最も多かったパターンは「客数が少ないのではなく、客単価が低い」または「新規は来ているのにリピートされていない」というケースです。それなのに、全員が「とにかく新規客を増やしたい」と言って相談にくる。
新規集客にかかるコストは、既存客の再来店を促すコストの5倍とも言われます。分解せずに新規集客だけに力を注ぐのは、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるようなものです。
3つの系統とは何か?それぞれの意味は?
売上を構成する3系統を、もう少し丁寧に整理しておきます。
① 客数(新規客を増やす系統)
商圏内の新しいお客さんに、あなたの店を知ってもらい、初めて来店してもらう動き。Googleビジネスプロフィールの整備、チラシ配布、Google広告、店前看板の見直しなどが代表的な打ち手です。
② 客単価(1回あたりの購入金額を上げる系統)
1人のお客さんが1回の来店で使う金額を増やす動き。メニュー設計の見直し、POP(店内POPや卓上POP)による単品の価値伝達、看板メニューの設定、サイドメニューや追加注文の促進などが効きます。
③ 来店頻度(再来店を増やす系統)
一度来てくれたお客さんに、また来てもらう動き。ハガキDM、ニュースレター、LINE公式アカウントによるフォローアップ、スタンプカードやポイント制度などが代表的な手段です。
「売上の悩みを持って相談に来る経営者の方の9割は、3系統のどれが弱いかを特定する前に、手法の話から始めようとします。でも、地図なしに走っても遠回りするだけ。まず分解して、地図を描く。それだけで、やるべきことが見えてきます。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント・中小企業診断士)
✓ ここまでのポイント
- 飲食店の売上は「客数 × 客単価 × 来店頻度」の3系統で成り立っている
- 問題がどの系統にあるかを特定せずに施策を打つと、コストと時間が無駄になる
- 新規集客より再来店促進のほうがコストが低く、多くの店に伸びしろがある
自店の弱点がどの系統にあるかを、どうやって見極めるのか?
見極めるために使う問いは、シンプルです。
チェックポイント①:新規客は月に何人来ているか?
「初めて来ました」というお客さんが、月に何人いるかを把握していますか。Googleビジネスプロフィールの「電話タップ数」や「ルート検索数」、アンケートや来店動機カードでおおよそ把握できます。月の来客数に占める新規の割合が2〜3割を下回っているなら、客数(新規)系統に弱点がある可能性が高いです。
✅ ポイント:まず自店の商圏(半径2〜3km以内の通行客・居住者)に、どれだけ認知されているかを確認する。Googleビジネスプロフィールの整備と口コミ対策が入り口です。
チェックポイント②:客単価は狙った水準に届いているか?
メニューの価格設定と実際の客単価が乖離していませんか。「頼んでほしいメニュー」が注文されずに、単価の低いものばかり出ているケースは多いです。POPや卓上メニューで、そのメニューを頼む理由・背景・おいしさが伝えられているかを確認してみてください。
✅ ポイント:「美味しい」は料理を食べた後にしかわからない。来店前・着席直後に「これを頼みたい」と思わせる情報を、POP・メニュー表・黒板で届けることが客単価アップの基本です。
チェックポイント③:一度来たお客さんは、また来ているか?
リピート率(再来店率)を計算したことがありますか。「来たお客さんが次の月にまた来ている割合」を概算でもいいので出してみてください。30%を下回っている場合、来店頻度系統に大きな伸びしろがあります。
✅ ポイント:再来店を促すには「仕組み」が必要です。「また来てほしいな」と思うだけでは来てくれません。ハガキDMやLINE配信など、来店後の接点を意図的に設計することが大切です。
「月商60万円の超赤字だったイタリアンが、月商470万円・利益200万円に変わりました。最初に手をつけたのは、新規集客より客単価と再来店の設計でした。まず何が弱いかを見て、そこから始めたことが大きかったと思います。」
増益繁盛クラブ会員(飲食店オーナー)
3系統それぞれに効く打ち手は何か?
分解して弱点が特定できたら、次はその系統に合った打ち手を選びます。
❌ よくあるパターン:「とりあえずSNSをやってみる」「食べログに登録してみる」
- 目的が曖昧なまま手段から入るため、効果測定ができない
- 反応がないと「やっても無駄だった」と止めてしまう
- どの系統に効いたのかが分からないため、次の改善につながらない
✅ 推奨アプローチ:弱い系統に的を絞って手段を選ぶ
- 客数(新規)が弱い → Googleビジネスプロフィール整備・MEO・チラシ・Google広告・店前看板
- 客単価が弱い → POP・メニュー設計・看板メニューの設定・スタッフへの声がけ設計
- 来店頻度が弱い → ハガキDM・ニュースレター・LINE公式アカウント・誕生日クーポン
ここで大切なのは、紙・ネット・AIのどれが優れているかではなく、3系統のどこに何が効くかという視点で組み合わせることです。私はこれを「紙・ネット・AIの等価3層モデル」と呼んでいますが、要するに「手段に優劣はない、目的に合った手段を選ぶ」ということです。
地味な販促を継続することが、最終的に客数増につながるのはなぜか?
結論を言えば、飲食店の集客で長く効くのは、派手な一発施策より、地味な打ち手を止めずに続けることだからです。
私自身、独立直後に仕事がゼロになり、貯金が底をついた経験があります。そこから立て直せたのは、毎月広告を出し続けたことでした。1回出して反応がなくても、2回3回と続けるうちに認知が積み上がり、来店につながっていく。これは飲食店でも同じです。
再来店を作る STEP 1
来店後3日以内にハガキDMを送る
「来てくれてありがとう」という一言と、次回来店のきっかけになる情報(季節メニューの案内など)を手書きで一言添えて送る。デジタルでなく「紙」が手元に届くことの重さを、あなどらないでほしいのです。
⚠️ よくある失敗:「効果が出るまで続けよう」という気持ちが持てず、2〜3回で止めてしまう。効果は積み上がるもので、すぐには出ません。
再来店を作る STEP 2
月1回のニュースレターを配る
店主の近況・季節のおすすめ・生産者の紹介など、「あなたのお店らしい情報」を1枚にまとめて、来店客に手渡しまたは郵送する。ニュースレターの目的は「売ること」ではなく「関係を長くすること」です。
⚠️ よくある失敗:最初から完璧なものを作ろうとして、結局1枚も出ないまま終わる。B5一枚・手書きでも構いません。まず出すことが大事。
新規客を増やす STEP 3
Googleビジネスプロフィールを週1回更新する
写真・投稿・口コミへの返信をコンスタントに続けることで、Googleのローカル検索での露出が上がります。「静岡 居酒屋」「清水 ランチ」など地域名+業態での検索にヒットしやすくなる。
⚠️ よくある失敗:最初に登録して放置してしまう。更新を止めた瞬間から、他の店に順位を抜かれていきます。
「お金を掛けずに売上を伸ばしたい、という声をよく聞きます。でも正直に言えば、その発想が一番の遠回りです。学びと広告は投資。毎月続けることで顧客が創られ、売上が積み上がる。私自身がそれを身をもって経験してきましたから、自信を持ってお伝えできます。」
ハワードジョイマン(増益繁盛クラブ主宰)
まとめ:客数を増やしたいなら、まず「分解」から始める
飲食店の客数を増やしたいと思ったとき、最初にやることは施策を探すことではありません。売上を3系統に分解して、自店の弱点がどこにあるかを特定すること。それだけで、やるべきことがはっきりします。
客数・客単価・来店頻度のどれが弱いかが分かれば、紙の打ち手(チラシ・ハガキDM・POP・ニュースレター)、ネットの打ち手(Google広告・MEO・LINE・Instagram)、AI(販促文・画像・分析)を組み合わせて、的を絞って動ける。それを「すぐに」「継続して」やり切ることで、売上は運任せではなく意図的に作れるものになっていきます。
値下げやクーポンで集めたお客さんは、価格が変われば去ります。価値を伝えて、適正な単価で来てもらう。そういう店が長く続きます。
増益繁盛クラブでは、833件以上の指導実績(飲食店610件を含む)をもとに、あなたのお店の3系統を一緒に整理しながら、販促を仕組み化していくサポートをしています。「どの系統から手をつければいいか分からない」という段階から、一緒に考えますので、ひとりで抱え込まずにお声がけください。
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