3.儲かる販促と利益アップ

飲食店の高単価メニューを、自然に注文してもらう設計

「高いメニューを作っても、なかなか頼んでもらえない」

「お客さんに遠慮してもらっている気がして、プッシュもできない」

「客単価を上げたくても、値上げはリスクが怖い」

こういった悩みを持つ飲食店のオーナーさんは、本当に多いです。料理の腕も磨いてきた、仕入れにもこだわってきた。それなのに、せっかく作った渾身のメニューが「見えない場所に埋まったまま」になっている——。

今日お伝えするのは、そういうもどかしさを抱えたある飲食店が、高単価メニューの「見せ方・伝え方・並べ方」を設計し直しただけで、客単価と月商がどう変わったかという話です。

値下げもクーポンも、特別なSNSバズも、一切関係ありません。

📋 この記事でわかること

  1. 高単価メニューが「自然と選ばれない」本当の理由
  2. 注文率を上げるメニュー設計・POP・見せ方の具体的な手順
  3. 実際の成功事例(初期課題→施策→数字の変化)の詳細
  4. 再現性のある、あなたの店でも使えるポイント

こんな方におすすめ

  • ✅ 客単価を上げたいが、値上げには踏み切れていない方
  • ✅ 高単価メニューを作っても注文が入らず悩んでいる方
  • ✅ クーポンや値引きに頼らず利益を残したい飲食店オーナーの方
  • ✅ メニュー構成やPOPを見直してみたい方
  • ✅ 忙しく働いているのに手元にお金が残らないと感じている方
飲食店の高単価メニューを、自然に注文してもらう設計 | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

「値段が高いから売れない」は、本当にそうなのか

よく聞く言葉です。「うちのお客さん層は単価に敏感だから」「このエリアで高いメニューを出しても無理」。

でも、少し立ち止まって考えてみてほしいんです。

その「高単価メニューが売れない」状態は、本当に価格の問題でしょうか。それとも、そのメニューの価値がきちんと伝わっていないだけではないでしょうか。

私がこれまで飲食店610件以上を指導してきた中でわかってきたのは、高単価メニューが売れない店のほとんどが、価格設定ではなく「伝達の設計」に問題があるということです。

メニューブックの中にひっそりと載っているだけ。値段だけが書いてあって、なぜその価格なのかが書いていない。スタッフが自信を持って勧めていない。テーブルのPOPが数年前に作ったもののまま——。

これでは、お客さんが「高いかな」と感じてしまうのは当然です。価値が見えないから、値段だけが目立つ。

逆に言えば、価値をきちんと見せる設計をすれば、高単価メニューでも自然に選ばれるようになります。実際にそれをやった店の話を、これから紹介します。

ある居酒屋の事例:「看板メニューが存在していなかった」問題

ある地方都市の居酒屋さんの話です(詳細は会員保護のため匿名にしています)。

月商はおよそ350万円。料理のクオリティには定評があり、常連のお客さんからは「うまい」と言われ続けてきた。ところが、売上はここ数年ほぼ横ばい。新規のお客さんも来るにはくるのですが、単価が上がらない。

オーナーさんが最初におっしゃっていたのが、「高い料理を勧めるのは押しつけになる気がして」という言葉でした。この遠慮こそが、売上の天井を作っていた原因のひとつだったんです。

初期の課題を整理すると、こうなります。

  • メニューブックに高単価の料理が載っているが、「なぜその値段か」が書かれていない
  • 看板メニューが設定されておらず、お客さんが何を頼めばいいかわからない
  • テーブルPOPがほぼゼロ。特別な料理があっても、座った時点では視野に入らない
  • スタッフが高単価メニューを「勧めにくい」と思っていて、声に出してもらえない

このオーナーさん、決して努力が足りなかったわけじゃないんです。むしろ料理への情熱は人一倍ある。ただ、その情熱がお客さんに届く経路が設計されていなかったというだけでした。

実際に行った施策:3つの設計変更

では、具体的に何を変えたのか。大きく3つです。

チェックポイント1:看板メニューを「1品」に絞る

最初にやったのは、店として「これを食べてほしい」という1品を明確に決めることでした。それまでは、高単価のメニューが複数あって、どれも「目玉」のように書かれていた。これではお客さんの目が定まらない。「なんとなく安い方」に流れていくのは、選択肢が多すぎて判断を避けた結果でもあります。

✅ ポイント:看板メニューは「1〜2品」に絞って打ち出す。全部を目立たせようとすると、何も目立たない。選ばせるのではなく、「これが当店のイチオシです」とこちらから決めて伝えていく。

チェックポイント2:テーブルPOPで「なぜこの価格か」を語る

次に着手したのがPOPです。ポイントは「値段の説明」ではなく、「価値の物語」を書くこと。産地はどこか、どんなこだわりで仕入れているのか、この料理に込めたオーナーの思いは何か——。そういう背景がひとことでも書いてあるだけで、お客さんの受け取り方がまったく変わります。

✅ ポイント:POPに書くのは「スペック(◯◯産・◯◯グラム)」より「意味(だから美味しい・だからこの価格)」を先に。読んで「へえ、それなら食べてみたい」と思ってもらえるかどうかが基準。

チェックポイント3:スタッフの「一言紹介」を仕込む

最後に手をつけたのが、オーダーを取る時のスタッフの導線です。「何にしますか?」から「本日は◯◯が特に美味しいですよ」のひとこと添えるだけで、注文率は変わります。ただし、スタッフが自分でそのメニューを食べていないと、この言葉に力が出ない。まずオーナーがスタッフに食べてもらう機会を作り、感想を共有する場を設けました。

✅ ポイント:売ることより先に、スタッフがそのメニューを「好きになれる状態」を作ること。売る気なく語られる言葉は、お客さんには伝わらない。

✓ ここまでのポイント

  • 高単価メニューが売れない原因は価格ではなく、価値の伝達設計が整っていないことがほとんど
  • 看板メニューを絞り、POPで価値の物語を伝え、スタッフが自信を持って勧められる状態を作る
  • 3つの設計変更はいずれも「お金をかけない」のではなく「伝える仕組みを作る」アプローチ

結果として、何が変わったか

これらの施策を実施してから6ヶ月後、この居酒屋の月商は350万円から620万円に伸びました。チラシとGoogle広告も並行して活用していますが、客単価が1,400円以上アップしたのは、こうしたメニュー設計とPOPの見直しによる効果が大きかったです。

「チラシやGoogle広告で新規のお客さんが来てくれるようになったのに加えて、1組あたりの注文金額が上がったのが大きかったです。同じ席数でも、売上がこんなに変わるんだと驚きました」

飲食店オーナー(居酒屋、40代・男性)

新規客を増やすことと、客単価を上げること。この2つが同時に動いたことで、月商が一気に跳ね上がる結果になりました。

「売上は意図的に作れます。客数・客単価・来店頻度の3つのどこに手を入れるかを決めて、それぞれに打ち手を用意するだけです。高単価メニューを売ることは『押しつけ』ではない。その料理が持つ価値をきちんと伝えることは、お客さんへの誠実なサービスです」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

この事例から取り出せる、再現性のあるポイント

この事例が「特別なケース」ではないと思っているのは、同じ構造が他の店でも繰り返されているからです。

❌ よくあるパターン:「価格を下げないと注文が入らない」

  • 値段だけが目立って、価値が見えない状態になっている
  • 高単価メニューが「なんとなく高い料理」として認識されている
  • スタッフも遠慮して勧められず、お客さんも気づかないまま帰る

✅ 推奨アプローチ:「価値を伝える設計を整える」

  • 看板メニューを1〜2品に絞って明確に打ち出す
  • POPにそのメニューの背景・こだわり・物語を添える
  • スタッフがメニューを好きになれる仕組みを作り、自然な一言紹介が生まれる状態にする
  • メニューブックのレイアウトを「目が止まりやすい場所に高単価を配置する」設計に変える

もうひとつ伝えたいのは、これらは全部「今すぐ、お金をかけずに始められる」という話ではないということです。

POPを作るにも時間と材料が要る。スタッフに試食してもらうにもコストがかかる。でも、そこにきちんと投資するから、返ってくるものがある。「お金をかけずに売上を伸ばす」という発想で動いている限り、客単価はずっと上がりません。

「美味しいものが1,000円でお腹いっぱい食べられる店より、同じ食材を3,000円で出している店の方が利益が残ります。その差を生むのは、料理の腕より『伝え方の設計』です」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

「POPとメニュー設計を見直してから、お客さんが自分からあの料理を指差して『これ食べたい』と言ってくれるようになりました。値引きじゃなくて、ちゃんと価値で選んでもらえているんだなと実感しています」

小売店・アパレルオーナー(40代・女性)

まとめ:高単価メニューの設計は、「遠慮をやめること」から始まる

高いメニューを自然に注文してもらうために必要なのは、強引な売り込みでも、派手なプロモーションでもありません。

自分の料理の価値をきちんと言葉にして、お客さんの目に届く場所に置く。それだけです。遠慮して黙っていたら、価値は伝わらない。伝わらないから選ばれない。選ばれないから「高いから売れない」という結論に誤って着地してしまう。

看板メニューを1品決める。POPに物語を書く。スタッフが自信を持って口にできる状態を作る。この3つから始めてみてください。

客単価が上がれば、同じ席数・同じ労働時間でも、手元に残るお金がまったく変わってきます。

増益繁盛クラブでは、こうしたメニュー設計・POP制作・客単価アップの取り組みを、業種と店舗の規模に合わせて一緒に進めています。「何から手をつければいいかわからない」という方も、まずは情報収集のところから気軽に始めていただければと思います。

繁盛店ポータル無料アカウント開設では、集客・販促・客単価アップに関する情報を随時お届けしています。登録は無料ですので、ぜひのぞいてみてください。

また、より具体的に取り組んでいきたい方は、こちらもあわせてご確認ください。

着実に繁盛店を目指すあなたへ

高単価メニューで利益を残す設計、ぜひ一緒に整えましょう。お気軽にどうぞ。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

-3.儲かる販促と利益アップ