「税理士さんには毎月会っているけど、経営の相談をしても『売上を増やしてください』しか返ってこない」
こういう話、経営者さんからよく聞きます。数字は見てもらえる。でも、どうやって売上を増やすのか、どう利益構造を変えるのか、そこについては誰も具体的なことを教えてくれない。
一方で、「中小企業診断士に相談したい」と思っても、「どんなことをやってくれる人なんだろう」「うちみたいな小さな飲食店でも意味があるのかな」と、踏み出せずにいる方も多いです。
今回は、飲食店の経営に中小企業診断士が入るとどう変わるのか、そして「現場感覚を持っているかどうか」が相談相手選びで決定的に重要である理由を、具体的にお伝えします。
📋 この記事でわかること
- 中小企業診断士に相談できる内容と、税理士・銀行との違い
- 「制度だけ知っている」相談相手と「現場感覚もある」相談相手の差
- 補助金・販促・利益構造など、飲食店が相談して効果が出やすい領域
- 相談する前に自分の店で確認しておくべきチェックポイント
こんな方におすすめ
- ✅ 税理士や銀行員には話せない「売上・利益の本質的な悩み」を抱えている飲食店オーナーさん
- ✅ 補助金や助成金の存在は知っているが、何から手をつければいいかわからない方
- ✅ 値引きに頼らず、もっと利益の残る経営にシフトしたいと考えている方
- ✅ 中小企業診断士への相談をぼんやり考えていたが、具体的なメリットがイメージできていない方
- ✅ 静岡県内および全国で、現場感覚のある経営アドバイスを探している飲食店オーナーさん

税理士・銀行と中小企業診断士、何が違うのか
まず整理しておきたいのが、相談相手によって「見ている景色」がまったく違うという点です。
税理士さんが見ているのは、基本的に「過去の数字」です。先月の売上、今期の利益、来年の納税額。これは大切な情報ですが、「来月の売上をどう伸ばすか」「メニュー表をどう変えれば客単価が上がるか」という問いには、税理士の専門領域外になります。
銀行の担当者は「融資の可否」と「返済能力」を中心に見ています。経営改善の提案をしてくれることもありますが、それは銀行の立場からの提案であって、オーナーの利益を最優先した提案かどうかは別の話です。
中小企業診断士は何をするかというと、「今の経営の状態を診断して、どこに手を打てば利益が伸びるかを一緒に考える」専門家です。これが最もシンプルな定義です。
ただし、ここが重要なのですが、中小企業診断士の資格があるだけでは不十分なんです。
❌ 制度知識だけの相談相手
- 補助金の種類は知っているが、飲食店の現場でどう使えばいいかのイメージがない
- 財務分析はできるが、「POPをどう変えれば今週末から売上が変わるか」という話ができない
- 「売上を増やしましょう」というアドバイスは出るが、具体的な打ち手が出てこない
✅ 現場感覚も持っている相談相手
- 飲食店の実態(繁忙期と閑散期の波、仕込みの負荷、席数と回転率の関係)をリアルに把握している
- 制度の知識を現場の打ち手に変換できる(例:補助金でモバイルオーダーを入れて、注文点数を上げながら少人数運営を実現する)
- 「この月に何を仕掛けて、翌月に何を刈り取るか」という時間軸で計画を立てられる
私自身、中小企業診断士の資格を取る前の6年間、昼は市役所、夜は受験勉強、週末はイタリアンレストランで無給修行という生活を続けていました。資格勉強と同時に、実際の厨房と接客の現場に立っていたことは、今でも相談業務の土台になっています。
「制度を知っているだけの人間と、現場を知っている人間とでは、同じ情報を伝えても全然違う着地点になる。飲食店の相談に乗るには、オーダーが集中する金曜夜の厨房の空気感を体で知っていないといけない」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経済産業省登録番号 402345)
飲食店が「診断士に相談して良かった」と感じやすい3つの領域
具体的にどんな相談が効果につながりやすいか、領域別に整理します。
① 売上の構造を分解して「穴」を特定する
多くの飲食店オーナーさんが「売上=客数×客単価」という2つの変数でしか売上を見ていません。でも実際は、売上には7つの軸があります。
①入店率、②購入率、③購入点数、④客単価、⑤来店回数、⑥来店タイミング、⑦新規客──この7つのどこに穴が開いているかによって、打つべき手がまったく変わってきます。
「新規客が少ない」と思い込んでいたら、実は「来てくれているのに入店せず帰っている」入店率の問題だったというケースは珍しくありません。あるコーヒー店では、店前の照明を周りの店より明るくして看板を整備しただけで、店内飲食の売上が月7万円から32万円に跳ね上がりました。
現場を知っている診断士であれば、「どの軸に今すぐ手を打つべきか」を短時間で特定できます。
② 補助金・助成金を「使うだけで終わらせない」活用
補助金を取ること自体を目的にしてしまうのが、一番もったいないパターンです。補助金はあくまでも「自己資金では踏み切れない投資を前倒しするためのブースター」です。
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)として、私が補助金相談で必ず確認するのは「補助金で何を入れて、それをどう売上と利益に結びつけるか」の設計図です。設備だけ入れて販促の仕組みが変わらなければ、補助金分のお金を使って現状維持になるだけです。
逆に、モバイルオーダー導入の補助金を使って注文点数を増やしながら少人数運営を実現したり、店舗改装の補助金で客単価が上がるレイアウトに変えたりすれば、補助金の効果が何倍にもなります。
③ 利益構造を「集客商品と収益商品」に分けて再設計する
忙しいのにお金が残らない飲食店の多くは、「集客のために値引きして客を集め、その客に高い商品を提案できていない」構造に陥っています。
集客商品(目玉メニュー)で人を集め、関連商品・プレミアムコースで利益を取る──この分け方を設計するだけで、客数を増やさなくても利益が伸びます。さらに、新商品は既存商品より20%以上高く設定するルールを徹底すると、メニュー全体の単価は自然と上がっていきます。
✓ ここまでのポイント
- 税理士・銀行は「過去の数字」と「融資判断」が中心。現場の打ち手を一緒に考えてくれるのは、現場感覚を持った中小企業診断士の役割
- 売上は7つの軸に分解して「どの軸に穴があるか」を特定してから手を打つのが鉄則
- 補助金は取ることが目的ではなく、「何に使って、どう利益に結びつけるか」まで設計して初めて意味がある
相談前に自分の店で確認しておきたいチェックポイント
診断士に相談する前に、自分の店の現状を把握しておくと、相談の質が格段に上がります。以下のポイントで確認してみてください。
チェックポイント1:売上の中身を分解できているか
「今月の売上は○○万円」は把握していても、「入店率はどのくらいか」「1組あたりの購入点数は平均何品か」「新規客とリピーターの比率は?」となると答えられない経営者さんが多いです。
✅ ポイント:売上の7つの軸(入店率・購入率・購入点数・客単価・来店回数・来店タイミング・新規客)のうち、どれが把握できていないかをリストアップしてから相談に臨むと、診断が速い。
チェックポイント2:「値引きで集客」への依存度はどのくらいか
ホットペッパーのクーポンや期間限定割引での集客の割合が高い場合、それをやめたら客が来なくなるリスクがある状態です。
✅ ポイント:クーポン経由の客とリピーター客の比率を確認しておく。クーポン依存が高いほど、「値引きではなく価値で選ばれる」伝え方への切り替えが急務。
チェックポイント3:補助金・助成金を直近3年で活用できているか
「名前は聞いたことがあるが、実際に申請したことはない」という経営者さんが大半です。活用できていない理由(書類が難しい・どれが使えるか分からない)も把握しておくと相談が具体的になります。
✅ ポイント:「どの制度が自分の店に使えるか」の一覧を把握することが最初の一歩。中小企業診断士であれば制度の全体像を俯瞰できるため、取りこぼしをなくせる。
チェックポイント4:店主がいないと売上が落ちる構造になっていないか
オーナーが1日休んだら売上が下がる、という状態は「仕組みではなく人で回っている店」のサインです。
✅ ポイント:スタッフが接客・提案・次回予約まで一定水準でこなせているかを確認。標準化できていない部分が、相談で最初に手をつける場所になる。
「月商130万円だった焼き鳥店が230万円になった。赤字だった美容室が年商2倍になった。地方都市のパスタ店が前年比151万円増になった。こういう話を聞くと特別な店に見えるかもしれないけど、やったことはシンプルで、7つの軸のどこに穴があるかを特定して、2週間で3つだけ実行する、それを繰り返しただけです」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・経済産業省登録番号 402345)
「先生に相談する前は、販促といえばクーポンしか思い浮かびませんでした。メニューのネーミングを変えて、POPを貼り替えただけで、翌月から客単価が上がったときは正直驚きました」
焼き鳥店オーナー(月商130万円→230万円を達成)
「現場感覚×制度知識」の両輪が揃っているとどう変わるか
現場を知らない診断士に相談すると、「ターゲットを明確にしましょう」「差別化が重要です」といった正しいけれど実行できない抽象論になりやすいです。
一方で、制度を知らない現場感覚だけのアドバイスは、「補助金でこの設備が入れられたのに」「この融資制度を使えば今すぐ動けたのに」という機会損失が起きます。
両輪が揃っていると、こういう相談が成立します。
「今、閑散期の売上が落ちているので来月のハガキDMの打ち手を考えたい。同時に、次の繁忙期に向けてモバイルオーダーの補助金申請のタイミングも確認したい。あと、メニュー表のネーミングを見直してプレミアムコースを入れたい」
この3つの話が1回の相談でつながって動き始める。これが、現場感覚と制度知識の両方を持つ診断士に相談したときの体感です。
私、ハワードジョイマンは、静岡県清水市(現・静岡市清水区)生まれで、幼少期から家業の商売を身近に感じて育ち、大学時代はお笑い芸人として活動、週末はイタリアンレストランで修行、市役所勤務6年を経て中小企業診断士を取得後に独立という経歴を持っています。制度知識を持ちながら、現場の体感を言葉にできる経営者に向き合い続けて、今年で20年になります。
全国500社を超える飲食店・美容室オーナーが参加している「増益繁盛クラブ」、そして累計1,000店舗以上の実践成果を見てきた経験を、今も毎月の相談と教材に反映し続けています。
まとめ:まず「自分の店の穴」を一緒に特定するところから始めてください
中小企業診断士に相談するメリットは、制度の知識を持ちながら「今の現場で何が起きているか」を一緒に読み解けることです。ただし、その効果は「現場感覚があるかどうか」で大きく変わります。
税理士に話しても返ってこない、銀行員に話しても的外れな答えが来る──そういう経営の悩みは、現場感覚と制度知識の両輪を持つ相談相手に持っていくのが一番です。
まずできることは、自分の店の売上を7つの軸で分解して、どこに穴があるかを特定することです。そのうえで「今すぐ打てる手」を2週間で3つだけ実行する。年間72の打ち手を重ねた店が、月商230万円、年商2倍、前年比151万円増という成果を出してきた現実があります。
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