飲食店の会員制を導入する前に、まず「未来計画表」で仮の会員化を試してください

「会員制を導入したいんですけど、システム費用もかかるし、何から手をつければいいかわからなくて…」

こういった相談、飲食店オーナーさんからよくいただきます。会員制への興味はある。でも、ポイントカードシステムを入れるのか、アプリを作るのか、月額課金の仕組みが要るのか…考え出すと頭が痛くなってしまう。

わかりますよね。実際、会員制の「形」を作ることばかりに意識が向いて、結局何もできずに時間だけが過ぎていく──これがほとんどのパターンです。

でも、本当に必要なのは「システム」じゃありません。今いるお客さんが次もまた来てくれる理由を作ることです。そして、それを今すぐ、お金をかけずに試せる方法があります。それが「未来計画表」を使った仮の会員化です。

📋 この記事でわかること

  1. なぜ飲食店の来店回数が伸びないのか、その本当の原因
  2. 「未来計画表」で仮の会員化を実現する具体的なやり方
  3. 仮の会員化を試したうえで、本格的な会員制に移行するステップ
  4. 来店回数アップが利益に直結するメカニズム

こんな方におすすめ

  • ✅ 会員制を導入したいが費用や手間が心配な飲食店オーナーさん
  • ✅ リピーターは一定いるのに、来店頻度がなかなか上がらない方
  • ✅ ポイントカードを配っているが、あまり効果を感じていない方
  • ✅ 新規集客よりも、今のお客さんとの関係を深めたい方
  • ✅ 売上の波が大きく、閑散期の落ち込みをどうにかしたい方
飲食店の会員制を導入する前に、まず「未来計画表」で仮の会員化を試してください | 販促アイデア100選
目次

「次また来たいな」だけでは来てくれない、これが現実です

お客さんが帰り際に「また来ます!」と言ってくれる。オーナーとしてこれほど嬉しい言葉はないですよね。でも、実際に次の来店につながる確率は、何もしなければ驚くほど低いです。

なぜか。それは、お客さん側には来店の「タイミング」が決まっていないからです。「また行こうかな」とぼんやり思っていても、日常に戻ればすぐに忘れてしまう。他のお店の情報が目に入る。気づけば3ヶ月、半年が経っている──これが現実です。

売上を「7つの軸」で分解すると、来店回数と来店タイミングは独立したレバーになっています。つまり、新規客を増やすことと、今いるお客さんに何度も来てもらうことは、まったく別の取り組みが必要だということです。

多くの飲食店が新規集客にばかり力を入れる一方で、来店タイミングをコントロールする仕組みを持っていない。ここに大きな穴があります。

❌ よくあるパターン

  • 「また来てね」と声をかけるだけで、次回来店の約束を取らない
  • ポイントカードを渡しているが、次に来る理由としては弱い
  • リピート促進はホットペッパーのクーポン頼みで、来るたびに値引きが必要な状態になっている
  • 閑散期になると焦って値引きキャンペーンを打ち、価格感度の高い客ばかりが集まる悪循環に入っている

✅ 目指すべき状態

  • お客さんとの間で「次はいつ頃来る」がその場で決まっている
  • 来店ペースがある程度読めるので、仕入れや人員配置が最適化できる
  • 値引きなしで、自然と来店回数が増えていく仕組みがある

「未来計画表」とは何か、なぜ仮の会員化になるのか

未来計画表というのは、お客さんと一緒に「今後の来店ペース」を共有するシートです。美容室や整体院では「おしゃれ計画表」「施術計画表」として使われていますが、飲食店でも考え方はまったく同じです。

具体的にはこういうものです。

たとえば焼き鳥店で、常連に近いお客さんが来てくれた時。会計のタイミングで「今日はありがとうございます。よければ、次はどのくらいのタイミングで来ていただけそうですか?」と一言聞いてみる。「来月の終わりごろかな」と言ったら、「では11月の下旬ですね。その頃に新メニューも出る予定なので、ぜひ!」と返して、お客さんの名前と来店予定時期をシートに書いておく。

これだけです。

システムも、アプリも、ポイント管理も要りません。A4の紙1枚で始められます。

これが「仮の会員化」になる理由は、次の2点です。

まず、お客さんとの間に「次の来店という約束」が生まれます。これは、会員制の本質である「継続的なつながり」そのものです。ポイントカードは来店後に押すものですが、未来計画表は次の来店を事前に設計するもの。この違いは非常に大きい。

次に、お店側に「来月誰が来そうか」が見えるようになります。売上予測の精度が上がると、無駄な仕入れが減り、閑散期に焦って値引きをする必要もなくなっていきます。

「会員制の仕組みを作る前に、まず今いるお客さんと『次の約束』をしてください。それができれば、すでに会員制の本質は手に入っています。システムはその後でも遅くない。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・販促アイデア100選)

✓ ここまでのポイント

  • 来店回数が伸びない原因は「来店タイミングをお客さん任せにしている」こと
  • 未来計画表は、紙1枚でできる「仮の会員化」。システム不要、今日から使える
  • 次の来店の約束をその場で取ることで、売上予測の精度も上がる

今日からできる、未来計画表の始め方

チェックポイント1:対象にするお客さんを絞る

まず全員に使おうとしないでください。初来店の方や一見さんではなく、2回以上来たことがあるお客さんから始めましょう。すでに一定の信頼関係がある方ほど、「次の約束」を自然に受け入れてもらいやすいです。

✅ ポイント:全員対象にしようとすると会話のタイミングが難しくなります。まず「常連になりかけている方」に絞って試してみてください。

チェックポイント2:聞き方のテンプレートを用意する

スタッフに「次回いつ来ますか?と聞いて」と伝えるだけでは動けません。具体的な声かけの言葉を用意してください。たとえば「次回はどのくらいのペースでご来店いただけそうですか?」「来月、季節のお鍋が始まるので、ぜひ!」といった一言があると、スタッフも会話に入りやすい。

✅ ポイント:来店頻度を聞く会話の中に「次に来る理由(新メニュー・季節の変わり目・イベント)」をセットで伝えると、お客さんも前向きに応えてくれます。

チェックポイント3:記録をシンプルに保つ

お客さんの名前と「来月・再来月・3ヶ月後」のいずれかのざっくりした来店時期だけ書ければ十分です。最初からデータベース化しようとしない。ノートでも、エクセルでも、ホワイトボードでも構いません。「見える化」されていれば機能します。

✅ ポイント:月の半ばに「今月来る予定のお客さんを確認する」習慣を作ると、来店が途絶えていた方へのフォロー(LINEやハガキDM)のきっかけにもなります。

この3つだけで始められます。仕組みが複雑であるほど、続きません。シンプルに、まずやってみることです。

「月商130万円から230万円に成長した焼き鳥店のオーナーさんが最初に変えたのも、来店タイミングの管理でした。高価なシステムは使わず、手書きのシートから始めた。それだけで3ヶ月後には売上の波が読めるようになって、閑散期の焦りがなくなったとおっしゃっていました。」

ハワードジョイマン(中小企業診断士・販促アイデア100選)

仮の会員化が定着してから、本格的な会員制へ移行する

未来計画表を使って「次の約束を取る」習慣が店全体に根付いてきたら、そのタイミングで初めて本格的な会員制の設計を考えてください。順番がとても大事です。

会員制移行 STEP 1

仮の会員化で「来店回数が増えるお客さんの属性」を把握する

3ヶ月間、未来計画表を使って気づくことがあります。「こういう来店動機を持っているお客さんは、次の約束をしやすい」「この業態・この客層は来店ペースが速い」といった傾向です。この肌感覚が、会員制の設計に直結します。どんな特典を用意すれば喜ばれるか、月いくらの会費なら続けてもらえるか、が見えてきます。

⚠️ よくある失敗:仮の会員化をスキップして最初から月額制の設計をしようとすると、ターゲットとなる会員像がぼんやりしたまま制度だけが先行します。その結果、会員になってもらった後で「思ったより来てもらえない」「特典が喜ばれない」という事態が起きます。

会員制移行 STEP 2

「集客商品」と「会員だけの収益商品」を分けて設計する

会員制の肝は「会員だから得られる特別感」です。全員に同じサービスをしていては、会員になる理由が生まれません。ボトルキープ・コース料理の先行予約権・季節限定メニューの先行提供など、「会員だけが知っている・使える・楽しめる」ものを集客商品とは別に設計してください。

⚠️ よくある失敗:割引特典だけを会員メリットにしてしまうと、値引きに反応する客だけが会員になります。こうなると「会員に安く売って、利益が減る」という最悪のパターンになります。値引きではなく「体験の特別感」で設計することが重要です。

会員制移行 STEP 3

前払い・定額の仕組みを入れてキャッシュを先取りする

会員制の最大のメリットは、入金タイミングを早められることです。回数券・コース料金の前払い・定額し放題など「先にお金をいただく」設計を入れることで、閑散期でも手元のお金が安定します。繁忙期に顧客母数を増やし、閑散期は会員の前払い分で下支えする。この構造ができると、売上の波に振り回されなくなります。

⚠️ よくある失敗:前払いを入れようとする前に、来店ペースが読めていない状態では設計ができません。STEP 1の仮の会員化で来店サイクルを把握してから設計してください。

来店回数が増えると、なぜ利益が伸びるのか

最後にここを確認させてください。来店回数を増やすことが、なぜ「利益」に直結するのか。

新規客を1人集めるコストと、既存客に再来店してもらうコストは、一般的に5倍以上の差があると言われています。つまり、今いるお客さんに来てもらうことは、新規客獲得よりコストが圧倒的に低い。

さらに、来店回数が増えたお客さんは、物販も買うし、友人を連れてくるし、クレームも少ない。値引き客との生涯価値の差は7倍以上にもなります。

あなたのお店に今月来てくれた100人のお客さんの来店回数が、年間で平均1回増えたとします。客単価が5,000円だったとして、それだけで年間50万円の売上増です。広告費ゼロで、です。

「ジョイマン先生に教わった未来計画表を使い始めてから、お客さんの顔が浮かぶようになりました。来月来てくれそうな方が分かると、仕込みも気持ちも全然違う。そしたら3ヶ月で月商が100万円近く伸びていました。」

焼き鳥店オーナー(月商130万円→230万円へ成長)

まとめ:会員制の前に、まず「次の約束」を1人と結んでください

会員制のシステムを入れる前にやることは、たった1つです。今日来てくれたお客さんに「次はどのくらいのタイミングでご来店されそうですか?」と聞いて、その来店時期を紙に書き留める。これが未来計画表の第一歩であり、仮の会員化の始まりです。

まず1人、試してみてください。慣れてきたら5人、10人と広げていく。2週間でこの習慣が店のスタッフ全員に根付けば、翌月の売上予測が見えてきます。そこから本格的な会員制設計へ進めばいい。

「値引きではなく価値で選ばれる」店を作るための第一歩は、お客さんとの関係を深めることです。関係が深まれば、次の来店は自然に生まれます。お金も手間もかかる大がかりな仕組みより、この小さな習慣の積み重ねの方が、よほど強力です。

飲食店の来店回数アップや会員制設計について、もう少し具体的に考えてみたい方には、まず無料の教材からお読みいただくのがおすすめです。お気軽にご活用ください。

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個別に相談したい方は、LINEからでも気軽にお声がけいただけます。静岡市清水区を拠点に、全国の飲食店・美容室オーナーさんのご相談に対応しています。お気軽にどうぞ。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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