飲食店が価値で選ばれるお店になるために、店主が今日から言葉にすべきこと

梅雨が明けると、静岡でも夏の観光客の動きが一気に活発になりますよね。清水港周辺の飲食店さんから「夏場はにぎわうんですが、秋以降にリピートが続かなくて…」という声をよく聞きます。観光のついでに来てくれたお客さんが、また来てくれる理由をつくれているか。これ、実は観光地に限らず、全国の飲食店オーナーさんが直面している問題でもあります。

そしてその原因のほとんどが、「料理のうまさは伝わっているのに、お店の価値が言葉になっていない」という一点に集約されます。今回の記事では、実際にお客様からいただいた声をもとに、その問題を具体的に解きほぐしていきます。

飲食店が価値で選ばれるお店になるために、店主が今日から言葉にすべきこと | 販促アイデア100選
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「美味しかったけど、また来るかどうかは…」という感想の正体

以前、こんな声をいただいたことがあります。焼き鳥店のオーナーさんからです。

「お客さんに『美味しかった』とは言ってもらえるんです。でも、それ以上の感想がない。次の予約につながらないし、誰かに紹介してもらった話も聞かない。なぜなのか、ずっとわからなかった」

このオーナーさん、料理の腕は確かで、地元の養鶏場と直接契約して仕入れていました。でも、それがお客さんに一切伝わっていなかったんです。メニュー表には「焼き鳥各種」と書いてあるだけ。看板にも「旨い焼き鳥」と書いてあるだけ。

「美味しかった」で止まるのは、お客さんが悪いわけじゃないんですよね。伝える言葉がなかったから、お客さんも次の行動に移れなかっただけです。

「美味しい」はどのお店も言っています。でも「なぜ美味しいのか」「どんなこだわりがあるのか」「どんなお客さんに食べてほしいのか」を言葉にしているお店は、まだまだ少ない。そこに大きなチャンスがあります。

「言葉にしたら客単価が上がった」という実際の声

別の経営者さん、都内のイタリアンレストランのオーナーからこんな話を聞かせていただきました。

「ジョイマンさんに言われて、メニュー表を全部書き直したんです。『シェフ自家製の手打ちパスタ』を『小麦粉を48時間寝かせて、毎朝シェフが手でのばす生パスタ』に変えた。それだけで、そのメニューを頼む人が増えて、客単価が800円上がりました」

これが「ご利益中心のネーミング」の威力です。お客さんに伝えるのは「何を出しているか」ではなく、「どんな手間と時間をかけているか」「食べるとどうなるか」です。

「手打ちパスタ」という言葉は業界では当たり前すぎて刺さらない。でも「48時間寝かせて毎朝手でのばす」と書かれると、初めて来たお客さんでも「これは注文してみたい」と感じるわけです。

ターゲットは常に初心者です。玄人相手の訴求をしても、反応するのは食べ歩き系の一見客ばかりで、リピートにはつながりません。お店のこだわりを、料理を知らない人にも伝わる言葉に翻訳することが大事なんです。

「価値を言葉にする」ための3つの切り口

では具体的に、どんな言葉をどこに置けばいいのか。お客様の声をもとに整理すると、効果が高い切り口は3つです。

①手間と時間を数字で書く

「丁寧に仕込んだ」では誰にも刺さりません。「16時間かけてコツコツ煮込んだ」と書いてはじめて、読んだ人の頭の中に映像が浮かびます。地元の生産者から仕入れているなら「○○市の農家・田中さんが育てた野菜だけを使用」と固有名詞で書く。修業年数があるなら「18年間毎日炭火を扱ってきた職人が焼く」と書く。

数字と固有名詞は、一番速く価値を伝える言葉です。

②お客さんの声をビフォーアフター形式で置く

「お客様の声」をただ貼るだけでは弱い。「最初は普通の居酒屋だと思って入ったのに、出てくる料理が全然違って驚きました」「こんなコスパで食べていいの?と友達と話しながら帰りました」のように、入店前と食後でどう気持ちが変わったかが見えると、初めて来るお客さんは安心して注文できます。

浜松のとんかつ専門店のオーナーさんが「お客様の声カードをテーブルに1枚置いただけで、追加注文が増えた」とおっしゃっていました。お客さんの言葉は、どんなキャッチコピーよりも信頼されます。

③「誰のためのメニューか」を明示する

万人向けのメニュー表は、誰にも刺さりません。「接待でご利用のお客様へ」「ひとりでゆっくり飲みたい方はこちら」「記念日のご予約はこのコースが一番人気です」というように、メニューや空間の使い方を「誰のためのものか」で分けて伝える。

こだわり系居酒屋の経営者さんから「コース名を『ちょっと贅沢なひとり飲みコース』に変えたら、一人客の来店が増えて、しかも滞在時間も長くなった」という報告をいただいたことがあります。名前を変えるだけで、そのメニューが誰に向けたものかが一瞬で伝わるんですよね。

「言葉にする」ことへの抵抗感をどう越えるか

ここまで読んで、「わかるけど、なんか恥ずかしい」「自分でこだわりを語るのはちょっと…」と感じた方もいると思います。

これ、すごくよく聞く感想です。でも正直に言うと、その「恥ずかしさ」の間に、お客さんはもう別のお店を選んでいます。

価値を言葉にするのは自慢ではありません。お客さんへの説明責任です。なぜこの値段なのか、なぜこの料理なのか、なぜこの食材なのか。それを伝えないまま「うちは価格が高いから」と諦めるのは、一番もったいない。

値引きで来るお客さんと、価値を理解して来るお客さんでは、長期的な売上貢献に7倍以上の差が出ます。値引きクーポンで集めたお客さんはクーポンがなくなれば消えますが、価値を理解して来てくれたお客さんは、友人を連れてまた来てくれます。

今の状態を維持したまま売上を伸ばそうとすると、どこかで必ず詰まります。「言葉にする」という一手を打つかどうかで、3年後の景色がまったく変わるんです。

まとめ:今日から始める「言葉にする」3ステップ

長くなりましたが、今日からできることを3つだけ挙げます。

  1. メニュー表の一番売れているメニューの説明文に、「手間・時間・産地」のどれか一つを数字で書き加える
  2. レジ横か卓上に、お客さんの声をビフォーアフター形式で1枚置く
  3. コース名・メニュー名を「誰のためのものか」がわかる言葉に変える

2週間でこの3つを実行するだけで、今すぐ目の前にいるお客さんへの伝わり方が変わります。新規集客よりも、入店してくれているお客さんへの伝え方を変える方が、圧倒的に早く手元の数字に反映されます。

月商130万円から230万円に成長した焼き鳥店も、前年比151万円の売上増を達成したパスタ店も、最初にやったのは派手な広告ではなく、こういう地味な「言葉の見直し」でした。質より量、とにかくバットを振っていきましょう。10回やって3つ当たれば十分です。

「うちの場合は何から手をつけたらいいか」「このメニュー表の表現、これでいいか見てほしい」という方は、ぜひ気軽に声をかけてください。飲食店の売上利益アップに直結する考え方を、無料の教材からまとめてお届けしています。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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