飲食店がクーポンを使わない集客へ切り替える時、絶対にやってはいけないこと
「ホットペッパーを止めたら、新規客がゼロになってしまった」
「クーポン目当ての客ばかりで、リピートが全然つかない」
「値引きをやめようとしたら、売上が一気に落ちて怖くて戻してしまった」
このどれかに「あ、うちの話だ」と感じた方は、ぜひ最後まで読んでください。
クーポン依存から抜け出したい、という気持ちは正しいです。ただ、切り替えるタイミングで「ある間違い」をやってしまうと、売上が急落するどころか、「やっぱりクーポンがないとダメだ」という誤った確信を持ってしまいます。そうなると、クーポンの沼から二度と抜け出せなくなる。
今回は、静岡市清水区を拠点に20年間、全国1,000店舗以上の飲食店支援に携わってきた経営コンサルタントの立場から、クーポンなし集客への切り替えで「絶対にやってはいけないこと」を具体的にお伝えします。

そもそも「クーポンをやめる」前に確認すべきこと
まず最初に正直に言います。クーポンをやめることそのものは、正しい方向です。ただ、「やめる」という判断より先に、確認しなければいけないことがあります。
それは、「今のお客さんリストを持っているかどうか」です。
クーポン経由で来店したお客さんは、ホットペッパーやグルメサイトの「資産」であって、あなたのお店の資産ではありません。掲載をやめた瞬間、あなたの手元には何も残らない。これがクーポン依存の本当の怖さです。
クーポンをやめる前に、まずLINE公式アカウントへの友だち追加、ハガキDM用の住所リスト、Googleマップへの口コミ誘導、この3つのどれか1つでも「自前の集客経路」を育てておく必要があります。この準備なしにクーポンをいきなり止めるのは、橋を渡り切る前に橋を燃やすようなものです。
絶対にやってはいけないこと① 「クーポンをやめて値段を戻す」だけで終わる
切り替えの失敗例で最も多いのが、「クーポンをやめた」→「価格を定価に戻した」→それだけ、というパターンです。
値引きをやめることと、価値を伝えることはまったく別の話です。クーポンがあった時、お客さんはその値引きに「お得感」という意味を見出していた。それを取り除くなら、代わりに「なぜこの値段なのか」を伝える仕組みが必要です。
具体的に言うと、メニュー表とPOPの書き方を変えることです。
例えば、「国産黒毛和牛のハンバーグ 1,800円」という表記は、価格しか語っていない。これを「地元農家・〇〇牧場から週2回直送。脂の甘みを活かすため、つなぎは最小限にして焼き上げる職人ハンバーグ 1,800円」と変えるだけで、同じ1,800円への反応がまったく変わります。
私が関わった静岡県内のある洋食店では、メニュー表の書き方をこの「ご利益中心ネーミング」に切り替えただけで、クーポンをやめた後も客単価が落ちませんでした。むしろ、3か月後には以前より100円以上客単価が上がっていた。値引きをやめる前に、価値の伝え方を変える。この順番が大事です。
絶対にやってはいけないこと② クーポンをやめるタイミングを「閑散期」にする
「繁忙期は忙しくて手が回らないから、閑散期に落ち着いてクーポンをやめよう」という考え方、よく聞きます。でも、これが最悪のタイミングです。
閑散期は、そもそもお客さんが少ない時期です。その状態でクーポンという集客装置をいきなり外すと、来客数が激減して「やっぱりクーポンがないとダメだ」という結論になってしまう。閑散期の落ち込みとクーポン廃止の影響が混在して、正しい判断ができなくなるんです。
切り替えるなら繁忙期の直前、もしくは繁忙期の入り口です。お客さんが多い時期に「クーポンなしで来てくれるお客さん」を増やし、LINEへの登録やリピートの仕組みを育てながら移行する。この順番でやれば、クーポンをやめた後も売上の底が抜けません。
「繁忙期こそ今の売上を守りたい」という気持ちはわかります。でも、繁忙期に来てくれるお客さんのうちの何割かを「次も来てくれるお客さん」に変える仕掛けを入れれば、閑散期の売上も自動的に底上げされます。これが長く繁盛するお店の構造です。
絶対にやってはいけないこと③ クーポン客を「全員切ろう」とする
クーポンの害を知ると、「クーポン客は全部切ってしまえ」という方向に振れる経営者さんがいます。気持ちはわかるんですが、これも間違いです。
クーポンで来てくれたお客さんの中にも、一定数「本当にこのお店が好きになった人」がいます。その人たちは、クーポンがなくなっても来てくれる可能性がある。問題は、その人たちとクーポン目当てだけの人を見分けて、前者に対して「次もぜひ来てください」とつながり続ける仕組みがない点です。
具体的には、会計時に「LINEを登録してくれた方には次回使えるドリンクサービスのご案内をお送りします」と伝える。これで、クーポン客の中から「自前のお客さん」を育てることができます。切るのではなく、仕分けをする。この発想が大事です。
ちなみに私が以前サポートした焼き鳥店では、月商130万円から230万円に伸ばした過程で、まさにこのプロセスを踏みました。ホットペッパー経由の客からLINE登録者を増やし、そこへのDM配信で再来店を促す。クーポンをやめてもその仕組みが機能していたから、売上は落ちるどころか伸びていったわけです。
切り替えを成功させる「最初の3つの行動」
難しいことをあれこれ考えるより、まず2週間でこの3つだけやってみてください。
①メニュー表の1品だけ、ご利益中心の書き方に変える
全部変えなくていいです。一番売りたい1品の説明文を「誰のための、どんな価値があるか」の書き方に変えてみてください。お客さんの反応が変わります。
②会計時にLINE登録の声がけを始める
スタッフ全員で統一した声がけを決めて、今日から始めてください。「登録してくれたら次回使えるサービスを送ります」という一言だけで登録率は変わります。
③店前看板に「美味しそうな写真と3つの言葉」を貼る
あるコーヒー店では、店頭の看板を変えただけで店内飲食の売上が月7万円から32万円に跳ね上がりました。今入っているお客さんへの打ち手より、まず「入りたいと思わせる」仕掛けを先に整えてください。
2週間でこの3つ。これを繰り返せば1か月で6つ、1年で72の打ち手が積み重なります。日本の飲食店で、年間72の販促改善を継続しているお店はほぼいません。だから少し続けるだけで、確実に差がついていくんです。
まとめ:切り替えの「怖さ」は準備で消える
クーポンをやめることへの怖さは、「何も準備していないまま外す怖さ」です。準備さえあれば、怖くない。
自前のお客さんリストを育てながら、価値の伝え方を整えながら、繁忙期のタイミングで少しずつ移行していく。この順番で進めれば、クーポンがなくても選ばれるお店になれます。値引きではなく価値で選ばれる状態、これが「がんばらない繁盛」の入り口です。
「うちの場合、何から手をつければいいか分からない」という方には、無料で読める教材をご用意しています。クーポン依存から抜け出した飲食店オーナーが実際にやってきたことをまとめた内容なので、ぜひ手に取ってみてください。
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