「年末年始やゴールデンウィークは満席になるのに、その後がガクッと落ちる」
「繁忙期に稼いでも、閑散期に全部溶けてしまう」
「閑散期だけ値引きクーポンを打ってみるけど、焼け石に水で手元に何も残らない」
こういう悩み、ありますよね。飲食店を経営しているほとんどのオーナーさんが、このサイクルに悩んでいます。わかります。
でも、多くの方が「閑散期対策」を閑散期になってから考え始める。これが最大の落とし穴です。
実は、閑散期の売上を底上げする一番効果的な方法は、閑散期に何かをするのではなく、繁忙期の売上を徹底的に伸ばすことです。
今回はその理由と、具体的にどう動けばいいかをお伝えします。

なぜ「繁忙期の最大化」が閑散期を救うのか
繁忙期と閑散期の関係を、こう考えてみてください。
繁忙期にたくさんのお客さんが来る。そのお客さんが「また来たい」と思えば、閑散期にも来てくれます。逆に、繁忙期に来たお客さんが「まあ普通だったな」で終わってしまえば、閑散期にわざわざあなたのお店を選ぶ理由がありません。
つまり、閑散期の売上の「母数」は、繁忙期に仕込まれているんです。
繁忙期に100人のお客さんを迎えて、そのうち30人がリピーターになってくれる店と、200人を迎えて30人がリピーターになる店では、閑散期の底力がまったく違います。繁忙期の絶対数を増やすだけで、閑散期に戻ってきてくれるお客さんの数も増える。これが基本的な仕組みです。
さらに言うと、閑散期に値引きクーポンで集めたお客さんは「値引きがあったから来た」人です。値引きがなくなったとき、その人たちは来ません。閑散期対策で値引きをすると、一瞬売上は立つけれど、次の閑散期にもまた値引きが必要になる。この悪循環から抜け出せないんですね。
繁忙期に「価値で選ばれるお客さん」を増やすほうが、よほど長続きする閑散期対策になります。
繁忙期にやるべき3つのことを知っていますか?
では、繁忙期に具体的に何をすればいいのか。売上を「7つの軸」に分解して考えると、打ち手が見えてきます。入店率・購入率・購入点数・客単価・来店回数・来店タイミング・新規客、この7つです。
ただ、全部一度に手をつけようとするとパンクします。繁忙期にやるべきことを3つに絞りました。
① 繁忙期こそ、その場で次回予約を取る
満席の賑わいの中でこそ、次回予約が最も取りやすいタイミングです。お客さんは気分よく食事をしている。このとき「次はいつ頃お越しになりますか?」と自然に声をかけるだけで、次の来店が確定します。
これを私は「未来計画表」と呼んでいますが、難しいことは何もありません。半年先までのカレンダーを見せながら、次回の来店ペースをお客さんと一緒に決めるだけです。
月商130万円から230万円に成長した焼き鳥店でも、この「その場で次回を決める」習慣が大きな転換点になりました。繁忙期に来てくれたお客さんを、そのまま閑散期の予約として転換する。これが一番費用のかからない閑散期対策です。
② 繁忙期に「関連商品」で利益を回収する設計をする
繁忙期は客数が増えるので、一人あたりの単価を少し上げるだけで売上と利益が大きく動きます。ここで大事なのは「値引きで集めた客数」ではなく、「来てくれたお客さんに追加で選んでもらう」という発想です。
例えば、集客の目玉メニューで人を呼んで、そこに関連商品(デザート・ドリンクのアップグレード・〆のメニュー)を自然に提案する。POPに「○○と一緒に注文する方が8割います」と書いておくだけで、スタッフが声をかけなくても購入率が上がります。
新商品を出すときは、既存商品より20%以上高い価格設定を徹底してください。これを店のルールにしておくと、繁忙期ごとにメニュー全体の単価が自然と上がっていきます。
③ 繁忙期にLINEやハガキDMのリストを育てる
繁忙期に来てくれたお客さんの情報(名前・連絡先・来店内容)をリスト化しておくことが、閑散期のハガキDMやLINE配信の母数になります。
「繁忙期は忙しいからそれどころじゃない」と後回しにする方が多いですが、これが一番もったいない。来てくれたときにリストに登録してもらう仕組みを先に作っておくことで、閑散期に「こんにちは、また来ませんか」とひと言届けられる。このとき届けるのは、値引きクーポンではなくお店のこだわりやオーナーの近況です。「値引きがあるから行こう」ではなく「あの店のオーナー、また面白いこと始めたな」で来てもらうのが理想です。
閑散期に値引きする前に計算してほしいこと
ここで一度、数字を見てみましょう。
例えば、客単価5,000円で月300人来ていた繁忙期が、閑散期には200人に落ちたとします。売上は150万円から100万円に落ちます。
ここで「閑散期に10%値引きして客数を取り戻そう」とすると、客単価は4,500円になります。300人に戻っても売上は135万円。しかも原価の比率は同じなので、利益は繁忙期より確実に落ちます。
一方、繁忙期に次回予約・関連商品提案・リスト構築を徹底した結果、閑散期の来店数が200人から250人に増えて、客単価が変わらず5,000円なら売上は125万円。値引きなしで利益率も保たれます。
どちらが筋肉質な経営かは明らかですよね。
閑散期に値引きで「穴を埋める」発想をやめて、繁忙期に「貯金を作る」発想に切り替えてください。
まず繁忙期前に準備しておくべきこと
繁忙期が始まってから「さあ次回予約を取ろう」「POPを作ろう」では間に合いません。忙しさに押し流されて、結局何もできないまま繁忙期が終わります。これ、経験ありますよね。
準備のポイントは3つだけです。
1. 次回予約を取るための声がけトークを決めておく。スタッフ全員が自然に言えるよう、3〜4行のトークスクリプトを用意する。
2. 関連商品のPOPを事前に作っておく。「本日の一番人気は○○です」「○○と一緒にご注文のお客様が多いです」このひと言を書いた紙を卓上に置くだけでも違います。
3. LINE登録やアンケート記入の導線を店内に貼っておく。忙しい繁忙期でも、来てくれたお客さんが自分でLINEを登録できる仕組みを作っておく。QRコードを卓上に置くだけでもOKです。
この3つを繁忙期の2週間前までに準備しておいてください。「2週間で3つだけ実行する」これが年間72の打ち手を積み重ねる経営者の基本スタイルです。
まとめ:繁忙期は「仕込みの季節」だと思ってください
閑散期の売上が低い根本原因は、閑散期ではなく繁忙期にあります。繁忙期に来てくれたお客さんをリピーターに変える仕組みを持っているかどうか。これだけで、閑散期の景色がまったく変わります。
値引きで閑散期を乗り越えようとすると、翌年の繁忙期もまた同じ課題が待っています。でも繁忙期に顧客母数を育てておけば、閑散期は毎年少しずつ底上げされていく。5年後の閑散期が、今年の繁忙期より賑やかになる──これが「がんばらない繁盛」の本質です。
今すぐ動ける方は、まず「次回予約の声がけトーク」を一つ決めることから始めてみてください。とにかくやってみてください。
「もっと具体的に自分のお店でどう動けばいいか知りたい」という方は、下の無料教材も参考にしてみてください。繁忙期・閑散期の売上設計を含めて、飲食店の利益を伸ばす考え方をまとめています。お気軽にどうぞ。
個別に相談したい方は、LINEからでもお気軽にどうぞ。お待ちしています。
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