飲食店の客単価の上げ方。時間を延ばすんじゃなくて「短くする」が正解です

飲食店オーナーさんに一つ聞かせてください。

客単価を上げようとするとき、「もっとゆっくり滞在してもらって、追加注文してもらえばいいんじゃないか」と考えたことはありませんか?

実は、これが落とし穴なんです。

回転率と単価の関係を数字で見ると、「滞在時間が長くなるほど1時間あたりの売上は下がる」という事実がある。ゆったり3時間過ごして追加ドリンク1杯頼んでもらうより、90分でコース料理をきっちり食べてもらったほうが、席あたりの利益は確実に上がる。

今日は、静岡市清水区を拠点に20年間、飲食店オーナーさんの売上・利益アップを支援してきた中小企業診断士のハワードジョイマンが、客単価を上げるための「本当の方向性」をお伝えします。キーワードは「短くする」です。


飲食店の客単価の上げ方。時間を延ばすんじゃなくて「短くする」が正解です | 販促アイデア100選
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「もっとゆっくりしてもらおう」という発想が、実は利益を削っている

私がよく相談を受けるのが、こんな状況です。

「席数は30席あるのに、月商がなかなか400万を超えない。もう少し滞在時間を延ばして、お酒をたくさん飲んでもらえれば…」

気持ちはわかります。でも計算してみてください。

1席あたりの平均滞在時間が2時間で客単価3,500円のお店と、滞在時間が90分で客単価4,500円のお店。後者のほうが1時間あたりの席売上はずっと高い。しかも回転数が上がるから、同じ席数でも月の売上がまったく変わってくる。

「でもうちは居心地のいい空間を売りにしているから…」という声も聞きます。居心地が良いのは大事。でも居心地の良さと、きっちり利益が残る仕組みは、別に矛盾しないんです。

問題は、「ゆっくり過ごせる=単価が上がる」という思い込みにあります。追加注文は「場の雰囲気」や「スタッフからの提案」で生まれるものであって、時間が長いから自然に増えるわけじゃない。


「時間を短くするほど値段が高い」は、世の中の常識

ここで一つ、考えてみてほしいことがあります。

新幹線と在来線、どちらが高いですか? 飛行機と船、どちらが高いですか? 翌日仕上がりのクリーニングと当日仕上がり、どちらが高いですか?

全部、短い方が高いですよね。

時間を短縮することに価値があるから、値段が高くなる。これは飲食の世界でも同じ原理が使えます。

例えば、ランチのビジネスコースを「45分で全品提供するスピードランチプラン」として打ち出すとします。忙しいビジネスパーソンにとって「時間内に確実に食べられる」という安心感は大きい価値です。だからそのプランは、通常のランチより少し高くても選んでもらえる。

逆に、通常のランチを値下げして集客しようとするのとは真逆の発想です。

値引きで来た客は、値引きがなくなれば消えていく。これは20年間で何度も見てきた現実です。でも「時間という価値」に共感して来てくれた客は、その価値が変わらない限り通い続けてくれます。


ハワードジョイマンが実際に飲食店オーナーに伝えている3つの打ち手

ここからが本題です。「短くして単価を上げる」を実際に形にするための、具体的な打ち手を3つ紹介します。

① 「時間を価値として打ち出す」メニュー・コースを一つ作る

今あるコースやランチメニューの中から一つ選んで、「○分以内に全品提供」を約束する上位プランとして組み直す。価格は既存より20%以上高く設定する。これが大事です。

新メニューは既存メニューより20%高くする、というのが私がお伝えしているルールです。理由はシンプルで、安くしても意味がない。新しいものを安く出すと「試してみようか」という客しか集まらず、リピートにつながりにくい。それより、新しいメニューの価値をしっかり価格に乗せたほうが、真剣に選んでもらえます。

② 「見せ球のプレミアムプラン」を置いて、既存メニューを相対的に安く見せる

これを私は「当て玉」と呼んでいます。例えば、今まで最高値が5,000円のコースだったとします。そこに、8,000円のプレミアムコースを一つ置く。すると、5,000円が「お手頃」に見える心理効果が生まれます。

実際、このプレミアムコースを積極的に売り込む必要はなくて、あるだけでいい。お客さんが「これに比べればこっちは安いな」と感じて、5,000円のコースを選びやすくなる。結果として客単価が上がる仕組みです。

これはある焼肉店オーナーさんが実践してくれて、平均単価が月内で800円以上上がったケースがありました。800円×席数×回転数×営業日数。計算してみると、月の利益への影響は相当大きい。

③ 手間と時間を「数字で見える化」したPOPを置く

「こだわりの素材を使っています」という書き方では、価値は伝わりにくい。具体的な数字に変えてください。

「48時間かけて仕込んだ自家製チャーシュー」「毎朝5時から3時間、職人が手打ちした麺」「仕入れから提供まで12時間以内の鮮魚のみ使用」──こういった書き方のほうが、お客さんの頭に価値が刻まれます。

値段が高い理由が「見える」から、値段に納得してもらいやすくなる。値引きなしで選んでもらえるようになる、というわけです。

POPやメニュー表は、スタッフが口で言わなくてもお店が勝手に価値を伝えてくれるツールです。全席に置けば、全席で同時に価値の訴求ができる。これが「頑張らない繁盛」の形の一つです。


「売上より利益を重視する」思考が、客単価を変える

私が長年一貫してお伝えしていることが一つあります。「売上より利益を重視する」ということです。

客単価を上げることは、売上を増やすためだけでなく、利益を増やすためにやる。ここが大事です。

例えば、今の客単価が4,000円で月商400万円のお店があるとします。客単価を5,000円に上げたとき、来客数が83%に落ちても、月商は同じ400万円キープできます。でも原価も労働時間も下がるから、利益はしっかり増える。

「値上げしたら客が逃げる」という不安はよくわかります。でも実際に逃げるのは、値段しか見ていない客です。あなたのお店の価値を本当にわかってくれているお客さんは、20%の値上げでは逃げない。これは全国1,000店舗以上を見てきた実感として言えます。

月商130万円から230万円に伸びた焼き鳥店も、赤字から年商2倍になった美容室も、前年比151万円増を出したパスタ店も、みんな「値引きじゃなくて価値で選ばれる」方向に舵を切った結果です。


まとめ:「短くする」発想を一つのメニューから試してみてください

今日お伝えしたのは、3つです。

  • 「時間を短縮する」ことに価値を乗せた上位メニューを一つ作る
  • プレミアムプランを置いて、既存メニューを相対的に安く見せる
  • 手間と時間を数字で書いたPOPをメニューに添える

全部いっぺんにやろうとしなくていいです。2週間でまず一つ、試してみてください。

私がよくお伝えしているのは「2週間で3つだけ実行する」というルールですが、今日から始めるなら「まず1つ」でも十分です。バットを振らないと当たらない。10回振って3つ当たれば、経営は必ず前に進みます。

飲食店の客単価アップに関して、もっと具体的に自分のお店で使える形で知りたいという方は、ぜひ下のリンクから無料の教科書を受け取ってみてください。値引きをせずに利益を残す仕組みを、実際の飲食店の事例をもとにまとめたものです。お気軽にどうぞ。

“頑張らずに利益を増やす”飲食店の教科書(無料)

また、個別に「うちのメニューでどう使えるか」を直接聞きたい方は、LINEからメッセージを送ってください。静岡市清水区からZOOMで全国対応しています。お待ちしています。

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この記事を書いた人

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 代表取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

1975年 静岡県清水市生まれ(現在:静岡市清水区)
自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしていることから、小さい頃より受付台にたち、商売を学ぶ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を経験。活動中は、九州松早グループの運営するファミリーマートのCMに出演。急性膵炎による父の急死により大学卒業後、清水市役所に奉職。

市役所在職中に中小企業診断士の取得を始める。昼間は市役所で働き、夜は診断士の受験勉強。そして、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの現場修行を経験。6年間の試験勉強を経て、中小企業診断士資格を取得。

取得を契機に7年目で市役所退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立。

お笑い芸人として活動していた経験から、小売店や飲食店、美容室、整体院の客数増加や店内販売活動に、お笑い芸人の思考法や行動スタイル、漫才の手法などを取り入れることで、クライアントの業績が着実に向上していく。

こうした実績を積み上がるに従い、信奉者が増える。独自の繁盛店メソッド「笑人の繁盛術」の考え方で、コンサルティングを行う。

発行するメールマガジンは、専門用語を使わない分かりやすい内容から、メルマガ読者からの業績アップ報告が多く、読者総数は1万人を超える。

会員制コンサルティングサポート「増益繁盛クラブ」を運営。人気テレビ番組ガイアの夜明けにも取り上げられるなど注目を浴びる。これまで北は北海道から南は沖縄、そして、アメリカからも参加する方がいるなど、多くの方が実践を続けている。

コンサルタントが購読する「企業診断」(同友館)からもコンサルタントに向けた連載を依頼されるなど、コンサルタントのコンサルタントとしても活躍中。

どんなに仕事が忙しくとも毎月1回の先祖のお墓参りを大事にしている。家族を愛するマーケッター。

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