9月の朝、静岡を出る新幹線の中で、こんな声を聞いた。
隣に座っていた飲食店のオーナーらしき男性が、
電話で話していた。
「9月に入ってから、急に来なくなっちゃってさ。
夏は忙しかったのに、なんでこうなるんだろうね」
その言葉が、ずっと頭に残っていた。
9月というのは、飲食店にとって
毎年やってくる「静かな壁」だ。
夏休みが終わり、学校が始まり、
お盆の帰省客もいなくなる。
暑さが落ち着いて外出が増えそうなのに、
不思議と客足が鈍る。
「10月のハロウィン商戦まで、
とにかく耐える」という店が多いのも現実だ。
でも、その「耐える」という発想が、
売上を運任せにしている証拠だとも思ってます。
と言うことで、今日は9月の閑散期に
売上を守るための3つのポイントを、
具体的な数字を交えながら話していきます。
📋 この記事でわかること
- 9月に客足が鈍る構造的な理由と、なぜ「耐える」発想が危ないのか
- 客数・客単価・来店頻度の3軸で閑散期の売上を守る具体的な手順
- 閑散期をブランド構築の期間に変える「仕組み化」の考え方
- 地域No.1店になるために、今この時期にやっておくべき販促の型づくり
こんな方におすすめ
- ✅ 9月〜10月の売上ダウンが毎年のパターンになっている飲食店オーナー
- ✅ 閑散期を「どうにもならない」と諦めてしまっている方
- ✅ 繁忙期と閑散期の波が大きく、利益が安定しないお店
- ✅ 客単価や再来店を仕組みで動かしたいが、何から手をつければいいか分からない方
- ✅ 自分の代で培ってきたものを、次の世代に引き継げる形で残したい経営者

9月の閑散期、客足が鈍る理由は「気候」だけではない
まず、数字の話をする。
飲食店の月次売上を12ヶ月で見たとき、
9月は通年の中でも下位に入ることが多い。
理由は複数重なっている。
お盆需要の反動、新学期の家計引き締め、
まだ残暑があって「外食よりも家で涼みたい」心理。
そして、飲み会・会食が本格的に動き出すのが
10月末〜11月のため、
その前の9月は完全に谷間に落ちる。
これは「天候が悪かった」とか
「今年はたまたま」という話ではない。
毎年、構造的に起きている現象だ。
だからこそ、「なんとなく閑散期を乗り越えてきた」
ではなく、
「毎年9月はこう動く」という型を持てるかどうかが、
お店の体力を左右する。
私がこれまで833件の店舗を支援してきた中でも、
閑散期に売上が大きく落ちるお店と
それほど落ちないお店の差は、
繁忙期の忙しさではなく、
「閑散期に向けた準備」があるかどうかだった。
準備と言っても、難しいことではない。
売上を「客数×客単価×来店頻度」の3つに分解して、
それぞれに打ち手を用意しておくこと。
それだけだ。
「休眠客へのフォロー」も「次回来店の仕組み」も、頭では分かっているのに手が動かないのは、何から始めれば良いかが見えていないからだと思います。繁盛店ポータルに登録すると、AIがあなたのお店の業種・状況に合わせて「今すぐやること」を整理してくれる増益繁盛プランナーと、ハワードジョイマンのメソッドを搭載したAIへの無料相談が使えます。メールアドレスだけで1分で登録できます。
ポイント1:客数を守る。新規より「休眠客」への働きかけを先に
閑散期に入ると、多くの経営者が最初に考えるのが
「新規集客を増やす」だ。
これも逆だと思ってます。
新規客を一人獲得するコストは、
既存客に再来店してもらうコストの
5〜7倍かかると言われている。
(このデータは「1:5の法則」として
マーケティング業界で広く引用されているものだが、
飲食店の実感としても同じ感覚を持っている経営者は多い)
閑散期に新規獲得にお金を投じる前に、
まずやることがある。
過去3〜6ヶ月以内に来てくれたお客さんの中で、
最近ぱったり足が止まっている人、
いわゆる「休眠客」に声をかけることだ。
ハガキDM、LINE公式アカウントでのメッセージ、
メールニュースレター。
「最近お顔が見えないですが、
お元気ですか」という一文が書けるかどうか。
これができているお店とできていないお店で、
9月の売上には数十万円単位の差が出てくる。
あなたのお店は、
「また来てほしいお客さんのリスト」を持っていますか?
そのリストに、この9月、声をかけていますか?
もしまだなら、今日から始められる。
LINE公式アカウントを使えば、
配信コストはほぼゼロだ。
繁忙期でも売上が伸びない時に見直す3つのポイントでも書いたが、
集客の効果は「いつ、誰に、何を届けるか」の精度で決まる。
ポイント2:客単価を上げる。秋の食材と「理由のある値段」で価値を伝える
9月は、食材の面では実は恵まれた時期だ。
秋刀魚、松茸、栗、新米。
「秋の味覚」は、消費者が自然と
「食べに行こう」という気分になりやすい素材でもある。
でも、多くの飲食店がここで失敗する。
「秋の食材を使ったメニューを出す」だけで終わってしまうのだ。
値付けに「理由」がない。
なぜこの価格なのか、この食材がどれほど価値あるものかを
お客さんに伝えていない。
だから、値段を見て「高い」と思われて終わる。
POPに「この秋刀魚は、◯◯港で水揚げされた
今シーズン初物です。今だけの旬の一皿」と書けば、
同じ皿でも「食べてみたい」と感じる人の数が変わる。
値上げではない。
価値を伝えることで、適正な単価で選ばれる状態を作ること。
私がよく言うのは、
「値段を下げる前に、言葉を尽くしたか」という問いかけだ。
「値引きは最終手段じゃない。そもそも使ってはいけない手段だと思ってほしい。価値を伝え切れていない状態で値引きしても、安売りに慣れたお客さんが集まるだけで、お店の体力は確実に削れていく。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
値引きなしで客単価を上げる販促のポイントは、
季節メニューの打ち出し方と組み合わせると
特に効果が出やすい。
✓ ここまでのポイント
- 9月の客足減は毎年の構造的な現象。「耐える」ではなく「型を持って動く」が正解
- 新規集客より先に、休眠客への働きかけでコスト効率よく客数を守る
- 秋の食材を「価値を伝える言葉」と組み合わせることで、値引きなしに客単価を上げる
客数・客単価・来店頻度の3軸を「社長の感覚」から「仕組み」に落とし込む作業、一人でやろうとすると必ず止まります。繁盛店ポータルでは、チラシや看板・メニュー表を添付して添削してもらえる「みんなの経営相談DB」と、電子書籍「顧客の購買行動を軸とした販促改善の教科書」が無料で手に入ります。登録はメールアドレスのみ、1分で完了します。
ポイント3:来店頻度を上げる。「また来たくなる仕組み」を閑散期に仕込む
3つ目のポイントが、一番大事かもしれない。
来店頻度だ。
月1回来るお客さんが月2回来るようになれば、
客数は変わらなくても売上は単純に倍になる。
でも、「また来てほしい」と思いながら、
その仕組みを持っていないお店が多い。
次回来店のきっかけを、
お客さんが帰る前に渡せているか。
「来月は新メニューが出ます」
「LINE登録していただくと、先行案内が届きます」
「10月にこういうイベントを予定してます」
こういった一言が言えているかどうか。
閑散期こそ、この「次の接点づくり」を
ていねいにやり切るチャンスだ。
忙しい繁忙期には、なかなかそこまで手が回らない。
9月の今、お客さんと一人ひとりしっかり話せる時間が
あるからこそ、関係性を深める絶好の時期でもある。
チェックポイント1:来店後のフォローアップ
お客さんが帰った後、あなたのお店から
何か連絡が届く仕組みがあるか。
LINE、メール、ハガキ。手段はなんでもいい。
「また来てほしい」という気持ちを、
形にして届けられているか確認する。
✅ ポイント:LINEの公式アカウントに登録を促す仕組みを、
会計時またはテーブルのカードで案内すること。
登録特典(次回使えるドリンク1杯無料など)があると登録率が上がる。
チェックポイント2:次回来店の「理由」を渡せているか
「またのご来店お待ちしています」だけでは、
お客さんに次に来る理由が生まれない。
「来月の◯日から新メニューが入ります」
「月末に限定メニューを出します」など、
具体的な次の来店理由を渡せているかを確認する。
✅ ポイント:「限定」「期間」「数量」の言葉を一緒に伝えると、
来店を後回しにされにくくなる。
チェックポイント3:来店頻度の数字を把握しているか
今のお客さんが平均して月何回来ているか、
把握しているかどうか。
数字がなければ、改善しているかどうかも分からない。
✅ ポイント:POSデータやLINEの配信開封率など、
手元にある数字から傾向を読む習慣をつける。
完璧なデータでなくていい。「だいたいこれくらい」という
感覚値を持つことが最初の一歩。
閑散期を「仕組みを作る期間」にする経営者が、地域No.1になる
ここで、一人の経営者の話をしたい。
和食店を経営する50代の男性オーナーだ。
「月商80万円上乗せできただけでなく、仕組み化で現場を任せられる時間が増えた。それまでは全部自分でやっていたから、抱え込みグセがひどかった。今は経営に集中できている」
和食店オーナー(男性・50代)
この方が変わったのは、
販促の「型」を作ったことだった。
それまでは社長の感覚でやっていた集客が、
「誰がやっても同じように回る形」に落とし込まれた。
客数・客単価・来店頻度、それぞれに
何をするかが文書化された。
スタッフが動けるようになった。
すると、オーナー自身が現場に張り付かなくていい時間が
生まれた。
それが「経営に集中できる」という状態につながった。
これが、私が「閑散期こそチャンス」と言う理由だ。
忙しくないから、型を作れる。
型が作れれば、次の繁忙期に向けて
先手を打てるようになる。
そしてそれが積み重なっていったとき、
そのお店は地域の中で「頼れる一軒」として
認識されるようになる。
地域No.1のブランドというのは、
ある日突然できるものではない。
こういう地味な積み重ねの先に、
じわじわと育っていくものだ。
あなたが今まで築いてきたお店の価値を、
次の世代に渡せる形にしていく。
そのためにまず必要なのは、
今の売上をあなたの感覚ではなく
「仕組み」で作れる状態にすることだ。
飲食店の利益を増やすために、売上より先に手をつけるべき3つのポイントでも触れているが、
利益が残る構造を作ることと、
仕組みで売上を作ることは、
セットで考える必要がある。
「閑散期に何もしないお店は、繁忙期にも何もしていない。忙しい時期に動けない理由があるなら、暇な時期に準備するしかない。それが経営者の仕事だと思っています。」
ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)
まとめ:9月の閑散期、3つの数字を動かして売上を守る
今日の話をまとめる。
9月の閑散期に売上を守るポイントは3つだ。
客数を守る。
新規より先に休眠客に声をかける。
客単価を上げる。
秋の食材を「価値を伝える言葉」と組み合わせる。
来店頻度を上げる。
帰り際に「次の来店理由」を渡す仕組みを作る。
そして、この3つを「社長の感覚」ではなく
「誰でも動かせる型」に落とし込むことが、
中長期的な地域No.1ブランドへの道につながっていく。
「そんな時間ない」と思った方、
時間がない理由の多くは、
仕組みがないから全部自分でやっているからだ。
型を作るのに、最初は時間がかかる。
でも、一度作れば次の9月からは、
まったく違う動き方ができるようになる。
今年の9月を、来年の9月のための準備期間にしていきましょう。
店舗経営は、ゴールのないマラソンだ。
一歩ずつ、ペースを作って走り続けましょう。
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