先日、美容室オーナーさんからこんな相談をいただきました。
「ジョイマンさん、ホットペッパービューティーに毎月かなりの広告費を払っているんですけど、全然効果が出なくて。もうやめようかと思っているんです」
話を詳しく聞いてみると、確かに新規のお客さんは月に20〜30人来てくれている。でも、2回目以降に戻ってくるお客さんがほとんどいない。毎月新規を追いかけながら広告費だけが出ていく、という状態でした。
これ、ホットペッパービューティーが悪いんじゃないんです。受け皿であるサロン側の設計に穴があるんです。
今日はこの「受け皿の穴」をどこから直すか、比較しながら具体的にお伝えしていきます。
📋 この記事でわかること
- ホットペッパービューティーが「効果ない」と感じる本当の原因
- 広告依存型サロンと自力集客型サロンの決定的な違い
- 新規客をリピーターに変えるための受け皿づくり3つのポイント
- 値引きに頼らずに単価と来店頻度を同時に上げる方法
こんな方におすすめ
- ✅ ホットペッパービューティーへの掲載をやめることを検討している美容室オーナーさん
- ✅ 新規客は来るのにリピートにつながらないと悩んでいる方
- ✅ クーポン客ばかりで客単価が上がらないと感じている方
- ✅ 広告費を削減しながら売上を維持・向上させたいオーナーさん
- ✅ 「値引きではなく価値で選ばれる」サロンを作りたい方

「広告が悪い」は9割思い込み。問題はサロン側にある
ホットペッパービューティーへの不満を抱えているオーナーさんに共通しているのが、「掲載をやめれば問題が解決する」という考え方です。でも、これはちょっと待ってほしい。
ホットペッパービューティーは、検索する人が多い巨大なプラットフォームです。仕組みとしては機能しているんです。ただ、来てくれたお客さんを「次も来たい」と思わせられていないのは、サロン側の受け皿の問題です。
❌ 広告依存型サロン(よくあるパターン)
- クーポンを前面に出して新規客を集める
- 来店当日の施術に全力を注ぐが、次回来店の設計がない
- 「またいつでもどうぞ」と言って終わる
- 翌月また新規客をホットペッパービューティーで集め続ける
- 結果、毎月の広告費が固定費として重くのしかかる
✅ 自力集客型サロン(推奨アプローチ)
- クーポンで来てもらった初回来店時に「価値」を徹底的に見せる
- 来店当日に次回の来店タイミングを一緒に決める(未来計画表を活用)
- お客さんのLINEを取得して定期的に情報を届ける
- 常連が増えるにつれてホットペッパービューティーへの依存度が自然に下がる
- 広告費を段階的に削減しながら売上を維持・向上できる
掲載をやめることが目的ではなく、やめても売上が落ちない状態を作ることが目的です。その状態になって初めて、「広告費を削減する」という選択肢が現実的になります。
リピートしないのは施術の質の問題ではない
「うちの技術は自信があるのに、なぜリピートしないんだろう」と思っているオーナーさんは多いです。実はこれ、施術の質と、リピートするかどうかはほとんど関係ないんです。
お客さんがリピートしない最大の理由は、「次にいつ来ればいいか、わからないから」です。
頭の中でぼんやり「また来ようかな」と思っていても、日常に戻った瞬間にそれは忘れられます。予約を入れるという行動のハードルが意外と高い。だから、その場で一緒に決めてしまうことが重要なんです。
「新規客が来てくれたことを喜んでいる場合じゃないんです。その日の来店が終わった瞬間から、次回来店をどう設計するかが勝負です。初回来店は仕込みの場。そこで終わらせてしまっているサロンが本当に多い。」
ハワードジョイマン(中小企業診断士・販促アイデア100選)
具体的に何をするかというと、私が「未来計画表(おしゃれ計画表)」と呼んでいるシートを使います。カウンセリングの中で「この髪型を維持するには2ヶ月に1回のペースが理想ですね」「次は○月頃にカラーをするといいですよ」という形で、半年先までの来店の流れをお客さんと一緒に描いていきます。
これを当日その場でやるのがポイントです。「また連絡しますね」「ご都合のいい時に」では、ほぼ来ません。
✓ ここまでのポイント
- ホットペッパービューティーが「効果ない」の原因は、来た後の受け皿の設計にある
- リピートしない最大の理由は「次にいつ来ればいいかわからない」こと。当日その場で次回来店を設計する習慣を入れることが先決
- 掲載をやめることより「やめても売上が落ちない状態を作ること」が本当のゴール
クーポン客をリピーターに変える「価値の見せ方」の比較
クーポンで来てくれたお客さんは、「安かったから来た」という動機がベースにあります。これを「このサロンじゃないとダメだ」という状態に変えるには、施術中・施術後に「価値」を具体的に見せることが必要です。
チェックポイント①:施術の価値を言語化できているか
カット中に「このカット法は、年間3,000人の髪を触ってきた中で私が編み出した方法で、特に前髪の収まりが2〜3週間長持ちするんですよ」と一言添えられていますか? 技術の価値を「見えないもの」のままにしておくと、お客さんは「まあ普通のカットかな」で終わります。
✅ ポイント:施術の手間・時間・こだわりを具体的な数字や言葉で伝える習慣をスタッフ全員に落とし込む。口頭だけでなく、待合スペースのPOPや施術中に渡すカードにも書いておく。
チェックポイント②:お客さんの声が店内に掲示されているか
初めて来たお客さんが施術椅子に座った時、周りに他のお客さんの「ビフォーアフター形式の声」が目に入りますか?「カラーをしてから夫に『別人みたいに若返った』と言われました(40代・主婦)」のような具体的な声は、新規客の「本当にここでいいのかな」という不安を消してくれます。
✅ ポイント:お客様の声は「満足しました」「良かったです」では弱い。「どんな変化があったか」を具体的に書いてもらうテンプレートを用意して、来店後にLINEで送ってもらう仕組みを作る。
チェックポイント③:メニュー表の書き方が「玄人向け」になっていないか
「酸熱トリートメント」「ケアブリーチ」「バレイヤージュカラー」──これ、お客さんに伝わっていないことが多いです。専門用語をそのまま並べるのは玄人向けの訴求で、初めて来たお客さんには何のことかわかりません。
✅ ポイント:メニュー表は「誰のための、どんなご利益があるメニューか」を最初に書く。例えば「くせ毛で毎朝スタイリングに20分かかっている方のための、翌朝の乾かし時間が半分になるトリートメント」のように。これだけで刺さるお客さんが変わります。
「ジョイマンさんのアドバイスでメニュー表の書き方を変えたら、来店したお客さんから『これ、私のことだ!』と言ってもらえるようになりました。同じメニューなのに客単価が上がっています」
赤字経営から脱却し、年商を2倍にした美容室オーナー
値引きをやめて単価を上げながらリピートを増やす設計
「クーポン客を集め続けるしかない」と感じているオーナーさんに、一度数字で考えてほしいことがあります。
例えば客単価8,000円のサロンが、クーポンで6,000円で集客しているとします。月に50人来ても売上は30万円。でも、クーポンなしで8,000円のお客さんが35人来れば売上は28万円。差は2万円しかありません。しかも後者は原価も手間も少ない。利益は確実に後者の方が厚くなります。
さらに、クーポンで来た客は「次もクーポンがあれば来る」という動機で動いています。リピート率が低く、クレームも多い。一方、正規料金で来てくれたお客さんは、価値を認めて来てくれているのでリピート率が高く、関係性も長続きします。優良客と値引き客では、長期的に見た時のご利益に7倍以上の差が出る、というのが私の経験則です。
では、どうやってクーポン依存から抜け出すか。段階があります。
受け皿改善 STEP 1
「当て玉」をつくってプレミアムプランを設置する
まず既存メニューの中に、今の最高価格より20〜30%高いプレミアムプランを一つ作ります。例えば「大人女性のための髪質改善フルコース(通常カラー+酸熱トリートメント+頭皮ケア込み)」を15,000円で設置する。これがあるだけで、8,000円のメニューが「お手頃」に見える心理効果が生まれます。これが見せ球の「当て玉」戦略です。
⚠️ よくある失敗:いきなり既存メニューの値上げをしようとして怖くなり、何もしないまま終わるケース。まずプレミアムプランを「追加する」ことから始めれば、今のメニューには手を触れずに済みます。
受け皿改善 STEP 2
次回予約を当日に取る仕組みをスタッフ全員の標準業務にする
「また来てください」を言葉で終わらせるのではなく、「次は○月○日頃が理想的ですね。今日予約入れておきましょうか?」と提案できるスクリプトをつくる。オーナーだけがやるのではなく、スタッフ全員が同じ提案をできる状態にする。これが鍵です。
⚠️ よくある失敗:オーナーだけはできるけど、スタッフはなんとなく言い出しにくくて言えない。スクリプトと「こういう声かけをする」という明文化された判断基準がないと、属人化したままになります。
受け皿改善 STEP 3
LINEでつながり続ける仕組みを入れる
来店時にLINE登録を促し、次回来店前にリマインドを送る。新メニューの案内も送れる。ホットペッパービューティー経由で来たお客さんでも、LINEでつながれれば次回はLINE経由で予約してもらえる可能性が上がります。これが「ポータル依存から自力集客への橋渡し」です。
⚠️ よくある失敗:LINE登録してもらったのに、情報を送らない。登録してもらう→定期的に価値のある情報を届ける→来店を思い出してもらう、という流れを設計してから登録促進を始めること。
まとめ:ホットペッパービューティーをやめる前にやることがある
「ホットペッパービューティーが効果ない」と感じているオーナーさんへ、今日お伝えしたことを整理します。
問題は広告にあるのではなく、来てくれたお客さんを次につなげる受け皿の設計にあります。具体的には、来店当日に次回来店を設計する(未来計画表)、メニュー表を「ご利益中心の書き方」に変える、プレミアムプランで当て玉をつくる、LINEでつながり続ける、この4つです。
受け皿が整った状態で、はじめてホットペッパービューティーへの依存度を下げる話ができます。順番が逆では、掲載をやめた瞬間に売上が落ちるだけです。
全国の500社を超える飲食店・美容室オーナーさんと一緒に経営を見てきた中で、この受け皿の改善を地道にやり続けたサロンは、例外なく変わっています。月商130万円から230万円になった焼き鳥店も、年商が2倍になった美容室も、最初の一手は「受け皿の見直し」でした。
まず2週間で3つだけ、今日お伝えした中から試してみてください。それだけで十分です。とにかくバットを振ることが大事です。
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