3.儲かる販促と利益アップ

客単価が動く飲食店のPOP、書き方と置き場所のコツ

梅雨が明けて夏本番になると、飲食店のテーブルの上ってなんとなく「夏のおすすめ」系のPOPが増えますよね。よく見ると手書きのもの、ラミネートされたもの、スタンドに挟まれたものといろいろ。でも正直なところ、「このPOP、本当に効いてるのかな?」と感じているオーナーの方も多いんじゃないかと思います。

実はPOPって、置いてあるだけでは意味がなくて、何を・どう書くか・どこに置くかの3つが揃ってはじめて客単価が動きます。この記事では、効いているPOPと効いていないPOPの違いを比較しながら、具体的な書き方と置き場所のコツをお伝えします。

📋 この記事でわかること

  1. 客単価を動かすPOPと動かないPOPの根本的な違い
  2. 「価値を伝える文章」の書き方と、避けるべきありがちな表現
  3. POPを置く場所ごとの使い分けと効果の出やすい配置の考え方
  4. POPを単価アップの仕組みとして機能させるための設計の視点

こんな方におすすめ

  • ✅ 飲食店を経営していてPOPを作っているのに客単価が上がらない方
  • ✅ 値下げやクーポン頼みの集客から抜け出したい方
  • ✅ POPに何を書けばいいか迷ってしまう方
  • ✅ 看板メニューや追加注文を自然に促したい方
  • ✅ 手間をかけずに客単価を上げる仕組みを整えたい方
客単価が動く飲食店のPOP、書き方と置き場所のコツ | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

POPは「知らせる道具」ではなく「価値を伝える道具」

まず根本的なところから整理させてください。多くの飲食店のPOPを見ていて気づくのは、商品名と値段しか書いていないものがとても多いということです。

「冷やし中華 850円」
「本日のおすすめ サバの塩焼き定食」

これでは「知らせている」だけ。お客さんが「頼もうかな」と思う理由になっていません。

❌ よくあるPOP(知らせるだけ)

  • 商品名と値段だけが書いてある
  • 「おすすめ!」「人気!」の一言で終わっている
  • 全部のメニューに同じ書き方をしている(どれも「おすすめ」では選びようがない)
  • 大きいだけで何が嬉しいのか伝わらない

✅ 客単価が動くPOP(価値を伝える)

  • 「なぜこれが美味しいか」「誰にとってどんな嬉しさがあるか」が書いてある
  • 素材・産地・こだわりの調理法など、具体的な理由が添えられている
  • 特定の一品に絞って「これだけは食べてほしい」という熱量がある
  • 追加注文・セット提案など、お客さんの行動を自然に促す流れになっている

「価値が伝わっていない状態で値段だけが見えると、お客さんは安いほうを選ぶしかなくなります。POPが客単価を下げているケースも、実際には少なくないんです。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

「伝わる文章」と「伝わらない文章」の比較

では具体的に書き方を比べてみましょう。

❌ 伝わらない書き方

  • 「国産牛使用!旨い!」→ なぜ旨いのかが伝わらない
  • 「シェフ一押し!」→ 誰が押してもシェフは一押しと書ける
  • 「数量限定」→ 何が限定なのか、なぜ限定なのかが抜けている

✅ 伝わる書き方

  • 「地元農家から直接仕入れた朝採れトマトを使用。熱を加えないカルパッチョにすることで、あの甘さが際立ちます」
  • 「仕込みに2日かける自家製タレは、20年間変えていません。ご常連のお客さんの中には、これだけを目当てに来てくださる方も」
  • 「スタッフが全員で試食して、今月一番と決めた一皿。ほかのメニューと迷ったら、今日はこちらを」

共通しているのは「なぜこれなのか」の理由があること。そして読んだ人が頭の中で「そういうことか、じゃあ頼んでみよう」と動ける流れになっていることです。

チェックポイント①:あなたのPOP、理由が書いてありますか?

手元にある既存のPOPを一枚手に取って、「なぜこれが美味しいのか」「なぜこれをすすめるのか」が書いてあるか確認してみてください。商品名・値段・「おすすめ」だけで完結していたら、価値を伝える一文を追加するだけで反応が変わります。

✅ ポイント:素材・調理法・仕入れ先・スタッフの感想・お客さんの反応、どれでもいい。「理由」は一つあれば十分です。

チェックポイント②:全部のメニューに「おすすめ」と書いていませんか?

全品に同じ温度感でPOPを貼ると、どれも同じに見えてお客さんは選べなくなります。「看板メニュー1品に熱量を集中させる」ことが、追加注文を生むPOPの基本です。

✅ ポイント:月に1品、本当に推したいメニューを決めて、そこだけに力を入れたPOPを作ってみてください。

✓ ここまでのポイント

  • POPは「知らせる道具」ではなく「価値を伝える道具」。商品名・値段だけでは機能しない
  • 「なぜこれが美味しいか・なぜすすめるか」の理由を一文添えるだけで反応が変わる
  • 全品に同じ温度感でPOPを貼らず、看板メニューに熱量を集中させる

置き場所で変わる「効き方」の違い

書き方と同じくらい大事なのが「どこに置くか」です。POPは置く場所によって役割が変わります。

入口・外壁・看板エリア
ここは「入店前」のお客さんに向けたPOPです。目的は一つ、「入ってみようか」と思ってもらうこと。写真・価格帯・一言キャッチコピーで店のキャラクターを伝える役割があります。細かい説明より「どんな店か」が一秒で伝わる内容にしましょう。

テーブル・卓上スタンド
着席後のお客さんに向けたPOPです。この位置は「追加注文・単価アップ」にもっとも直結します。着席してメニューを待っている間、手持ち無沙汰のタイミングでPOPを読んでもらえるからです。ここには「今月の一押し」「ドリンクとのセット提案」「デザートのすすめ」などを置くと効果が出やすい。

❌ 卓上POPのよくある失敗

  • 情報を詰め込みすぎて読む気にならない
  • 古くなったPOPをそのまま出し続けている(信頼感が下がる)
  • 全テーブルに同じPOPを貼るだけで、入れ替えや鮮度管理をしていない

✅ 卓上POPで客単価を動かすポイント

  • 一枚につき一品に絞る(欲張らない)
  • 月替わりなど、定期的に更新するルールを作る
  • 「〇〇とセットで注文いただくと〜」など、行動の提案を添える

レジ・会計周辺
ここは「帰り際」に目が向く場所。次回来店につなげる告知(季節限定メニューの予告、次回のイベント案内など)や、テイクアウト商品の案内に向いています。客単価というよりは「再来店」を育てる位置です。

「私がよく言うのは、POPを置く場所ごとにお客さんの気持ちが違うということです。入口で財布の話をしすぎると引かれる。テーブルでの一言が追加注文のきっかけになる。場所によって伝えることを変えるだけで、反応は変わります。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

POPを「単発の販促物」ではなく「仕組み」にする考え方

ここまで書き方と置き場所の話をしてきましたが、正直に言うとPOPを「一回作って終わり」にしている店が多いです。それでは継続的な効果は出ません。

私が833件の店舗支援の中で見てきた、客単価が継続して上がっている店の共通点は、POPを「月次で更新する仕組み」として回していること。月に一品だけ、今月の看板メニューを決めて、それに合わせたPOPを作る。スタッフ全員がそのメニューをお客さんに伝えられる状態にする。この地味なサイクルを続けている店が、気がつけば客単価が数百円単位で積み上がっていきます。

逆に、派手なPOPを一回作って反応を見て「効果がなかった」と諦めてしまうのが、一番もったいないパターンです。

「チラシをやってみたが効果がなかった」と言う方のお話を聞くと、一回だけやって止めたケースがほとんどです。地味な販促を継続してやり切れるかどうかが、じつは経営の差になっています。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

チェックポイント③:POPの更新サイクルはありますか?

「POPが古くなっているな」と気づいてから作るのでは遅い。月初に看板メニューを決め、そのタイミングでPOPを更新するというサイクルをカレンダーに入れてしまいましょう。

✅ ポイント:更新のルールを決めると、スタッフも巻き込みやすくなります。スタッフがPOPを書くことで、メニューへの理解と接客力も上がるという副次効果もあります。

「値引きをやめてPOPで単品の価値を伝えるようにしたら、お客さんの反応が全然変わりました。チラシやGoogle広告との組み合わせで、6ヶ月で月商が350万円から620万円になりました」

居酒屋オーナー(40代・男性)

まとめ:POPは値下げせずに単価を上げるための、一番身近な道具

客単価を上げたいとき、真っ先に思い浮かぶのは「新しいメニューを作る」「価格設定を見直す」といった施策かもしれません。でも実は、今あるメニューの価値をPOPで伝えるだけで動く数字があります。

一円も値下げせず、派手な広告を打たなくても、テーブルの上の一枚が「追加注文のきっかけ」になる。それがPOPの本来の力です。

ただし、ここで大切なのは「一回やって終わり」にしないこと。地味に、続けることです。月に一品の看板メニューを決め、価値を伝えるPOPを作り、置き場所を意識して配置する。このサイクルを仕組みとして回し続けた先に、客単価の積み上がりがあります。

POPの書き方・置き場所の工夫だけでなく、「客数×客単価×来店頻度」の3系統で売上を意図的に設計する考え方を、増益繁盛クラブでは体系的にお伝えしています。飲食店・美容室・小売店、業種を問わず全国のオーナーの方と一緒に取り組んでいますので、気になった方はぜひ覗いてみてください。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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