3.儲かる販促と利益アップ

飲食店のトッピングで、無理なく単価を引き上げる工夫

先日、久しぶりに休みを使って静岡の三保松原を歩いてきました。富士山と松林と海が一度に見られるあの場所は、何度行っても飽きない。清水に生まれ育って51年、地元の景色にはまだまだ気づかされることがあるなあと思いながら、ぼんやり海を眺めていたんです。

で、その帰り道にちょっとした食堂に立ち寄って、醤油ラーメンを頼んだんですね。食べながらふと気づいたことがありました。「トッピングのコーナー、全然目に入らなかったな」と。

メニューの端っこに小さく書かれていて、店員さんから声をかけられることもなく。あの一言があれば、ぼくは追加していたと思うんです。チャーシューか、煮卵か、どちらかは確実に。それが、今日のテーマに直結しています。

📋 この記事でわかること

  1. トッピングが客単価アップに効く本質的な理由
  2. お客さんに「押しつけ感」を与えずに追加注文を促す工夫
  3. トッピング設計で見落とされがちな「見せ方」の落とし穴
  4. 値下げに頼らず単価を上げるために、まず何を変えるべきか

こんな方におすすめ

  • ✅ 飲食店を経営していて、客単価が伸び悩んでいる方
  • ✅ 値引きやクーポンに頼らず、適正な価格で利益を残したい方
  • ✅ トッピングやサイドメニューをうまく活用できていないと感じている方
  • ✅ スタッフに声かけを任せているが、うまくいっていない方
  • ✅ 忙しく働いているのに、手元にお金が残らないと感じている方
飲食店のトッピングで、無理なく単価を引き上げる工夫 | 増益繁盛クラブ、繁盛店研究所/増益繁盛クラブ(運営法人:有限会社繁盛店研究所、株式会社繁盛店研究出版、株式会社日本中央投資会/繁盛店グループ)

「トッピングがある」だけでは、単価は上がらない

ぼくが20年以上、飲食店の経営支援をしてきて感じるのは、「トッピングメニューを用意している店はたくさんあるのに、それが売れていない店がほとんど」だということです。

これ、なぜだと思いますか?

原因はシンプルで、「お客さんの目に届いていない」「追加しようという気持ちが生まれる前に注文が終わっている」この2点に尽きます。

ラーメン店でも定食屋でも居酒屋でも、構造は同じです。メニューの片隅に小さく書かれたトッピングは、忙しく食べることを考えているお客さんの目には、ほとんど入っていない。入ったとしても、「まあいいか」で終わる。

お客さんが「これ、追加したい」と感じる瞬間を、こちらが意図的に作ってあげないと、トッピングは存在しないも同然なんです。

大学時代にお笑い芸人として活動していた時代の経験からも思うのですが、「伝えること」と「伝わること」はまったく別物です。メニューに書いた、POPを貼った、それは「伝えた」にすぎない。お客さんの中に「欲しい」という感情が生まれてはじめて「伝わった」になる。

トッピングで単価を上げるための「見せ方」の設計

では、具体的にどう変えるか。ぼくがよくお伝えしているのは、次のような考え方です。

チェックポイント1:トッピングは「メインの延長」として見せているか

「トッピング一覧」をメニューの隅に並べるより、メインメニューの説明文の中や横に「+◯◯円で追加できます」と書いたほうが、断然目に入ります。注文しようとしているものと、追加の選択肢が視覚的に近い位置にあることが大切です。

✅ ポイント:メインの写真や説明の隣に、追加トッピングをセットで提示する。「このラーメンに、煮卵をプラスする方が多いです」という一文があるだけで、行動を促せます。

チェックポイント2:価格帯は「悩まない金額」になっているか

追加トッピングの価格が高すぎると、お客さんは「いいや」で終わります。逆に安すぎると、お店側の利益にほとんど貢献しません。一般的に、メイン価格の10〜20%前後が「ちょっと足してみよう」と感じてもらいやすい帯域です。

✅ ポイント:1品あたりの追加金額を「迷わずに頼める価格帯」に設定し、2〜3種類に絞る。選択肢が多すぎると逆に動けなくなります。

チェックポイント3:スタッフの「一声」が設計されているか

メニューだけに頼らず、スタッフからの一言を「仕組み」として設計している店は強い。「煮卵、つけますか?」の一言だけで、注文率はぐっと上がります。ただしこれは「言っていい雰囲気かどうか判断して言う」では安定しない。どのタイミングで、どの言葉で聞くか、スクリプトを作っておくことが大切です。

✅ ポイント:声かけのタイミング(注文を受けた直後など)と具体的なセリフを決め、全スタッフが同じように動ける型を作る。スタッフの気分や判断に任せない。

✓ ここまでのポイント

  • トッピングは「存在する」だけでは売れない。お客さんの目と感情に届く「見せ方」が必要
  • メインメニューの近くに追加の選択肢を置き、迷わない価格帯で提示する
  • スタッフの声かけは感覚任せにせず、タイミングとセリフを型として設計する

値下げではなく、トッピングで「嬉しい追加」を作る

「価格で集めたお客さんは、価格で去ります。トッピングの追加を喜んでもらえる店は、価値で選ばれている店です。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

ここ、けっこう大事なポイントなのでもう少し掘り下げますね。

クーポンや値引きで集客している店は、「安いから来ている」お客さんが中心になります。そうすると、トッピングを追加してくれる率も低い。そもそも「安く済ませたい」という気持ちで来ているから、追加支出に対してブレーキがかかる。

一方で、「この店が好きだから来た」「この料理が食べたくて来た」というお客さんは、「ちょっと足してみようか」という気持ちになりやすい。トッピングの追加率を見ると、実はそのお店がどんなお客さんを集めているかが透けて見えてくるんです。

つまり、トッピング戦略は「売上を増やす技術」であると同時に、「どんなお客さんと関係を作るか」の話でもある。

ぼく自身、毎月欠かさず先祖の墓参りをしているんですが、そのたびに「地に足をつけて商売する」という感覚を取り戻します。派手な一手より、地味な積み重ねのほうが、長く続く。トッピングの設計も、まさにそういう話です。

❌ よくある失敗パターン

  • トッピングのメニューを「一応作って」終わりにしている
  • POPや声かけなど、見せ方・伝え方の設計がない
  • クーポン客が中心で、そもそも追加を喜んでもらえる関係が作れていない

✅ 推奨アプローチ

  • メインメニューの説明文の隣に、追加の選択肢を「自然に」提示する
  • スタッフの声かけをスクリプト化して、誰でも動ける型にする
  • 価値で選ばれる集客の仕組み(Googleビジネスプロフィール・口コミ対策・ニュースレター等)を整え、追加に前向きなお客さんとの関係を育てる

トッピング設計を「利益構造の改善」に連動させる

キックボクシングを48歳から始めて、アマチュアの試合にも出たことがあります。試合に出ると、練習だけしているときとは全然違う緊張感と学びがある。「実戦に出てみて初めてわかること」って、経営でも同じだなとよく思います。

トッピング戦略も、机の上で設計するだけでは限界があります。実際に試してみて、お客さんの反応を見て、改善する。その繰り返しが大切です。

ぼくが支援する飲食店には、まず「客数・客単価・来店頻度」の3つに売上を分解してもらいます。そのうえで、「客単価が弱い店」に対してトッピング設計は非常に有効な一手になります。

トッピング改善 STEP 1

現状把握:今のトッピング注文率を確認する

1日の来店客数に対して、トッピングを追加した人が何人いるかを1週間記録してみてください。数値として見ることで、改善の余地がどれだけあるか一目でわかります。

⚠️ よくある失敗:「だいたいこれくらい頼まれている気がする」という感覚だけで判断し、実態を把握しないまま施策を考えてしまうこと。まず計測してから動く癖をつけましょう。

トッピング改善 STEP 2

メニュー設計の見直し:見せ方を変える

トッピングの掲載位置、価格帯、説明文を見直します。「チャーシュー+100円」より「とろとろ煮込みチャーシューを1枚プラス +◯◯円」というように、価値を一言で伝える書き方に変えるだけで、反応が変わります。

⚠️ よくある失敗:トッピングの種類を増やしすぎること。選択肢が多すぎると、「まあいいや」が増えます。まず2〜3種類に絞って効果を見てください。

トッピング改善 STEP 3

声かけの型化:スタッフ全員が動ける仕組みにする

注文を受けた直後に「本日のおすすめトッピングは◯◯です、いかがですか?」という一言をスクリプト化します。スタッフが自分で判断する余地を最小にして、型として動ける状態を作ります。

⚠️ よくある失敗:「やる気のあるスタッフだけが声をかける」という状態。気合いに頼る仕組みは続きません。型を作ることで、誰でも同じように動けるようにすることが目標です。

「忙しく働いているのに利益が残らない、という店の多くは、回転と原価と単価の設計が見直されていない。トッピングの一手は、原価を大きく動かさずに単価を改善できる、非常に使いやすい道具です。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

まとめ:地味だけど、確実に積み上がる単価アップの道

三保松原の帰り道に寄った食堂のことを思い出すたびに、「あそこで煮卵を追加していたら、きっと満足度はもっと高かった」と感じます。それはお店にとっての売上でもあり、ぼくにとっての食体験でもある。トッピングの追加は、お客さんにとっても「得をする」選択である場合がほとんどです。

押しつけるのではなく、選びやすくする。気づかせる。喜んでもらえる。そういう設計ができている店は、値下げに頼らなくても、自然に客単価が上がっていきます。

支援実績833件以上の飲食店・美容室・小売店を見てきて確信していることがあります。派手な施策より、こうした地味な一手を「すぐに」「継続して」やり切れる店が、長期的に利益を残し続けています。

「チラシ+Google広告で新規客が約2倍になり、客単価も1,400円上がりました。月商350万円から620万円になるまで6ヶ月かかりましたが、やり続けてよかったと思っています。」

飲食店(居酒屋)オーナー

客単価を上げたい、でも値下げには頼りたくない。そう思っているあなたに、まず取り組んでほしいのが今日お伝えしたトッピングの設計です。大きな投資は必要ありません。メニューの書き方を変えて、声かけの型を作る。それだけでも、数字は動き始めます。

もし「自分の店の場合、何から手をつければいいか」が気になるなら、ぜひ一度のぞいてみてください。同じ方向を向いて、一緒に考えていきましょう。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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