3.儲かる販促と利益アップ

飲食店のおすすめメニュー、注文されるための売り方の話

「これが当店のおすすめです」とスタッフが声をかけても、お客さんの反応がイマイチ。メニューブックを開いてもらっても、結局いつも同じ料理しか注文されない。そんな場面に心当たりはありませんか?

おすすめメニューを決めているのに、なぜか注文が集まらない。POP(ポップ)を作ってみたけど効果がわからない。そもそも「売り方」って何をすればいいのかピンとこない。

これ、実は非常によくある話です。料理の腕には自信がある。食材にもこだわっている。でも売れない。この「ズレ」がどこから来るのかを、今日は一緒に整理していきましょう。

📋 この記事でわかること

  1. おすすめメニューが注文されない本当の理由
  2. メニューを「売れる形」に変えるための5つのチェックポイント
  3. 値下げなしで客単価を上げるための売り方の設計思想
  4. すぐに使えるPOPと見せ方の改善アドバイス

こんな方におすすめ

  • ✅ おすすめメニューを作ったのに注文されなくて悩んでいる方
  • ✅ 値引きやクーポンなしで客単価を上げたい飲食店オーナーの方
  • ✅ POPや見せ方を変えてみたいが何から手をつければいいかわからない方
  • ✅ スタッフに口頭で「おすすめ」を言わせているが成果が出ていない方
  • ✅ メニューブックの構成を見直したいと考えている方
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「おすすめ」という言葉は、じつはほとんど何も伝えていない

まず、ちょっと厳しいことをお伝えします。

「これがおすすめです」という言葉は、お客さんの立場から見ると、ほぼ何も情報を持っていません。何がどうおすすめなのか。なぜ今日食べるべきなのか。食べたらどんな気持ちになるのか。そこが伝わって初めて、人は「それ、ください」と動くわけです。

私がよく言う話なんですが、味は「前提」であって「集客の仕組み」ではありません。同じように、「おすすめです」という言葉は「出発点」であって「売り方」ではない。ここの認識が変わるだけで、メニューの見せ方はガラッと変わります。

「料理の美味しさは、伝わって初めて価値になる。伝える仕事を放棄して、お客さんが気づいてくれるのを待っているだけでは、どれだけ腕があっても勝負にならない。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

では、具体的にどう変えるか。以下のチェックポイントで、自分のお店の現状を確認してみてください。

おすすめメニューの「売れない理由」診断チェックリスト

チェックポイント①:メニューの説明が「食材名」だけになっていないか

「厳選牛使用のステーキ」「旬の野菜たっぷりサラダ」──こういう説明、よく見かけますよね。でもこれ、お客さんからするとまだ「何がいいのか」が伝わっていません。食材の説明は「スペック」であって「価値」じゃない。「どんな気分になるか」「誰に合うか」「なぜ今頼むべきか」という視点が一文でも入ると、反応が変わります。

✅ ポイント:食材の説明に加えて、「食べた後の気持ち」「シーン」「背景(なぜこのメニューが生まれたか)」を一言添える。

チェックポイント②:おすすめメニューが多すぎないか

「全部おすすめです!」という状態になっていませんか。人は選択肢が多すぎると選べなくなります。これをマーケティングでは「選択のパラドックス」と呼びますが、要するに「全部がおすすめ=何もおすすめじゃない」と同じ状態になるということです。

✅ ポイント:本当に推したいメニューは3〜5品に絞り込む。「今月の一押し」「看板メニュー」「スタッフの個人的な推し」など役割ごとに1品ずつ置くと整理しやすい。

チェックポイント③:POPがスタッフの代わりに話しかけているか

スタッフが口頭で「おすすめです」と言う方法は、タイミングも属人化も課題が多い。それよりもPOPが「無言のセールス」として常に機能している状態のほうが、再現性があります。テーブルのPOP、黒板メニュー、レジ横の一言カード──どれも「読んだお客さんが注文したくなる言葉」が書かれているかどうかが分かれ目です。

✅ ポイント:POPには「○○な方へ」「△△の気分のときに」など、読んだ人が「あ、自分のことだ」と感じる切り口を入れてみる。

チェックポイント④:メニューブックの中で「目が止まる場所」に置かれているか

メニューブックには「視線が止まりやすい場所」があります。開いたとき最初に目が行く右上、めくった直後の左ページ上部、最後の1ページ──ここに何を置くかで、注文率はかなり変わります。現状、おすすめメニューがどこに配置されているか、一度確認してみてください。

✅ ポイント:目線の動きを意識してメニューブックを「再設計」する。写真の大きさ、枠線、色の使い方でも視線誘導はできる。

チェックポイント⑤:価格だけが「判断基準」になっていないか

メニューを見たお客さんが「値段が安いから」という理由で選んでいる状態は、長期的に見ると危険です。価格で選ばれる店は、価格で離れていきます。おすすめメニューに「この価格である理由」「この価格でも頼む価値」が伝わっているかどうかが問われます。

✅ ポイント:価格を上げることより、「この価格でこれが食べられるのか」とお客さんに感じてもらえる「価値の伝え方」を先に整える。

✓ ここまでのポイント

  • 「おすすめです」という言葉だけでは何も伝わっていない。食材スペックより「価値」と「シーン」を伝えることが先決。
  • おすすめメニューは絞り込む。多すぎる選択肢はお客さんを迷わせるだけ。
  • POPは「無言のセールスマン」。スタッフの口頭説明より、常時機能する仕組みに変えることが長期的に効く。

「リピート率38%だったのが、LINE集客とフォローアップの仕組みを整えたら71%になりました。月商も年間で1.6倍になって、正直こんなに変わるとは思っていなかったです。」

美容室オーナー(2店舗経営)

値下げせずに客単価を上げる「売り方」の設計ステップ

チェックポイントで現状を把握したら、次は実際に動く順番の話です。よくある失敗は「全部同時にやろうとして、結局何も変わらない」こと。なので、以下のステップを意識してください。

客単価アップ STEP 1

「売りたい1品」を決める

まず、今月最も注文を増やしたい1品だけに絞ります。全体を変えようとしない。その1品に対して、「なぜこれを食べてほしいのか」「食べた人はどう感じるか」「誰に向いているか」を3行で書き出してみてください。この3行が、POPや口頭トークの素材になります。

⚠️ よくある失敗:「全メニューを同時にリニューアルしよう」と考えて、結局1ヶ月以上何も変わらないまま終わる。まず1品だけ。

客単価アップ STEP 2

その1品に「セットで頼まれやすい品」を添える

たとえば、メインの料理に「このお酒と合います」「このスープとセットで食べると全然違います」という一言を添えるだけで、1テーブルあたりの注文数が変わります。これはアップセルとクロスセルの組み合わせで、難しい仕組みは何も必要ありません。POPに一言書くだけです。

⚠️ よくある失敗:「高い料理を買わせようとしている」と感じてしまい、遠慮して何も提案しない。お客さんにとって「知れてよかった」という情報提供の感覚でやること。

客単価アップ STEP 3

変化を2週間続けて、注文数の変化を確認する

POPを1枚貼った、口頭トークを変えた。それを「2週間だけ」継続して、注文数に変化が出たかどうかを確認する。効果測定という難しいことでなくて構いません。「先週より頼まれているか、そうでないか」だけ見ればいい。変化があれば続ける、なければ言葉を変えてみる。その繰り返しです。

⚠️ よくある失敗:1回やってみて「効果がなかった」と判断して止めてしまう。地味な販促は「すぐに」「継続して」やり切ることで初めて結果が出る。

「売れているお店」が実はやっていること

私がこれまで飲食店だけで610件以上の支援をしてきた中で気づいたことがあります。売れているお店は、特別に派手な仕掛けをやっているわけじゃないんです。

看板メニューを「1品」ちゃんと育てている。その1品に、スタッフ全員が同じ言葉で説明できるようになっている。メニューブックとPOPが、スタッフが不在でも「語りかけている」状態になっている。そして、その仕組みを地味に、でも継続してやり切っている。

それだけです。「それだけ」が、できていないお店と大きな差になっていきます。

たとえば、ある居酒屋では、チラシとGoogle広告の組み合わせで新規客がほぼ倍になり、同時に客単価が1,400円アップして、月商が350万円から620万円に変わりました(6ヶ月間)。何か特殊な施策をやったわけじゃなく、「伝え方」を整えて、届ける仕組みを作っただけです。

「月商60万円で赤字続きだったイタリアンが、月商470万円・利益200万円まで変わった。やったことは、伝え方の設計と、広告への継続投資だけ。派手なことは何もしていない。」

ハワードジョイマン(店舗利益最大化コンサルタント)

逆に、値下げやクーポンに頼るだけでは、疲弊するだけです。価格で来たお客さんは価格で去っていきます。「安いから来ている」お客さんを集めるほど、利益は削られ続ける。そこから抜け出すための「売り方」こそが、今日お伝えしたかった話です。

まとめ:おすすめメニューを「売れる形」に変えるには、仕組みが要る

今日の話を整理すると、こういうことです。

  • 「おすすめ」という言葉だけでは何も伝わらない。価値・シーン・背景を伝える言葉に変える。
  • おすすめメニューは絞り込む。全部おすすめは何もおすすめじゃない。
  • POPを「無言のセールスマン」として機能させる。スタッフ頼みの口頭説明から抜け出す。
  • 客単価アップは1品から始めて、2週間続けて確認する。
  • 値下げより、価値を伝えて適正単価で選ばれる店づくりを地道に続ける。

どれも地味に聞こえるかもしれませんが、「すぐに」「継続して」やり切れた店から確実に変わっています。そして、そのやり切るための伴走をするのが、私の仕事です。

もし「どこから手をつければいいかわからない」「POPの言葉が思い浮かばない」「自分のメニューにどう応用すればいいかわからない」という方は、ぜひ下記からご覧ください。一緒に考えましょう。

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ハワードジョイマン

プロフィール

コピーライター/店舗利益最大化コンサルタント
中小企業診断士(経済産業省登録番号 402345)
絵本作家(構想・シナリオ担当)

・有限会社繁盛店研究所 取締役
・株式会社繁盛店研究出版 代表取締役
・株式会社日本中央投資会 代表取締役
・繁盛店グループ総代表

生い立ちと異色の経歴

1975年、静岡県清水市(現:静岡市清水区)生まれ。自営業の家に生まれ、親戚一同も会社経営をしている環境から、幼少期より受付に立ち、商売の基礎を肌で感じながら育つ。

大学入学と同時にお笑い芸人としての活動を開始。活動中には九州松早グループが運営するファミリーマートのCMにも出演する。その後、父の急逝を機に大学卒業後、清水市役所へ奉職。

市役所勤務から独立へ

市役所在職中に中小企業診断士の取得を決意。昼は公務員として働き、夜は受験勉強、週末は現場経験を積むため無給でイタリアンレストランでの修行を重ねるという生活を継続。6年間の猛勉強の末、難関の中小企業診断士資格を取得する。

資格取得を機に7年勤めた市役所を退職。退職後、有限会社繁盛店研究所(旧:有限会社マーケット・クリエーション)を設立し、独立を果たす。

「笑人の繁盛術」による圧倒的な実績

お笑い芸人時代の経験を活かし、小売店・飲食店・美容室・整体院などの集客や販促に、お笑い芸人の思考法や漫才の手法を導入。独自のメソッド「笑人の繁盛術」を用いたコンサルティングにより、クライアントの業績を次々と向上させる。

専門用語を使わない分かりやすい内容のメールマガジンは、読者数1万人を突破。多くの業績アップ報告が寄せられている。また、会員制サポート「増益繁盛クラブ」は、日本全国(北海道〜沖縄)のみならずアメリカからの参加者もおり、その活動はテレビ番組『ガイアの夜明け』でも取り上げられ大きな注目を浴びた。

多角的な活動と信念

現在は、プロのコンサルタントが購読する専門誌『企業診断』(同友館)での連載も手がけ、「コンサルタントのコンサルタント」としても高い評価を得ている。また、自身の経験から確立した株式投資メソッドを伝えるコミュニティ「株研」も運営。

多忙を極める現在も、毎月1回の先祖への墓参りを欠かさない。家族をこよなく愛するマーケッターである。

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